引きこもりや不登校に対する打開策はないの?

この問題は個々の性格や境遇が複雑に絡まり、有用な打開策が見つからないことが非常に多いです。

この記事では、引きこもりや不登校に対する新たな打開策の候補として、メタバースの活用について、メリットと併せて活用事例を紹介することで、網羅的に解説します。

この記事を読むことで、引きこもりや不登校の打開策として、メタバース活用を取り入れる選択をしたり、同様の悩みを持たれた方の相談に乗ることができます。

引きこもりや不登校について悩まれている方は、最後まで読んでください。

|引きこもり・不登校に対してメタバースを活用するメリット

引きこもりや不登校に対して、メタバースを活用することで期待できるメリットについて、解説します。

メリットは3つ挙げられます。

メタバースならでは特徴が、同時にメリットとして貢献される、一石二鳥な内容です。

容姿・肩書を気にせず相談ができる

引きこもりや不登校に対して、メタバースを活用することで期待できるメリットの1つに、容姿や肩書を気にせず相談できる点が挙げられます。

人間は誰にでもコンプレックスがあるものです。

仮に周囲の方が気にしていなくても、ご自身の中で容姿にコンプレックスがあることで、気にしてしまうようなことは多々あります。

また、人間は肩書を気にする生き物でもあります。

必要以上に劣等感を抱えている方は、時に過剰に自身の肩書への劣等感を感じることがあり、それが原因で思うようにコミュニケーションが取れないこともしばしばあります。

しかしながら、メタバース上であれば仮想空間のため、ご自身の任意のアバターを介して会話ができるため、容姿も肩書も気にする必要はありません。

そのため、不要なコンファレンスや肩書への劣等感を取っ払った上で、心的なストレスを軽減して相談できる点が評価されています。

時間を気にせず相談ができる

引きこもりや不登校に対して、メタバースを活用することで期待できるメリットの1つに、時間を気にせず相談できる点が挙げられます。

一般的に、朝昼晩と時間の経過とともに、大多数の方が一定の同じ生活リズムで過ごしております。

そのため、朝や昼の時間にかけて多くの方が活動され、それに合わせて社会が回る形式になっています。

一方で引きこもりや不登校生活をする中で、昼夜逆転した生活リズムの方も一定数おります。

そのような方の場合、現実世界でコミュニケーションや生活しようとすると、余計溶け込みにくい環境となり、一層閉鎖感が生まれると思います。

しかしながらメタバースを活用することで、このような問題も解消できることがあります。

メタバースは24時間参加可能なため、昼夜逆転した生活リズムの方でも、同じ仲間と交流することができ、社会への早期復帰にも期待ができるわけです。

対面が苦手な人でも気軽に相談できる

引きこもりや不登校に対して、メタバースを活用することで期待できるメリットの1つに、対面が苦手な人でも気軽に相談できる点が挙げられます。

人によっては、対面でのコミュニケーションに不安を感じられ、そのことにより心的なストレスに繋がり、一層引きこもりや不登校に陥る悪循環に繋がるケースが多々あります。

その一方で、メタバース上でのコミュニケーションであれば、アバターを介してのコミュニケーションとなり、心的なストレスも軽減されます。

また、自分のペースで交流できるため、ご自身の体調や精神的な状況によって、その場ですぐにオフすることも可能で、逃げ場があることが安心感にも繋がります。

このような理由から、対面が苦手な方でも、メタバースであれば気軽に相談できる点が大きな魅力となっております。

|活用事例

引きこもりや不登校に対して、メタバース活用は有用である点、ご理解いただけたと思います。

その上で、実際にメタバースを活用した事例を紹介します。

それぞれの事例を理解した上で、身近の事情にも応用できないかイメージしながら、読んでみてください。

兵庫県神戸市

兵庫県神戸市の引きこもり支援でのメタバース活用事例です。

引きこもりの同士でのメタバース交流会と題して開催され、就労を最終目標とした男女4名が参加されました。

初回はアバターを介して自己紹介をしたり、参加者同士で操作方法の共有などの交流が発生。

その後参加者同士で月1回ペースでオンラインチャットなどで継続して交流が続いています。

このような好循環を活かして、神戸市はグループワークの実施や経営者を講師に招くなどして就労を後押ししております。

また、企業側にもこうした取り組みを紹介し、採用を促す動きも見られています。

参加者の感想は、「同じ引きこもりという立場の人であり、話しやすかった」との前向きなコメントや、「交流を通じて就労に興味が湧いた」とのことで、ポジティブな行動に繋がる嬉しい反響がありました。

メタバース上の交流は、引きこもりからの立ち直りの良い練習となっているようで、今後も期待できる結果となっております。

広島県広島市

広島県広島市の精神障害や身体障害を抱える引きこもりの方々を対象に、メタバースを活用した事例です。

具体的には、メタバース上での企業説明会を開催しました。

広島県内の6社が参加し、自社の紹介動画や求人に関するブース出展をする形式でした。

この企業説明会で、特徴的な点は24時間参加可能にした点です。

昼夜逆転生活を送る方でも参加しやすいようにとの、温かい配慮から生まれた特徴です。

参加者の感想は、「対面が苦手なため、動画やブース出展により知ることができ、リラックスできた」とのポジティブなコメントも。

ちなみに、障害者雇用を義務付けられる企業にとっては、働く意欲のある人材採用の機会にも繋がり、双方winwinとなる取り組みが素晴らしいです。

実際に就労に繋がった事例もあるようで、とても喜ばしい事例紹介となりました。

大阪府八尾市

大阪府八尾市の不登校や引きこもりがちの小中学生達に向けた、メタバースを活用した事例です。

家から外に出ることができず、不登校となっている小中学生達が、メタバース上で繋がる場として、「メタバースde居場所」をサービス展開しています。

生徒達は、基本はアバターとニックネームでログインし、音声やチャットで交流できる仕様です。

メタバース内では、漢字や計算のクイズに取り組んだり、一緒に動画視聴をして過ごします。

「メタバースde居場所」を通じて、生徒達の行動にも明るい変化が生じております。

例えば、他の生徒がいる時間帯にはログインできないが、時間外にログインして課題をこなす一幕も。

また、宅配業者に対応する際に玄関まで出られるようになったなど、劇的な嬉しい変化も報告されています。

教師の立場では、「フリースクールなどに通うことにハードルを感じる生徒にメタバースは非常に有用」とのコメントもあります。

不登校により学習できない子供をサポートするため、文部科学省もメタバースを使った支援に注目しているため、今後より一層のメタバース内での支援サービス拡充が期待できます。

福井県越前市

福井県越前市は、引きこもりの方に向けたメタバースを活用した事例です。

引きこもりの方の、在宅勤務での就労サポートを最終目標としております。

越前市の市民福祉部チームは4名で結成され、メタバースを活用して、引きこもりの方の就労サポートできるのでは?と、支援方法を研究しております。

チームは

・アバターなら好きな場所、姿、時間で過ごせるため、外の世界と繋がる可能性がある

・引きこもりの方の就労に繋げて、DXで社会的課題の解決を図りたい

以上2点の方向性を示しております。

就労方法は、クラウドソーシングを想定。

クラウドソーシングは、インターネット上で個人と企業が仕事のやり取りができるサービスなので、引きこもりの方にとって就労しやすい環境です。

チームは、仲介する大手企業へのヒアリングを通じて、今後の支援の仕組みを検討していく方針で、必要であればNPOや民間事業者などにも連携を求めていく予定です。

市がチームを発足させてまで支援活動に徹する本気度が伝わる事例のため、良い結果を期待したいところです。

福岡県

福岡県では、「令和5年度メタバース活用長期無業者就労支援事業」を実施しております。

メタバース内に「ふくおかバーチャルさぽーとROOM」を開設し

・アバターでの個別相談

・バーチャル居場所

・バーチャル交流会(コミュニケーショントレーニング)

・スキルアップ支援(ビジネスマナー等)

・ジョブトレーニング(就労体験)

以上の支援体制を構築しております。

参加可能な対象者は、16歳以上の無職の方。

引きこもりの方を含めた、実社会での交流が苦手な方に向けた、メタバース内での大規模な就労支援は、圧巻です。

県として取り組んでいるため、細かい部分まで支援を受けることができます。

精神的に就労まではまだまだハードルが高い方は、まずはバーチャル居場所を通じて、他の方との交流に慣れてみることも第一歩に繋がるかもしれません。

規模も支援内容も圧巻であり、メタバース活用のモデルケースとなることを、期待したいです。

NPO法人カタリバ「メタバース登校」

NPO法人カタリバが、不登校の生徒と保護者に向けた、メタバースを活用した事例です。

具体的には、メタバースを活用した不登校支援プログラム「room-K」を発足させ運営しております。

「room-K」が目指すのはオンライン教育支援センター。

対象は、不登校の小中学生とその家族。

入会すると、子供と保護者へヒアリングがあり、その子の状況にあった支援・学習計画を作成します。

主に、子供と1対1で寄り添う「メンター」、保護者のケアや支援計画を立てて全体をサポートする「支援計画コーディネーター」によるチーム構成がなされます。

「room-K」が用意するプログラムは、クラブ活動、教科ワークショップ、学習支援プログラム、居場所型プログラムの4種類を用意。

メタバース空間ならではの特徴を活かしたプログラム内容で、楽しみながら学べる内容となっています。

また、メタバースを通じてやり取りするため、子供達も受け入れやすい環境も後押ししております。

最近では、自治体との連携も図っているとのことで、官民一体となった大掛かりな事例となっておりす。

不登校の子供たちにとって、メタバース空間が生き生きと安心できる場所となるよう、期待したい試みです。

|まとめ

引きこもりや不登校に対する新たな打開策となるか?という大きなテーマのもと、メタバースを活用するメリットや具体的な活用事例について、解説しました。

もし、ご自身が同様の状態で悩まれていらっしゃるのであれば、この機会に興味を持ってみてください。

また、身近の方も同様の境遇の方がいらっしゃれば、タイミングを見て紹介してみてください。