VTuberとは、「Virtual Youtuber」略で、CGキャラクターを駆使してYouTubeで動画投稿やライブ配信を行っている人です。

近年、その活動範囲はYouTubeの枠を越えて、テレビCMや企業広告などにもわたり、今や芸能人やSNSインフルエンサーと同程度のPR効果をもたらすとして、様々な業界で注目されています。

今回は、「VTuberを活用した企業PR」について詳しく解説します。

VTuberに興味・関心がある方やVTuberを自社のマーケティングに活用することを検討している企業担当者は、ぜひご一読ください。

|VTuberとは?

VTuberとは、「Virtual Youtuber」略で、CGキャラクターを駆使してYouTubeで動画投稿やライブ配信を行っている人です。

芸能人やインフルエンサー、YouTuberに様々な人・個性があるように、VTuberにも様々な個性があります。

配信ジャンルもゲーム配信をはじめ、雑談、歌枠、企画、コラボなど様々です。

|企業のPRにVTuberが活用される理由やメリットは?

ここでは、企業のPRにVTuberが活用される理由やメリットについて3点解説します。

生身のYouTuberよりも低コストで利用できる

起用するYouTuber人気度にもよりますが、YouTuberを広告PRに起用する場合、その権威性やPR力から、依頼料が高い傾向があります。

そのため、PRに多額の予算を割けない企業にとっては、起用が難しい状況です。

しかし、VTuberの場合、実際の人間がPRするわけではないため、比較的依頼料が安いことが多いです。

人気VTuberは有名YouTuberと同等のPR力にも関わらず、低コストで起用しやすいというメリットがあります。

スキャンダルや炎上のリスクが少ない

有名YouTuberを起用する場合、常にスキャンダルや炎上のリスクが伴います。

万が一、スキャンダルが発覚し、炎上してしまうと、その炎上したYouTuberがPRした商品・サービスとしてマイナスのイメージが付随してしまい、ブランドイメージの低下や売上の大幅に下落に繋がる恐れがあります。

その点、VTuberであれば、プライバシーの問題やスキャンダル、炎上リスクが少ないです。

もちろんゼロではありませんが、メンタルケアもしやすいですし、起用するメリットは大きいです。

現実では物理的に不可能なことが実現できる

有名YouTuberの場合、コンプライアンス的にできないことや本人がNGを出していることに関しては実施できません。

一方、VTuberの場合は、対応できる企画の幅が広いです

また自社で制作したVTuberであれば、基本的にNGがないため、企画やイベントの実施が柔軟に対応できます。

生身の人間にはできないことや物理的に難しい企画・動きなども自在につけられるため、VTuberを起用するメリットは大きいです。

|VTuber配信に関するサービスを提供している企業の例

ここでは、VTuber配信に関するサービスを提供している企業の例について、4点紹介します。

REALITY

出典:https://reality.inc/

REALITYとは、スマホ1つで簡単に誰でもアバターを作成しライブ配信できるバーチャルライブ配信アプリサービスです。

自分好みのアバターを作り、顔を出さずにライブ配信可能です。

また複数人でのコラボ配信もできます。

カスタムキャスト

出典:https://customcast.jp/

カスタムキャストとは、ドワンゴとS-courtが共同開発した、iOS・Android用のスマートフォンアプリです。

株式会社カスタムキャストが運営し、バーチャルYouTuberのモデル作成とニコニコ生放送への配信機能があり、無料で提供されています。

直感的なUIで容姿をカスタマイズし理想の3Dキャラに、フェイスタイプ、ヘアタイプ、ボディ、コスチュームまで自由自在です。

ホロライブプロダクション

出典:https://www.hololive.tv/

ホロライブプロダクションとは、カバー株式会社が運営する日本のバーチャルYouTuber事務所です。

所属タレントが業界でもトップクラスに多い大手の事務所です。

バリエーションに富んだVTuberが多数在籍しているため、自社のイメージに最適な方を選択できます。

にじさんじプロジェクト

出典:https://www.anycolor.co.jp/

「にじさんじプロジェクト」は多種多様なインフルエンサーが所属するVTuber/バーチャルライバープロジェクトで、各種イベントやグッズ・デジタルコンテンツの販売、楽曲制作などを通じて次世代のエンタメを加速させていくことを目的としています。

現在、約100名の所属ライバーが個性を存分に活かし、YouTube等の動画配信プラットフォームにて活動しています。

|VTuberを活用した企業PRの事例

ここでは、VTuberを活用した企業PRの事例について3点紹介します。

日清やみつきオイル

出典:https://youtu.be/scR9B5VJcMc

日清オイリオグループは2021年3月19日から、新商品の「日清やみつきオイル」のPR担当に、VTuber「キズナアイ」を起用しました。

キズナアイの公式ツイッターやユーチューブチャンネルなどを通じて、「日清やみつきオイル」の思わず、「やみつく風味」が楽しめる魅力を伝えています。

キズナアイとは、2016年12月に活動を開始したバーチャルタレントです。

世界初のVTuberとして、YouTubeを中心に活動を続け、公式YouTubeチャンネル「A.I.Channel」の登録者数は300万人(2022年7月現在)を突破しました。

ポカリスエット

出典:https://youtu.be/CmOWvBuW5KY

大塚製薬株式会社は、2021年5月6日より、ポカリスエット・アンバサダーのバーチャルシンガーとLeo/needメンバーによる、夏に向けた汗をかけるカラダづくりの大切さを呼びかけるWebムービー「ネツナレろ!」篇を、大塚製薬公式YouTubeチャンネルで公開しました。

ミライアカリ、富士葵、YuNiなどポカリスエット・アンバサダーとともに、夏に向けた“ネツナレ”への取り組みを、前向きに応援してくれるWebムービーです。

Netflix

出典:https://youtu.be/pTF_b_9q5o8

Netflix日本法人は、2021年4月27日、公式バーチャルYouTuber(VTuber)「N子(エヌコ)・メイ・黒野」を発表しました。

公式YouTubeアカウントで、アニメの紹介、声優やクリエイターへのインタビューといった内容の番組を配信しました。

コナミ

出典:https://www.youtube.com/live/vvqjtxGSUpc?feature=share

コナミ社は、スーパーボンバーマンRオンラインのPR活動として、VTuber「でびでび・でびる」さんとタイアップ動画を公開しています。

スーパーボンバーマンRオンラインをプレイする生配信のアーカイブ動画を公開し、動画をみた視聴者が実際にプレイしたくなるような仕掛けを行いました。

|企業PRにVTuberを活用する方法

ここでは、企業PRにVTuberを活用する方法について3点解説します。

自社でオリジナルのVTuberを制作する

1つ目は、自社だけのオリジナルVTuberを制作することです。

オリジナルVTuberを制作すれば、自社の理想のイメージに合わせたキャラクターが柔軟に制作できるメリットがあります。

また利用時の著作権を気にする必要もありませんし、万が一の炎上リスクもありません。

しかし、人気キャラクターの制作には、想定以上の時間と手間がかかったり、イメージ通りの声優の選定が困難というデメリットがあります。

既存の自社キャラクターをVTuberにする

2つ目は、既存の自社キャラクターをVTuberにするという選択肢です。

既存のキャラクターを活用すれば、新キャラクターのデザインを考える必要がないため、制作の手間や時間が省けます。

また認知度のあるキャラクターを起用すれば、その人気を引き継いだ状態で企業PRを進めることもできます。

しかし、既存のキャラクターをVTuberに起用した際、何らかのトラブルでキャラクターイメージが悪くなってしまうと、これまで積み上げてきたキャラクターイメージに傷がつく恐れがあり、企業の別部門にもマイナスの影響が出るリスクがあるというデメリットがあります。

人気のVTuberを起用する

3つ目は、既に人気のVTuberを起用するという選択肢です。

人気のあるVTuberには、すでに一定数のファンやフォロワーがいます。

そのため、特にマーケティングや広告施策をしなくとも、膨大な数のファンに自社の商品やサービスを宣伝できるというメリットがあります。

また、キャラクターのデザイン制作や運用の手間もありません。

しかし、人気のVTuberを起用したい企業は山ほどいます。

そのため、起用権を獲得するためには、高い依頼料が必要です。

また人気VTuberと自社の商品やサービスの親和性が悪いと、期待通りのPR効果が出ない可能性がある点にも注意が必要です。

|まとめ

今回は、VTuberに興味・関心がある方やVTuberを自社のマーケティングに活用することを検討している企業担当者に向けて、VTuberを活用した企業PRについて解説しました。

VTuberを起用すれば、生身のYouTuberやインフルエンサーを起用する際の多くのデメリットを払拭できます。

また近年、様々な大手企業がVTuberとのタイアップに動き始めたことからも、VTuberが企業PRに起用される機会は、今後も増えると予想できます。

競合他社にPR力で差をつけるためにも、まだVTuberを起用したマーケティングを実施したことがない方は、ぜひこの機会に起用を検討してみてはいかがでしょうか。

本記事が少しでも皆様のお力に添えましたら幸いです。