「メタバース上で入院患者と面会できるサービスが気になる。」
「Medical Meetupでどのようなことができるか知りたい。」
このように、入院患者と面会者がメタバースで会える医療機関のオンライン面会について、気になる方もいるのではないでしょうか。
オンライン面会サービスを取り入れるか検討したい、医療サービスで今度どのようなサービスが拡充していくか知りたいという方もいるでしょう。
そんな方に向けて本記事では、Medical Meetupの特徴や推奨環境、今後について紹介します。
目次
|『Medical Meetup』とは
Medical Meetupは、順天堂大学と日本IBMが共同開発した、メタバース上で入院患者と面会できるアプリです。2023年8月2日から一般配信され、アプリストアでインストールできます。
これまでは入院患者と面会をする場合、直接入院している病院へ面会しに行く必要がありました。
そのため、面会時間に病院へ行けない場合や遠方に住んでいる場合、頻繁に面会できませんでした。
しかし、Medical Meetupを使用することで、病院へ足を運ぶことなくメタバース上で面会できます。
物理的な距離を気にすることなく面会できることが最大のメリットとなります。
そして、これまで制約があり面会できなかった患者もアプリを通じて面会できるため、気軽にコミュニケーションをとれるのも魅力です。
|順天堂大学と日本IBMの取り組み
順天堂大学と日本IBMのメタバースへの取り組みについて紹介します。
順天堂大学と日本IBM は、2022年4月に「メディカル・メタバース共同研究講座」を設置しました。
そして、順天堂大学医学部順天堂医院の実物をオンライン上に再現した「順天堂バーチャルホスピタル」で新たなサービスの開発と提供を目指しています。
短期的なテーマでは、入院患者を含め家族などの面会者に、これまでにないサービスを提供し、よりよい医療を届けることも目指しています。
さらに中長期的なテーマでは、メタバース空間でのコミュニケーションを通してメンタルヘルスの疾患などの、心理的な部分の治療も学術的に検証していくと発表されています。
Medical Meetupもこの取り組みの1つです。
|『Medical Meetup』の特徴
ここでは、『Medical Meetup』の特徴について下記3つの観点で紹介します。
・誰でも直感的な操作が可能
・人間味のあるコミュニケーション
・非日常を味わうことができる
より具体的なMedical Meetupの特徴を知り、導入の検討材料にしてください。
誰でも直感的な操作が可能
Medical Meetup1つ目の特徴は「誰でも直感的な操作が可能」なことです。
なぜならば、利用者である入院患者や面会者の中には、最先端のサービスを積極的に利用したい方もいれば、いわばアレルギーのような苦手意識をもっている方もいるからです。
苦手意識をもった方が、簡単に利用できないとMedical Meetupを利用することが逆にストレスになり、利用したいという気持ちが起きないでしょう。
そのため、直観的な操作ができることで、少しでもMedical Meetupを利用する方のストレスを減らし、利用したいと思えるサービスを提供が必要になります。
アバターを操作するためのボタンやジェスチャーは、一般的なスマートフォンアプリと同様のものが使われており、誰でも簡単に操作できます。
人間味のあるコミュニケーション
Medical Meetup2つ目の特徴は「人間味のあるコミュニケーション」です。
Medical Meetupは、アバターを通じてメタバースで入院患者と面会できるアプリです。
メタバース上で会って会話するのはもちろんのこと、使用するアバターはリアルな人間の動きや表情を再現しています。
歩いたり走ったりする基本的な動きから飛び跳ねる動きもできます。
また、アバター同士でハイタッチができ、擬似的にぬくもりを感じることも可能です。
メタバースを介さない電話やオンライン面談は、気軽にコミュニケーションをとれるメリットがありますが、対面と比べてぬくもりに欠ける部分があります。
Medical Meetupは、ぬくもりを感じるコミュニケーションを目指していることから、その欠けている部分を補い、人間味のあるコミュニケーションをとれることを大事にして設計されています。
非日常を味わうことができる
Medical Meetup3つ目の特徴は「非日常を味わうことができる」ことです。
入院患者は基本的には病院にいるため、気軽に外へ出かけることができません。
しかし、Medical Meetupでは、メタバース上にリゾート施設などの非日常空間が用意されています。
入院患者と面会者がメタバース上で待ち合わせをし、乗り物に乗って移動できたり、リゾート施設で遊んだりでき、非日常を味わえるメリットがあります。
さらに、アバターは着せ替えできるため、海などのリゾート地に行く場合ハワイアンなファッションにしておしゃれを楽しむこともできます。
ふだん殺風景な病室にいる入院患者が外出気分を味わえることで、リラックス効果も期待されており、結果次第では新たな娯楽が追加されるかもしれません。
|『Medical Meetup』の推奨環境
Medical Meetupは2023年8月時点では、iPhoneとiPadで利用できます。
Androidやパソコンでの利用については、発表されていません。
アプリの基本情報は、下記のとおりです。
アプリ名 : Medical Meetup
対応OS:iOS、iPad OS (11.0以降)
対応デバイス : iPhone 8以降、iPad第7世代以降対応
配信開始日:2023年7月31日
価格:無料
無料で利用でき、利用を検討したい方はApp storeでインストールできます。
配信開始されたばかりのサービスのため、今後利用者が増えるとさらにAndroidやパソコンでの利用が可能になるかもしれません。
|『Medical Meetup』の今後
ここでは、Medical Meetupの現在進めていることについて、下記2点ご紹介します。
・小児患者を対象に運用が開始
・利用拡大および幅広いサービス展開も検討中
今後の新たなサービス提供や利用拡大に向けてそれぞれ解説します。
小児患者を対象に運用が開始
1つ目のMedical Meetupの今後については、「小児患者を対象に運用が開始」です。
順天堂大学と日本IBMは、2023年8月よりMedical Meetupを使用した小児患者向けの臨床研究を始めました。
対象者は順天堂医院の小児患者とそのご家族です。
対象者へのMedical Meetupの利用目的は、面会する機会が増え、より元気で健やかに過ごせることを目指しています。
そして、小児患者がMedical Meetupを利用し病室から抜け出した気分を味わうことができるよう、アプリの開発に取り組んでいます。
利用拡大および幅広いサービス展開も検討中
2つ目のMedical Meetupの今後については、「利用拡大および幅広いサービス展開も検討中」です。
2023年8月現在では、入院患者と面会者の面会目的でサービスが展開されています。
現時点では面会アプリのため、医学的アドバイスや診断、治療などといった医療行為は行っていません。
今後は、運用と臨床研究を開始し、ほかの医療機関にも展開したり、オンライン診察に応用したり、講演会への参加など活用シーンを広げることも検討しているようです。
|まとめ
今回は、Medical Meetupの特徴や推奨環境、今後について紹介しました。
Medical Meetupは、順天堂大学と日本IBMが共同開発した、メタバース上で入院患者と面会できるアプリです。
Medical Meetupの特徴としては、誰でも直感的な操作が可能で人間味のあるコミュニケーションが取れ、非日常を味わうことができる特徴があります。
Medical Meetupの今後の展開は、小児患者を対象に運用が開始し、利用拡大および幅広いサービス展開も検討中です。
本記事を読んでMedical Meetupが気になった方は、利用を検討してみてはいかがでしょうか。