メタバースとは、インターネット上に構築された現実に近い特徴を持つ仮想空間のことです。

近年、ゲームや展示会、イベントなど幅広い業界・分野で活用されていたり、アメリカのFacebook社が社名を「メタ・プラットフォームズ」に変更したことでも有名な、世界的に注目されている技術の1つですよね。

今回は、「メタバースと広告の関連性」について詳しく解説します。

メタバースに興味・関心がある方やメタバースと広告事業の関連性について気になる方は、ぜひご一読ください。

|メタバースとは?

メタバースとは、インターネット上に構築された現実に近い特徴を持つ仮想空間のことです。

仮想空間ではアバターと呼ばれる自分の分身を操作し、リモート会議やゲーム、展示会、イベントなどを行います。

例えば、以下の環境はメタバースの一種です。

・どうぶつの森
・マインクラフト
・メイプルストーリー
・バーチャルマーケット
・竜とそばかすの姫の「U(ユー)」

詳しくは、話題のメタバースに注目!! 技術詳細、注目の背景、仕組み等ビジネスで活用される理由を解説!をご覧ください。

|メタバースを広告に活用するメリット

ここでは、メタバースを広告に活用するメリットについて2点解説します。

①ストーリー性を強めた広告が打ち出せる

メタバースを広告に活用するメリットの1つ目は、ストーリー性を強めた広告が打ち出せるという点です。

メタバース広告では、単純なポップアップ広告や動画広告とは違い、没入感を表現することができます。

広告の世界観に魅力を感じてもらえれば、ユーザーの購買意欲を高めることに繋がり、自社の売上アップに繋がります。

②デジタル広告の技術を横展開できるため参入がしやすい

メタバースを広告に活用するメリットの2つ目は、デジタル広告の技術を横展開できるため、参入がしやすいという点です。

VR領域でのデジタル広告のプログラミング規格をメタバースにも適用すれば、顧客データに基づいたターゲット広告のメカニズムがすでに存在する状態でメタバース広告を出稿できるため、広告領域の参入障壁が低いと言えるでしょう。

|メタバース広告の具体例

ここでは、メタバース広告の具体例について3点解説します。

①メタバース上の広告スペースにカスタマイズ広告を表示

1つ目の具体例は、メタバース内の「不動産」をデジタル広告の掲示スポットと捉え、そこにユーザーごとにカスタマイズされた広告を表示させるという方法です。

例えば、メタバース内の共有ワークスペースで作業をしている最中に、アバターの視線を左右に振ると、自分のお気に入りのファッションブランドやアクセサリーの広告が表示されているというイメージです。

スマホアプリなどに差し込まれるカスタマイズ広告と同様の仕組みのため、デザインや挿入に技術的な参入障壁が少なく、特別な技術も必要ないため、出稿しやすいというメリットがあります。

メタバース上にショップを開いて商品をPR

2つ目の具体例は、メタバース上に自社のショップを開き、商品・サービス体験などを通してPRする方法です。

ユーザーはメタバース内でブランドの世界観を体感し、消費者行動の検討から購入までの一連の流れをメタバース上で全て完結させることができます。

例えば、オンラインゲームプラットフォーム「Roblox(ロブロックス)」上にスポーツブランド「NIKE」が開設したメタバース空間「NIKELAND」では、オリジナルゲームを自作・体験できるだけでなく、シューズやスポーツウェア、アクセサリーなどが展示・販売されています。

メタバース上でインフルエンサーが商品をPR

3つ目の具体例は、メタバース上でインフルエンサーが商品をPRするという方法です。

メタバースの広告領域において、AI搭載がされた3D人型ロボット「デジタルヒューマン」の需要が増すと想定されています。

今日までの企業は、現実世界においてある特定の芸能人やインフルエンサーを起用し、広告活動を行うことが基本でした。

しかし、芸能人やインフルエンサーが「人間」である以上、広告主にとって不都合な特徴や言動もあるでしょう。

一方、デジタルヒューマンは広告主の意向に沿う形で設計され、AIによる自動学習で全て思うように制作することができます。

宣伝文言も企業側が全て考えることができるため、炎上の心配もありません。

将来的には、今日までのインフルエンサーマーケティングで蓄積したデータに基づいて、ブランド独自のデジタルヒューマンを制作し、活動させる可能性が高いでしょう。

|メタバースを活用した広告サービスを展開する企業例

ここでは、メタバースを活用した広告サービスを展開する企業例について2社ご紹介します。

・博報堂

出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000489.000008062.html

博報堂とは、世界でも有数の事業規模で展開している総合広告代理店です。

メタバースにおける広告体験の設計、配信システム、効果測定サービスの開発を開始したことでも注目を集めています。

また仮想都市のコミュニケーションプラットフォーム「REV WORLD」を利用した実験が進められており、さまざまな広告設計やユーザーの受容性を検証しています。

【博報堂の魅力】

・商品やサービスのローンチ、定番商品の再活性化、話題作りなどブランドそのものを“社会ごと化”させるストーリー戦略を構築している
・企業や組織のコーポレート領域にある諸課題を社会や経済トレンドを加味した独自の情報分析に基づいたプラニングとソリューションでサポートしている

The360

出典:https://the360.jp/archives/3204

The360とは、360°コンテンツの製作・VRライブ配信を提供する会社です。

「GAIA TOWN」に世界初のメタバース内360°VR広告を提供しはじめたことでも有名な会社です。

Web、画像、PDF、パワーポイントのみならず、360°コンテンツの導入により、効果的で本質的なコミュニケーションを行う場を提供することが可能です。

【The360の魅力】

・AR広告集客ツールを活用したマーケティングが得意
・VRを活用した立体感や没入感あるPRが可能

|メタバース広告の課題やリスク

ここでは、メタバース広告の課題やリスクについて3点解説します。

ユーザーによって広告過剰になりやすい

すでにWeb上ではあらゆる広告が大量に表示されるため、ユーザーの使いやすさや満足度に悪影響を及ぼしていることが問題視される傾向にあります。

メタバース内ではその傾向が強いと予想され、広告過剰状態がユーザーにマイナスの影響を与えるリスクが高いでしょう。

購入後にユーザーの期待を裏切らないよう配慮しなければいけない

メタバース上では、現実世界で実現できないような体験ができるため、実際に現実世界で使用したときに思っていたのと違ったとユーザーの期待を裏切ってしまう可能性があります。

メタバース内において広告主はユーザーの視覚的なアイデンティティを3Dアバターの姿で認識しますが、現実世界でのユーザーの姿と完全に一致しているわけではありません。

そのため、メタバース上と現実世界とで差がでないよう、何らかの工夫が必要になるでしょう。

法規制を整えてユーザーを守らなければいけない

メタバースはその特徴上、広告が暴走しやすい懸念があります。

そのため、必要以上にユーザーの個人データが流出してしまったり、悪質ユーザーに抜き取られた個人情報を悪用されてしまうなど、さまざまなリスクがあるのです。

企業がメタバース内でのユーザー情報をトラッキングする場合は、その通知を義務づけたり、収集したデータの利用方法や保存期間などへの法規制が必要になるでしょう。

|まとめ

今回は、メタバースに興味・関心がある方やメタバースと広告事業の関連性について気になる方に向けて、メタバースと広告の関連性について解説しました。

メタバース内で広告を出稿すれば、自社の大幅な売上向上に繋がることは間違いありません。しかし、同時に様々なリスクも伴います。

広告を見て、商品やサービスを購入したユーザーに100%満足してもらうためにも、メタバース上と現実世界とで差がでないよう、何らかの工夫が必要になるでしょう。

まだメタバース広告を実施していない企業担当者様は、自社の可能性を広げると言う観点から、ぜひこの機会に出稿を検討してみてはいかがでしょうか。

本記事が少しでも皆様のお力に添えましたら幸いです。