バーチャルオフィスは、経営者やフリーランスなどの起業する人々に向けたサービスとして、近年市場が拡大しています。
しかし実態は、さほど認知されておらず、レンタルオフィスやシェアオフィスなどの事務所で事業をおこなう企業が多いのが実情です。
「事務所の固定費をおさえたい」「事務所を借りるほどでもないがチームと効率よくコミュニケーションがとりたい」
このようなお悩みをお持ちの方は「バーチャルオフィス」の利用をおすすめします。
本記事ではバーチャルオフィスの特徴や導入事例なども踏まえ、詳しく解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
|バーチャルオフィスとは
バーチャルオフィスとは、現実のオフィススペースを借りずに業務をおこなうための仮想事務所を貸し出すサービスです。
おもな顧客層は、マイクロ法人の経営者やフリーランスなどの個人事業主を対象とし、実際の事務所やデスク、通信環境などの設備はなく、事務所用の住所を貸し出してくれます。
事業を開始するにあたり、登記住所は会社のイメージや信頼に影響するため重要です。
バーチャルオフィスサービスでは都心の一等地の住所を取得することも可能であり、ブランド力の向上も期待できます。
また実際のオフィスを構える必要がないので、コスト削減や場所にとらわれない働き方が実現できることも大きなメリットの1つです。
その他にも専用電話番号の貸し出しや契約エリア外の会議スペースのレンタルなど、多岐にわたるサポートを提供し、ビジネスの効率と成功を支援するサービスとして、今後も注目されるでしょう。
|『NTT XR Lounge』とは
NTT XR Lounge(エヌティーティーエックスアールラウンジ)とは、遠隔ワークやハイブリッドワークの環境下でのコミュニケーションをリアルに再現した3D空間のバーチャルオフィスサービスです。
従来のオンライン会議とは異なり、自身の3Dアバターを通じてチームメンバーが気軽に会話や相談をおこなえるため、生産性向上やチームワーク強化が期待できます。
スムーズな意思疎通による作業の効率化やプロジェクト成功確率の向上、さらに心理的安全性の確保と離職率低下などの導入効果もあります。
気軽なコミュニケーションの場としても利用できると共に、出社しなくてもリアルなオフィス環境を体験できるため、新しい働き方に対応する革新的なツールと言えるでしょう。
導入背景
「NTT XR Lounge」の導入背景は、近年の働き方の多様化やリモートワークの増加に伴い、チームメンバー同士のコミュニケーションがオフィス内で思うようにおこなわれていないことが問題視されていたことです。
遠隔地からの参加やオンライン会議では、オフラインでのコミュニケーションに比べてチームの連携や情報共有が不足することがあります。
こうした背景から「NTT XR Lounge」は、3Dバーチャルオフィスの形式を採用しました。
利用者は仮想空間内で3Dアバターを通じてコミュニケーションをおこなうことができ、遠隔地からでも対面のようなコミュニケーションを実現できます。
スマートフォンやタブレットを使用して手軽に参加できるため、チームメンバー同士が気軽に会話したり、相談したりすることが容易になります。
|『NTT XR Lounge』の特徴
NTT XR Loungeのおもな特徴については以下のとおりです。
3Dアバターでのコミュニケーション
ステータスの表現
エモート機能
アテンション機能
モバイルアプリ
それぞれ解説していきます。
3Dアバターでのコミュニケーション
「NTT XR Lounge」の特徴として、バーチャルオフィスソリューション内で、3Dアバターのメンバー同士が離れていても、まるで隣にいるかのようなリアルなコミュニケーションができることです。
ハイブリッドワークや遠隔企業との協働課題を解決するために開発され、各自の端末から気軽に3Dアバターで参加し、コミュニケーションを取れます。
社員の安心感が高まり、相談やアイディアの共有がしやすい環境の構築と生産性やチームワークの向上が期待できるでしょう。
iPadやiPhone、Androidなどの端末からも利用可能であり、ハイブリッドワークや多様な働き方に適したソリューションとして注目を集めています。
ステータスの表現
「NTT XR Lounge」の 2つ目の特徴は、ユーザーであるアバターが、現在のステータスや状態を視覚的に表現できることです。
ユーザーはチームメンバーがどのような状態か理解しやすくなり、コミュニケーションを円滑にします。
例として、ユーザーがアバターを通じて他のユーザーと会話している場合、アバターの外観やポーズが変化し、そのユーザーが忙しい状態がわかります。
逆にユーザーがアバターに集中している場合、同じくアバターの外観が変化して、そのユーザーが今は静かに作業していることがわかります。
このようなステータスの表現は、周囲のユーザーやチームメンバーが相手の状態を把握でき、適切なタイミングでコミュニケーションを取れるでしょう。
エモート機能
「NTT XR Lounge」の 3つ目の特徴は、テキストベースのコミュニケーションでは伝わりづらい感情や意図を、アバターを通じてより直感的に伝える「エモート機能」です。
アバターの身振り手振りなどの感情表現により、音声コミュニケーションでは伝わりにくい部分を補い、メンバーに安心感や親近感を与えます。
また音声に合わせて自動でアバターが表現するため、自然なコミュニケーションが実現できることも魅力的な部分です。
ユーザー同士のコミュニケーションが深まり、相手の反応や意図をより正確に理解できるでしょう。
アテンション機能
「NTT XR Lounge」の4つ目の特徴は、既存のコミュニケーションツールでは困難である、ちょっとした相談や要望の伝達を効果的におこなえる「アテンション機能」です。
上記のエモート機能では表現しきれない部分も短文のテキスト入力で吹き出し表示ができるので、日常の悩みやちょっとした感情表現によりコミュニケーションのきっかけとなります。
本機能は2023年9月にリリース予定です。
モバイルアプリ
「NTT XR Lounge」の5つ目の特徴は、モバイルアプリとしてサービス提供し、スマホやタブレットに特化していることです。
メールや資料作成などの業務をPCでおこなうことにより、コミュニケーションツールがバックグラウンドにいってしまい、通知に気づかずコミュニケーションが円滑にいかない可能性があります。
アプリであれば通知機能があり、コメントが届いても気付かないなどの問題は起こりにくくなります。
また従来の3Dアプリはハイスペックな機種でしか利用できませんでしたが、NTT XR Loungeのアプリは、ノーマルモデルのスマホでも十分に稼働できるデータ利用量です。
|『NTT XR Lounge』の導入事例
伊藤忠テクノソリューションズは2023年6月より、NTT XR Loungeを導入しました。
このソリューションはNTT QONOQ(コノキュー)が提供し、3Dアバターを通じてリアルなオフィス環境のようなコミュニケーションを可能にし、生産性向上やコミュニケーション機会の増加を目指します。
伊藤忠テクノソリューションズはCTC内の一部門で約100名がXR Loungeを活用し、CTCとNTT QONOQは連携してサービス改善を進める計画です。
3Dアバターを使用し、常にチームメンバーを近くに感じながら業務をおこなうことで、リモートワークの孤独感を軽減やコミュニケーションを円滑にし、生産性と創造性の向上を促進するサービスとなるでしょう。
|まとめ
いかがでしたか。
今回は3Dバーチャルオフィス「NTT XR Lounge」の特徴や導入事例をまとめて解説しました。
コロナ禍の影響でリモートワークの普及により、日常業務においてオフラインでのコミュニケーションは減少傾向となります。
コミュニケーション不足の問題に対して、3Dバーチャルオフィスの導入は、チーム内の新たな刺激として有効な手段です。
今後はバーチャルオフィスの普及により、場所を選ばない新たな働き方として、重要なコミュニケーションツールとなるでしょう。