「WOMBO」というAIサービスをご存知でしょうか?
2021年に登場したアプリであり、様々な顔写真を元にリアルな口パク動画を生成できます。
このような新しい体験価値は多くのSNS、メディアによって注目を集め世界中のユーザーを獲得しました。
実はこのWOMBOはサービス名と同名称の「WOMBO」という企業によって提供されています。
そして、リリースしているAIアプリはWOMBOだけではないのです。
本記事では、WOMBOが提供するAIアプリについて紹介、解説していきます。
ぜひ最後までご覧ください。
目次
|WOMBOは2つのAIサービスを提供している
WOMBOはカナダのスタートアップ企業であり、現在は2種類のAIサービスを提供しています。
1つ目である「Dream」は画像加工モバイルアプリであり、文章から高品質の絵画を生成できます。
その注目度は非常に高く、リリースからなんと半月で1,000万人以上のユーザーを獲得しました。
そして、社名と同名称のサービスである2つ目の「WOMBO」は画像加工アプリであり、撮影した顔写真が楽曲に合わせて歌うことで大きな注目を集めました。
画像生成、画像加工というサービスによってWOMBOは一躍国際的な成功を収めることになったのです。
2021年8月には中国の大手通信機器メーカーであるファーウェイとも協業し、世界第3位のアプリ市場であるAppGalleryへのリリースも実現しました。
|英文から絵の内容が指定できる「Dream」
画像生成アプリである「Dream」では、AIに対して描いてもらいたい内容を英文で指示を行います。
この内容はMidjourneyと同様ですが、Dreamでは英語圏外のユーザーでも簡単に利用するための工夫がされています。
入力に必要な文章は全てユーザーが指示するのではなく、自動で表示される候補一覧から丹後や熟語を選択可能です。
作風の選択については英文ではなく、実際のイメージ画像から選択し指示できます。
そのため、スペルが分からなくても表示されている中から選ぶことで、大まかな内容は簡単に指示できます。
また、文章ではなく自身で描いた参考画像を用いてカスタマイズすることも可能。
想像通りの絵画を生成するという点では、Midjourneyよりも優れているかもしれません。
「Dream by WOMBO」の主な特長
Dreamは無料で利用可能です。
アプリはもちろん、絵画の生成からダウンロードに至るまで一切の料金は発生しません。
しかし、画像のテイストパターンを多くしたい場合や、混雑時でも優先して処理したいと考える場合は月額650円のプランも存在しています。
また、生成した絵画の購入を希望する場合にも別途料金がかかります。
購入した絵画は、以下のサイズから選択できます。
- 12 × 18 in
- 18 × 24 in
- 16 × 24 in
- 20 × 30 in
- 24 × 36 in
プリントスタイルについても標準からマット、プレミアなどの内容から選択可能です。
生成した画像を気に入った場合には、プリントアウトして自宅に飾るという選択もできるでしょう。
また、Dreamは基本的に英語での利用になりますが、日本語にも対応しております。
しかし、指示精度については英語に劣りますので、より正確な絵画を生成したい場合には英語での利用が適しているでしょう。
商用利用はできない
生成した画像データについては、商用利用できない点は注意が必要です。
全ての画像の著作権は全て、「WOMBO社」にあると利用規約に明記されています。
そのため、利用規約に反した利用をしてしまうとトラブルに発展するかもしれません。
著作権法上では、「思想又は感情を創作的に表現したものに対して著作権が発生する」と定められています。
AIを利用した創作活動は、この条件に該当しないと考えられているのです。
この事実はDreamだけではなく、その他AIサービスを利用する上でも把握しておかなければいけません。
|口パクアプリ「WOMBO」
画像加工アプリである「WOMBO」は撮影した顔写真に対して、AIによるリップシンクによってまるで歌を歌っているような加工ができます。
革新的なサービスということもあり急速にユーザーを獲得し、提供開始から第2四半期までに世界の上位ダウンロードの32位にランクインしました。
多くのユーザーがSNS上に著名人や二次元キャラクターによる作品を投稿し、大きな盛り上がりとなったのです。
顔写真の口だけではなく、目元などの表情も動かすため非常にリアリティのある作品に仕上がります。
ユーザーは画像一枚を選択し、楽曲を指定するだけで投稿できますので、その手軽さも人気を集めた要因と考えられます。
「WOMBO」の主な特長
WOMBOでは、特定の楽曲に対して開発者が用意したモーションキャプチャーを合わせた動きが用意されています。
この動きに沿った形で、ユーザーが選択した画像は動くという仕組みです。
SNS上では各国の政治家、モナ・リザなどの名画、アニメや漫画、ゲームのキャラクターといった様々な「顔」による動画が投稿されています。
利用された「顔データ」については、アプリ内にのみ保存され、動画作成後は速やかに削除されるとしています。
利用に関しては無料ですが、月額約500円のサブスクリプションも存在しています。
この場合、広告の非表示からデータ処理の向上といった恩恵を受けられます。
ディープフェイクへの対策
WOMBOではあらゆる著名人による口パク動画が作成されています。
それらは非常にリアルな動画のため、一見すると本当に本人が歌っていると勘違いしてしまう可能性があります。
このように、まるで真実かのような偽造情報は「ディープフェイク」と呼ばれます。
WOMBOは「限られた楽曲のみを対象にする」ことでディープフェイクへの対策を講じています。
まだ新しい技術であるため、さらなる問題も現れるかもしれませんが、長い期間をかけて人々が受け入れていくことになるでしょう。
|両サービスの利用方法
それでは、DreamとWONBOの利用方法について確認していきましょう。
「Dream」について
アプリをダウンロードし、絵画を生成する文章を入力します。
この文章は「プロンプト」と呼ばれ、200文字以内で収める必要があります。
プロンプトの良し悪しで生成される絵画の品質が変わりますので、何度か試しながらコツを掴んでいきましょう。
ある程度まとまった段階で「Create」をクリックすれば、10秒程度で内容に沿った絵画が完成します。
「Download」をクリックするだけで、クレジットが記載された絵画が無料ダウンロード可能。
商用利用はできませんが、SNSへの投稿は可能ですのでぜひ共有してみましょう。
「WOMBO」について
アプリをダウンロードし、カメラとストレージへのアクセス権限を付与します。
そして、既にある顔写真を選択、もしくはカメラ機能によって利用したい画像を撮影しましょう。
利用できる顔写真については、鮮明に写っており、なおかつカメラ目線の必要があります。
問題なければアプリ内で楽曲を選択し、顔写真をアニメーション化します。
唇のモーションキャプチャーと顔写真が同期できれば、処理画面に移り生成が完了します。
このように、ユーザーが行う動作は顔写真と楽曲の選択のみと非常に簡単。
作成した動画についてはSNSでの共有が可能となっています。
|まとめ
カナダのスタートアップ企業「WOMBO」が提供する2種類のアプリについて解説しました。
Dreamはテキストベース、もしくは参考画像から高品質な絵画を生成できます。
そして、WOMBOでは顔写真を楽曲に合わせて口パクのように歌わせることが可能です。
どちらのアプリもAI技術が利用されており、これまでにない体験をユーザーに提供しています。
現在も急速に発展を続けるAI技術は、このようなエンタメ分野においても活躍しているのです。
基本的には無料利用が可能であるため、まだダウンロードしたことが無いという方は、ぜひ両アプリを試してみてはいかがでしょうか。