Unityには無料のプランと有料のプランがあります。

自分に合った最適な開発環境を整えるためには、目的に合わせて有料にするか無料にするかきちんと決める必要があります。

しかし中には無料と有料で何が違うのかよくわからず、自分に最適なプランを選択できない方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、Unityの有料プランであるUnity Proについて機能や価格、無料版との違いを詳しく解説していきます。

最後まで読めばUnity Proについて理解できて、Unityを無料のまま使うか有料のライセンスに切り替えるか決められます。

|Unity の有料ライセンス Unity Pro

出典:https://unity.com/ja/products/unity-pro

Unityはゲーム制作のためのプラットフォームで、ゲームを作るための便利な機能やツールが数多く搭載されています。

「ポケモンGo」や「ドラゴンクエストⅧ」などの有名なゲームタイトルがunityを使って作られており、その2D/3D技術はゲームのみにとどまらず、建築設計や医療、製造業の現場にも応用されています。

Unityを使うためにはライセンス契約が必要で、使える機能やUnityの使用料によってライセンスの種類が別れています。

無料のライセンスもありますが、有料ライセンスのUnity Proを契約すれば、より高度な開発が可能です。

|Unity Proの機能

Unity proはプロフェッショナルに向けたライセンスです。

そのためUnity proを契約すれば、本格的な制作活動のための多彩な機能が使えるようになります。

Unity Proの主な機能は以下の通りです。

  • 開発プラットフォームの利用
  • ビジュアルスクリプティング
  • スプラッシュスクリーンのカスタマイズ
  • Cloud Diagnosticsの利用
  • 各種ゲーム機への対応
  • AR・MRコンテンツ作成のための特殊なツールの使用
  • カスタマーサービスを優先的に受けられる
  • 担当のパートナーアドバイザーからサポートを受けれらる
  • 学習コンテンツUnity Learn Premiumの利用
  • Havok Physics for Unity for ECS-based projects の利用

【ビジュアルスクリプティング】

ビジュアルスクリプティングは、プログラミングの方法です。画面上に表示されたパーツをつなぎ合わせるようにしてプログラミングします。コードを羅列してプログラミングしていく一般的な方法よりも視覚的で理解しやすく、プログラムの流れを把握しやすいのが特徴です。

【スプラッシュスクリーン】

スプラッシュスクリーンとは、ゲームが始まる前に表示される導入画面のことです。ゲームの起動処理中に表示されます。Unity proであれば、このスプラッシュスクリーンを自由にカスタマイズできるので、独自のロゴを表示させて自分のブランドをアピールできます。

【Cloud Diagnostics】

Cloud Diagnosticsは、フリーズやクラッシュなど不具合の情報を収集して分析してくれるツールです。エラーの原因やシステムの問題点を特定し解決するためにとても便利な機能を提供してくれます。

【Unity Learn Premium】

Unity Learn Premiumは、Unityを使うために必要なさまざまな知識を学べるコンテンツです。3D技術はもちろん、AIやAR、VRなどについても幅広く学べます。もともとUnity Learn Premiumは有料コンテンツでしたが、2022年のアップデートで無償化されました。

【Havok Physics for Unity】

Havok Physics for Unityは、物理演算処理を行う機能です。たとえば、風になびく髪の動きやスピードが出た車の挙動など、物理的な動きをシュミレーションしてくれます。

UnityにはUnity Physicsという、全てのライセンスで利用可能な物理演算機能がありますが、Havok Physics for Unityはより複雑で高度なグラフィックを必要とするゲーム開発に向いています。

|Unity Proと Personal、Plusの違い

Unityにはpro以外にも、個人向けの有料プランUnity Plusや無料で使えるUnity Personalといったプランがあります。

価格の違い

Personal・Plus・Pro、3つのプランそれぞれの価格は以下の通りです。

プラン価格
Unity Personal無料
Unity Plus(年間プラン)月払い:4,840円年払い:4万8,395円
Unity Pro(年間プラン)月払い:2万4,240円年払い:26万7,960円

金額は全て税込み価格です。

表中の価格は2023年8月1日時点のものです。価格は今後変更される可能性があります。

機能の違い

Personal・Plus・Pro、3つのプランそれぞれの機能は以下の通りです。

機能PersonalPlusPro
開発プラットフォームの利用
学習コンテンツUnity Learn Premiumの利用
Cloud Diagnosticsの利用
ビジュアルスクリプティング
スプラッシュスクリーンのカスタマイズ不可
各種ゲーム機への対応不可不可
AR・MRコンテンツ作成のための特殊ツールの使用不可不可
カスタマーサービスを優先的に受けられる不可不可
担当のパートナーアドバイザーからのサポート不可不可
Havok Physics for Unity for ECS-based projects の利用不可不可

Unity ProはUnity Plusの上位版にあたります。Unity Plusに搭載されている全ての機能はUnity Proで利用可能です。

Cloud DiagnosticsについてはPersonalでも利用可能ですが、一部機能に制限がかかります。

ライセンスの加入条件

Personal・Plus・Pro、それぞれのライセンス取得条件は以下の通りです。

Unity Personal過去1年間、収益または資金を10万ドル以上得ていない
Unity Plus過去1年間、収益または資金を20万ドル以上得ていない
Unity Pro誰でも可

資産の状況によって加入できるライセンスが異なるので注意が必要です。

|Unity Proを契約するメリットデメリット

Unity Proを契約すると以下のメリット・デメリットがあります。

【メリット】

  • 高度な機能を使える
  • 手厚いサポートを受けられる
  • エラーやトラブルを素早く解決しやすい

【デメリット】

  • 料金がかかる

Unity Proには、本格的な開発を進める上で必要なサービスが詰まっています。

スプラッシュスクリーンのカスタマイズでプロジェクトの存在感をアップしたり、高機能な物理演算で細部にまでこだわったグラフィックが作れます。

また、サポートが手厚いのも嬉しいポイントです。開発の現場にエラーや不具合はつきもの。

エラーを分析してくれるツールやアドバイザーの存在はプロジェクトの進行を加速してくれるでしょう。

ただし、質の高いサポートを受けるためにそれなりの料金がかかってしまいます。

無料のUnity Personalでも意外にできることは多く、ゲームを開発に必要な機能はそろっているため、ゲーム開発初心者やお試しで触ってみたい方は、Unity Personalから始めてもよいでしょう。

|まとめ:Unity Proでハイクオリティな開発を実現

この記事では、Unity Proについて主に以下の内容をお伝えしてきました。

  • Unity Proはプロフェッショナル向けの有料ライセンス
  • Unity Proを契約すれば高度な機能が使えるようになり、本格的な開発が行える
  • 担当アドバイザーがついたり、サポートを優先的に受けられたりといったメリットがある

Unityはゲームを開発する上でとても便利な存在です。Unityを使えば無料のライセンスでも3Dゲームの開発が行えて、さまざまなアイデアを形にできます。

しかし本格的な制作を行うなら、機能面やサポートの充実度から考えて、やはりPro版を使うのがおすすめです。

もしあなたがUnity初心者から一歩抜け出して、より魅力的で完成度の高い作品を作りたいと考えているならUnity Proの導入を検討してみましょう。