昨今の就職活動では、メタバースを活用した新たな採用手法が注目されています。

従来のオンライン面接や説明会と異なり、仮想空間での就活は臨場感や双方向性を実現できるなど、学生・企業の双方に多くの利点があります。

本記事では、「メタバース就活」とは何か、導入メリットや実際の事例を交えてご紹介しますので、是非最後までご覧ください。

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|メタバースを活用した就活とは?

メタバース就活とは、仮想空間で企業と求職者がやり取りを行う新しい就職活動の形です。

アバターを使って説明会や面接に参加することで、実際の職場の雰囲気や企業文化をリアルに体験できる点が特長です。

少子化や採用競争の激化により、従来の採用手法では母集団形成が困難になりつつあり、そんな中で、メタバースを活用した採用イベントは、全国各地の学生やZ世代を含む多様な人材との接点を増やし、ダイバーシティを実現する手段として注目されています。

オンライン(Zoom)との違い

Zoomなどのオンライン会議ツールは、利便性が高い一方で「画面越し」のやりとりに終始するため、参加者が受け取れる情報量には限界があります。

表情や空気感といった非言語的な情報が伝わりづらく、求職者の緊張感や企業への理解度にも影響を及ぼします。

一方、メタバースではアバターを介した参加が基本となるため、求職者は顔出し不要・身だしなみを気にせずに済み、リラックスした状態でコミュニケーションできます。

これにより、表面的なやり取りではなく、本音ベースの会話が生まれやすくなるのです。

|メタバース就活の種類

メタバース就活には複数の種類が存在し、目的や参加者のニーズに応じて形式を使い分けると良いでしょう。

ここでは、代表的な「合同説明会」と「就活相談イベント」の2つに焦点を当てて、その特徴と効果について解説します。

合同説明会

メタバース空間での合同説明会は、複数の企業がブースを出展し、学生が自由に移動しながら情報収集できる形式です。

従来の対面型イベントでは移動や日程調整の制約がありましたが、メタバースではこれらの制限がなく、全国どこからでも参加可能です。

アバターでの自由な行動が可能なため、学生は周囲の目を気にせず、関心のある企業ブースに気軽に立ち寄ることができます。

また、匿名性が保たれるため、学生は本音の質問をしやすく、企業にとっても学生の関心度や反応をリアルタイムで把握しやすいという利点があります。

このような仕組みにより、学生の参加意欲を引き出すだけでなく、企業の情報発信力やブランド印象を高めることができるのです。

就活相談イベント

就活相談イベントは、求職者が企業の採用担当者や現場社員と直接対話できる場を、メタバース内で設ける形式です。

匿名性のあるアバターを介することで、学生は顔出しや実名のプレッシャーから解放され、より率直な相談が可能となります。

たとえば「残業時間はどれくらいか」「研修制度は本当に機能しているか」といった、一般的な説明会では聞きにくい質問も、メタバースなら自然に聞ける環境が整っています。

また、企業側もチャットや吹き出し機能を活用し、複数の学生と同時に会話を進めることができ、インタラクティブで充実したコミュニケーションを実現できます。

|メタバース就活を導入するメリット

メタバース就活を導入することで、学生と企業の双方にとって多くのメリットが得られます。

学生側のメリット

学生にとって最大の利点は、「気軽に就活に参加できる環境」が整うことです。

メタバースでは、アバターを通じて参加できるため、服装やメイクといった外見のプレッシャーから解放され、よりリラックスした状態で企業説明や面接に臨めます。

第一生命経済研究所のレポートによれば、匿名性のある環境では、73%の人が言いたいことを言えることがわかっています。

就活時、本当に聞きたいデリケートな質問も、アバターを介してなら聞きやすくなります。

さらに、地理的制約がないため、地方や海外在住の学生でも都市圏の企業と容易に接点を持つことができ、移動コストの削減にもなります。

複数の企業の情報を一つの空間で比較検討できるため、効率的に就職活動を進められる点もメリットと言えるでしょう。

企業側のメリット

企業にとっては、メタバース就活の導入が採用活動の質と効率を大きく向上させる手段となります。

まず、オンライン完結型であるため、イベント運営や会場設営などのコスト削減が可能です。さらに、参加者の属性や行動履歴を可視化することで、より精緻なデータドリブン採用が行えます。

アバター越しのやり取りでは、学生が素の状態で参加するため「本音ベース」のやり取りが生まれやすく、ミスマッチのリスクを減らせます。

実際の企業文化や働き方を3D空間で再現することにより、リアルな理解促進につながり、結果として早期離職の抑制に寄与します。

加えて、ゲーム性のあるコンテンツを盛り込むことで、企業の柔軟性や創造性をアピールでき、採用ブランディングの強化にも貢献します。

これは特にZ世代のような情報感度の高い層に対して有効です。

|メタバース就活の事例

ここからは実際にメタバースを活用した企業のイベントの事例を紹介していきます。

【中京テレビ】会社説明会

中京テレビでは、メタバース内で学生向けに会社説明会を実施しました。

200名の定員の予定でしたが、定員をはるかに超える約400名の応募があり抽選での開催となりました。

アバターを使用することで匿名性を担保したうえで、参加者が気軽に相談できる場を提供しました。 

イベント終了後の参加者へ実施したアンケートでは、満足度95%と満足度が高い結果となりました。

【株式会社Aww】採用選考面談の実施

株式会社Awwでは、ブロックチェーン・仮想通貨を活用した世界的に人気の代表的なメタバースプラットフォームである「Decentraland」のメタバース内で世界で初めて採用の選考面談を行いました。

採用担当者、参加者は自分のアバターを作成し、指定の地点まで移動、面談では会社の案内や業務内容などを聞くことができ、カジュアルなコミュニケーションを実現しました。

【ポート株式会社】就活メタバース

ポート株式会社では業界で初めて、メタバースを活用した就職相談サービスをリリースしました。

Web面談のような窮屈な空間ではなく、まるで対面で話しているかのような緊張感が少なく、リアルに近しい感覚を得られるメタバース内で、キャリアコンサルタントへ就職活動での悩み事を相談することができます。

今後は、メタバース空間での面接プラットフォームの開発等についても積極的に検討を進めていくそうです。

【NPO法人エンカレッジ】CAREER THEATER

日本最大級のキャリア教育NPO法人エンカレッジ支援による、約12,000人を動員した大規模キャリア講演イベント「CAREER THEATER」を、メタバースプラットフォーム 「cluster」を運営するクラスター株式会社協力のもと、メタバース上で開催しました。

「CAREER THEATER」は2019年までオフラインで開催していましたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響から、以降2年間はオンラインでの開催となっていました。

10~20代の若者の実態を研究するプランニング&クリエーティブユニット「電通若者研究部(電通ワカモン)」と、クラスター株式会社協力のもと、メタバース上に劇場型の空間を作成し、各業界で活躍するトップランナーの講演会や、企業の内定者イベント、学生との就活相談会など実際にその場にいるようなリアルな就活イベントとなりました。

【On’yomi】メタバース面談

PR・コミュニケーションエージェンシーの「On’yomi(オンヨミ)」は、Meta社が提供している「Horizon Workrooms」を活用し、アバター同士で会社説明や採用面接を実施する「メタバース面接」を行いました。

参加者は対面、オンライン、メタバース等自身で選択することができ、リラックスして面接に挑める環境を整えています。

アバターを用いて面接を実施することで、よりリアルな感覚で会話を進めることができ、オンライン面談より本人らしさを引き出しやすいそうです。

【株式会社tenshabi】METANAVI

株式会社tenshabiでは、メタバースプラットフォームである「VRchat」上でメタバース就職フェス「METANAVI」を開催しました。

イベント当日は高スペックなPCやデバイスを持っていなくても、YouTubeやZoomなどを活用してライブ中継を閲覧でき、総勢1000人を超える参加者が集まりました。

就職に関するイベントではありますが、参加者が楽しみつつ就職活動ができる工夫がされており、企業と優秀な人材が出会う互いにとってメリットのあるイベントとなりました。

【県央ネットやまなし】合同説明会

山梨県や地元の自治体などが連携して運営する「県央ネットやまなし」は、2025年3月6日(木)に、メタバースプラットフォーム「DOOR」上で「県央ネットやまなし メタバース合同企業説明会」を開催しました。

山梨県内の企業・団体109社が出展し、総アクセス数は延べ14,000に達しました。

山梨県外に住んでいる人でも、気軽に山梨県内の企業の情報を得たり、顔出しせずに参加できたりと、新しいスタイルの就職活動が可能になっています。

参照:https://lipronext.com/release/kofu-metaverse-report-2/

|まとめ

メタバース就活は、新たな採用手法として注目を集めています。

従来のオンライン面接や合同説明会では実現できなかった「リアルな企業体験」や「本音のコミュニケーション」を仮想空間で可能にすることで、採用の質を根本から変える力を持っています。

少子化による人材不足や若手の早期離職が課題となる今、学生と企業の認識のズレを解消する手段として、メタバースの活用は非常に有効な手段と言えます。

今後もテクノロジーの進化とともに、就職活動の形はさらに多様化していくと予想されます。

企業はその変化に柔軟に対応し、求職者との最適な出会いを創出する仕組みを構築することが求められるでしょう。

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