我々の生活はデバイスの変化により日々進化しています。

各デバイスはよりコンパクトになり、そのスペックからPCを持ち歩かなくてもある程度の作業は完結するようになるまでに便利になりました。

その中でもVRやARの機能を持つものは重さが気になったり、操作性が鈍かったりとまだまだ理想に近いとは言えないのが現状ではないでしょうか。

そこで今回はVR/ARデバイスの理想に一歩近づいたデバイス「Visor」をご紹介します。

|Visor とは

出典:https://www.visor.com/

Visiorとは、VR領域を得意としたImmersed社が開発したウェアラブルデバイスです。

現状は予約販売で公式サイトから申し込むことが可能で、出荷時期は2024年とされています。

価格は2種類のスペックにて基本価格が設定されており、日本円で749,000円〜112,000円ほどになる予定です。(2023年10月現在の定価とレートで計算)

Immersed社はクリエイティブの生産性を上げるプロダクトとして、VR/ARを活用したマルチディスプレイやVR会議システムなど展開できるデジタルワークスペースをメインに開発しており、自社のシステムをより効率よく仕様するためにVisorが開発されました。

|Visor の特徴

Visorの特徴はなんといっても、直観的な操作です。

ハンドトラッキング機能がついており、デバイスについているセンサーが手の動きを読み取り、目の前に投影されている画面に触れるような感覚で直観的な操作が可能です。

そのため、PC1台で複数の画面操作が容易になり、仮想空間でのミーティングやデータ処理作業などマルチタスクの生産性を上げることも出来るでしょう。

|Visor の機能

主な機能として、まず、画面の解像度が挙げられます。

片目ごとに2.5Kと4Kのクオリティを選択できます。

2.5KでもPC2画面分ほどのマルチモニターの使い勝手になるので、複数のソフトを立ち上げたりしない作業やネットサーフィンなどは2.5Kでも充分でしょう。

4.5Kまで大画面で使える仕様だと、複数人数での仮想空間でのVRミーティングやマルチタスクを行うのに最適です。

次に視野角です。

100°まで確保されており、5つ以上のスクリーンを目の前に投影しても、首を左右にうごかせば満遍なく見渡せます。

また、上下左右だけでなく斜め方向へのトラッキングもスムーズに設定されていますので、最小限のアクションで複数枚の大画面を操作できる投影技術は非常に期待できる機能です。

また、バッテリーについてはPCに有線接続かBluetooth接続で使用が可能です。

駆動時間などは公式では発表されておりませんが、製品ページを確認すると2時間の延長バッテリーを現在無料でつけていることから、単体では2時間ほどの使用が可能かもしれません。

|Visor の懸念点

現在のVisor の情報から予想される懸念点は以下の2つです。

・重さ

・安全性

順に解説します。

重さ

公式HPでは「スマートフォンより軽い」と掲載されていますが、レンズやセンサー、バッテリーなど加味すると物理的にスマートフォンと同等か、少し軽い程度と予想されます。

ヘッドマウントディスプレイの類は装着感が重要です。

重すぎては長時間の使用に体が耐えられないですし、動きによってデバイスがずれたりすると非常に使いにくくなります。

Visor に関してはユーザーの顔の形をスキャンして個別にカスタマイズするサービスを行っているので、装着感への懸念点を解消するアイデアかもしれません。

安全性

Visor は目の前に画面を投影して操作するため、VRのように完全に視界を覆うわけではありません。

しかし、ヘッドフォンをして画面を複数枚投影して作業をしていると周りの状況が把握しにくい事が考えられます。

この懸念点についてはスマートグラス全般に言えることですが、非常事態や周りからの声かけ等に気づけるように使い方を工夫しなければなりません。

|Visor の可能性

Visorはヘッドマウントディスプレイの中でもマルチタスクに長けた製品です。

場所を選ばずPC画面を現実世界へ拡張さて、その場がワークスペースになることはクリエイティブの促進になることが容易に想像できます。

対応OSはMac、Windows、Linuxと一般的なOSに対応している為、複数台違うOSを持っていても安心です。

現在のVisor はImmersed社が開発したアプリケーションのみに対応しているため、メタクエストや他のスマートグラスのような製品と違い、アプリの汎用性は低いといえます。

また、開発者向けの専用アプリなどの準備はまだされていませんが、公式HPではユーザーの体験できる価値を大切にする事が書かれており、ユーザーが自由にVisor をカスタマイズできるようにすることが記載されているため期待が持てます。

|Visor と類似したスマートグラスの特徴と機能紹介

ここでは、Visor と類似したスマートグラスのご紹介を致します。

Visor 以外でも用途にあわせて使用することで、できなかったことややってみたかったことが具現化するかもしれません。

XREAL Air

XREAL Airは汎用性の高いデバイスです。

まず見た目はスマートグラスの中でもオシャレなサングラスのような見た目で、装着した際に奇抜なイメージを持ちにくいデザインになっています。

本体のカラーが選べるだけでなく専用ステッカーでアレンジすることも可能です。

性能的にも最大3枚の画面を投影することができ、複数のアプリを同時に起動させる事も可能です。

Visorのようなハンドトラッキング機能は無く、つなげたデバイスで画面を操作します。

価格は2023年10月現在で54,980円。

外出先でマルチディスプレイを使用してみたい、PCよりも大きな画面で映像を楽しみたいユーザーに向いているデバイスかもしれません。

スペックなど詳しくはこちらの記事でも紹介しておりますので是非ご覧ください。

「XREAL Air」はコンパクトかつ高性能なスマートグラス!基本機能から最新情報までを解説
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VITURE one

 VITURE Oneは映像に特化したスマートグラスと言っても過言ではありません。

Visorのようにマルチディスプレイの機能を持たせず、大画面で高音質なモバイルシアターを楽しめるスマートグラスとして製品がデザインされています。

OSにAndroidを使用した専用のモバイルドックというアクセサリーを接続すれば、PS5やNintendo Switchなどのソフトも稼働し、コントローラと VITURE Oneを持ち出せばどこにいても自分専用の大画面でゲームを楽しむことが可能です。

重さも約78gとこちらも軽量で長時間使用しても疲れにくいでしょう。

価格は54,880円~付属アクセサリーのプランによって変動するので、自身の使用用途にあわせてカスタマイズすると良いでしょう。

スペックなど詳しくはこちらの記事でも紹介しておりますので是非ご覧ください。

日本初上陸の注目XRグラス「VITURE One」とは?概要や特徴を紹介
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Nreal Light

Nreal LightはスマートフォンとNreal Light本体をケーブルで使用するスマートグラスです。

イメージとしてはスマートフォン等の画面を大画面で楽しみたい人に向いています。

MRモードとミラーリングモードがあり、MRモードでは最大3画面を目の前に投影することが可能で画面の大きさなども調整でき、開いたアプリをマルチディスプレイで使用することが可能です。

また、ミラーリングモードではスマートフォンの画面がそのまま投影されるので、お気に入りの動画やコンテンツを気軽に大画面で楽しめます。

重さは106gと他の2機種より重量があります。

長時間の使用は少し疲れるかもしれませんが、気になる方はぜひお試しください。

スペックなど詳しくはこちらの記事でも紹介しておりますので是非ご覧ください。

スマートグラス「Nreal Light」とは?製品特徴から出来ることについて徹底解説!
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|まとめ

今回は最新型のスマートグラスVisorをご紹介致しました。

公式HPなどから得られる情報はまだ少ないですが、ハンドトラッキングやマルチディスプレイなど今までにない操作感と使用用途のアイデアには非常に期待が持てる製品です。

Visorは専用アプリしか対応しておりませんので、現段階ではゲームなどを楽しむようなことはできません。

ただしどこにでも自分のオフィスを持ち歩けるような感覚になりますので、ビジネスの生産性を上げたい方には試していただきたいスマートグラスです。