AIの普及に大きな役割を果たしたOpenAIの製品、ChatGPT。

無償で利用できることもあり、既に多くの人に活用されています。

しかし、その進化形「ChatGPT Plus」については、まだ詳細を把握していない方も少なくないかもしれません。

「何ができるのか」「無料版との違いは何か」と、様々な疑問が頭をよぎるでしょう。

そんなあなたの疑問や不安を払拭するために、この記事ではChatGPT Plusの全体像を詳細に説明します。

ChatGPT Plusの具体的な機能、使用方法、料金、そしてその活用法まで、詳しく解説いたします。

これからAIをビジネスに導入しようと考えている方、既に活用している方でも、本記事を通して新たな知見を得ることであなたのビジネスの一助となることでしょう。

それでは、ChatGPT Plusが切り開くAIの新しい可能性を一緒に探求していきましょう!

|ChatGPT Plusとは

出典:https://openai.com/blog/chatgpt-plus

ChatGPT Plusは、OpenAIが提供を開始したChatGPTのサブスクリプションサービスで、最新のAIモデル「GPT-4」をいち早く利用できます。

GPT-4は、大規模言語モデル(LLM)で、人間の言語を解析し、新しいテキストを作り出すためのAIの根幹部分となっています。

GPT-4は、前世代のGPT-3.5と比べて大幅に性能が向上しており、回答の精度、表現力、言語の理解力などが大幅に改善されています。

また、ChatGPTは近年ユーザー数が急増した結果、レスポンスの遅延が問題となっていますが、ChatGPT Plusでは、サーバーが混雑していても優先的にアクセスできる特典があります。

このように、ChatGPT Plusは通常版に比べて性能と利便性が大幅に向上した有料バージョンとなっています。

これまでの仕事の常識を覆す可能性を秘めており、その価値は計り知れません。

この後のセクションでその特徴を詳しく説明していきます。

|通常版とChatGPT Plusの違い

最も気になるのは「なにが違うの?」という点ではないでしょうか。

当然、通常版と有料版のChatGPTにはいくつかの重要な違いがあります。

それぞれの違いを理解することで、どちらがあなたのニーズに最適なのかを判断することができるでしょう。

その違いを一つ一つ見ていきます。

対話の質の違い

GPT-4の導入により、対話の回答が非常に高精度となっています。

GPT-4に司法試験の模擬テストを受けさせてみたところ、GPT-3.5ではテスト受験者の下位10%程度のスコアだったのに対し、GPT-4では上位10%のスコアを達成しました。

これは、GPT-4がより高度な理解力と生成能力を持つことを示しています。

また、GPT-4は利用者からのフィードバックをより効果的に反映し、利用者が得たい情報をより正確かつ短時間で得られるようにプログラミングされています。

利用できる機能の違い

ChatGPT Plusでは、通常版にはないいくつかの新機能が利用可能です。

その一つとしてプラグイン機能があります。

ChatGPT Plusには多種多様のプラグインがあり、これをインストールすることでその機能をさらに拡張することができます。

また、最近導入されたコードインタープリター機能では、ファイルをアップロードできたり、プログラムの実行までが可能になりました。

これらの新機能については後述のセクションで詳しく解説します。

ユーザー体験の違い

ChatGPT Plusでは、ユーザー体験を大きく向上させてくれています。

その一つが応答時間の短縮です。

有料版のChatGPT Plusは無料版に比べてレスポンスが早く、ユーザーにとってはより流れるような会話が可能です。

ビジネスや研究のように時間の効率性が求められる場面では、その価値は非常に大きいです。

また、ChatGPT Plusでは、ピークタイムでもアクセスが可能です。

無料版のChatGPTでは、ピークタイムにアクセス制限がかかる場合がありますが、ChatGPT Plusでは、 ユーザーは時間を問わずAIサービスを使用することが可能です。

これにより、ユーザーは自分の都合に合わせてAIサービスを利用することができます。

料金の違い

ChatGPT Plusの料金は、月額20ドルです。

現在のレートで日本円に換算すると月額約2,700円となります。

支払い方法はクレジットカードのみとなっており、Visa、Mastercard、American Express、Discover、JCB、Diners Clubの各クレジットカードに対応しています。

デビットカードやPayPalは利用できませんのでご注意ください。

この月額料金を支払うことで、先述した高性能な機能と優先利用権を得ることができます。

あなたの利用目的に応じて最適なプランを選択してください。

 

|ChatGPT Plusでできること

ChatGPT Plusでは、その革新的なAI技術によりさまざまなことができるようになりました。

このセクションでは、その優れた機能について詳しく解説していきます。

人間らしい文章生成

ChatGPT Plusになって最初に驚くのは、人間らしい文章を生成する能力です。

前世代のGPT-3.5でもすでに驚くべき性能でしたが、GPT-4はさらにそれを上回ります。

GPT-4は、GPT-3.5よりもさらに膨大なテキストデータを学習し、その結果、人間が使用する言語を理解し、精度の高いテキストを生成できるようになりました。

これにより、例えばブログ記事の作成やレポートの作成、メールの作成など、さまざまなシーンで活用できるでしょう。

また、ChatGPT Plusは、ユーザーからの指示に基づいて特定のスタイルやトーンで文章を生成することも可能です。

これにより、ユーザーは自分の思考を直接文章に変換でき、より効率的な文章作成ができるでしょう。

また、ユーザーからのフィードバックを学習に取り入れることで、より人間らしい、自然な文章を生成する能力を日々向上させています。

ChatGPT Plusは、人間が書いたかのような高品質な文章にどんどん近づいています。

高速な学習と効率的な処理

ChatGPT Plusの特徴の一つは、その高速な学習能力と効率的な処理力です。

これは、ChatGPT Plusが採用している高度なアルゴリズム、トランスフォーマーモデルの効果です。

このモデルは、人間の言葉を理解し、それを基に新しい文章を生成することができます。

このトランスフォーマーモデルは、24層の構造を持ち、15億ものパラメータを使って学習しています。

これにより、複雑な文章や話題でもスムーズに対応できます。

また、ChatGPT Plusは、ユーザーからのリクエストも高速に情報処理が可能です。

ユーザーが何かを入力すると、すぐに反応して適切な回答を作り出します。

つまり、人間と対話するような自然で高度なコミュニケーションが可能となっています。

前のモデルGPT-3.5でもすでに高度なやり取りはできましたが、より人間らしさに磨きがかかっています。

プラグインによる機能拡張

ChatGPT Plusの大きな魅力の一つは、プラグインによる機能拡張が行えることです。

これは、ChatGPT Plusが提供する基本的な機能を超えて、さまざまな追加機能を提供するものです。

プラグインを使用することで、文章の校正や翻訳、SEO施策などの特定のタスクを効率的に行えます。

これにより、ユーザーは自分のニーズに合わせてChatGPT Plusをカスタマイズし、より多くの機能を利用することができます。

2023年7月17日現在、700近くのプラグインが公開されており、ユーザーは必要な機能を自由にインストール可能です。

インストールしたプラグインは3つまで同時使用ができ必要に応じて自由にカスタマイズできます。

これらのプラグインにより、ChatGPT Plusは単なる文章生成ツールを超え、多機能なAIアシスタントとしての可能性を広げています。

コードインタープリター機能

「コードインタープリター」は、2023年7月7日に追加された新機能です。

この機能は、Pythonコードの実行や、ファイルのアップロードを可能にし、データ分析と可視化、ファイル形式の変換など、多岐にわたる活用が可能です。

コードインタープリターの使用例としては、画像の色を抽出してパレットを作成したり、CSVデータを解析してデータ分析を行ったり、PowerPointファイルを作成したりと、あらゆる場面に活用できます。

これまでもプログラミングのコードを生成は可能でしたが、今回のアップデートで”実行”までできるようになった点が大きな進化です。

これにより、ユーザーはChatGPTを使ってデータ分析、チャート作成、ファイル編集など、さらに多様なタスクに対応でき、AIアシスタントとしての可能性を広げています。

|ChatGPT Plusの利用方法

ChatGPT Plusの始め方は非常に簡単です。

ここではChatGPT Plusの利用方法について見ていきましょう。

ChatGPT Plusへのアップグレード方法

ChatGPT Plusへのアップグレードは以下の手順で行います。

  1. ChatGPTのサイトにアクセスし、左下の「Upgrade to Plus」をクリックします。
  2. 支払い方法と住所を入力します。
  3. 規約確認のチェックボックスにチェックを入れ、「申し込む」ボタンを押します。

これでアップグレード完了です。

ChatGPTのWebページに「GPT-3.5」と「GPT-4」の切り替えボタンが表示されるので、これを切り替えることでGPT-4を利用できます。

各種機能とプラグインの利用方法

各種プラグインの導入手順は以下のとおりです。

①プラグインの有効化:

  1. ChatGPTにアクセスし、画面左下にある「…」をクリックしメニューを表示します。
  2. 歯車の「Settings」をクリックします。
  3. 設定画面の「Beta features」をクリックします。
  4. 「Plugins」のトグルボタンを押して有効にします。

   ※標準プラグインであるコードインタープリターも同様の手順で有効化できます。

②プラグインの導入:

  1. チャット画面でGPT-4モデルを選択し「Plugins」をクリックします。
  2. 「No plugins enabled」をクリックします。
  3. 「Plugin store」が表示されるので、これをクリックします。
  4. Plugin storeでは、各種プラグインが表示されます。
  5. 必要なプラグインの「Install」のボタンをクリックしてインストールします。

③プラグインの設定:

  1. チャット画面でGPT-4モデルを選択し「Plugins」をクリックします。
  2. 「No plugins enabled」をクリックします。
  3. 導入したプラグインが表示されるので必要なものを選択します。
  4. プラグインは3つまで選択可能で、選択したらチャットを開始します。

ChatGPT Plus解約方法

ChatGPT Plusの解約は以下の手順で簡単にできます。

  1. ChatGPTにアクセスし、画面左下の「…」をクリックしてメニューを開きます。
  2. 「My plan」をクリックし、「Manage my subscription」を選択します。
  3. 管理画面で「プランをキャンセル」をクリックします。

これで解約完了です。

なお、解約手続き後も更新日まではChatGPT Plusを利用できます。

|ChatGPT Plusのビジネスでの活用法

ChatGPT Plusは、その高度な文章生成能力と多様な拡張機能により、ビジネスの様々な場面で活用できます。

ここでは具体的な活用方法についていくつかご紹介します。

文章の生成や校正

ChatGPT Plusは、文章の生成や校正に大いに役立ちます。

ビジネスメールやレポート、ブログ記事など、あらゆる種類の文章を生成する際に、ChatGPT Plusは優秀なアシスタントとして機能します。

特にビジネスメールを書く場面では重宝します。

例えば、謝罪文や招待状などかしこまった文章を書くとき、正しい文法、謙譲語、丁寧語の使い方に迷う方も多いのではないでしょうか?

そんな時、ChatGPTなら数秒でそれらしい文章を生成してくれます。

ただし、生成された文章が常に完璧であるとは限らないため、生成された文章を自分の目でしっかりと確認することが重要です。

また、自分で書いた文章を貼り付けて「次の文章を添削して」と指示を出せば、いつでもすぐに客観的なフィードバックがもらえるのも大きなメリットです。

ブレインストーミング

ChatGPT Plusは、膨大なテキストデータを学習しているため、創造的で柔軟なアイデア出しが得意です。

新たな視点やビジネス上の革新的なアイデアのヒントを得ることができるでしょう。

例えば、新しいサービスや製品の商品名を考える時、商品のコンセプトや機能を伝えて「この商品名を10個提案して」と指示を出せば数秒でそれらしい商品名を複数提案してくれます。

「オノマトペと使った名前」など方向性や条件を付ければ、より商品イメージとマッチした名前を提案してくれるでしょう。

このように、ChatGPT Plusはブレインストーミング支援ツールとして、ビジネスにおける課題解決やアイデアの創出において非常に役立ちます。

マーケティング支援

ChatGPT Plusは、マーケティング業務における強力な支援ツールとなり得ます。

例えば、競合企業や市場調査、SWOT分析などのツールとして利用できます。

「国内で有名な菓子メーカーを5社程度挙げてください」と入力すれば、該当する会社を出力してくれます。

このときのコツとしては、最初に前提や概要を伝えること、どんなアウトプットが欲しいか具体的に伝えることが重要です。

上記の例であれば、「新製品のチョコ菓子の競合調査をします」「コーポレートサイトのURLを含めて表形式で出力してください」など、目的と出力形式を入力するとよいでしょう。

他にも、SEOキーワードやコンテンツの提案、データ分析から市場トレンドの把握などにも活用できるでしょう。

カスタマーサポートの自動化

自然な対話ができるChatGPT Plusは、カスタマーサポートに適任でしょう。

AIチャットボットとして活用すれば、顧客からの一般的な質問に対して24時間対応の自動応答システムの構築が可能です。

また、カスタマーサポートの人手不足の問題や、オペレーター間での回答品質のバラつきといった問題の解消も期待できます。

さらに、ChatGPTは指定したデータソースから情報を引き出すため、一貫性のある正確な回答を提供します。

これにより、誤回答のリスクが大幅に軽減され、信頼性の向上と、オペレーションも効率化も同時に実現できるでしょう。

|ChatGPT Plusの注意点

ChatGPT Plusは革命的なAIですが、あくまで人間をサポートするツールであり、以下の注意点を念頭に置いておきましょう。

AIの限界: ChatGPTは人間のような回答をしますが、意識や感情を持つわけではありません。あくまでAIであり、ユーザーの感情やニュアンスを完全に理解することはできません。

情報の鮮度: ChatGPTは大量のテキストデータから学習していますが、そのデータは2021年までのものです。この点はChatGPT Plusでも同様です。ただし、「Link Reader」プラグインでこの問題を解消できます。(詳しくはこちら

情報の正確さ: ChatGPTの回答は必ずしも正確であるとは限りません。ユーザーはChatGPTが提供する情報を鵜呑みにせず事実確認することが重要です。

プライバシーの保護: 個人情報や機密情報の入力は避けましょう。ChatGPTはユーザーとの対話を通じて絶えず学習しています。不用意な入力は個人情報流出のリスクが伴います。

偏見の可能性: ChatGPTは学習するテキストデータに偏りがあると、その偏りを反映した回答をすることがあります。ユーザーはこの点を理解し、ChatGPTの回答に対して批判的な視点を持つことが重要です。

|まとめ

いかがでしたか?

本記事では、ChatGPT Plusの特徴や通常版との違い、利用方法からビジネスへの応用まで詳しく解説しました。

有料版のChatGPT Plusにするとどんなことができて、どんなメリットがあるのか、どうやって利用するのか、ご理解いただけたのではないでしょうか?

その驚異的な言語処理能力、言語生成能力は仕事やライフスタイルに革命的な変化をもたらすことでしょう。

ChatGPTが登場したのは2022年11月です。

わずか半年たらずでChatGPT Plusへと劇的な進化を遂げています。

ChatGPTの進化は、あらゆる分野でイノベーションを巻き起こしていくことが予想されます。

具体的なアイデアを得た方も、まだ具体的にイメージが湧かない方も、すぐに解約も可能なので、これを機に一度試してみることをおすすめします。