昨今あらゆるメディアで見聞きすることが増えてきたAI。

開発するためには高い技術と専門知識が必要だと考えていませんでしょうか。

AIはプログラミング言語という技術によって開発が進められます。

日常的に触れることが少ない言語ですので、詳しい内容を知らないという方は少なくないでしょう。

実はこのプログラミング言語、習得しようと思えば誰でも学習することが可能なのです。

本記事では、AI開発に利用されるプログラミング言語について、その基本的な概要から実際に利用されている言語について解説します。

一読いただければ、現在AI開発に利用されている言語に加えて、今後AI開発に携わる場合学習すべき言語が理解できます。

ぜひ最後までご覧ください。

|プログラミング言語でAI開発ができる

AI開発には「プログラミング言語」と呼ばれる言語が必要になります。

機械に対して命令を出す際に必要になる言葉なのですが、馴染みがないという方も多いかもしれません。

まず、以下の内容に沿ってそれぞれ基本を確認していきましょう。

  • そもそもAIってどんな技術?
  • プログラミング言語って何?

そもそもAIってどんな技術?

ここ最近、ChatGPTの登場などによって急激に注目度を集めているAI技術。

AIとは、「Artificial Intelligence」の略称であり、日本語に直訳すると「人工知能」となります。

つまり、人間の手によって造られる知能ということですが、AIという言葉に対する定義ははっきりと決まっているわけではありません。

ChatGPTのように会話を行う、自動的に絵を生成する、入力する数字を自動計算するといったソフトを総称して「AI」と呼んでいるのです。

AIはプログラミングによって開発されるため、個人レベルでも専門知識があれば開発可能。

このように、AI開発のベースには、プログラミング言語という技術が利用されているのです。

プログラミング言語って何?

プログラミング言語というと少し難しく感じられますが、端的にいえば「機械に命令をする時に必要な言語」です。

日本語、英語、中国語など人間社会でも言語が分かれているように、機械に対しても適切な言語を使う必要があるのです。

今ご覧になっているWebサイト、アプリケーションといった技術も全て、プログラミング言語によって構築されています。

現在プログラミング言語の種類は200を超えるといわれており、作成する目的に応じて言語を選択しなければいけません。

これは英語圏への旅行なら英語、国内旅行に行くなら日本語を話すイメージと似ているかもしれません。

そして、AI開発が可能となるプログラミング言語についてもいくつかの言語に分かれているのです。

|AI開発が可能となる8つの言語

AI開発が可能となる以下の言語について、それぞれ解説していきます。

  • Python
  • C++
  • R
  • Julia
  • Java
  • JavaScript
  • Matlab
  • Haskell

Python

Python(パイソン)は現在、最もAI開発に適しているといわれる言語です。

AI開発だけではなく、化学計算、Webゲームといった分野においても利用されています。

2023年時点においてAI開発を目的としたプログラミング言語を学ぶ際、最初に候補にあがる言語だといえます。

習得難易度はそこまで高くなく、分かりやすい構文構造になっていることも特長です。

複雑な処理が可能となるディープラーニングと呼ばれる技術にも対応しており、より強力なAI開発が実現するでしょう。

現場で最も利用されていることから、コミュニティによる知識の共有、交流も盛んに行われていることも特長です。

そのため、学習過程でつまずくポイントについてもライブラリ上で公開されている可能性が高いです。

C++

C++(シープラスプラス)は特定の用途に特化することなく、幅広い開発に対応するプログラミング言語です。

AI、機械学習はもちろん、スマホやWebアプリといった開発が可能。

開発も1983年と古く、「プログラミング言語の元祖」といわれることもあります。

現在存在するあらゆるサービスに組み込みやすい上、難しい調整にも適しています。

そのため、C++を扱えるようになれば機械性能を100%引き出した、柔軟な開発が実現するでしょう。

需要がある一方で、学習難易度は高く、初心者が始めに手を出すと挫折するかもしれません。

多言語での開発において、C++を補助的に利用する場合がありますので、第二言語というイメージで選択する方がいいでしょう。

R

R(アール)は統計情報やデータ解析といった分野で頻繁に利用される言語です。

AI開発、機械学習といった分野の開発にも対応しており、統計に関するプログラミングを構築しやすいという特長をもっています。

統計学はAI開発において必須ともいえる技能であり、Rの特製と相性がいいといえます。

しかし、習得難易度については高く、統計学だけではなくデータサイエンスといった別分野の知識も必要となります。

加えて、PythonやC++のように汎用的な開発には向いておらず、統計分析といったジャンルに特化した言語です。

AI開発という場面においては限定的な活躍になりますが、一番の強みである統計においては突出しています。

開発したいAIの方向性によっては最適な選択肢となるかもしれません。

Julia

Julia(ジュリア)は近年急速に注目を集めているプログラミング言語です。

2009年に開発され、2012年にオープンソース化。

JuliaはPythonやRといった言語ライブラリからも扱うことが可能であるため、その開発速度も非常にスピーディーに進められています。

まだ発展途上の言語でありながらも、AI開発に十分対応できる能力を持っています。

学習難易度は比較的優しく、特にPythonを学習している人であれば少ない期間で習得可能です。

文法構造もシンプルであるため、初心者でも分かりやすいでしょう。

今後の可能性を考慮した場合、最初に学習を進める言語として素晴らしい選択となる可能性は高いといえます。

Java

Java(ジャバ)は古くから存在している言語の1つであり、「JVM(Java Virtual Machine:Java)」と呼ばれる仮想空間で動きます。

OSを問わず「JVM」が動けばどの機械でも問題ないということで、世界中のどこにいても、誰であっても開発可能。

そのため、Javaを利用したシステムは世界中に存在しています。

AI開発にも対応している、人気の言語です。

「JVM」を利用して開発したシステムに対して、機械学習やディープラーニングといった技術を組み込めます。

しかし、その開発環境はその他言語と比較して限定的になると言わざるを得ません。

今後の可能性や開発したいAIを考慮した上で、選択することをおすすめします。

JavaScript

JavaScript(ジャバスクリプト)はWebサイト上のスライドショー、申込みフォーム、アニメーションといった動きなどに利用される言語です。

前述したJavaと名称が似ていますが、全く別物ですので注意しましょう。

1996年以降JavaScriptは急速な発展を遂げ、様々なサイト装飾に利用されてきました。

古い言語ではありますが、AIをWebブラウザから利用するためのライブラリを公開しています。

そのため、既存のWebサイトと連動させるAI開発といった面では最も優れているといえるでしょう。

Matlab

Matlab(マットラブ)は有料で利用するプログラミング言語です。

利用には年間12万円から、もしくは30万円の永久ライセンスを購入しなければいけません。

しかし、データ解析やアルゴリズム開発、ディープラーニングと言ったAI開発に必要となる技術が集約されています。

多言語との連携も可能であり、様々な言語からMatlabのライブラリを呼び出す、もしくは相手言語からMatlabの機能を利用することも可能です。

データ分析に関する開発を主に得意としており、日本国内でも様々な企業において導入実績をもっています。

Haskell

Haskell(ハスケル)は1985年にリリースされた比較的古いプログラミング言語です。

純粋関数型プログラミング言語と呼ばれ、バグが起きにくい文法構造と安全性が大きな特徴になっています。

その特長を活かし、現在では株や為替の取引といった場面で利用されることが多くなっています。

機械学習においては数学的な技術も求められます。

そのため、HaskellがAI開発の現場で利用される例は少なくありません。

オブジェクト指向に限定した学習しか行っていない場合は、スキルを広げるという意味でHaskellを学習することは有意義になるはずです。

|現時点ではPythonが最も多く利用されるAI開発言語

AI開発に利用されるプログラミング言語は複数存在しています。

その中で最も利用されており、これから学習を始める場合おすすめとなる言語は「Python」です。

機械学習やディープラーニングといった、現在のAI開発で必須となるライブラリが豊富に揃っています。

加えて、無料で利用できる機能や世界中のユーザーによるソースコードが公開されているなど、開発と学習に優れた環境が整っています。

特に、英語圏ではAIだけではなくWeb開発に関する言語としても幅広く利用されています。

実際、YouTubeやInstagramといったサービスもPythonを利用して構築されているのです。

応用が効き、人気の高い言語としてPythonの学習は間違いない選択肢になるでしょう。

|まとめ

AI開発に関するプログラミング言語の概要から、実際の現場で利用されている言語を紹介しました。

我々が日常的にコミュニケーションをとる言語についても、日本語や英語、中国語といった言語に分かれていることと同様、プログラミング言語も複数存在しています。

2023年現在、人気のある言語としてはPythonがあげられるでしょう。

AI開発だけではなく様々なWebサービスの開発にも利用されており、その応用力の高さから今後も学習者が増えることが想定されます。

プログラミング力は、昔も今も変わらず求められるスキルとして上位に位置しています。

少しでも興味があるという方は、本記事の内容を参考に学習を初めてみてはいかがでしょうか。