観光業界では、新型コロナの影響を受け、現在メタバースへの取り組みが急増しています。
仮想空間には膨大な土地が広がっており、旅行・観光においては、とても相性が良いとされています。
本記事では、観光分野においてメタバースがどのような方法で活用されているのか、実際の活用事例を紹介します。
目次
|世界中で注目を浴びているメタバース×観光とは?

コロナ禍において、あらゆる体験やサービスがリアルからオンラインに切り替わり、観光業もそのひとつだと言えます。
あたかもその場にいるかのような没入感を得られるメタバースを活用して、仮想空間内で観光を楽しむサービスが増えています。
オンライン環境さえあれば、いつでもどこでも世界中を観光することが可能です。
また、ウイルス感染リスク軽減のための施策としてスタートしたメタバースへの取り組みですが、連休が取れず海外旅行を諦めてしまう人や、リアル旅行の予習として、メタバース観光を活用するなど、充分にビジネス化が見込めます。
また、地域が主体となってメタバースを観光に取り組もうとする動きは、世界でも加速しています。
韓国のソウルでは、2021年11月にメタバースシティ計画を構築すると公式に発表し、経済、文化、観光、教育など、様々な分野でビジネスサポートする取りみで、物理空間と仮想世界の融合を目指しています。 2026年までには、様々な観光コンテンツを“バーチャル空間で”提供する予定です。
|メタバース観光のメリットや魅力
ここからは、メタバース観光のメリットや魅力ついて以下3つの観点から詳しく説明します。
・時間や場所、情勢、身体的事情などを問わず誰でも参加できる
・実際の旅行よりも低価格で体験できる
・非現実的な世界を観光することもできる
・時間や場所、情勢、身体的事情などを問わず誰でも参加できる
メタバース観光であれば、オンライン環境さえあればどこからでも参加することができるのが最大メリットと言えます。
現実世界の社会情勢や自分の身体的事情も関係ありません。
リアル旅行のように時差を感じることもなく、好きな時に行きたい場所へ観光することができます。
・実際の旅行よりも低価格で体験できる
メタバース旅行のメリットとして、無料で楽しめるツアーなどが開催されているケースがあります。
リアルで旅行しようと思うと、交通費や宿泊費をはじめ、様々な費用がかかってしまいますので、そういう点においてもメタバース旅行を利用する人が増えています。
有料のメタバース旅行ツアーは比較的安価で、リアル旅行に比べると格安で楽しむことができます。
・非現実的な世界を観光することもできる
こちらは、メタバース観光の醍醐味の大部分があると言えます。
仮想空間上には、実際の観光地を再現いているワールドと、異世界的なワールドがあります。
ファンタジーの世界やアニメの世界を舞台にしたものもあります。
現実世界では体験できないような圧倒的非日常感を味わうことができ、メタバース空間にしか存在していない世界を知ることができます。
|メタバースを活用した観光業の事例
ここからは、観光分野でのメタバース活用事例として、以下5点を紹介します。
・あしびかんぱにー:バーチャルOKINAWA
・ANA:ANANEO
・琴平バス:メタバースバスツアー
・国土交通省:横浜みなとみらいエリアのメタバースを構築
・大阪府:バーチャル大阪
・あしびかんぱにー:バーチャルOKINAWA

出典:https://ashibi.jp/entertainment_dx/#02
バーチャル上に、国際通り商店街や、ビーチ、首里城など、有名な沖縄の観光地を再現した「バ―チャルOKINAWA」です。
メタバースプラットフォーム「VRChat」を通して、世界中どこからでも沖縄の世界遺産を体感することができ、沖縄をより身近に感じることができるメタバース体験を提供いています。
バーチャルOKINAWA上でライブコマースを開催し、空間内でアバターがビラ配りをしながらイベントの告知をするなど、お土産の購買に繋がるような活動も行っています。
現在もエリアを拡大し、沖縄出身バンドのライブや、沖縄の伝統芸能団体やVTuberとコラボしたイベントなど、メタバース観光だけに留まらず、エンターテインメント企画を実施しています。
・ANA:ANANEO

出典:https://www.anahd.co.jp/group/pr/202105/20210520.html
スマホや、タブレットなどのデジタル端末からアクセス可能なバーチャルトラベルプラットフォーム「SKY WHALE」に乗り込んでさまざまな体験ができるサービスです。
「時空を超える旅客機」をコンセプトにしたSKY WHALEは、①Skyパーク、②Skyモール、③Skyビレッジという3つのサービスで構成されているのが特徴です。
①Skyパーク
Skyパークは、3DCGによって構成され、世界の有名な観光都市や絶景スポットなど、誰もが気軽に楽しめる疑似旅行体験を提供します。
「のんびり」「弾丸」などその人に合わせた旅の好みを設定することができ、最大8人で旅行を楽しむことができます。
②Skyモール
Skyモールは、空港でのお土産購入、エンターテインメントをイメージしたバーチャルショッピングモールです。
自由にモール内を散策しながら、買い物やイベントに参加することができます。
ANAマイレージを利用することもできます。
③Skyビレッジ
Skyビレッジは、未来の街をイメージいた空間です。
バーチャルのスマートシティ実現を目指し、今後は医療や教育、行政のサービスも展開する予定となっています。
・琴平バス:メタバースバスツアー

出典:https://www.value-press.com/pressrelease/296337
琴平バスは、「KOTOBUS」として以前からオンラインバスツアーを積極的に行っていました。
観光地の景色を動画で見ながら、現地のお話を聞いたり、他の参加者たちとコミュニケーションの取れるサービスです。
最近では、メタバース旅行をスタートし、ご当地VTuberとコラボするなど
メタバース時代のバス旅行として「メタバス」を提供しています。
ライブ中継動画と、ご当地の食べ物が自宅に届き食事を楽しめるツアーがメインとなっています。
・国土交通省:横浜みなとみらいエリアのメタバースを構築

出典:https://www.mlit.go.jp/plateau/new-service/4-010/
3D都市モデルと独自に取得した高精度三次元点群地図データを位置合わせすることで、横浜みなとみらいエリアのメタバースを構築しました。
リアルとバーチャルが融合した未来の観光体験を目指しており、ユーザーは、ヘッドマウントXRデバイスを付けて、オープントップバスに乗りながら未来のみらとみらいを観光します。
最新のXR技術を用いた世界で初めての観光体験を提案するバスツアーとなりました。
※現在ツアーは終了しています。
参加ユーザーからのコメントでは、「クルージョン技術によって、同様の体験よりも見え方がよかった」など満足度の高い評価を得ています。
・大阪府:バーチャル大阪

出典:https://www.pref.osaka.lg.jp/hodo/index.php?site=fumin&pageId=43875
大阪府、大阪市、KDDIが共同で大阪の有名な観光地をメタバース上に構築する取り組みです。
道頓堀や梅田スカイビル、海遊館など外国人からも人気の高い観光スポットを仮想空間上に構築しました。
2025年開催予定の関西万博に向けて、魅力を発信するためのPR活動も行っています。
また、大阪城の外壁を登れるアトラクションなど、仮想空間ならではの遊び方も提供する予定となっています。
ユーザーは、スマホからアクセス可能なメタバースアプリ「cluster」で楽しむことができます。
|まとめ
国内外の観光業が取り組むメタバース活用方法を紹介しました。
メタバースの活用といっても、VRヘッドセットを使用するものから、自宅でスマホから簡単にアクセスできるものまで実に多様です。
まずは、自社がメタバースに取り組む目的や課題などを整理してみてください。
観光業でメタバースに興味のある人は、無料で参加できるメタバース旅行が多く開催されていますので、一度参加してみると参考になるでしょう。