ChatGPTの登場により、AIの民主化が急速に進行しています。

この波は就職活動にも影響を及ぼし、AIを活用した就活の新時代が到来しようとしています。

「就活にAIをどう活用するの?」「どうやって効率化するの?」と興味が湧く一方で、「人生を左右する就活をAIに任せるのはどうなのか?」と疑問を持つ方もいるかもしれません。

この記事では、AIを活用した就活のネガティブな側面も踏まえつつ、具体的にどのような活用方法があるのかを詳しく紹介していきます。

AI就活の用法用量を知り、就活を効率化し、ストレスを軽減する新たな方法が見つかるかもしれません。

それでは、一緒にAIを活用した新たな就活のあり方を探求していきましょう!

|そもそも就活にAIを活用して大丈夫か?

就活にAIを活用することに関しては、企業側・学生側において様々な意見があります。

AIはあくまでツールであり、それを活用するかどうかの最終的な意思決定は人間が行うべきです。

このセクションでは、AI活用の判断基準を持つため、現代の就活環境におけるAIの活用状況、AIを活用することへの懸念、そしてAIを活用するメリットについて詳しく見ていきましょう。

AIの活用が進む現代の就活環境

現代の就活環境におけるAIの活用状況を見てみましょう。

Job総研の「2023年 生成AIの就活実態調査」によれば、全体の9割以上が生成AIの存在を認知し、71.2%がすでに使用経験があるという結果が出ています。

この結果から、学生の間では生成AIの使用は常識となりつつあるといえます。

一方で、「今後就活でAIを使用する意向があるか?」という質問に対しては、使用する派は41.8%に留まり、就活への利用は慎重になっている学生が多いようです。

続く「生成AIは就活に役立つか?」という質問に対しては、91.4%の学生が”役立つ”と答えており、学生の大半がAIを利用したいが様々なリスクを考慮して躊躇していることが伺えます。

これは、AI技術のさらなる進化や社会への浸透によりリスクが軽減されると、AI就活はもはや当たり前になる可能性があります。

AIを活用することへの懸念

学生が就活にAI活用を躊躇する理由はどこにあるのでしょうか?

同調査の自由記述回答を見ると次のような意見があります。

「使い方を間違えると自分の思考がなくなってしまう」

「AIが人間の仕事を奪うイメージが強い」

「AIに就活で使用する資料を作らせても企業側にばれた時のリスクが大きい」

これらの理由はもっともです。

しかし、これらの懸念はAIの理解を深め、適切な使い方を学ぶことで解消できる可能性があります。

また、AIは就職してから仕事のあらゆる場面で使われていくことでしょう。

AIの使用に否定的な企業が、今後市場で強みを発揮できるか疑問です。

たしかに、使い方によってはネガティブな印象を持たれるかもしれませんが、企業がAIに対してどういうスタンスかは、企業選びにおいて重要な要素です。

AIの活用に対する理解と知識を深めていくことが大切ではないでしょうか。

|AIを活用するメリットと注意点

AIを活用することで、効率的な情報収集、自己PRやエントリーシートの質の向上、面接対策など多くのメリットがあります。

それらAIのメリットを上手に使いこないしていこうという姿勢が重要です。

ただし、注意点もあります。

企業側もAI利用が前提で採用基準を設定するはずです。

AIを100%信用してそのままコピペするのではなく、AIの回答が適切かどうかを自分でしっかり判断することが重要です。

AI利用が当たり前となった新卒採用では、エントリーシートの質より面接に重きを置かれることが予想されます。

その際に自分の言葉で語れるように、自分のエピソードやストーリーの整合性を持つようにしておきましょう。

|AIを活用した就活の具体的な手法

就活にAIを活用するといっても具体的にどのように活用するのかイメージを持てない方も多いかもしれません。

このセクションでは、最もメジャーとなった生成系AI「ChatGPT」を就活に活用する具体的手法についてご紹介していきます。

無料版でも十分に就活のサポートすることが可能ですが、有料版の「ChatGPT Plus」では、より高度な機能を利用できます。

就活でChatGPTを利用する具体的手法を知り、より効率的で質の高い就活を実現しましょう。

ChatGPTでエントリーシート作成を劇的に効率化!その具体的な手法

エントリーシートの作成は就活の中でも特に時間と労力を要する部分です。

ChatGPTを活用することで、この作業を劇的に効率化することが可能です。

例えば、「私のリーダーシップ経験を強調した自己PRを作ってください」や、「この企業に興味を持った理由を説明するための志望動機を作ってください」などと指示すれば、数十秒で適切な回答をしてくれるでしょう。

このとき、どんな企業を選考していて、具体的にどんなエピソードがあるのかを入力するのがポイントです。

「#選考企業:Web制作会社のディレクター職」「#学生時代のエピソード:サークルイベントを主催して成功を納めた経験」など、「#」できるだけ具体的な指示をすることで、より適切な回答を得ることができます。

ただし、ChatGPTの回答はあくまで参考の一つであり、そのままコピペするのではなく、自分の言葉として適切かどうかを自分で判断することが重要です。

ChatGPTは経験から得た感情を理解することはできません。

自分のエピソードやストーリーに整合性が持てているか、その時の心情はどうだったか、自分自身の視点で再度内容を確認し、加筆修正することが必要です。

このように、ChatGPTを活用することで、エントリーシート作成の効率化だけでなく、自己理解を深めるきっかけにもなるでしょう。

ChatGPTで企業研究を効率化!その具体的な手法

ChatGPTは、企業研究を効率化するための強力なツールです。

特に企業研究の初期段階では、ChatGPTを使用して特定の業界や企業に関する情報を迅速に収集することが可能です。

例えば、「〇〇社の基本情報を教えて」「〇〇の企業文化や理念は?」「競合を5つ挙げて」といった質問をChatGPTに投げかけることで、必要な情報を短時間で得ることができます。

ただし、ChatGPTの知識は2021年9月までの情報しか持っていないことを念頭におき、情報を鵜呑みにしないよう注意しましょう。

また、有料版「ChatGPT Plus」のプラグイン「Link Reader」をインストールすることで、最新情報を持たない弱点を克服できます。

「Link Reader」の詳しい説明についてはこちらをご覧ください。

このように、​​ChatGPTを使うことで企業分析の時間を大幅に短縮できること、膨大な情報を整理し、必要な情報を取り出せるなど、多くのメリットがあります。

企業研究の初期段階において非常に有効な手段となるでしょう。

ChatGPTで面接対策を強化!その具体的な手法

ChatGPTは面接対策にも大いに役立ちます。

ChatGPTに面接官になってもらい、模擬面接をしてもらいましょう。

ChatGPTから面接官として良い質問を引き出すには、最初に前提となる設定と期待する回答をインプットすることが重要です。

「#前提:あなたは〇〇社の人事責任者で、最終面接の面接官です。私は来年度新卒採用面接の応募者です」

「#要望:入社後営業職で活躍できそうな新卒者の採用がミッション。一問一答の対話形式で進めて。候補者の回答を深掘りする質問をして」

このような形でプロンプトを入力します。

するとChatGPTから、面接官として質問を投げかけてくれるのでそれに回答します。

その回答に対して採用担当者の視点で評価をフィードバックしてくれます。

これにより、自己認識を深め、自己改善のための具体的なステップを見つけることができるでしょう。

AIで業界研究を効率化!その具体的な手法

自分が飛び込もうとしてる業界を知ることも就活においてはとても重要です。

ChatGPTは、業界研究を効率化するための有用なツールです。

具体的には、以下のような方法です。

  1. 業界のトレンドや課題の理解: ChatGPTに「〇〇業界の最新のトレンドは何ですか?」や「〇〇業界の最大の課題は何ですか?」といった質問を入力。業界のトレンドや課題を知ることから、「その課題の解決策は?」といった深掘りによりさらに理解を深めることができます。
  1. 業界の主要企業の比較: ChatGPTに「〇〇社と△△社の違いは何ですか?」「それぞれの企業の強み弱みは?」といった質問を入力。業界の主要企業の比較に役立てることができます。
  1. 業界の将来予測: ChatGPTに「〇〇業界の5年後の予測は?」といった質問を入力し、その回答を生成させることで、業界の将来予測を行うことができます。

ただし、ChatGPTの回答はあくまで参考の一つであり、自分自身で情報を確認し、深く理解することが重要です。

|これだけじゃない!その他のAIによる就活支援サービス

ChatGPTだけでなく、就職活動の支援に特化したさまざまなAIツールが、近年登場しています。

ここでは、その中でも特に注目すべき3つのAI就活支援サービスをご紹介します。

それぞれのサービスがどのような機能を提供し、どのように活用できるのかを詳しく見ていきましょう。

AI就活サポたくん

出典:https://ai-sapota.jp/

AI就活サポたくんは、LINEを通じてエントリーシートの作成や添削を手助けし、また就活についての疑問にも答えてくれるサービスとなっています。

AI就活サポたくんの特徴としては、適性診断を受けることができる点が挙げられます。

AIによる適性診断を受けることで、自己分析に役立つ診断結果を得ることができます。

もちろん、テキスト生成も得意で、エントリーシートの作成も可能です。

4つの質問に回答すると、その回答をもとに、あなたの経験やアピールポイントを強調したエントリーシートを作成してくれます。

さらに、エントリーシートの添削の精度も高く、誤字脱字のチェックはもちろん、文章の細部までしっかり添削をしてくれます。

また、AI就活サポたくんを活用すれば、LINEにて就活の不安や疑問を気軽にAIに相談できます。

AIが24時間いつでも回答をしてくれるので、気になったタイミングで質問を投げかけることが可能です。

AI就活サポたくんは、就活生の時間を効率的に使い、より良いエントリーシート作成をサポートするサービスです。

ただし、最終的なチェックは必ず自分で行うようにしましょう。

就活AI byジェイック

出典:https://sai.jaic-g.com/

就活AIは、ChatGPTを活用した就職活動支援ツールで、AIが自己PRや志望動機の作成・添削を行うサービスです。

ユーザーは自己PRに活かしたい強みやエピソードを入力し、AIがそれに基づいた自己PRや志望動機のたたき台を作成してくれます。

また、ユーザーが自分で作成した自己PRや志望動機の添削、さらに面接のフィードバックまで受けられます。

このツールの利点は、24時間365日無料で利用でき、会員登録も不要であるため、気軽にすぐ利用できるところです。

さらに、面接練習AIや自己分析サービスとも連携しており、痒い所に手が届く万能就活ツールとなっています。

ChatGPTとの違いは、ChatGPTが一般的な会話を生成するのに対して、就活AIは就職活動に特化している点です。

専門家のノウハウを組み込んでおり、具体的で事細かなフィードバックを提供できます。

HelloBoss

出典:https://helloboss.com/

HelloBossは、元サッカー日本代表の本田圭佑さんが出資したことで有名なAI就活支援アプリです。

AIが学生の就活を全面的にサポートし、エントリーシートの作成、面接対策はもちろん、全国520万社もの企業データベースを持ち、自由にデータを抽出して企業研究まで一貫して行うことが可能です。

これがHelloBossの特徴です。

また、AIカウンセリング機能「HelloChat」があり、就活に関するあらゆることをChatGPTを元にした独自のAI(特許取得中)に相談できます。

また、企業の最新情報をAIが自動で収集し、ユーザーに提供する機能もあります。

就活生は最新の企業情報を逃さず、効率的に就活を進めることが可能になります。

|まとめ

いかがでしたか?

本記事では、ChatGPTをはじめとするAIツールを活用して、効率的に就職活動をすすめる方法を紹介しました。

これらのツールを活用すれば、エントリーシートの作成、企業研究、面接対策、業界研究など、就活のあらゆる場面で大いに役立つことでしょう。

しかし、何度も申し上げてきましたが、AIはあくまでツールであり、最終的な判断は自分自身で行うことが重要です。

AIの提案を鵜呑みにせず、自分の意見や感情を大切にしながら、AIを上手に活用していきましょう。

これからの就活は、AIの力を借りながら、自分自身の力を最大限に発揮することが求められます。

AIを活用するスキルは就職後にも確実に活きてくるでしょう。

本記事が、その一助となれば幸いです。

AIを活用した効率的な就活を、ぜひ実践してみてください。