2021年末にFacebookがMeta社へと社名変更してから、早いものでもう3年以上が経過しました。
2024年に入った現在、当時以上にメタバースを活用したイベントは活発になり、様々なデバイスが市場に出回っています。
特に、コロナ禍をきっかけにデジタルツールを使用した仕事が急激に普及。
これまで現実世界で進められた作業の多くがWeb上で行われるようになりました。
こうした状況を踏まえ、現在の市場は以前よりもメタバースという新技術に対して積極的な姿勢へと変化したといえるでしょう。
メタバースを活用した事業は今後もさらに活発になることが想定されています。
しかし、まだまだ新規参入のアドバンテージを取れる段階です。
このタイミングでメタバース構築を検討してみてはいかがでしょうか。
本記事ではメタバース構築にかかる費用に加えて、おすすめの開発会社から目的に応じた選択方法を解説します。
ぜひ最後までご覧いただき、さらなる事業拡大に繋げてみてください。
|そもそもメタバースとは?
まずそもそもメタバースとは何でしょうか。実はまだはっきりとした定義はないんです。
「メタバース」という言葉はアメリカのSF作家であるニール・スティーブンソンのSF小説「スノウ・クラッシュ」に登場した言葉です。
作中では「インターネット上の仮想世界」の意味で使われており、そこから転じて、「アバターを介して人々が交流し、さまざまなサービスやエンターテインメントが体験できるオンライン空間」を指すようになりました。
ここまで聞いて、もしかしたら「仮想空間ならVRゴーグルが必要じゃないか!」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、多くのサービスはVRゴーグルがなくてもPCやスマートフォンなど手持ちのデバイスから気軽にアクセスができます。
そのため、あまりデジタルになじみのない方でも簡単に参加できます。
近年ではそういった特徴からビジネス分野からも注目をあびており、徐々にメタバースがさまざまな手法で取り入れられています。
メタバースについて詳しく知りたい方はこちらの記事がおすすめ!
|メタバース構築の費用
メタバースを構築し、自社のイベントを開催するには大きく2種類の方法があります。
- 既存のメタバース空間を利用する
- カスタマイズを行い、オリジナルの空間を構築する
1の場合、簡単にイベントを開催することができますが、既存のものを利用するため機能面やデザイン面で制限がかかるでしょう。
2の場合、空間や機能をカスタマイズできるため、自社オリジナルの使いやすい空間を構築することが可能です。
ただ、基本的には制作会社などにバーチャル空間やシステムの制作を依頼することになりますので、1に比べ初期コストは必要になります。外部委託をした場合、メタバース構築に必要なコストは数百万円〜となります。
以降で様々な目的に応じた、メタバース構築の費用を確認しましょう。
イベントの開催、出典
まず、メタバース空間を活用したイベント出展については、一般的に幅広い金額が設定されています。
無料で出展できるケースもありますが、中には100万円近くの費用が発生する場合も。
金額の設定はイベントの規模感に応じて変化しますので、進める事業の熟成度に応じて選択する必要があるでしょう。
特に、バーチャルマーケットを始めとした多数のユーザーが集まるイベントの場合、100万円を超えるケースも少なくありません。
一般顧客向けを想定したサービス
BtoCを想定したメタバースを構築する場合、その規模感によっても変動しますが一般的に100万円以上の費用が発生するケースが多いでしょう。
中には1,000万円近く、もしくは超えてしまう場合もあります。
提供するサービスの幅が広く、どの程度のメタバース構築を想定するのかによって異なりますので、ある程度明確なゴールを決めておく必要があるでしょう。
費用を押さえながら構築したいと考える場合は、VRChatのような既存サービス内での構築をおすすめします。
オンラインショッピングを構築
Amazonや楽天市場のようなECサイト機能をメタバース空間に構築する場合、その費用は100万円以上となるケースが一般的です。
BtoCサービスの構築と同様、既存サービス内に出展する場合は比較的費用を抑えられます。
しかし、一から新たなサービスを生み出す場合は、1,000万円近く、もしくはそれを超える可能性も考えられるでしょう。
こちらもどの程度のサービス構築を想定しているので、明確なゴールを決めておくことが重要となります。
|メタバースを構築したビジネス展開のメリット
今後もメタバースを活用したビジネスに参入する企業は増加することが考えられます。
こちらでは、メタバースを構築したビジネス展開のメリットとして、以下項目の内容をそれぞれ解説します。
- 臨場感のある体験を提供
- 物理的な場所を問わない
- 自由自在な演出が可能
臨場感のある体験を提供
メタバース空間では現実世界では再現できない、様々な演出が自由自在に行なえます。
特に、VRゴーグルを着用したメタバース体験は臨場感にあふれていますが、まだまだ未体験であるユーザーが多いのです。
今後VRゴーグルの価格が落ち着き、一般に浸透した時、より多くのユーザーがメタバース空間へ参入することが考えられます。
現在はパソコン、スマホを経由したアクセスも多く、メタバースの臨場感、新鮮さを提供できる余地はまだまだあるといえるでしょう。
物理的な場所を問わない
メタバースはインターネットを通じた交流が実現するため、参加にあたってユーザー同士の物理的な環境を問いません。
これらは従来のビデオ通話やチャットアプリと同様ですが、メタバースではまるで目の前に本人がいるかのような自然な交流が可能です。
世界各国の人と現実世界のように違和感の無い会話が実現する点は、メタバースが持つ最大の強みといえます。
業務面でも移動に掛かる時間、コストを削減しながら効率よく進められるでしょう。
自由自在な演出が可能
メタバースを通じたイベントは、会場のあちこちに色々なオブジェクトを自由に配置できます。
そのため、よりユーザーの目を引く広告訴求が気軽に実現できるのです。
空間全体を活用した演出はこれまでにない体験をユーザーへ提供するでしょう。
さらに、準備の手間も現実世界と比較して楽に進められます。
イベント会場の大きさについても、想定以上に集まった場合は自由自在に変更可能。
柔軟な対応と自由な演出がメタバース構築の大きなメリットなのです。
|メタバースを構築する会社の選び方
メタバース構築費用の段落で先述したように、メタバースを構築する会社によって費用形態が様々です。
また、お客様が開催したいイベントも多種多様なので、自社に沿ったイベントを行うためには、正しい企業選びが重要となります。
正しい企業を選ぶ際の3つの着目ポイントを説明します。
専門性
専門的な領域でのシステム開発では、専門性も重視すべきです。
メタバースなどWeb3.0の領域の専門性がある企業を選定し、チェックしましょう。また、専門資格保有者の有無をチェックしておくと安心です。
納期
開発にかかる時間はその開発内容によって様々です。
スピード感を求める場合、短納期への対応が可能かどうかチェックする必要があります。
開発実績
開発実績は最も重要なポイントとなります。
これまで行ったメタバースの開発実績やどんな会社に納入したかなどチェックしましょう。
自社のイメージに近い実績があれば、自社の求めるシステムに近いものの開発が期待できます。
サポート体制
- サポート体制が充実しているかどうかもサービスを選ぶ上で重要なポイントです。
- メタバースサービスを導入したことがない企業は、 イベントのリハーサルや当日のサポートも充実しているサービスを選ぶことで、イベント当日も安心して進行できるでしょう。
メタバース構築後のサポート体制についても、依頼する前に確認しておくべきでしょう。
特に、これまでメタバースを活用した経験がない場合は、より丁寧なサポートが必要となります。
例えば、イベント開催前の準備からリハーサル、当日のトラブルまで対応してくれる企業であれば、不安を抱くことなくスムーズに進行できるはず。
メタバース構築内容と同時に、その後のサポート体制についてもしっかりと確認を行いましょう。
|メタバースを構築する企業
それでは、上記の3つポイント(専門性、納期、開発実績)を押さえながら具体的な企業を紹介します。
monoAI technology株式会社
monoAI technology株式会社では、BtoB向けメタバース「XR CLOUD」というサービスを提供しています。
XR CLOUDには、以下のような特徴があります。
- 大規模同時接続エンジンを搭載
このエンジンを搭載していることで、1つの空間に1000名を同時に参加させることが可能となっています。そのため、バーチャル上の大規模なイベントやバーチャル店舗の展開を可能にします。
- 双方向のコミュニケーションがとれる
アバターを操作しながら自由に動き、音声やテキストチャットでコミュニケーションをとることができます。
- PCやスマホからアクセスすることが可能。
利用デバイスによる障壁が少なく、多くの方にご参加いただけます。また、WEBブラウザからも参加することが可能で、ITリテラシーが低くても、URLをクリックするだけで参加できます。
企業とのコラボ事例も豊富で、阪急阪神ホールディングス株式会社やピクシブ株式会社、日本新薬株式会社などに利用されています。
詳細について気になる方は以下よりお気軽にお問合せください。
クラスター株式会社
クラスタ―株式会社では、メタバースプラットフォーム「cluster(クラスタ―)」を開発・提供しています。
これまでの総ダウンロード数は100万回以上、そして総動員数は約800万人以上といわれており、国産のメタバースとしては最大規模を誇っています。
特にスマートフォンでの操作性の良さは他プラットフォームと比べても優位性があります。
そんなclusterですが、もちろん企業とのコラボ事例も豊富です。
過去には株式会社ポケモンや株式会社横浜DeNAベイスターズなどといった有名な国内企業とのコラボを行っておりますので、安心して相談することができるでしょう。
clusterについての詳細は以下をチェック!
株式会社HIKKY
株式会社HIKKYでは、法人向けに「Vket for Business」というサービスを展開しています。
このサービスには、世界最大級のVRイベント「バーチャルマーケット」や、メタバースを構築できる開発エンジン「VKET CLOUD」、イベント開催が可能なプラットフォーム「Vket Space」など、6つのサービスが用意されています。
特にバーチャルマーケットはギネス記録にも認定されている非常に大きなイベントで、現在も年2回(夏・冬)に開催されています。
特徴として、マルチデバイス接続が可能ということ、その知名度からこれまで多くの企業とのコラボ実績があることが挙げられます。
過去には環境省や東日本旅客鉄道株式会社など、およそ200社以上が利用しているメタバースプラットフォームとなっています。
バーチャルマーケットについての詳細は以下をチェック!
株式会社Gugenka
株式会社Gugenkaは、メタバースプラットフォームである「VRChat」の公式パートナー企業として、VRChatを利用したイベントの法人契約代行を行うことができます。
公式パートナーでしかできない有料チケットの販売やワールド内での外部リンクの設置・広告の掲示が可能ですので、VRChatを利用したい企業にはおすすめです。
日本国内の企業ともコラボしており、株式会社サンリオの「SANRIO Virtual Fes」やHTC NIPPON株式会社の「VIVE Wonderland」にて利用されています。
VRChatについて詳しく知りたい方は以下をチェック!
株式会社ambr
株式会社ambrでは、法人向けのメタバースプラットフォーム「xambr(クロスアンバー)」を提供しています。
xambrはマルチデバイスでの接続が可能で、デザイン性やカスタマイズ性が非常に高い事が特徴なプラットフォームです。
その特徴が評価され、2021年からこれまで東京ゲームショウのバーチャル会場として採用されています。
さらに、世界中で愛されているカードゲーム「マジック:ザ・ギャザリング」のバーチャルアート展の会場にも採用されました。
REALITY XR cloud株式会社
Reality XR cloud株式会社は、主にメタバースプラットフォーム「REALITY」をベースにしたメタバースイベント用空間「REALITY Worlds」を法人向けに提供しています。
REALITYはこれまでに1,000万ダウンロードされているアプリです。そのユーザーへの認知を目的としたワールド構築やイベントなどを実施することが可能です。
過去にはK-POPグループaespaのイベントを開催し、200万人以上の来場者を集めています。他にも、西日本旅客鉄道株式会社や三井不動産株式会社などの企業にも利用されているプラットフォームです。
REALITYについての詳細は以下をチェック!
株式会社Synamon
株式会社Synamonは、2021年にエンタープライズ向けのメタバース構築支援サービスを立ち上げ、5G技術を組み合わせインタラクティブなバーチャルモールやVRの金魚すくいゲーム、ハロウィンイベント向けにバーチャルハロウィン空間を再現したイベントを形にしてきました。
アニメ業界やゲーム業界で有名IPの作品制作に関わったことのあるトップレベルの3DCGクリエイターが在籍しており、高品質なメタバース構築ができるようです。
そのため、コンテンツの質やデザイン性に優れたイベントをご希望の場合、有用なメタバースプラットフォームであると考えられます。
また、外部プラットフォームに依存しない独自アプリケーションとして開発するため、企業ブランドが提示する世界観を最大限反映した体験を創出できます。
株式会社Grune
Gruneメタバースは、これまで住宅メーカー向けのVRモデルハウスや飲食店の内装シミュレーター、リモート内覧会を形にしており、クライアントから高評価を得ているようです。
また、料金形態は月額定額制をとっており、1年契約であれば、月額20万円からの料金で高品質な仮想空間を形にしています。
また、Gruneの開発の強みとして、豊富な開発実績と月単位の契約、オフショアの圧倒的なコストパフォーマンスを上げており、安さと実績があるということがわかります。
Gruneのメタバースは、VR技術を使った空間設計を依頼したい方やできるだけ設計費用を抑えたい方に非常にお勧めのサービスとなっております。
|まとめ
本記事では自社でメタバースイベントを開く際の構築方法や、企業選びのポイント、様々な企業のメタバース構築の費用を紹介させていただきましたが、いかがだったでしょうか。
私が調べた印象ですと、エンタメ系やビジネスの展示会など用途が様々で、それによって機能もかなり変わってくることが大変興味深いと感じました。
メタバースを外部に依頼する際は、その企業の実績やどの分野に特化したメタバースを構築しているのかに注目してみるといいかもしれませんね。