「メタバースに興味はあるけど、セカンドライフとの違いはなんだろう?」
「セカンドライフのように、メタバースも衰退してしまうのではないか?」
本記事では、そのような疑問を解消するため、メタバースとセカンドライフの違いから、共通点や相違点、どうしてここまでメタバースが注目を浴びているのか、今後メタバースに期待できることなどわかりやすく解説します。
この記事を読めば、メタバースとセカンドライフの大きな違いがはっきりと理解できるようになりますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
|メタバースとセカンドライフの違い
セカンドライフとメタバースで出来ることは、対応デバイスなどの細かいことを除くとほぼ同じです。
アバター同士のコミュニケーション、バーチャル世界でのイベント開催、土地やモノの売買など、メタバースの世界でできることは新しいコンテンツのように見えて、実はセカンドライフ内で実現されていました。
・流行した時代
・対応デバイス
ここからは、上記2つの観点からメタバースとセカンドライフの違いについて解説します。
流行した時代
2020年頃から流行期を迎えているメタバースに対し、セカンドライフは2003年頃に多くの注目を集めました。
セカンドライフが流行した当時はまだガラケーの時代で、どこにいても仮想空間にアクセスできる環境ではありませんでした。
当然のことながら、PCのスペックも現在のPCと比べるとはるかに低く、ハイスペックパソコンだとしても現在のスマホの性能を超えることはできず、そんな状況でも、社会を騒がせるほどの革新的なソフトウェアとしてセカンドライフは注目を集めたのです。
対応デバイス
メタバースとセカンドライフでは、対応デバイスにも大きな違いがありました。
スマホやVRゴーグルなどさまざまなデバイスに対応するメタバースに対し、セカンドライフではパソコン利用のみでした。
現在は、人々のスマホ普及率も高く、光回線・5Gも普及しており、どこからでも簡単に仮想空間にアクセスできる環境が整っています。
|そもそもセカンドライフとは
出典:https://onl.sc/XYCQ3ba
セカンドライフとは、2003年に、アメリカのサンフランシスコに本社があるLinden Lab社がリリースした「Second Life」というソフトウェアです。
3DCGで構成された仮想空間のなかでユーザー同士でコミュニケーションが取れたり、商品・土地の売買ができ、現在のメタバースと同様の仮想世界を指します。
当時は、一般消費者だけではなく多くの企業もサービスに参入し、2006年1月に約10万人だったユーザーが、10月には約100万人を突破するなど、急成長をみせ大きな注目を集めました。
|セカンドライフがブームになった理由
セカンドライフとメタバースの違いについて説明してきました。
ここからは、セカンドライフがなぜ社会を賑わせるほどブームになったのか?
・暗号資産(仮想通貨)取引
・不動産売買
・イベント、ものづくり
上記3つの観点からセカンドライフがブームになった理由について解説します。
暗号資産(仮想通貨)で取引ができた
独自の暗号資産(仮想通貨)である「リンデンドル(L$)」を確立したことが注目を集めた大きな要因と言えます。
リンデンドルと米ドルとの為替レートが公式に提示されており、公式サイトを筆頭にさまざまなサイトで換金を行うことが可能となっていました。
独自の暗号資産は、セカンドライフ上のゲームで通貨を稼ぐことや、商品の売買のために使用されます。
それまでのソフトウェアとは異なり、取引した暗号資産を現実世界で換金することもできました。
今では、当たり前になりつつある暗号資産ですが、当時ではまだ珍しい技術であり、いち早く実現したことで高い評価を得ていました。
不動産売買ができた
上記で説明した通り、セカンドライフでは独自の暗号資産での取引が可能だったため、仮想空間内の不動産売買が行われていました。
ユーザーはセカンドライフ内に秋葉原を再現したり、ビルを建てショップをオープンするなど、イベントが盛んに行われていました。
仮想空間の土地や不動産だからといって安価で取引されていたわけではなく、アンシェ・チェン氏というユーザーが仮想空間内の400以上の島へ投資した結果、100万ドル以上の利益を獲得したことが当時大きな話題となりました。
・自由にイベント、ものづくりができた
セカンドライフは、オープンソース化されており、プログラミングができる、3DCGができるといったクリエイターが多く参加したことで、コミュニティが一気に盛り上がりました。
セカンドライフ内にビルを建ててテナントを募ったり、ショップをオープンして自由にイベントを開催するなど、一般ユーザーも楽しむことができました。
|セカンドライフが衰退した理由
2000年代に大きな盛り上がりをみせたセカンドライフは、2007年をピークにやがて衰退していきました。
ここからは、現在流行しているメタバースの基礎となっているセカンドライフは、なぜ衰退してしまったのか?
・高い参入障壁
・狭いコミュニティ
上記2つの観点からセカンドライフが衰退した理由理由について解説します。
高い参入障壁
セカンドライフを使用するには、まずハイスペックPCと光回線レベルのインターネット環境が必要でした。
当時は、今の世の中のインターネット速度に比べると格段に遅く、セカンドライフ上でスムーズな動きを維持できるパソコンはほぼ無いに等しく、利用者の拡大に繋がらなかったことが大きな要因であると言われています。
また、セカンドライフの専用ソフトは、ユーザー自身で設定する必要があり、操作が難しかったことも気軽に参加できない要因ではないかと言われています。
狭いコミュニティ
セカンドライフでは、ユーザー自身が自由に仮想空間を作り上げることができるとはいえ、一つのワールドの中に入ることができるのは同時に最大50人までといういう過疎化しやすい仕組みであったことも大きな要因です。
同時刻にユーザーたちが集まる仕組みもなく、ソーシャル的な要素がなかった為、セカンドライフ=狭いコミュニティというイメージが確立してしまい、やがてユーザーは離れてしまいました。
|メタバースを支える3つの最新テクノロジー
アバター同士の交流を楽しむことのできるセカンドライフ。
あらゆる弊害があり、ブームは一時過ぎ去ってしまいましたが、現在は「メタバース」として再ブームを起こしています。
セカンドライフの反省点を活かし、現在流行しているメタバース。
ここからは、メタバースを支えている最新テクノロジーについて以下の3点を解説します。
・ブロックチェーン
・暗号資産(仮想通貨)
・NFT(Non-Fungible Token)
ブロックチェーン
ブロックチェーンとは、取引履歴を暗号技術によってチェーン状に繋げ正しい取引履歴をユーザー同士で共有し、維持できる技術のことを指します。
2つの暗号技術を用いることで、改ざんが非常に困難であり、ブロックチェーンの大きな特徴でもあります。
また、システムダウンする可能性が極めて低いことも特徴です。
多数のユーザーが取引履歴のコピーを記録している為、一部のユーザーがダウンしても残りのユーザーがコピー記録を保持しているのでシステム全体がダウンする可能性は少ないと言われています。
詳しくは、「DAO(分散型自律組織)の仕組みとは ブロックチェーン・スマートコントランクト・ガバナンストークンについて徹底解説!」をご覧ください。
暗号資産(仮想通貨)
暗号資産(仮想通貨)とは、暗号化されたデジタル通貨のことで特定の国家が発行していない通貨のことを指します。
特徴としては、ブロックチェーン技術を用いて、インターネット上で分散管理されているため、安全に取引履歴を管理することができます。
また、個人間で直接送金できることや、世界共通の単位という点も特徴のひとつです。
詳しくは、「メタバースと仮想通貨の関係って?おすすめ関連銘柄も詳しく解説!」をご覧ください。
NFT(Non-Fungible Token)
NFTとは、「Non-Fungible Token(ノン-ファンジブル トークン)」の頭文字を取ったもので、日本語に訳すと「非代替性トークン」という意味になります。
大きな特徴としては、代替不可能で唯一性がある点や、破損や紛失するリスクが少ない点などが挙げられます。
NFT登場前には、デジタルデータは簡単に複製することができたので、希少価値がありませんでした。
そんなデジタルデータに唯一無二の価値を持たせることに成功したのがNFTです。
また、NFTはオンライン上に存在しているデータであるため、破損や紛失するリスクが極めて低いです。
あくまでもデータを所有しているだけなので物理的な破損の心配はありません。
詳しくは、「今話題のメタバースとNFTってなに?その関係と活用方法についてご紹介!」をご覧ください。
|セカンドライフに代わるメタバースゲーム
現在は、「フォートナイト」や「あつまれどうぶつの森」、「マインクラフト」など子供から大人まで楽しめるメタバースと呼ばれるゲームが数多く存在しています。
上記で紹介したブロックチェーンやNFTなどの技術によって、これらのゲームは、セカンドライフに比べて安全性・透明性が上がっており、今後ますますメタバースの発展が期待できます。
また、VRなど仮想世界への“没入感”が圧倒的に高くなるデバイスも続々開発されており、メタバースの活用の幅は今後より一層広がっていくことが期待されています。
|メタバースの課題
メタバースの多くは現実のような3D空間でつくられているため、没入感や臨場感を体験する為には、VRデバイスが必要になります。
現在では、PCやスマホから簡単にアクセスできる仮想空間が多く存在しますが、画面を観ているだけの状態になってしまい、充分なメタバース体験とは言えません。
セカンドライフのハイスペックPCのように、参入障壁がこれにより高くなってしまっているのが現状です。
VRゴーグルを保有しているユーザーはスマホ保有者に比べると圧倒的に少なく、メタバースを楽しんでいるユーザーのほとんどは、PCから参加しています。
しかしながら、デバイスの課題は現在多くの大手企業が開発を進めており、VRゴーグルの軽量化や通常の眼鏡のような装着感にまで進化すると予想されていますので、デバイスの課題は解決に向かっていると考えられます。
|まとめ
本記事では、メタバースとセカンドライフの違いについて解説しましたが、いかがでしたか?
メタバースは、新しい言葉のようで実は2000年代から「セカンドライフ」という名前で、仮想空間を楽しむ人が多く存在していました。
登場した時代が違うだけで、今後の可能性がここまで違うなんて驚いている人もいるかもしれません。
今後、皆さんの生活で当たり前になる可能性が大きいメタバースに是非触れてみてはいかがでしょうか?
ここまで読んでいただきありがとうございました。