「AIのべりすと」は、日本語に特化したAIによる文章作成ツールです。
主な用途は小説の執筆で、導入文を入力するだけでその後のストーリーをAIが書いてくれたり、途中まで書いた小説の続きを考えてくれたりします。
気に入らない点は削除したり修正したりできるうえ、何度でも書き直しを命じることができ、商用利用も可能です。
今回は、そんな「AIのべりすと」の特徴や料金、使い方、さらに注意点について詳しく解説します。
目次
|AIのべりすととは
「AIのべりすと」は、2021年7月に日本のゲームクリエイターであるSta氏がリリースした、日本語に特化したAIによる小説作成ツールです。
生成AIは、ChatGPTに代表されるように、英語をベースとした言語モデルが主流ですが、「AIのべりすと」は、日本語の文章データを大量にまとめた約500GB(=文庫本174万冊分に相当)のコーパスを使って学習を行い、68.7億パラメータを有するため、極めて高い精度の文章作成能力をもちます。
わすか数行の書き出しを入力するだけで、その後のストーリーを考えて小説を書き上げてくれます。
設定を変更することによって、ストーリーのタッチや展開に変化をつけることも可能です。
|AIのべりすとの特徴
小説作成AIツールとしては注目度の高い「AIのべりすと」ですが、実際に利用するとなると料金や商用利用についても気になるのではないでしょうか。
そこで、その特徴についてさらに詳しく掘り下げていきましょう。
AIがストーリーを考えてくれる
小説の冒頭を入力すれば、その続きを「AIのべりすと」が自動で作成してくれます。
書き上げるまでの時間は入力する導入文の量にもよりますが、おおむね1秒程度という驚異的なスピードです。
日本語の言語モデルを大量に学習しているため、語彙や表現力が豊かで、文章の流れも人が書いたように自然で違和感が少ないのが特徴です。
完成した作品は、テキストデータとして自由にダウンロードしたうえ、PCやスマホ上で利用可能です。
無料でも利用可能
「AIのべりすと」は、だれでも無料で利用可能です。
小説の作成のみならず、ストーリーの要約、登場人物とのチャット、俳句を詠ませるといったことも無料でできます。
しかし、無料の場合は出力回数が制限されるので、上限に達するとしばらく時間を置かなければ執筆が再開できません。
また一度に出力できる文字数や作品全体の文字数も、後述する有料版に比べると短くなるため、作品の完成度にマイナスの影響がでる恐れがあります。
商用利用ができる
「AIのべりすと」は無料・有料を問わず、作成した文章を商用利用することができます。
小説として販売し収益を得たとしてもマージンを支払ったり、著作権侵害で訴えられたりする心配はありません。
非オリジナルのプラットフォームを利用する場合、許可を得なければ商用利用できなかったり、著作権を譲渡しなければならなかったりすることがあります。
しかし「AIのべりすと」はその必要がないため自由度が高いところも利点です。
|AIのべりすとの料金
「AIのべりすと」の有料版の料金や大まかな機能について紹介しましょう。
具体的には以下の3つのプランが用意されています。
- ボイジャー会員
- ブンゴウ会員
- プラチナ会員
ボイジャー会員 | ブンゴウ会員 | プラチナ会員 | |
月額料金(税込) | 1,067円 | 1,815円 | 3,278円 |
専用サーバーの優先利用回数(月毎) | 6,000回(以後、5,000回毎に優先度が降下) | ボイジャーと同じ | 無制限 |
同時認識可能なトークン(文字)数 | 1,200(約3,000字) | 2,048(約5,000字) | ブンゴウと同じ |
一度で出力可能なトークン(文字)数 | 80(約200字) | 120(約300字) | 150(約375字) |
キャラクターブックの上限 | 100個 | 200個 | 200個 |
|AIのべりすとの使い方
「AIのべりすと」の使い方について解説しましょう。
小説を自動執筆するのが主ですが、設定により作品のイメージを変更することができますし、執筆以外にチャット機能も使えます。用途に合う使い方をしてください。
公式サイトからすぐに使用できる
まず「AIのべりすと」の公式サイトにアクセスしてアカウント登録を行います。
トップ画面右上の「サインイン」をクリック
↓
遷移画面の「新規アカウントフォーム」で「メールアドレス」「パスワード」を入力(名前などの個人情報は不要)して新規登録ボタンをクリック
↓
登録したメールアドレスに確認メールが届く
↓
メール内に記載されたURLを開くと登録完了
↓
登録したメールアドレスとパスワードでログインすると利用できます。
小説モード
ログインすると、トップ画面で「小説モード」と「チャットモード」が表示されます。小説を作成したい場合は「小説モードではじめる」をクリックします。
すると、
・デフォルト(AIに好きに書かせます)
・セリフ(台詞を優先)
・ナラティブ(地の文を優先)
以上の3種類から出力モードを選択するようになっているので、好きなものを選びます。
自分で導入文を入力し、3種類とも試してみると違いについてイメージが掴めるでしょう。
チャットモード
「チャットモードではじめる」を選択すると、チャットモードでAIとセリフのやり取りをしながら小説が作れます。
自分の名前と相手の名前を設定すれば、自由にチャットを使って会話を続けることが可能になります。
小説モードは、導入文以降をAIにすべて任せる形になります。
チャットモードの場合は、自分主導で話題の方向性を自由に調節することが可能なためAIと共同作業で小説を作り上げる感覚を楽しむことができるでしょう。
オプションで設定を追加
画面上の歯車アイコンをクリックしてオプション設定を使えば、ストーリー展開や文体をさまざまな形にアレンジすることができます。
具体的には以下の項目があります。
- ノベルス→デフォルト値
- ゴーストライター→入力した文に似た文体
- オルタナv2→小説らしい装飾を付した文
- クリエイティブ→AIの自由な発想に任す
- スローペース→話がそれにくい
- デイドリーマー→論理と創造を重視した文
- タスク→プロフィール設定が可能
|AIのべりすとを使用する上での注意点
小説のパターンは無限にあるので、人によって良し悪しの基準は異なります。
よって完成した作品の評価は常に自分が行う必要があるでしょう。
そこで最後に「AIのべりすと」を使用する上での注意点を解説しましょう。
人間の目でチェックが必要
「AIのべりすと」が作成した文章は、滑稽に感じたり読むに値しない的外れなものであったりすることがあります。
そのため、必ず人間の目でチェックした上で修正したり、設定を変えて書き直しを命じたりしなければなりません。
リトライは何度でも可能ですし、あらかじめ禁止ワードを設定して特定の言葉や表現を排除することもできます。
これらの機能を駆使しながら、トライアンドエラーを繰り返して完成を目指すのが妥当でしょう。
ビジネス向けにはおすすめできない
「AIのべりすと」の作品は、趣味や同人など非営利目的で利用する分にはさほど問題はないかもしれません。しかしビジネス利用となると話は別です。
ことによっては不適切な内容や、大きな誤解や混乱などを生む可能性があるからです。
物語の中身も人が執筆した作品と比べると、わざわざお金を支払って読むに値するレベルになるとは言い切れないため、ビジネス利用するにしても細かく修正を行うなど慎重な姿勢が求められるでしょう。
|まとめ
「AIのべりすと」は、細かくオプションを設定したり、禁止ワードやキャラクターブックなどを使ったりしながら入念に作り込むことにより、人の作品と比べても遜色ないレベルにまで仕上げることができます。
自己にない着想を得るという意味でも非常に有効といえるでしょう。
ただしビジネス利用となると、精度の面で危険が伴うため、安易な使用はおすすめできません。
今後の更なる進化を待ち、先の楽しみとしてはいかがでしょうか。