近年、バーチャル技術を活用して、町おこしなどのPR活動を行う自治体が増えています。
バーチャル技術を使えば、3Dで作られた仮想空間上にさまざまなコンテンツを展開できます。
さらに仮想空間であれば、新たなイベントや企画を行う際に、現実の場所は不要です。
また、比較的安価に施策の展開が可能で、世界中から顧客を呼ぶことができます。
バーチャル技術を使った試みは現在注目されている新しい分野であるため、魅力的なコンテンツを作成できれば、大きな話題性を作ることも夢ではありません。
そこで、この記事では、埼玉県の事例に着目して、どのようにバーチャル技術が活用されているのか紹介していきます。
最後まで読めば、バーチャル技術を使った地域活性化のヒントを得ることができますよ!
目次
|バーチャル埼玉
バーチャル埼玉は、埼玉県の魅力を内外に伝えるためバーチャル空間に作られた、もう一つの埼玉県です。
埼玉スーパーアリーナや、川越の蔵造りの町並みなど、埼玉の名所をバーチャルで再現しており、埼玉県の認知向上や、イメージアップにつながる施策になっています。
ユーザーは、「いちご」や「なし」など、埼玉県の農作物やグルメをイメージしたアバターを操ることで、バーチャル埼玉の中を散策でき、埼玉の魅力を思う存分感じられます。
バーチャル埼玉に入場する方法は簡単で、PCやスマホがあれば、バーチャル埼玉オフィシャルWebサイトから入場可能。アプリのダウンロードや会員登録は不要です。
バーチャル埼玉は、令和5年11月14~令和6年3月末まで実施される予定で、その間、さまざまなイベントが予定されています。
たとえば、バーチャル埼玉がオープンする11月14日にはバーチャル空間内の埼玉スーパーアリーナで記念のイベントが開催される模様です。
バーチャル埼玉への入場は無料なので、気になった方はぜひバーチャル埼玉に訪れてみましょう。
|埼玉バーチャル観光大使
埼玉バーチャル観光大使は、埼玉の観光を活性化させるため、2021年から行われている活動です。
観光大使には、「埼玉県をもっと身近に」をモットーとして平成30年から活動を続けてきた個人VTuberの「春日部つくし」さんが就任。
開催されたオーディションで、総勢40名の中から有識者選考や視聴者投票を経て選ばれました。
観光大使の活動内容は、景勝地や商業施設、アクティビティーといった埼玉県の観光情報をYouTubeやX(旧twitter)などのSNSで発信するというもの。
主に若い世代をターゲットとした話題作りや注目度アップを目指した試みでしたが、これが大成功!
ちょこたび埼玉オンラインストアのキャンペーンを実施した際は、売り上げが平常時の約4倍に跳ね上がり、コロナ過であったにもかかわらず、県内の観光地に足を運んだ方が増えました。
また、県の観光課によると、動画の視聴者は、埼玉県外の方が7割を占めており、埼玉バーチャル観光大使の存在は、埼玉県のPRに大きなプラスとなっているようです。
|VIRTUALミズベリング
VIRTUALミズベリングは、埼玉県の河川環境課が主催するバーチャル空間で行われたイベントです。
イベントの内容は、7月7日七夕の日に、水辺(越谷レイクタウン)をモチーフにしたバーチャルワールドにみんなで集まって乾杯するというもの。
イベント会場にはステージが用意されており、埼玉バーチャル観光大使の春日部つくしさんをはじめとした人気VTuberらが登場するスペシャルステージも行われました。
VRChat内で行われたイベントですが、当日の様子はYouTubeでも配信されており、多くの方がイベントに参加したり視聴したりして楽しみました。
|バーチャルさいたま水族館
バーチャルさいたま水族館は、さいたま水族館をオンラインで体験できるコンテンツです。
水族館の内と外の様子を360°カメラで撮影して作られており、家にいながら水族館を訪れたような体験ができます。
バーチャルの水族館内を進んでいくと、各所に動画が設置されていて、こちらも360°の映像で雷魚やオオサンショウウオ、チョウザメなど、水中の生き物が動く様子を観察できます。
バックヤードの様子も見ることができて、水族館全体の魅力をアピールできるコンテンツになっています。
|バーチャル下水道施設見学
埼玉県下水道公社は、なんとバーチャルで下水道施設の見学ができるコンテンツを作成しました。
公社のWebページからアクセス可能で、PCやスマホから気軽にコンテンツを楽しむことができます。
下水処理場や汚泥処理場の様子を360°の映像で見学できる他、マンホールの内部や中央監視室の様子、さらにドローンを使って撮った空からの映像も見ることができ、施設を余すことなく知ることができます。
下水処理のしくみを説明してくれる内容もあり、見るだけではなく、きちんと学べるコンテンツになっています。
|埼玉県立自然の博物館 バーチャル展示室
埼玉県立自然の博物館では、博物館の内外を360°のバーチャル映像で見学できるコンテンツを公開しています。
博物館全域を見て回れるだけでなく、動画での展示品紹介やテキストでの解説まで見ることが可能となっており、とても親切でわかりやすい内容になっています。
博物館を真上から見たフロアマップや、博物館全体を立体的に表現したドールハウスビューなど、さまざまな表示方法が用意されていて、博物館の構造を把握するのも簡単。コンテンツを楽しむのはもちろんですが、現地へ行く前の下見にも役立つ内容となっています。
|HEAD ROCK VR JAPAN in 東武動物公園
HEAD ROCK VR JAPANは、東武動物公園内にあるVRテーマパークです。
シンガポールにあるHEAD ROCK VRの2号店で、来場者は、頭にVRヘッドセットをかぶり、本格的なVRコンテンツを楽しみます。
体験できるVRの種類は、
- ほうきに乗り空を飛ぶファンタジーVR
- 雪山を疾走する犬ぞりVR
- 恐竜の世界を走るジェットコースターVR
など、HEAD ROCK VRでしか体験できない、迫力のあるコンテンツやアトラクションが盛りだくさん。
とくにお子さんと一緒に遊ぶのにおすすめのスポットです。
ちなみに、VRアトラクションを体験するにはチケットが必要で、
チケット料金は、1枚 400円/2枚 700円/5枚 1,500円。
また年齢制限があり、1人で利用できるのは13歳から。
7歳以上、13歳未満の方は保護者様の同意のもと楽しむことができます。
|まとめ:VRで地域の魅力を高められる!
この記事では、埼玉県で実際に行われているVRを使った活動や取り組みを紹介してきました。
VRを使えば、架空のキャラクターを登場させて観光案内を実施したり、バーチャル空間内に会場を設置して比較的安価にイベントを開催できたりと、地域を盛り上げるためのさまざまな施策を打つことが可能になります。
もちろん、VRコンテンツを用意するための初期費用は必要となりますが、一度作ってしまえば、何度でも使用可能でメンテナンス費用も大きくはかかりません。
コンテンツの内容にもよりますが、話題性を獲得すれば、大きなリターンが得られるでしょう。
地域活性化の実現に取り組まれている方は、ぜひバーチャルの導入を検討してみてください。
地域に新たな可能性が生まれるかもしれません!