Facebookが社名を「meta」に変更し、本格的にメタバース事業に取り組むことを発表したのを皮切りに近年、多くの企業がメタバースに関心を寄せています。
本記事をご覧になられている皆様の中でもメタバースでのイベントや展示会を検討されている人もいるのではないでしょうか?
しかしながら、メタバースイベントの事例を調べていると、具体的にいくらかかるのか、どれくらいの費用がかかるのかが不明瞭であると感じるのではないでしょうか。
今回はそのような疑問を解消するため、メタバースの構築費用について詳しく解説します。
目次
|メタバースとは?

まずそもそもメタバースとは何でしょうか。実はまだはっきりとした定義はないんです。
「メタバース」という言葉はアメリカのSF作家であるニール・スティーブンソンのSF小説「スノウ・クラッシュ」に登場した言葉です。
作中では「インターネット上の仮想世界」の意味で使われており、そこから転じて、「アバターを介して人々が交流し、さまざまなサービスやエンターテインメントが体験できるオンライン空間」を指すようになりました。
ここまで聞いて、もしかしたら「仮想空間ならVRゴーグルが必要じゃないか!」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、多くのサービスはVRゴーグルがなくてもPCやスマートフォンなど手持ちのデバイスから気軽にアクセスができます。
そのため、あまりデジタルになじみのない方でも簡単に参加できます。
近年ではそういった特徴からビジネス分野からも注目をあびており、徐々にメタバースがさまざまな手法で取り入れられています。
メタバースについて詳しく知りたい方はこちらの記事がおすすめ!
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|メタバース構築の費用

メタバースを構築し、自社のイベントを開催するには大きく2種類の方法があります。
①無料の既存メタバース関連サービスを利用して、イベントを開催する
②カスタマイズでオリジナルの空間やシステムを構築してイベントを開催する
①の方法については、比較的簡単にイベントは開催できますが、自社に合わせたカスタマイズにあまり向いていません。
また、無料のメタバースを関連サービスは海外が提供するものが多く、ユーザーにITリテラシーがない場合、参加ハードルが高くなってしまいます。
②に関しては、基本的には外部委託してバーチャル空間やシステムの制作を依頼する流れになります。
この場合、①の方法に比べ、費用は高くなってしまいますが、自社の要望に合わせてメタバース空間やシステムを設計できるため、ユーザーに楽しんでもらうように設計したり、使いやす設計にしたりと、カスタマイズすることができます。
外部委託をした場合、メタバースを最初から構築するのにかかるコストは数百万円~1千万円以上の費用が必要となることが多いです。
会社によって求める内容が違い、既存のメタバースから構築とフルオーダーで構築では費用感は大きく異なります。
また支払いパターンも様々で、月額払いやパッケージプランになっているもの、初期費用+月額費用かかるもの様々です。
|メタバースを構築する会社の選び方
メタバース構築費用の段落で先述したように、メタバースを構築する会社によって費用形態が様々です。
また、お客様が開催したいイベントも多種多様なので、自社に沿ったイベントを行うためには、正しい企業選びが重要となります。
正しい企業を選ぶ際の3つの着目ポイントを説明します。
・専門性
専門的な領域でのシステム開発では、専門性も重視すべきです。
メタバースなどWeb3.0の領域の専門性がある企業を選定し、チェックしましょう。また、専門資格保有者の有無をチェックしておくと安心です。
・納期
開発にかかる時間はその開発内容によって様々です。
スピード感を求める場合、短納期への対応が可能かどうかチェックする必要があります。
・開発実績
開発実績は最も重要なポイントとなります。
これまで行ったメタバースの開発実績やどんな会社に納入したかなどチェックしましょう。
自社のイメージに近しい実績があれば、自社の求めるシステムに近いものの開発が期待できます。
|メタバースを構築する会社
それでは、上記の3つポイント(専門性、納期、開発実績)を押さえながら具体的な企業を紹介します。
monoAI technology株式会社

【会社概要】
設立年:2013年1月(創業:2005年7月)
会社所在地:
神戸本社:〒650-0034 神戸市中央区京町78 三宮京町ビル3階A号室
東京支社:〒160-0022 東京都新宿区新宿1-9-2 ナリコマHD新宿ビル4階
電話番号:03-6273-2753
【提供しているサービス名と予算やプラン】
XR CLOUD
100名イベント
55万円~
【提供しているサービスの特長やメリット】
monoAI technology株式会社のXR CLOUDというサービスには、3つの特長があります。
1つ目は大規模同時接続エンジンを搭載していることです。
このエンジンを搭載していることで、1つの空間に1000名を同時に参加させることが可能となっています。
そのため、バーチャル上の大規模なイベントやバーチャル店舗の展開を可能にします。
2つ目が双方向のコミュニケーションがとれることです。
アバターを操作しながら自由に動き、音声やテキストチャットでコミュニケーションをとることができます。
3つ目がPCやスマホからアクセスすることが可能である点です。
利用デバイスによる障壁が少なく、多くの方にご参加いただけます。また、WEBブラウザからも参加することが可能で、ITリテラシーが低くても、URLをクリックするだけで参加できます。
上記のような特長を活かし、XR CLOUDでは、メタバースの音楽ライブイベント「JM梅田ミュージックフェス」やバーチャルユーチューバーのファンミーティングである「日本烈島バーチャルファンミーティング~まずはやってみる編~」を開催したほか、BtoBのイベントを多く実施した実績があります。
多人数のコミュニケーションや参加者を多く集めるようなイベントを記載したい場合、非常におすすめのメタバースとなっております。
株式会社Grune

出典:https://grune.co.jp/xr/
【会社概要】
設立年:2016年11月15日
会社所在地:東京オフィス 〒182-0026 東京都調布市小島町2-51-2寿ビル2F
電話番号:0244-23-1022
【提供しているサービス名と予算やプラン】
サービス名:Gruneメタバース
料金表:
1ケ月契約 30万円/月
3ケ月契約 25万円/月
1年契約 20万円/月
【提供しているサービスの特長やメリット】
Gruneメタバースは、これまで住宅メーカー向けのVRモデルハウスや飲食店の内装シミュレーター、リモート内覧会を形にしており、クライアントから高評価を得ているようです。
また、料金形態は月額定額制をとっており、1年契約であれば、月額20万円からの料金で高品質な仮想空間を形にしています。
また、Gruneの開発の強みとして、豊富な開発実績と月単位の契約、オフショアの圧倒的なコストパフォーマンスを上げており、安さと実績があるということがわかります。
Gruneのメタバースは、VR技術を使った空間設計を依頼したい方やできるだけ設計費用を抑えたい方に非常にお勧めのサービスとなっております。
株式会社メタバーズ

出典:https://cyzyspace.io/
【会社概要】
設立年:2006年6月2日
会社所在地:京都:〒604-8132 京都市中京区丸屋町159-1
東京:〒105-0021 東京都港区東新橋2-10-10
電話番号:075-744-0983
【提供しているサービス名と予算やプラン】
サービス名:CYZY SPACE
料金表:基本プラン/初期0円 月額1,1000円
作成可能なルーム数:1から任意のルーム数
1ルームあたりの同時接続最大人数:アバター25名 閲覧のみ100名
・ベストエフォート型での接続人数となります
独自サーバプラン
初期550,000円 月額110,000円~
10から任意のルーム数
1ルームあたりの同時接続最大人数:アバター25名 閲覧のみ100名
・11ルーム(URL)以上は、1ルーム(URL)あたり月額11,000円追加となります。
・オリジナルドメイン、ユーザーID管理と利用制限、アクセス解析連動、UIカスタマイズ等を利⽤いただけます。
・OEMや代理店・販売店についてもご相談を承りますのでお問い合わせください
【提供しているサービスの特長やメリット】
メタバーズは今までにトヨタ自動車株式会社の社内有志団体あるとトヨタ技術会の依頼で、リアルで行われていた「わくわくワールド」をメタバース化したり、近畿大学物理工学部のオープンキャンパスを実施したりと有名企業や大学、自治体などにメタバース空間を提供してきた実績があります。
高品質なメタバース空間を構築したい方には心強いパートナーとなるでしょう。
株式会社アイデアクラウド

出典:https://expocloud.jp/
【会社概要】
設立年:2009年3月2日
会社所在地:
名古屋本社:〒460-0002 愛知県名古屋市中区丸の内1-17-19 キリックス丸の内ビル5F
【東京支社】
〒106-6224 東京都港区六本木3丁目2-1 住友不動産六本木 グランドタワー 24階
電話番号:052-253-9866
【提供しているサービス名と予算やプラン】
EXPO CLOUD
Business(2D) | Enterprise(2D) | Customize (2D、3D、アバター) | |
プラン内容 | 自社主催で 小中規模 | 自派主催で 中大規模 | 自社主催で オーダーメイド |
初期費用 | 1ケ月分 | 1ケ月分 | 1ヶ月分 |
月額 | 250,000円 | 400,000円 | 要相談 |
年額 | 3,000,000円 | 4,800,000円 | 要相談 |
※料金は税別
【提供しているサービスの特長やメリット】
株式会社アイデアクラウドのEXPO CLOUDは、オンライン展示会に特化したメタバース空間です。
「顧客リーチ力」を高める数々の機能が搭載されており、「使いやすさ」や「セキュリティ」がかなり高いようです。
また、デザイン性も高く世界観のある展示会を実施してきた実績があります。例えば、電設業界の展示会「バーチャルジャンボびっくり見本市2022」や出現画廊という美術展示会のイベントを行っています。
デザイン性の高いオンライン展示会を実施したいという方に非常におすすめのメタバースとなっております。
株式会社Synamon

出典:https://metaverse.synamon.jp/platform
【会社概要】
設立年:2016年8月8日
会社所在地:〒141-0031 東京都品川区西五反田7-22-17 TOCビル9階1号室
【提供しているサービス名と予算やプラン】
SYNMN
料金:要問合せ
【提供しているサービスの特長やメリット】
株式会社Synamonは、2021年にエンタープライズ向けのメタバース構築支援サービスを立ち上げ、5G技術を組み合わせインタラクティブなバーチャルモールやVRの金魚すくいゲーム、ハロウィンイベント向けにバーチャルハロウィン空間を再現したイベントを形にしてきました。
アニメ業界やゲーム業界で有名IPの作品制作に関わったことのあるトップレベルの3DCGクリエイターが在籍しており、高品質なメタバース体験の構築できるようです。
そのため、コンテンツの質やデザイン性に優れたイベントをご希望の場合、有用なメタバースプラットフォームであると考えられます。
また、外部プラットフォームに依存しない独自アプリケーションとして開発するため、企業ブランドが提示する世界観を最大限反映した体験を創出できます。
株式会社ソフトギア

出典:https://www.strixengine.com/
【会社概要】
設立年:2008年2月6日
会社所在地:〒160-0022 東京都新宿区新宿1-28-11小杉ビル7F
【提供しているサービス名と予算やプラン】
Strix Cloud
料金:要相談
【提供しているサービスの特長やメリット】
株式ソフトギアは、オンラインゲームやVRコンテンツの開発を通じて多くのクライアントと取引を重ねています。
開発にあたっては事前の企画からプログラミング、デバック、運用までトータルに任せることが可能となっています。
ゲームコンテンツの受託開発とあわせてパッケージ型のサーバーソリューションも提供しており、メタバースの自社開発にチャレンジしたい場合も頼れるパートナーになると思います。
こちらのメタバースは、エンタメ系のコンテンツ制作を依頼したい方や、デバッグや運用まで委託したい方におすすめです。
株式会社YRK&

出典:https://www.yrk.co.jp/digten/
会社概要
設立年:明治29年2月21日
会社所在地:大阪:〒541-0048 大阪市中央区瓦町2丁目6番6号
東京:〒104-0061 東京都中央区銀座5丁目12番5号 白鶴ビルディング2階・3階(受付3 階)
【提供しているサービス名と予算やプラン】
デジ展
料金:要相談
【提供しているサービスの特長やメリット】
株式会社YRK&のデジ展には4つの特長があります。
1つ目がスピーディーにオンライン展示会を開催することが可能な点です。管理画面から簡単にかつ最短1ケ月でイベントを開催できます。
2点目が誰でも使いやすい、参加しやすいデザインです。
ログインやチャットなど、デフォルトで誰でも利用しやすい機能・デザインが実装されています。
3つ目が多彩なコンテンツ配信とデータ収集です。
動画や商品、web会議のURLなど、多彩なイベントコンテンツを設定可能となっており、そのアクセスデータを集計しデータ分析に活用できます。
4つ目が様々なオンラインイベント機能が搭載されていることです。チャット、ライブ配信、会場アナウンスなどリアルタイムで来場者とコミュニケーションが取れる機能が多数ございます。
このように展示会に必要な機能が備わっており、大和ハウス工業株式会社やP&Gジャパン株式会社など様々な企業様がデジ展を導入しております。
ネストビジュアル株式会社

出典:https://www.nest-vis.com/
【会社概要】
設立年:2014年3月10日
会社所在地:〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿4-22-7恵比寿イーストスクエアビル3階
電話番号:03-6456-4474
【提供しているサービス名と予算やプラン】
メタバース開発プラットフォームをそのまま使って開発
開発プラットフォーム:「DOOR」や「VRChat」など
開発期間:ヒアリングも含めて1ケ月~
80万円~
メタバース開発プラットフォームを使ってカスタマイズ開発
開発プラットフォーム:「DOOR」や「VRChat」など
開発期間:ヒアリングも含めて2ケ月~
■主なカスタマイズ
・空間をオリジナルで制作
・アバターを新たに制作
・外部サービスとの連携
・イベント支援設計
オリジナル開発
開発期間:ヒアリングも含めて4ヶ月~
シンプル機能
400万円~
スクラッチ開発
1,000万円~
【提供しているサービスの特長やメリット】
ネストビジュアルは、映像とテクノロジーの融合をコンセプトに掲げ、VR・ARコンテンツやスマートフォンアプリの開発業務を行っております。
最も大きな強みは業界トップクラスの制作実績であり、これまで富士急ハイランドのVRや住友生命のイベントVR映像を手掛けてきました。
また、メタバースの分野では、お江戸メタバースを作成しており、ユーザーは“ちょんまげアバター”となり、町を散策したり、他のユーザーとコミュニケーションが取れたり、様々な体験ができる空間を作成しております。
実績を重視する方やエンタメ系のコンテンツ制作を依頼したい方におすすめのメタバースとなっております。
株式会社EventHub

出典:https://eventhub.jp/
【会社概要】
設立年:2016年2月24日
会社所在地:〒101-0035 東京都千代田区神田紺屋町15 グランファースト神田紺屋町ビル 5階
【提供しているサービス名と予算やプラン】
EventHub
料金:要相談
【提供しているサービスの特長やメリット】
EventHubはオンラインやハイブリッド、オフラインのイベントすべてに対応ができ、オンラインのイベントでは展示会に必要な機能が備わっています。
例えば、会話に必要なチャット機能や、来場者データを取得することができます。
過去にシチズンマシナリー株式会社の展示会や株式会社ニューズピックスのカンファレンスイベントを開催した実績があります。
SoVeC株式会社

出典:https://www.sovec.net/
【会社概要】
設立年:不明
会社所在地:〒140-0002 東京都品川区東品川4-12-3 品川シーサイドTSタワー
【提供しているサービス名と予算やプラン】
そのまま展示会
そのままショールーム
そのまま展示会
推奨用途:複数社が出展する中・大型イベント
対象:業界団体
価格:198万円~
そのままショールーム
推奨用途:プライベートショー/商談会/ショールーム
対象:単独企業・団体様
価格:198万円~
【提供しているサービスの特長やメリット】
SoVeC株式会社のメタバースの特徴は、効率的なリード獲得とコンテンツの簡単入れ替え、ソニークオリティ3DCGの3点です。
一つ目の効率的なリード獲得とは、出展ブースにアクセスした来場者をリスト化や、来場者が度の動画や資料を見たのかなどの行動履歴の把握ができることです。
これらの情報を取得できるため、その後の営業活動に役立てることが可能です。
二つ目のコンテンツの簡単入れ替えに関しては、管理画面から出展社のブースが簡単操作で動画やPDFなどのコンテンツを入れることができます。
最後の三つ目のソニークオリティ3DCGは、標準フォーマットの会場から、オリジナルカスタマイズした会議まで、ニーズに合わせて様々な会場を提供することが可能となっていることです。
以上のように、展示会を行う上での基本機能は備えつつ、カスタマイズ性が高い空間ができるメタバースを提供可能なようです。
株式会社フジヤ

出典:https://www.fujiya-net.co.jp/
【会社概要】
設立年:1928(昭和3)年 3月
会社所在地:本社:〒604-0076 京都市中京区東堀川通丸太町下ル 7-4
電話番号:(075)211-7271
【提供しているサービス名と予算やプラン】
ネクシビ
STANDARD
価格150万円(税別)
サーバー利用料金 1ヶ月無料
VS
価格250万円(税別)
サーバー利用料金 1ヶ月無料
PRIME
価格 都度見積もり
サーバー基本料金 ご要望に合わせてプランニング
【提供しているサービスの特長やメリット】
ネクシビもオンライン展示会に特化したメタバースを構築しております。
来場者のリード情報の取得はもちろんのこと、LIVE配信機能やアンケート機能がオプションとして付けることができます。
また、スタンダードコースであれば1回150万円と他のプラットフォームと比べ、安価な値段であるのも一つの特長として挙げられます。
|まとめ
本記事では自社でメタバースイベントを開く際の構築方法や、企業選びのポイント、様々な企業のメタバース構築の費用を紹介させていただきましたが、いかがだったでしょうか。
私が調べた印象ですと、エンタメ系やビジネスの展示会など用途が様々で、それによって機能もかなり変わってくることが大変興味深いと感じました。
メタバースを外部に依頼する際は、その企業の実績やどの分野に特化したメタバースを構築しているのかに注目してみるといいかもしれませんね。