生成AIの技術は驚異的な進展を見せており、特に最近では画像生成に加えて動画生成の技術が注目を浴びています。

こうした生成AI技術は単にクリエイターだけでなく、教育や医療分野をはじめ多岐にわたる領域で活用され始めています。

「生成AI GO」はこうした生成AI技術を応用した生成サービスで、画像以外にも映像、QRコードアート、音楽などの複数のメディア生成に対応しています。

今回は、生成AI GOの特徴や概略、また料金プランなどサービス全般に関して解説します。

|生成AI GOとは

出典:https://www.genai-go.com/

生成AI GOは株式会社フューチャースタンダードが2023年5月にリリースした複数メディアの生成に対応した生成AIサービスです。

現時点で同サービスを用いて画像、動画、音楽、プロンプト、AIアバター、QRコードアートを生成できます。

画像生成にはStable Diffusion XL 1.0、プロンプト生成にはChatGPT、動画生成にはMov2Movといったメジャーな生成AIをエンジンとして使用しており、これらを単一のパッケージとして提供しています。

多くの生成AIと同様に生成AI GOもブラウザ上で動作するので、使用するデバイスのスペックに依存しません。

同サービスは提供開始以来、既に1,000人以上のユーザーが登録したとのことで、現在も生成可能なメディアの追加やエンジンのAIを改良するなどしてアップデートを継続しています。

|生成AI GOの主な機能

生成AI GOは様々な機能が使えるサービスなので、機能ごとに特徴や使い方が異なります。

以下では、同サービスで利用できる機能の特徴を解説していきます。

画像生成

生成AI GOの画像生成は最近のアップデートによって最新の画像生成モデルのStable Diffusion XL 1.0に更新されています。

これは49種類の生成モデルをはじめ各種機能を備えており、サービスに登録してからすぐにStable Diffusionの最新機能を試すことができます。

AIを用いた生成には通常ハイスペックのGPUが必要ですが、同サービスでは必要な処理をサーバー上で行うため物理的な追加コストを必要としません。

アカウント登録したらプロンプトを入力してすぐにサービスを利用できますが、必要に応じて簡単な任意設定を加えることで、より求めている結果に近づくことができます。

動画生成

また、動画生成にはStable Diffusionの拡張機能であるMov2Movを使用しており、これによって既存の動画から新しい動画を作れます。

AIに動画を作らせる際には画像と同様にハイスペックなグラフィックボードが必要になり、快適なパフォーマンスを得るにはRTX3060程度が必要です。

PC上で直接Stable Diffusionを起動するとこうしたコストが必要になりますが、こうした高性能なハードウェアを必要とする処理は、特にAIの領域ではクラウド化が進んでいます。

機械学習ブーム以来「AIの民主化」が叫ばれていますが、上記のような演算処理のウェブ上への移行はこうした流れを加速させています。

プロンプト生成

この他、生成AI GOではChatGPTを用いてプロンプト作成を代替する機能も備えています。

イメージしている画像をChatGPTに伝えるとそれに応じてプロンプトを生成し、強化すべき点をChatGPTに伝えればその都度AIが自動で強化します。

画像生成を行う際、アウトプットがどの程度自分の求めている結果に近づくかはプロンプトの内容だけでなく、表現の仕方にもよります。

現在はまだ数行でしかないプロンプトが、これから生成AIが進化するにつれて数十行、もしくは更に長くなっていくかもしれません。

そうなった時、AIがAIのためのプロンプトを生成するという、今はまだ用途があまり見出せない技術がとても重要になるかもしれません。

生成モデルをカスタマイズ

より個人のニーズに最適化した生成を行うために、生成AI GOでは生成モデルのカスタマイズが可能です。

写実的な画像からアニメ調のそれまで様々な種類の画像が生成可能で、ユーザーの目的に応じて生成モデルをアップロードすることもできます。

生成モデルをカスタマイズする際、Stable Diffusionの画像投稿プラットフォームであるCivitAIのURLを管理画面に入力することで手間を省けます。

QRコードアート生成

便利な機能として、QRコードの下にイラストを重複させたQRコードアートも生成できます。

最近ではQRコードが一般的になり、ブランドや企業などはQRコードにイラストを配してブランディングや販促に活用しています。

こうしたQRコードアートは生成AIによって制作にかかる費用やデザインの手間を一挙に省けるので、こうした機能を重宝する方は多いかもしれません。

AIを用いるメリットとしてコスト削減がよく挙げられますが、AIがデザインの過程の大半を代替することで、コストを抑えた上での品質向上が可能になります。

|最新のアップデート情報

生成AI GOは様々な種類のメディアを生成できる点が特徴ですが、現在も対応ジャンルを増やしつつ改善を続けています。

先日行われたアップデートでは、新たに音楽やAIアバターなどのより高度な技術を必要とする生成機能を追加しています。

音楽生成

新機能の一つが音楽生成で、Metaが提供している音楽生成AIのAudioCraftを使用しており、こちらもプロンプトによって操作します。

主な機能は二つあり、一つめのMusicGenは音楽を生成し、もう一つのAudioGenは音声を生成します。

また、サンプル音源を用いてそれをベースに別の音声を生成したり、各種設定を加えることができたりなど、実用性を重視した機能を備えています。

喋るAIアバター動画生成

本物と見分けがつかないAI技術のディープフェイクは有名ですが、生成AI GOでは顔写真と音声からAIアバターを生成して喋らせることができます。

必要なのは顔写真とスピーチ音声だけで、そこから唇の動きや喋っている様子をアバターとしてリアルに表現します。

このAIアバター動画生成は「SadTalker β版」として実装されており、実際にカメラを用いて撮影する手間を省いてキャラクターが喋っている動画を生成します。

出力が上手くいくと、そのキャラクターが本当に喋っているかのように見えて、人間が作ったのかAIが作ったのか見分けがつかないかもしれません。

この機能はちょっとしたTikTok動画の素材やYouTube動画などに使えるかもしれず、色々な用途がありそうです。

|料金・プラン

生成AI GOは基本機能は無料ですが、有料プランは3つあり、それぞれLite、Standard、Proがあります。

Lite Planは月額1,100円、Standard Planは月額3,300円、Pro Planは7,700円です。

また、1回利用するたびに1ポイントを消費し、プランによって得られるポイントが異なります。

Free Planでは500ポイント、Lite Planでは1,000ポイント、Standard Planでは5,000ポイント、Pro Planは15,000ポイントです。

また、現在は2週間の無料体験が利用可能で、公式サイトから申し込めます。

|まとめ

ほとんどの生成AIサービスは単一メディアのみの生成に対応していますが、生成AI GOは画像、動画、音楽、プロンプト、AIアバターといった複数の生成に対応しているのが特徴です。

QRコードアートやアバター動画といった特異な機能も有しており、アイデア次第でどんな分野でも活用できそうです。

非常に多機能ですが基本機能は無料で、かつ無料体験期間もあるので、一度試してみてはいかがでしょうか。