一体型VRヘッドセットのMeta Questの最新モデルであるMeta Quest 3が2023年10月10日に発売され、巷を賑わせていることはご存知の方も多いでしょう。
Meta Quest 3の発売に併せて同時に発表されたのが、Meta Questシリーズのビジネス活用向けプラットフォームである「Meta Quest for Business」です。
本サービスでは、Meta Questを用いたコミュニケーションやリモートワーク、デバイスの一元管理などの多くのオプションを備えています。
当記事では、Meta Quest for Businessの概要や利用方法について解説します。
目次
|Meta Quest for Businessとは
Meta Quest for Businessは、Metaが提供するビジネス向けのVRアプリケーションとハードウェアプラットフォームを指す言葉です。
大まかに言うと、Meta Questを用いたビジネスシーンをより円滑かつ有益なものにするためにMetaが様々なサービスを提供しているものです。
具体的には、Meta Quest for Businessは、VRミーティング、トレーニング用のシミュレーション、リモートワーク用のプラットフォーム、プレゼン用ツール、共同作業のためのバーチャル空間などを提供することで、従業員が仮想空間で協力し、コミュニケーションをとるための手段を提供します。
これにより、地理的な距離を超えて協力し、ビジネスプロセスを効率化し、新たなビジネス体験を創出することをサポートします。
|Meta Quest for Business復活の背景
今回改めて発表されたMeta Quest for Businessは、以前はOculus for Businessとして展開されていましたが、社名変更に伴い新たなサービスとしてローンチしたものと考えられます。
以下では、復活したMeta Quest for Businessの背景について簡単に考察します。
Meta Quest 3が発売
Meta Quest 3はMetaの最新VRヘッドセットで、前モデルのMeta Quest 2をブラッシュアップしただけでなく、上位モデルであるMeta Quest Proの機能を取り込みつつ、VRのみならずMRにも目を向けた新時代のVRヘッドセットです。
Quest Proに加えてローエンドモデルのQuest 3が登場したことで、Questシリーズの普及と促進が期待されたことが、Meta Quest for Businessローンチの一因と考えられます。
前モデルの Meta Quest 2をブラッシュアップしただけでなく、上位モデルである Meta Quest Proの機能も取り込んでいます。
Quest 3の発売日や詳細スペックについて気になる方は以下の記事をご覧ください。
Microsoft 365との連携でビジネス利用が加速
Meta Quest 3では、Microsoft 365などのビジネスツールも利用可能で、Metaは2023 年末までにMeta QuestシリーズにMicrosoft 365を導入する予定です。
Microsoft 365は、Microsoftが提供するクラウドベースのサブスクリプションサービスで、ビジネス向けおよび個人ユーザー向けの両方に提供されています。
同サービスで利用できるサービスには、Microsoft Teams、Word、Excel、PowerPoint、Outlook、OneDrive などのアプリが含まれています。
これらのサービスは、Meta Questのビジネス活用を大きく促進する可能性があり、そのことがMeta Quest for Businessのリリースにも影響を与えていそうです。
企業のVRやAR、メタバースの活用が活発化
現在では、VR(仮想現実)およびAR(拡張現実)技術、そしてメタバースが多くの企業で活用されています。
VR/ARとメタバースは、ビジネスのデジタル化を推進するツールとしての役割を果たしており、これらの技術を活用することで、プロセスの最適化、効率化、新たなビジネスモデルの構築が可能となります。
メタバースは、デジタル経済の新たなビジネスモデルを支援するために活用されており、国内外でも増えつつあるリモートワーク、情報化によるDX化の波に乗る手段として注目されています。
こうしたVR/ARをビジネス活用するケースは最近のメタバースブーム以前から取り組みが行われており、実例や詳細は以下の記事から確認できます。
|Meta Quest for Businessの特徴
上記では、Meta Quest for Businessの基本要素を解説してきましたが、実際に同サービスを使って何ができるのでしょうか。
以下では、利用可能な様々なサービスを挙げつつ、Meta Questのビジネス活用の可能性について探っていきます。
Meta Questデバイスを一元管理できる
Meta Quest for Businessは、企業や組織向けに開発された特別なバージョンであり、管理者が複数のデバイスをリモートで一元管理し、設定をカスタマイズすることができます。
これにより、従業員やチームがより効率的にVR体験を共有し、一貫した管理を行うことができます。
また、セキュリティやアクセス制御などの機能も提供されており、ビジネス環境に適した管理ソリューションを提供しています。
管理者は複数のデバイスをリモートで管理できるので、これにより、個別にデバイスを設定する手間を省き、一貫性のある環境を提供することができます。
ビジネス現場では複数のデバイスを同時に使うことが多々あるので、こうしたデバイスの一元管理は大きな効率化になるでしょう。
Meta Questデバイスが法人価格で購入可能
Meta Quest for Businessプランでは、法人価格でMeta Questデバイスを購入することが可能です。
本サービスは企業や組織向けに設計されたプランであり、一般のユーザー向けのプランとは異なる価格体系となっています。
法人価格での購入を通じて、企業や組織はデバイスを効率的に導入し、ビジネスのニーズに合わせたVR体験を提供することができます。
24時間サポートを受けられる
Meta社は顧客へのサポートを重視しており、適切なサポートとアカウント管理を提供するためのチームを持っています。
具体的なサポートの範囲や時間帯については、Meta社の公式ウェブサイトやビジネス担当者との直接のコミュニケーションを通じて確認することをおすすめします。
通常、ビジネス向けのサービスでは、優れたカスタマーサポートオプションが提供され、重要なビジネスタスクをサポートするための助けが得られます。
|Meta Quest for Businessを利用するには?
小回りの効く一体型VRデバイスの技術進化が進むと、むしろVR/ARが普及するのは一般層よりもビジネスシーンでの活用なのかもしれません。
以下では、Meta Quest for Businessを利用するための具体的な手段について解説していきます。
利用するには公式サイトから問合せを行う
Meta Quest for Businessを利用するには、以下の手順を実行します。
・まず、Meta社の公式ウェブサイトにアクセスします。
・ウェブサイト上でMeta Quest for Businessのセクションを見つけ、詳細な情報や提供される機能を確認します。
・必要に応じて、料金体系やライセンス情報を確認して、ビジネスアカウントを作成するための指示に従います。
アカウント作成には企業名、連絡先情報などの情報が必要で、サインアップが済めばサービスを利用するためのアプリやツールにアクセスできるようになります。
Meta Quest for Businessの価格
Meta Quest for Businessは月額の定額制サービスであり、ハードウェアとは別に追加の費用がかかります。
ベータ期間中、本サービスに興味をお持ちの方は、Meta Questデバイスを購入することで追加料金なしでベータ期間中のアーリーアクセスを利用することができます。
サービスの価格は、Meta Quest for Businessの公式サイトの「セールスチームにお問い合わせ」から聞くことができます。
既にMeta Questデバイスを所有している場合は?
既にMeta Questデバイスを所有している場合でも、Meta Quest for Businessを利用することができます。
Meta Quest for Businessは、ビジネス環境での利用をより効果的に支援する機能や管理ツールを提供しています。
例えば、複数のデバイスの一括管理、アカウントとコンテンツの管理、セキュリティ設定のカスタマイズなどが含まれています。
ただし、利用には別途登録や契約が必要な場合がありますので、詳細は公式ウェブサイトやMeta社のサポートにお問い合わせください。
|まとめ
Meta Quest for Businessは、Metaが提供するビジネス向けのVRプラットフォームで、ビデオ会議、コラボレーション、トレーニング、プレゼンテーションなど、多くの業務用途においてVRをビジネス活用するためのソリューションを提供します。
従業員は仮想空間内でコミュニケーションを取り、リモートワークを強化し、生産性を向上させることができます。
Meta Questをビジネスで活用している、もしくは活用を考えている方は導入を検討してみてはいかがでしょうか。