最近、人工知能(AI)の分野で話題になっているのが、Anthropic(アンソロピック)社が開発した生成AI『Claude』です。

自然言語処理技術を利用して人間と自然な対話を行うことができ、文章の処理や作成、ワークフローの自動化など、様々なタスクに対応できる生成AIとして注目されています。

この記事では、ClaudeとはどのようなAIなのか、どんな特徴やできることがあるのか、そしてOpenAIが開発した対話型AI『ChatGPT』とはどう違うのかについて解説します。

ぜひ最後までお読みください。

|Claudeとは

出典:https://www.anthropic.com/index/introducing-claude

Claudeは、AI技術のスタートアップ企業であるAnthropic社が開発した会話型AIエージェントです。

ChatGPTやGoogle Bardと同じようにチャットインターフェースで利用することができます。

自然言語処理技術を活用し、人間と自然な対話ができるチャットボットで、最大の特徴は専門用語を使わず、わかりやすい表現で質問や案件に答えてくれるという点でしょう。

現在はPoeやウェブ上で利用でき、どなたにとってもよきの会話パートナーとなってくれるでしょう。

また、APIの提供やSlackへの対応もしており、他のサービスと連携しやすい形で設計されていますよ。

Anthropic社とは

Anthropic(アンソロピック)社は、2021年に設立された米国のスタートアップ企業です。

人間のような知性を持つAIの実現を目指しており、AIの透明性や安全性を重視しています。

またAIが有害な出力や行動をしないようにすることで、安全性を高め、1ユーザーだけでなく企業も安心して利用できる生成AIの開発を進めています。

アメリカの政府高官とも会談を行うなど、生成AIの分野で注目されている企業です。

Googleから約620億円の資金調達を実現していますが、設立して数年の企業が巨額の支援を受けていることが驚きです。

それだけ注目されている企業といえるでしょう。

|Claudeの特徴

では、Claudeにはどのような特徴があるのか紹介していきます。

他の文章生成AIとの違いについておわかりいただけると思いますので、ぜひ参考にしてくださいね。

10万トークンの文章処理が可能

Claudeは、対話内の文章量として最大10万トークン分の文字列解析が可能です。

1トークンを1文字とした場合、それは約50-60ページに及ぶ和文書物を一気に読解・理解できるほどの文字数となっています。

例えば、小説のコミュニティサイトで40ページの短編をPDFでアップロードし、その物語の感想や解釈を求めたとしましょう。

Claudeは、正確な要約をしたうえで瞬時に返答をくれるという処理能力の高さになります。

また法律文書10万文字をアップロードし、その文書がどのような趣旨かを説明したり、医学論文の概要を伝えたりすることも十分に可能だと考えられます。

膨大なデータ量を高速で処理する力は、Claudeの大きな特徴の1つといえるでしょう。

自然な会話ができる

Claudeはユーザーの性別や年代、専門性を考慮したうえで、自然な表現で応答してくれます。

口調や語彙、表現レベルは会話のコンテキストから自動解析し、丁寧で親しみやすい口調で対応してくれるでしょう。

例えば子供向けではわかりやすい説明を、専門家に対しては専門用語を含めた答えを返します。

誤用の回避だけでなく、趣味や挨拶ごとの応答表現もデータベース化し、自然な会話が可能になっています。

人間同士がそうしているように、相手に合わせた表現力と理解力で自然な流れの対話を模索し続けるのも大きな特徴です。

ファイルがアップロードできる

Claudeはテキスト形式だけでなく、様々なマルチメディアファイルのアップロードと会話処理にも対応しています。

画像や動画、音声データといった添付ファイルを送信でき、その内容に基づいて質問への回答を出してくれますよ。

ファイル内の文字や物体を認識・解析する技術を活用し、より深い会話が展開します。

この機能により、情報量の乏しいテキストだけでは難しい複合的な会話にも取り組むことができるでしょう。

幅広い問いに回答が可能

一般知識の質問だけでなく、専門分野に関する質問にも対応可能です。

自然言語処理と大量のデータから、可能な限り的確な回答を提供してくれるでしょう。

医療や法律、IT分野などにも強く、専門用語を正しく理解できるよう学習されています。

回答できない場合や正解が不明な質問にもしっかりと返答してくれますよ。

知識の限界を認識しつつ、ユーザーと共有しながら解決策を導こうと試みる姿勢も特徴といえますね。

ワークフローの自動化が可能

会話ログから抽出された様々な情報を活用し、外部システムと連携した業務処理の自動化に対応できるのも特徴です。

例えばアンケート結果を集計したり、資格申請フォームを自動生成したりと、さまざまなタスクを実行してくれます。

さらに、ユーザーとの会話内容に基づいて業務フローを最適化し、効率性や利便性の向上を図れる見通しです。

企業などでは生産性の向上に活用できそうですね。

今後も知識の習得と活用を通じ、ますます高度な応用ができるようになっていくでしょう。

Claudeの会話ログ解析力とAI連携技術は、様々な自動化プロセスの実現へとつながっていくと期待できます。

|ChatGPTとの違い

文章生成AIとしてはChatGPTが有名ですね。

ClaudeとChatGPTにはどのような違いがあるのでしょうか。

ひとつずつ紹介していきますので、参考にしてくださいね。

処理可能なトークン数

先にも紹介したように、Claudeが処理可能なトークン数は最大10万トークンと公表されています。

一方、ChatGPTは32000トークンとされていますので、その差はおよそ3倍となっています。

つまり、ClaudeはChatGPTよりもはるかに長い文章を扱えることになりますね。

これは、Claudeがより複雑で多様なタスクに対応できることを意味するといえるでしょう。

安全性

AI技術が今後世の中に広まっていくことを考えると、安全性が確保されていることが重要となってくるでしょう。

Claudeを開発するAnthropic社は、AIは世界に大きな影響を与えるものとし、ユーザーが安心して利用できることを念頭に開発を進めています。

技術革新だけでなく、社会的な意義を持ち、高い安全性を誇るAIの開発を目指していることも特徴といえるでしょう。

今後企業がAIを活用していくシーンが増えることを考えると、高い安全性を誇るClaudeは魅力的ですね。

使用可能な地域や言語

ClaudeもChatGPTも世界各国の地域と言語に対応しており、世界中で使用することができます。

後述しますが、Claudeの新モデル「Claude2」においては、まだアメリカとイギリスでのみ利用できる状態となっています。

しかし、グローバル企業であるGoogleから巨額の資金調達ができていることを考えると、今後Claude2においても使用可能な地域や言語は広がっていくでしょう。

パラメータの数

パラメータとはAIモデルが学習する際に調整される数値になります。

パラメータの数が多いほど、AIはより複雑なデータを学習できると考えられます。

例えば、アバターの顔を作成したいとき、目・鼻・口などがパラメータになります。

その項目が多いほど細かな調整ができることがイメージできますね。

ClaudeとChatGPTのパラメータ数を比較してみます。

Claude…520億個

ChatGPT…3550億個~1兆個

ChatGPTはバージョンによって差がありますが、Claudeに比べると大きな差があることがわかります。

多様性の面から考えるとChatGPTの方が優位であるといえるでしょう。

|Claudeの料金

Claudeは基本的に無料で利用することができます。

しかし、2023年9月に新たに月額20ドルの有料プランであるClaude Proがリリースされました。

有料プランで追加された機能は以下のとおりです。

・メッセージ量が無料版の5倍

・混雑時に優先的にアクセスできる

・新機能に早期にアクセスできる

ただでさえ10万トークンという大規模処理が可能なのに、メッセージ量が5倍になるとは驚きですね。

|Claudeの利用方法

つぎに、Claudeの利用方法について紹介していきます。

簡単に利用することができるので、ぜひ試してみてくださいね。

Poeで利用する場合

まずは、AIチャットツールのPoeを利用する方法を紹介します。

利用するには、Poeのアカウントが必要になるので、登録がまだの方は先にアカウントを作成しましょう。

無料で簡単に登録することができますよ。

登録ができたら、公式サイトにアクセスしてください。

以下のURLからアクセスできます。

https://poe.com/

アクセスすると画面左にメニューが表示されます。

・Claude-2-100k

・Claude-instant-100k

・Claude-instant

100kは10万トークンのことを指しています。

お試しであれば、Claude-instantから触れてみるといいかもしれませんね。

Slackで利用する場合

つづいて、slackでClaudeを利用する方法を紹介していきます。

まず、Slackとはビジネス向けのチャットツールになります。

アメリカのSlack Technologyという会社が開発したもので、もともとは社内のコミュニケーション向けに作られていたそうです。

ClaudeのSlack用アプリがリリースされており、Slack内にClaudeをメンバーとして追加することで利用できるようになります。

自動で処理を実行してくれるbotのようなイメージが近いですね。

Claudeにメンションし「会話を要約して」と伝えるだけでスレッド内の会話をまとめてくれ

ます。

また、webサイトのURLを送信すれば、そのサイトの内容をまとめてくれるうえに、質問にも回答してくれますよ。

業務効率化につながる便利なツールになってくれるでしょう。

|Claude使用上の注意点

安全性が高く、幅広い問いに回答できるClaudeですが、使用するうえで注意しておくことがあります。

それは、AIである以上すべての回答が合っているわけではないという点です。

これは他の文章生成AIにも言えることですが、生成された回答が正しいかどうか必ずチェックするようにしましょう。

|新モデル『Claude 2』が発表! 

Claudeの新モデルとして「Claude 2」が2023年7月に発表されました。

安全性が重視するAnthropic社ですが、Claude 2の安全性は、Claudeに比べて約2倍にもなるそうです。

処理速度も速く、ChatGPTの1/6程度とその快適さも大きな魅力になるでしょう。

複数ファイルを同時に読み込めるのなど、その使い勝手に期待が高まります。

ただ、先にも紹介しましたが、現時点ではアメリカとイギリスでのみ利用可能となっています。

今後対応地域や言語が広がっていくと思われますので、注目しておきたいところですね。

|まとめ

いかがでしたでしょうか。

生成AI「Claude」の特徴やできること、ChatGPTとの違いなどについて紹介してきました。

将来性の高いツールであることがおわかりいただけたのではないでしょうか。

簡単に触れることができるので、ご興味のある方はぜひ一度試してみてくださいね。