「リハビリを手伝うスタッフの負担を軽減したい」「リハビリのモチベーションを高める方法はないだろうか」そんな悩みを持つ方は、VRデバイスを使ったリハビリを検討されてはいかがでしょうか。
VRデバイスを使えば、ゲーム感覚で楽しめるリハビリを提供できて、さらに効率化も可能。スタッフやリハビリを行う方の負担軽減につながります。
そこでこの記事では、VRデバイスを用いて行われるリハビリのメリットやデメリット、さらに実際に提供されているVRリハビリサービスをご紹介します。
最後まで読めば、VRリハビリサービスについて知ることができ、あなたが導入すべきサービスを見つけるヒントになります。
目次
|VRデバイスを使ったリハビリとは
VRデバイスとは、3D空間に入り込んだかのような体験を可能にする装置です。
ゴーグル型のVRデバイスを頭に装着することで、バーチャル空間内で自由に活動できます。
このVRデバイスを使ったリハビリが近年注目されています。現実世界では難しいことも、バーチャル世界でなら実現可能です。
そのため、リハビリの効率化、さらに患者様やリハビリをお手伝いするスタッフの負担軽減などのさまざまな効果が期待でき、新たなリハビリの選択肢になりつつあります。
|VRデバイスを使ったリハビリのメリット
VRデバイスを使ったリハビリには、これまでの方法にはない、さまざまな利点があります。
詳しくみていきましょう。
準備や片付けが必要ない
VRデバイスを用いてリハビリを行う場合、リハビリに必要な物は全てバーチャル空間内に用意されています。
そのため、VRデバイスを使うことができればリハビリをはじめるための準備は必要ありません。
もちろん片づけについても同様です。
リハビリの状況をデジタルで記録分析できる
VRのリハビリサービスには、多くの場合、リハビリの進捗や結果を記録して分析できる機能が備わっています。
たとえば、検査項目ごとに結果を表にしてまとめたり、過去のリハビリ結果と最新の結果を比較してグラフにしたりといったことが可能で、面倒でミスが起こりやすい記録業務の負担を軽減してくれます。
リハビリを楽しく行える
VRのリハビリはゲーム感覚で行えるものも多く、楽しみながら訓練できます。
たとえば、エアロバイクとVRデバイスを連動させたサービスでは、部屋にいながら外でサイクリングを楽しんでいるような体験が可能です。
また、トランプゲームで遊ぶようにトレーニングができるよう工夫されているものもあります。
リハビリには訓練を行うご本人のやる気が非常に重要です。
楽しくリハビリをこなせれば、回復の見込みも高まります。
|VRデバイスを使ったリハビリのデメリット
多くの利点を持つVRのリハビリですが、利用するにあたって知っておきたい注意点もあります。
VR酔い
VRデバイスを使用すると、VR酔いと呼ばれる症状を引き起こすことがあります。
VR酔いとは、VR空間で活動する際に、乗り物酔いのような状態になることを言います。
VRデバイスを用いたリハビリサービスは、できるだけVR酔いにならないよう工夫されていますが、普段から酔いやすい方がVRデバイスを使用する場合は注意が必要です。
↓↓↓VR酔いについて詳しく知りたい方はこちらもチェック↓↓↓
費用がかかる
VRのリハビリを行うには、VRデバイス本体を準備する費用やVRリハビリサービスの利用料などが必要になります。
必要な金額は利用するサービスや導入の規模によっても異なりますが、継続してリハビリを行うならば、少なくとも数十万円程度の費用は覚悟する必要があるでしょう。
ただし、VRデバイスを用いればリハビリの効率化が可能です。
スタッフの作業時間の短縮や人員削減に成功すれば、コストカットにつながるので、長期的に見てお得と考えることもできます。
|VRデバイスを使ったリハビリサービス7選
VR技術を応用したリハビリサービスには、さまざまな種類があります。
ここからは、その中から8つのサービスをピックアップして紹介します。
iADVISOR
iADVISORは、複数の症状に対応可能な総合型のリハビリサービスで、以下の機能回復を促すことが可能です。
- IADL
- 上肢機能
- 高次脳機能
IADLとは「Instrumental Activities of Daily Living」の頭文字をとった言葉で、簡単に言うと日常生活に必要な動作のことです。
VR空間の中で、電話や買い物、掃除、洗濯などを画面に表示される指示にしたがって疑似的に行うことでリハビリを行います。
上肢機能の訓練では、VR空間の中で花びらをつかむ動作や落ちてくるボールをキャッチする動作などを通じて手や指先を動かしていきます。
高次脳機能の訓練では、地図を見ながら迷路の進みゴールを目指したり、トランプゲームを行うことによって記憶障害や遂行機能障害などのリハビリを行えます。
iADVISORは、VRを使って日常生活の動作を練習することができるリハビリサービスです。
Vi-dere
Vi-dereは、半側空間無視の評価とリハビリを目的としたサービスです。
半側空間無視とは、片方の空間にあるものを見落としてしまう症状のことで、「見えているのに認識できない」状態を言います。
たとえば、いつも自分から見て右側に置いてある物にぶつかってしまうといったことが起こります。
Vi-dereは、VR技術を用いることで、半側空間無視の症状を3次元的に評価することを可能にしました。
これにより、障害をお持ちの方がどの範囲を認識できていないのか把握できます。
また、VR空間上でリハビリを行うことも可能。認識機能の改善を促すことができます。
Reif
Reifは、上肢のリハビリに特化したリハビリツールです。
脳血管障害による片麻痺や上肢の関節疾患など、上肢のリハビリが必要な方それぞれの症状に合わせた最適な訓練が可能なようにプログラムされています。
Reifは、571gと非常に軽く、持ち運びが簡単。そのため訪問先でリハビリを行いたいときにも便利です。
MirrorTherapy-VR
MirrorTherapy-VRは、リハビリを通じて幻肢痛の痛みを和らげます。
幻肢痛とは、事故などの原因により失われた手足がまだ存在しているかのように痛むことを言います。
MirrorTherapy-VRは、VR空間内にリハビリを行う方の失われた手足を再現します。
患者様が自らの意思で、再現された手足を動かし、刻まれたトラウマを上書きすることで、幻肢痛の症状を改善します。
RehaVR
RehaVRは、下肢のトレーニングを目的としたリハビリサービスです。
VRデバイスと足こぎペダルが連動しており、ペダルをこぐとVRデバイスの映像が更新されます。
そのため、まるでサイクリングを楽しんでいるかのような体験が可能です。
360°の高画質映像で、東京スカイツリーや江野島、沖縄首里城など全国の有名スポットを楽しむことができ、これまで退屈だったリハビリを楽しいものに変えられます。
mediVR カグラ
mediVR カグラは、歩行に必要な運動機能と認知機能の回復を行えるVRです。
「水平ゲーム」や「落下ゲーム」といった、さまざまなゲームを通じて体のバランスや認知能力を鍛えます。
レベルの調整ができ、1人1人の状況に合わせた訓練が可能。
イスに座ったまま動作を行うので転倒の危険がなく安全です。
リハまる
リハまるは、認知症や脳卒中を患った方の機能回復のために作られたリハビリサービスです。
迷路を進んだり、空中に浮かび上がる数字に触れたり、条件に沿って花を摘むといったゲームを通じて楽しくリハビリを行えるよう工夫されています。
リハまるを用いて行われたリハビリの結果は、自動的に記録されてレポートが作成されるので、スタッフの負担軽減にもつながります。
|まとめ:VRで変わるリハビリ
この記事ではVRデバイスを用いたリハビリについて、主に以下の内容をお伝えしてきました。
- VRデバイスを用いたリハビリが注目されている
- 準備や片づけが必要ない・楽しくリハビリを行えるなどのメリットがある
- VR酔いや導入コストなど、気を付けるべき点がある
- さまざまな種類のサービスがあり、それぞれターゲットにしている障害や病気が異なる
VRデバイスの進歩によってリハビリの形も変化しようとしています。
従来のリハビリよりも楽しくて効果的な方法がこれからもどんどん生まれてくることが期待されます。
VRデバイスを用いたリハビリの導入を考えている方は、ぜひ情報をチェックして利用を検討してみてくださいね。