新潟県新潟市は、2022年から「NIIGATA XR プロジェクトを開始しました。

XR技術は、現実世界に仮想の情報を重ね合わせることで、新しい体験を提供する技術です。

この技術を活用した、新潟市が創造する未来の世界とは、一体どのようなものなのでしょうか?

本記事では、「NIIGATA XR プロジェクト」の実施背景や取組内容について解説します。

今後の事業展開の参考に、ぜひご一読ください!

|『NIIGATA XR プロジェクト』とは

出典:https://www.city.niigata.lg.jp/business/growing/xr/xrpj/index.html

「NIIGATA XR プロジェクト」とは、新潟市が推進する拡張現実技術(XR)を活用した都市開発プロジェクトです。

これは、地域の活性化と観光振興、産業振興を目指し、先進的な取り組みを展開しています。

XR技術を活用することで、新潟市の魅力を国内外に発信し、観光客や企業誘致を増加させることができると期待されています。

また、XR技術を活用したイベントや体験の開催、人材育成にも取り組み、市民の生活向上に寄与することを目指しています。

このプロジェクトは、新潟市の地域活性化に大きな効果をもたらすとともに、他の自治体や企業にとっても、XR技術を活用した地域活性化のモデルケースとなる可能性があります。

|『NIIGATA XR プロジェクト』実施の背景

新潟市は日本海に面しており、豊かな自然と歴史文化に恵まれた都市です。

市内には多くの観光スポットや名産品がありますが、近年は人口減少や少子高齢化が進んでおり、観光客や企業誘致が減少傾向にあります。

このような状況を打破するため、新潟市はXR技術を活用した地域活性化を図る「NIIGATA XR プロジェクト」を開始しました。

XR技術を活用することで、新潟市の魅力を国内外に発信し、現実と仮想を融合させることにより、観光や産業に新たな付加価値をもたらす可能性があります。

この技術を活用することで、新潟市の地域産業が新たな成長分野に進出するチャンスを生み出せると期待されています。

|プラットフォームには『STYLY』が採用

株式会社Psychic VR Labが開発・運営するXRプラットフォーム「STYLY(スタイリー)」が、新潟市の「NIIGATA XR プロジェクト」に採用されました。

STYLYは、Webブラウザ上でXRコンテンツを作成・公開・共有できるプラットフォームです。

誰でも簡単にXRコンテンツを制作できることから、多くの企業やクリエイターから注目を集めています。

新潟市はSTYLYの導入により、より多様なXRコンテンツを効率的に開発し、地域の魅力を発信していくことが見込まれています。

STYLYは「NIIGATA XR プロジェクト」の成功に貢献し、XR技術を活用した地域活性化の先駆けとなることが期待されています。

|これまでの取組内容

2022年に始まった「NIIGATA XR プロジェクト」ですが、これまでどのような取組が実行されてきたのでしょうか。

具体的なプロジェクト6つを、以下でご紹介しましょう。

『天空ARゲームセンター』

2022年11月3日に、新潟まつり花火ショーに合わせて開催される「天空ARゲームセンター」は、新潟市の中心部にある信濃川やすらぎ堤で開催されたARゲームイベントです。

参加方法は、お持ちのスマートフォンやタブレットにSTYLYをダウンロード(アプリは無料)し、アプリ内でスキャンできる二次元バーコードを読み取ることでコンテンツを楽しむことができます。

この二次元バーコードは当日の会場内でも配布されました。

ゲームは3種類をプレイすることができ、1人または2人で一緒に遊ぶことも可能です。

内容は「もぐらたたき」、「射的」、「ブロック崩し」です。

AR技術で楽しめるデジタルゲームを無料で気軽に体験できるようにした、画期的な取り組みです。

『フルマチXR水族館』

「フルマチXR水族館」は、新潟市の古町ルフル広場や地下街連絡通路にて、街の中に魚たちが泳ぎだす水族館が出現するバーチャル体験です。

2022年11月19日に開催された「がたふぇすVol.13」に合わせて登場しました。

これはXRを駆使して、水中の生き物たちと身近に触れ合える没入型のエンターテインメントを実現しています。

スマホやタブレットなどの端末を使ってルフル広場や連絡通路をかざすと、バーチャル水族館が出現します。

身の回りに泳ぐ魚やクジラ、イルカなどがリアルに現れ、まるで水中の世界にいるかのような臨場体験が実現します。

新潟市の魅力を広く伝えるとともに、市民の交流や観光振興に貢献するプロジェクトです。

『越後屋ときなXRライブ』

「越後屋ときなXRライブ」は、新潟市のご当地VTuberである越後屋ときなが、スマホやタブレット端末向けのXR技術を利用して、現実世界に登場しライブを行うイベントです。

フルマチXR水族館と同時開催され、会場内のステージ上でスマホなどをかざすと越後屋ときなが出現し、明るく元気に踊る様子が観覧できます。

「がたふぇすVol.13」で大好評だったため、イベント期間のみではなく常設展示となりました。

古町ルフル広場の西堀交差点側では、大通りでリズミカルにステップを踏む巨大な越後屋ときなを見ることができます。

建物を認識しているため、陰に隠れたり出てきたり、まるで街の中を巨人が闊歩しているかのような体験が実現します。

『にいがた2kmバーチャル・ウォーク』

「にいがた2kmバーチャル・ウォーク」は、新潟県新潟市中央区都心軸「にいがた2km」周辺に設置したARコンテンツを巡るバーチャルウォーキングイベントです。

このイベントでは、参加者が約2kmのウォーキングコースを歩きながら、XRを活用した仮想の世界を楽しむことができます。

具体的には、現実世界に映る風景にARで動物やアート作品を鑑賞したり、新潟市の観光スポットや名産品を紹介する動画を楽しめます。

また、ARキャラクターとの交流や、バーチャルコンテンツの撮影も可能です。

にいがた2kmバーチャル・ウォークは、参加者に新潟市の魅力をより身近に感じさせる斬新なイベントとして、多くの関心を集めました。

『てっと君なかまたちプロジェクトNFTアートフェス At Rene challenge 3』

「てっと君なかまたちプロジェクトNFTアートフェス At Rene challenge 3」は、上述の「にいがた2kmバーチャル・ウォーク」のコラボイベントです。

このイベントでは、新潟市にある開志専門職大学の学生が制作したNFTアート作品が展示されました。

NFTアートとは、ブロックチェーン技術を用いて、デジタルアートに唯一無二の価値を付与したものです。

これはデジタルデータとしてインターネット上で保管されており、誰でも閲覧することができますが、所有権は特定の人に帰属しています。

ARを活用した飛び出すアートや、巨大なてっと君(キャラクター)が街中に登場するなど、数々のアトラクションが用意されました。

『北前船AR』

「北前船AR」は株式会社メビウスが製作した、北前船を体験できるプロジェクトです。

北前船は、江戸時代から明治時代にかけて、日本海沿岸を航行していた商船です。

新潟県から北海道に多くの物資を運び、北陸地方の経済発展に大きく貢献しました。

北前船ARは、新潟駅前でスマホやタブレットをかざすと、宙に浮かぶバーチャルの北前船が出現します。

船の外観や内装を3DCGで再現し、北前船の歴史や文化についての解説も用意されています。

北前船ARは、新潟県内を訪れる観光客に北前船の魅力を広く伝えるとともに、北陸地方の歴史や文化を学ぶための新しいツールとして期待されています。

|『NIIGATA XR プロジェクト』の今後

今後の「NIIGATA XR プロジェクト」は、新潟市の未来を切り拓くために、XRを活用した先進的な取り組みを継続して展開していく予定です。

まず、新潟市の魅力をより多くの観光客にアピールするために、XR技術を活用した観光コンテンツの開発やイベントの拡充が進められるでしょう。

また、XR技術を活用した新しい学びや教育手法が開発され、学生の学習体験がより実践的で興味深いものになると予想されます。

さらに、地域の産業界においてもXR技術を導入し、製造やデザイン分野に革新をもたらす取り組みが増えるでしょう。

先進的な技術と地域の文化を融合させることで、地域社会の発展に貢献する取り組みが今後も進められる予定です。

|まとめ

「NIIGATA XR プロジェクト」は、XRを活用し、観光振興や地域産業の成長を促進しています。

さらに、歴史や文化をARやVRで身近に体験することで、教育や健康分野への応用にも力を入れています。

本記事で紹介した6つのプロジェクトをはじめ、多彩なイベントを展開しています。

新潟市の魅力をより広く発信し、持続的な成長と地域社会の活性化を目指しています。

これからも先進的な技術と伝統を融合させ、未来を見据えた新潟市の挑戦に期待しましょう!