ますます盛り上がりを見せているメタバース。日本国内だけでも今年に入ってからメタバース関連の団体が5つも設立されました。

それはつまり、メタバースがゲームだけではなく、ビジネス分野でも大きく注目されているということ。それに伴い、メタバースへの投資が今、非常に大きな盛り上がりを見せています。

そこで今回は、なぜメタバースへの投資が熱いのか、投資の方法やおすすめの銘柄などをご紹介します。

メタバースへの投資を考えているなら、絶対に見逃せない情報ばかり。ぜひ最後までご覧ください。

|投資ビジネスでも注目されるメタバースとは?

メタバースは「Meta(超越する)」と「Universe(宇宙)」をかけ合わせた造語で、「多人数が同時アクセスできる3Dの仮想空間」を意味します。映画「レディ・プレイヤー1」や、「サマーウォーズ」で描かれた仮想世界を想像すると分かりやすいかもしれません。

そのメタバースが投資ビジネスとして注目されるのは、以下のような理由が挙げられます。

<メタバースが投資ビジネスで注目される理由>

  • 最先端のテクノロジーで大きな成長分野である
  • 世界中のユーザーが対象となる
  • メタバース自体が経済圏を持っている

メタバースの技術的成長は目覚しく、多くの企業が参入しています。また場所や国籍を問わずに世界中から利用者がメタバース空間に集まるため、ビジネスチャンスも非常に大きい。

さらにメタバースで利用されるNFTや仮想通貨など、メタバース自身が経済圏を持っていることも、投資対象として魅力的に映るのです。

|大企業が続々と参入するメタバース

上で挙げたような理由から、多くの企業が続々とメタバースに参入しています。

<メタバースに参入する主な企業(一部)>

  • Meta(Facebook)
  • マイクロソフト
  • ソニー
  • ディズニー
  • キヤノン
  • その他

これらの企業は単にメタバースに投資するだけではなく、新たな関連特許の取得など、メタバースに非常に力を入れています。

それだけメタバースが成長すると見込んでいるからであり、実際にその経済効果は2030年に1.5兆ドルまで膨らむと見込まれているのです。

では、それぞれの企業のメタバースへの取り組みを見ていきましょう。

Meta(Facebook)

出典:https://about.facebook.com/ja/

Facebookが昨年に社名を「Meta」に変更したことは、企業としてメタバースに注力していくことを示す強烈なメッセージとなりました。

ザッカーバーグCEOも「モバイルという今日のプラットフォームから、明日のプラットフォーム(つまりメタバース)への準備をしている」という趣旨の発言をしています。

実際にMetaはメタバースに必要なVRゴーグルの「Oculus Quest」シリーズの製造・販売、バーチャル会議システムの「Horizon Workrooms」への取り組みなど、企業リソースの多くをメタバースに振り分けています。

「遊びや仕事、そしてコミュニケーションの方法を変える」と同CEOが語るメタバース。MetaはSNS企業からメタバース企業へと大きく舵を切っているのです。

マイクロソフト

出典:https://www.microsoft.com/ja-jp

マイクロソフトもMetaと同じように、メタバースで利用できるゴーグル「HoloLens」を開発しています。

しかし一般ユーザー向けのOculus Questに対して、HoloLensは現実世界に3Dデータを拡張させるMRゴーグルかつ、主に企業向けに販売しているという違いがあります。

企業としてのメタバースへ戦略も両者は異なります。社を挙げてメタバースに注力するMetaに対し、マイクロソフトは他IT企業がメタバース関連のアプリを開発するためのツールなどを提供しています。

とはいえ、マイクロソフトもメタバースと親和性の高い「マインクラフト」の買収、さらにMRの要素も取り入れたバーチャル会議システムの「Microsoft Teams」の開発など、メタバース市場に対してしっかりと布石を打っているようです。

ソニー

出典:https://www.sony.co.jp/

ソニーは2022年度経営方針説明会の中で、今後の成長を担う領域としてモビリティとともに、メタバースを挙げました。

実際にソニーグループが持つゲーム、音楽、映画などの豊富なコンテンツはメタバースで事業を展開していく上で非常に強力な武器となります。またPS5向けに開発しているVRゴーグル、「PlayStation VR2」もメタバースに利用できるでしょう。

今後ソニーは買収した「Bungie(バンジー)」のライブサービスの拡充、スポーツ判定を支援するカメラシステム「ホークアイ」を活用したスポーツの新たな映像サービスなどを利用して、メタバースでのシェア拡大に乗り出します。

豊富なエンタメ資産を持つソニーの動向は、メタバースでも目が話せません。

ディズニー

出典:https://www.disney.co.jp/

ディズニーのメタバースへの取り組みは、他企業とは一線を画しています。新たに特許を取得した「バーチャルワールド・シミュレーター」は仮想空間に入り込むのではなく、現実のテーマパークとメタバースを融合させるというもの。

まだ全貌は見えませんが、非常に意欲的な取り組みと言えます。

さらにディズニーはメタバース戦略を統括する幹部として、マイク・ホワイト氏を起用。

米ヤフーを始めとするテクノロジー部門で実績を積み上げてきた氏の登用は、メタバースにかけるディズニーの本気度を表しています。

テーマパークや世界No.1といえるIP(知的財産)を持つディズニーは、メタバースでも我々に新たな体験と感動を与えてくれるに違いありません。

キヤノン

出典:https://canon.jp/

キヤノンは2022年1月にアメリカ・ラスベガスで開催された「CES 2022」にて、カメラ1台で臨場感の高いバーチャル会議を実現できるシステム、「AMLOS」を発表しました。これによってメタバースを利用したリモート会議やビジネスが、より簡単に行えるようになるでしょう。

さらにキヤノンは、デジタルカメラで撮影した人物を3Dで仮想空間に再現させるアプリも開発中。

メタバースでは自分自身の分身となるアバターを利用しますが、自分と全く異なる外見のアバターを使うゲームとは異なり、ビジネスシーンでは自分自身に似たアバターの方が望ましい。

キヤノンの一連のプロジェクトは、メタバースをビジネス分野で活用していく上で非常に重要な取り組みとなっています。

|メタバース投資の種類は大きく3つ

各企業のメタバースへの取り組みを見ていくと、メタバースの進化と拡大を十分に確信できます。

近年のメタバースの盛り上がりは、単なる一過性のブームと言い切ることはできません。特にアメリカ市場ではメタバース関連の企業や銘柄に対する関心が急速に高まっており、投資されている金額も桁外れだからです。

では、メタバースへの投資はどんなものが対象になるのでしょうか?

<メタバース投資の対象>

  • 暗号資産(仮想通貨)
  • 株式
  • 土地

では、それぞれ詳しく見ていきましょう。

暗号資産(仮想通貨)投資

ビットコインの登場によって、暗号資産(仮想通貨)は一般的な投資の対象となりました。

メタバースでも各プラットフォームごとに、独自の仮想通貨が貨幣として用いられています。

そのため、メタバースの発展とともに、そのプラットフォームで用いられている仮想通貨の価値が上昇していきます。

つまり投資対象として見る場合、どのメタバース・プラットフォームが今後成長するのか?という点を見極める必要があるのです。

そこでまず、どのプラットフォームでどんな仮想通貨が用いられているのか。投資にもおすすめな銘柄を3つご紹介しましょう。

おすすめの銘柄①:SAND

「The Sandbox(ザ・サンドボックス)」というメタバース・ゲームで用いられている仮想通貨、それが「SAND(サンド)」です。

The Sandboxでは、NFT(非代替性トークン)技術で所有権が特定できるデジタル資産を売買することができます。

そのため、こうしたゲームは「NFTゲーム」とも呼ばれています。

サンドボックス内でのNFT取り引きに用いられるのが、SAND。

その取引額と比例して、SANDの市場価値も上がってきています。またソフトバンクを中心とした投資家グループから約105億円もの出資を受けたことも、その将来性への大きな期待となっているでしょう。

SANDの株価は2021年から大きく上昇しましたが、仮想通貨全体の下落を受けて、2022年に入って約20%の下落を記録しました。

しかし、NFT全体への期待が高まっていること、大手企業の融資を受けていることから、今後のさらなる盛り返しが十分に期待できます。

おすすめの銘柄②:MANA

「MANA(マナ)」もサンドボックスと同じNFTゲームである、「Decentraland(ディセントラランド)」で用いられている仮想通貨です。

そのため、基本的な考え方はSANDと同一。

コカ・コーラやadidas、JPモルガンなどの名だたる企業が融資していて、期待が大きいこともSANDと通じるところがあります。

SANDと同じくMANAも仮想通貨全体の押し下げを受けて2022年に価格が下落していますが、Decentralandのユーザーが順調に増加していること、過去には5倍以上もの価値をつけていたこと、NFTへの期待が高まっていること、国内外の投資家から注目されていることなどから、おすすめしたい銘柄の一つです。

おすすめの銘柄③:Enjin

「Enjin(エンジン)」は大人気ゲーム「マインクラフト」のプラグイン、「Enjin Craft(エンジンクラフト)」で使われている仮想通貨です。

マインクラフト自体はメタバースではありません。しかしEnjin Craftを導入することによって、ゲーム内のアイテムや土地をNFT化し、Enjinで売買できるようになります。

マインクラフトは世界で一番売れたゲーム。

そのゲームをNFT化できるEnjin Craftと仮想通貨のEnjinは、投資家からも大注目の銘柄となっています。また国内の仮想通貨取引所であるコインチェックとGMOコインでもEnjinの取り扱いを始めたことも、価格上昇につながっているようです。

株式投資

投資の王道とも言える株式投資。ハイテク関連の銘柄に投資する際には、業績が好調であると同時に、その将来性が大きな判断基準となります。

メタバース関連の銘柄に関しては、現状の業績よりもむしろ、その将来性に強く惹かれている投資家が多いように感じます。

ブルーオーシャンのメタバースにおいては、いち早くその将来性を見極めることが投資で成功する秘訣となるのでしょう。

そこでここでは、今後メタバースで成長が見込める企業を中心に、おすすめの銘柄をご紹介します。

おすすめの株式銘柄①:METV

「METV(ラウンドヒル・ボール・メタバースETF)」は、Roundhill社によって発行・運用されるメタバースETF(上場投資信託)です。

2018年に創業されたばかりのRoundhill社は、新時代のETF発行会社。同社が発行するMETVは、世界初のメタバース特化型のテーマETFとして大きな話題となりました。

METVは2021年6月に新設されたばかりのため、運用額はまだまだ大きくはありませんが、同年10月にFacebookが社名をMetaに変更したことにより多額の資金が流入。二ヶ月ほどで純資産は約4倍になったそうです。

アメリカで上場されているメタバースETFではMETVが取り引ボリュームでも圧倒的ですから、必ずチェックしておきましょう。

おすすめの株式銘柄②メタプラットフォームズ

Facebookは社名をMetaに変更したのはこちらでも何度も述べていますが、その正式名称が「メタ・プラットフォームズ(Meta Platforms)」。

しかしその株価は、今年に入って40%近くも下落しています。その点についてはマーク・ザッカーバーグCEOも「最悪レベルの低迷」と認めていますが、同時に自社のデータセンターのGPUを年内に5倍に増やす計画も発表しています。

同社のGPUへの投資は大手企業向けのAIやクラウドコンピューティングへの投資と同義であり、景気低迷の影響を受けにくいと予想されています。

今後のメタバースの成長見込みも背景に、メタ・プラットフォームズの株式の下落は逆に投資のチャンスと見る投資家も多く、今後の動向にも注目です。

(メタ・プラットフォームズは6月9日に米株式市場の銘柄コードを「META」に変更しました)

おすすめの株式銘柄③テンセント

「テンセント」は中国のハイテク都市、深センに本拠地を置く多国籍IT企業。海外ゲーム収入と広告収入の縮小を受け、2022年1-3月期決算は純利益が前年同期比22.9%減となっています。

しかしこれはコロナによる中国本土のロックダウンの影響を多大に受けたもので、一時的なものと考えられています。

また同社はXR事業部門を新たに設立し、ソフトウェアやコンテンツ、SDK(ソフトウェア開発キット)、ハードウェアなどについて積極的な投資・開発を行うことを発表しました。

世界でも屈指のIT企業であるテンセントがメタバースにも進出することを市場は好意的に受け止めており、2022年下半期からの巻き返しに期待が寄せられています。

土地の不動産投資

仮想空間上の土地が不動産投資の対象と聞くと、多くの人は疑問に感じるでしょう。

しかし、メタバースではアイテムだけではなく土地もNFT化され、その所有権が明確にされています。

メタバースで土地を購入してその場所にショップを建ててビジネスを展開したり、土地そのものをレンタル・転売することも可能なわけです。

つまり実際の土地と同じように、メタバースという仮想空間上でもその土地には価値がつけられ、投資の対象となっているのです。

メタバースの土地への不動産投資のコストとリターンは、当然そのプラットフォームによって異なります。

そこで不動産投資向けのおすすめのメタバース・プラットフォームをご紹介しましょう。

おすすめのプラットフォーム①:Axie Infinity

「Axie Infinity(アクシー・インフィニティ)」は、利用者の多いNFTゲームの一つです。特にアジアでの人気が高く、物価の安いフィリピンではゲーム内でゲットしたSLP(Smooth Love Potion)という仮想通貨だけで生活している人もいるほど。

そのAxie Infinityで昨年販売された土地は、150万ドル(約2億円)で入札されたことが明らかになりました。

購入された土地はキャラクターの育成や繁殖、冒険・探索などに利用できるとのこと。

ゲームの土地がそれほどの高額で取り引きされるとは驚きでしかありませんが、デジタル資産が投資の対象となりうるということを多くの投資家に認めさせるものともなりました。

おすすめのプラットフォーム②:Decentraland

おすすめ仮想通貨で紹介した「MANA」が用いられているのが、NFTゲームの「Decentraland」。Decentraland内での土地は「LAND(ランド)」と呼ばれ、こちらも昨年1億円で購入されたというのが大きなニュースとなりました。

運営元が非営利団体でもあることから、ユーザーが自由に世界を構築していけるのが最大の特徴。さらにコカ・コーラやサザビーズなど、名だたる企業も続々とDecentralandに参入しています。

通常のゲームで取得したNFTアイテムはそのプラットフォームでしか利用できませんが、Decentralandでは他のゲームでも利用できるため、さらなる利用者の増加が見込まれています。

おすすめのプラットフォーム③:The Sandbox

こちらも上で紹介した「The Sandbox」。

ユーザーはオープンワールドのメタバース空間内を自由に行動することができ、メタバース版「マインクラフト」と説明されることも多い。

The Sandboxでも土地はLANDと呼称されており、ユーザー間でのLANDの売買やレンタルも盛んに行われています。

取り引きされた土地でイベントを開催したり、ゲームを公開することなどによって多くのユーザーを集め、それがビジネスチャンスの拡大にもつながっているようです。

2020年にはスクウェア・エニックスも出資し、日本でのサービスも本格始動。adidasやavexなどの企業もThe Sandboxに進出し、大きな盛り上がりを見せています。

|メタバース投資は今後どうなる?

メタバースが広く一般にも浸透するにつれ、仮想通貨・株・土地への投資金額も増加し続けています。

「メタバースに投資するには今が最適のタイミング」と語る専門家も多く、その将来性に熱い視線が注がれています。

ロシアのウクライナ侵攻やアメリカの金融引締政策を受け、メタバース関連株は下落していることは確かです。

しかしそれはメタバースに限ったことではなく、他の業界も同じ。むしろその将来性を見据えてメタバース関連への投資は有望株と見られており、今後3~4年は上昇トレンドにあると言われています。

実際に5GやWeb 3.0などの新たなテクノロジーの後押しを受けて、メタバースはこれからさらに進化することは確実であり、その限界はまだ誰にも見えていません。

その成長曲線の始まりにある今こそ、メタバースに投資する最大の好機なのです。

【まとめ】トレンドのメタバースで投資を始めよう!

NFTゲームやビジネスシーンでの利用が拡大しているメタバース。成長分野に投資することは常識であり、大きなリターンが期待できます。

メタバースは株式だけではなく、仮想通貨や土地など、様々な投資分野があり、銘柄だけではなく有望なプラットフォームを見極めることが非常に重要となります。

今回の記事を参考になさって、今後も成長を続けるメタバースへの投資をぜひご検討なさってください。