AI分野の中でも最先端とされる技術が大規模言語モデル(LLM)です。

LLMは、インターネット上の膨大なテキストデータを学習して、自然言語処理や会話生成などのタスクに使われます。

しかし、LLMの開発には多額の資金や高性能なコンピュータが必要でした。

そんな状況を変えたのが、メタ社が無料で公開した「Llama 2」というLLMです。

この記事では、「Llama 2」の特徴や利用方法について解説していきます。

|Meta社とは

出典:https://about.meta.com/ja/

Meta社とは、アメリカのテクノロジー企業で、世界中で人気SNSのFacebookやInstagramなどを運営しています。

2021年10月に、同社の創業者でCEOのマーク・ザッカーバーグが、社名をFacebookからMetaに変更すると発表しました。

この社名変更は、同社のビジョンや戦略を示すものでした。

Metaという名前は、仮想空間(メタバース)に注力することを表しています。

メタバースとは、仮想現実(VR)や拡張現実(AR)などの技術を使って、人々がスクリーンの先にある新しい世界を体験できるようにする概念です。

Metaは、メタバースを実現するために、VRヘッドセットやスマートグラスなどのデバイスやプラットフォームを開発しています。

Metaは自社のカルチャーや理念を明確にし、多様なパートナーと協力しながら、社会的責任や倫理的な問題にも積極的に取り組んでいる大企業の一つです。

|『Llama 2』とは

出典:https://ai.meta.com/llama/

Llamaとは、Meta社が開発した大規模な人工知能(AI)の言語モデルです。

その性能はOpenAIの「GPT-3.5」に匹敵すると言われています。

インターネット上の約2兆個の単語から学習することで、さまざまな言語や話題に対応できるようになりました。

Llamaはパラメータ数(AIの知能を表す数値)によって、4つのモデル(Llama 7B, Llama 14B, Llama 35B, Llama 70B)があります。

パラメータ数が多いほど、AIはより高度な処理ができます。

Llamaを使うことにより、文章や音声や画像などのさまざまなデータを扱うことができます。

また、Llamaは商用利用が許可されており、研究者や開発者が自由に使えるように公開されています。

Llamaは、Meta社のビジョンであるメタバースを実現するための技術の一つであり、人々がメタバースで自然にコミュニケーションがとれるようになるための役割を果たします。

|『Llama 2』の特徴

Llama2の特徴は主に、「商用利用が可能」、「オープンソースである」、「パートナーやサポーター企業が多い」、「ChatGPTのような使い方も可能」が挙げられます。

それぞれ順番に解説していきます。

商用利用が可能

特徴の中でもインパクトがあるのが「商用利用が可能」ということです。

あらゆる規模の企業や個人が、Llama 2を自由に活用できることによって、さまざまな分野で技術的な革新が起こることが予想されます。

Llama 2は無料で利用できますが、Meta社に対して使用報告を提出する必要があります。

これは、Meta社がLlama 2の品質や安全性を向上させるためです。

その他にもLlama 2を商用利用するためにはいくつかの条件があります。

オープンソースである

Llama 2のオープンソース化によって、Llama 2の技術を無償で利用できるため、開発コストやライセンス量が削減できます。

さらに、ソースコードを改変できるため、自分のニーズに合わせてカスタマイズしたり、コミュニティに参加し、他の開発者や研究者と情報交換や協力ができるなどのメリットもあります。

一方、競合する他の大規模言語モデルもオープンソース化し、生成AIの競争がさらに激化する可能性も指摘されています。

パートナーやサポーター企業が多い

Llama 2の開発には多くのパートナーやサポーター企業が関わっています。

中でも特に目立つのは、マイクロソフトです。

マイクロソフトは、Llama 2をAzureやWindowsで動かせるようサポートもしています。

これにより、Llama 2を使って生成AIのアプリケーションを作りたい開発者や組織にとって、便利で安全な環境が提供されます。

こうしたパートナーやサポーターの協力によって、より多くの人に利用される可能性が高まっています。

|ChatGPTのような使い方も可能

Llama 2は、ChatGPTのような使い方も可能です。

Llama 2は人間との会話を生成することができる大規模言語モデルであり、ChatGPTと同じように、インターネット上のテキストや会話を学習しています。

その上、Llama 2はChatGPTよりも多くのデータを学習しているので、ChatGPTより高い性能を誇り、その性能はGPT-3.5に匹敵するとされています。

Llama 2は、ChatGPTの進化版と言えるかもしれません。

|『Llama 2』の利用方法

それではここからは2ステップに分けて、Llama  2の利用方法について一つずつ解説していきます。

公式サイトからリクエストを送信

ダウンロードするには、まずMeta AIの公式サイトからリクエストを送信する必要があります。

公式サイトにアクセスし、ダウンロードボタンをタップ、名前とメールアドレス等を入力し、同意して実行ボタンを押します。

すると、Meta AIから招待メールが届きます。

このメールには、Llama 2のGitHubのページへのリンクが含まれています。

このメールは、24時間以内に開く必要があります。

メールが来たら手順に従いダウンロード

招待メールを開いたら、Llama 2のGitHubのページ2に移動します。

このページには、Llama 2のモデルやコードが公開されています。

Llama 2をダウンロードするには、Windowsのbashを使って、download.shというファイルを実行します。

このファイルは、GitHubのページからダウンロードできます。

download.shを実行すると、Llama 2のモデルやコードが自動的にダウンロードされます。

ダウンロードが完了したら、Llama 2を使う準備ができます。

現時点でLlama 2を実装するには、プログラム系の知識がないと少し難しいかもしれません。

|『Llama 2』の今後

商用利用が可能、オープンソース化、GPT-3.5に匹敵する程の高性能を持つなど、Llama 2の将来性は非常に明るいと言えます。

また、マイクロソフトとの強固なパートナーシップによって、WindowsにLlama 2モデルが組み込まれることで、Windowsのユーザーはより一層AI体験を楽しむことができるようになります。

人間の言語や知識を理解し、応用する能力を持つLlama 2は、今後もさまざまな分野や業界で活用される可能性を秘めています。

人間とAIのコミュニケーションや協働を促進し、新しい価値やイノベーションを生み出していくことができるでしょう。

|まとめ

いかがでしたでしょうか。

この記事では、Meta社が開発した言語モデル『Llama 2』について、その特徴や今後の展望などを解説してきました。

オープンソース版ChatGPTとして、今後も多くの人々や企業に役立ち、革新的なイノベーションを起こしてくれることに期待せざるを得ません。

Llama 2に関心がある方は、ぜひMeta社のウェブサイトをチェックしてみてください。