誰もが知っていると言っても過言ではない、日本の有名企業「日立」。
その日立グループが、VRおよびARの分野で革新的なソリューションとコンテンツの開発に果敢に挑戦しています。
製造業や医療、教育など、さまざまな業界で活用される最新テクノロジーを、日立グループの強みであるIoTやAIと組み合わせることで、新たな価値を創出しようとしているのです。
この記事では、その具体的な取り組みや成果について詳しくご紹介します。
近未来の私たちの生活に、一体どのような影響があるのでしょうか?
その全貌に迫りましょう!
目次
|日立グループとは
日立グループは、日立製作所を中心とした企業グループで、多くの連結子会社と持分法適用関連会社を擁し、約30万人の従業員を抱えています。
創業者である小平浪平の強い信念に基づく企業として、100年以上にわたり、優れた自主技術と製品の開発を通じて社会に貢献してきました。
「Inspire the Next」というスローガンは、
Inspire=「中に吹き込む」「膨らませる」「鼓舞する」
などの意味を含み、日立が次なる時代に向けて新しい展望を持ち、社会に活気をもたらすことを表しています。
日立グループは、活力にあふれた世界を築くために、次世代の技術とサービスを開発・提供し、進化し続けています。
|VRとは
VR(バーチャルリアリティ)は、仮想現実とも称され、専用のヘッドセットを用いて、仮想世界を現実のような没入感で体験する視覚技術です。
この技術により、ユーザーは360度の視野内で仮想環境を探索し、交流することが可能です。
ヘッドセットは、パソコン、ゲーム機、スマートフォンと連動するさまざまな種類が存在し、それぞれ異なる機能を持っています。
現在、VRはエンターテインメント分野だけでなく、ビジネス分野でも利用が拡大しており、多くの日本企業がこの分野に参入し、新たな可能性を追求しています。
詳しくは、こちらの記事も参考にしてくださいね。
|ARとは
AR(アグメンティッド・リアリティ)は、「拡張現実」とも称され、スマートフォン、タブレット、カメラなどのデバイスを通じて、デジタルコンテンツを現実世界に重ねて表示する視覚技術です。
この技術により、ユーザーはまるで現実の一部かのような臨場感を楽しむことができます。
主にエンターテイメント分野で広く活用されており、スマートフォンゲーム「ポケモンGO」がその代表例です。
これは、ユーザーがスマートフォンを使って現実世界にポケモンを仮想的に配置し、捕獲するというゲームで、大変な人気を博しました。
詳しくは、こちらの記事も参考にしてくださいね。
|日立グループのVR/AR関連ソリューション・コンテンツ
最先端のテクノロジーを取り入れて進化し続ける日立グループ。
それらを活用することで、グループ内の全企業に対して、どのようなソリューション及びコンテンツを提供しているのでしょうか。
以下で詳しく説明しましょう。
Doctor Cloud
株式会社日立製作所と株式会社日立産業制御ソリューションズは、最新技術を活用した「Doctor Cloud」を展開しています。
このクラウド型サービスは、高性能なHMDを使用し、AR技術により点検と設備管理を効率的に行うものです。
本システムを導入することで、作業ナビゲーションをハンズフリーで確認でき、接写可能な点検カメラを活用して見えにくい箇所の撮影や確認が可能になります。
また、多拠点での同時通信機能を備えており、遠隔地からの作業指示もスムーズに行えます。
これは、工場、プラント、水処理施設、交通施設など、社会インフラを保守し、点検する際に特に有用であるとして役立てられています。
安全教育コンテンツ
日立グループは、昇降機の保全に関わるエンジニア向けのVR教育システムを開発・運用しています。
このシステムは安全体感教育を提供し、労働災害の事例や原因、再発防止対策をわかりやすく解説し、従業員の安全意識と危険感受性の向上を促進します。
VRを活用した安全教育コンテンツは、労働災害を臨場感をもって理解し、従業員にとって「自分ごと」と感じさせます。
現実の災害状況をVRで再現し、安全意識の向上と危険感受性の強化に貢献します。
視覚、聴覚、触覚を活用して従業員にリアルな体験を提供し、危険をより理解しやすくします。
従業員の安全教育を効果的に行い、労働災害の予防と安全な作業環境の維持に貢献しています。
遠隔支援ソリューション
遠隔支援ソリューションとして挙げられるのは、現場の状況をリアルタイムにVR空間に再現し、遠隔から自由な視点で観察できる技術です。
複数の3Dカメラによって物体の点群データを取得し、その情報を遠隔地に伝送、遠隔のモニターやHMDを介して自由な視点でリアルタイムに現場を観察できます。
この技術により、観察時間を短縮し、観察エラーを低減します。
また、モーションセンシングとAR技術を組み合わせ、現場の作業者に作業の手本を示す画期的な技術も実用しています。
熟練者の動作をARデバイス上にアバターとして表示し、遠隔から直感的に作業方法を伝えるもので、作業指示の時間を短縮し、複雑な作業におけるエラーの発生を低減します。
ARスマートグラス
日立グループでは、Dynamics 365 for Field Serviceと結合して、保守現場の作業を効果的にサポートするARスマートグラスを採用しています。
特に、作業に両手を必要とする状況では、オフィスと現場をリアルタイムにつなぎ、スマートグラスを装着した保守員がオフィスから映像や音声を通じて遠隔サポートを受けられます。
このソリューションは、マニュアルを参照しながらハンズフリーで作業を行う必要があるシナリオに最適です。
現場作業者の視点映像をオフィスの管理者と共有し、遠隔から図形描画、テキスト/画像/スタンプの表示、デスクトップ画面の共有などの指示が可能です。
バーチャル展示会
バーチャル展示会は、従来の展示会のリアルな体験を提供する代替手段として機能しています。
このデジタルプラットフォームでは、実演やセールスプレゼンテーションに代わり、3分の動画で主要な製品やソリューションを紹介します。
製造ソリューションをはじめ、レーザ測位システムなど多彩な製品を紹介します。
さらに、日立産機システムの勝田事業所でのVR工場見学も360°バーチャルツアーとして体験でき、環境に優しい工場の取り組みについても説明します。
製品や設備に関する情報を効果的に提供し、訪問者が製品や施設についてリアルな体験を得る機会を提供するバーチャル展示会は、現実世界での展示会に代わる新しい方法として活用されています。
仮想オフィス
「仮想オフィス」は、現代の多様な働き方に対応し、組織内のコミュニケーション、エンゲージメント、管理、および心理的安全性の課題にアプローチするソリューションです。
このサービスは、従業員の孤独感を解消し、管理職の負担を軽減し、社内の人的ネットワークを醸成するために設計されています。
サービス内では、コミュニケーション促進のために「一言コメント」や「いいね」ボタンを提供し、従業員同士の雑談とコミュニケーションの機会を増やします。
また、「チームチャット」や「チーム掲示板」を通じて、従業員が気軽に情報を共有できるプラットフォームを提供します。
部下の出勤場所や勤務形態を確認し、上長が異変を早期に発見できる仕組みも備えています。
|まとめ
日立グループは、VR/ARの技術をさまざまなシーンで活用することで、新たな価値の創出に取り組んでいます。
保守作業から製造、展示会まで、これらのソリューションは多岐にわたり、業務の効率化、コスト削減、労働者のスキル向上、そして未来の職場環境づくりを支援します。
これらのVR/ARソリューションは、未来のビジネスにおいて競争力を高める鍵となります。
日々進化する最新テクノロジーとの連携によって、現実世界と仮想世界を融合した新たな体験を実現することで、人々の生活をより豊かに、より便利なものにしていくでしょう。
今後も日立グループの動向から目が離せませんね!