昨今、進歩が目覚ましいAI技術。
AI技術は教育分野においても新しい方法として注目されつつあります。
しかし、機械であるAIがきちんと子供に対して教育の役割を果たせるのか気になりますよね。
そこで、この記事では、教育にAIを使うことのメリットや注意点、さらにおすすめのAI教育サービスを紹介していきます。
最後まで読めば、教育現場で使われているAIについて理解できて、AIを教育に活用すべきかのヒントが得られます。
目次
|教育にAIの利用が広がっている
近年、教育現場でAIの活用が広がっています。
技術の進歩に伴って、AIは、実際の教育現場で使用できる性能になりました。
AI学習がもたらすメリットが認知され始め、小学校や中学校、学習塾など、さまざまな場所で応用がすすんでいます。
そんなAI学習について詳しく見ていきましょう。
|教育にAIを利用することのメリット
教育にAIを利用するメリットには以下の4つがあります。
- 生徒の個性に合わせた教育ができる
- 平等に質の高い教育ができる
- 客観的な成績評価ができる
- 授業や教育カリキュラムのデータ分析・改善が可能
それぞれの項目について解説していきます。
生徒の個性に合わせた教育ができる
AIが搭載された教材を使えば、各々の生徒の能力・学力レベル・学習の進捗状況などに合わせた学びを生徒に提供できます。
これは「アダプティブラーニング」と呼ばれていて、生徒1人1人が持っている個性を伸ばし、より深い学びを与える方法として注目されています。
平等に質の高い教育ができる
これまで教育の現場では、子供たちの状況や置かれた環境によって格差が生じていました。
たとえば、教育を受けるべき子供が、学校に通いにくい場所に住んでいたり、不登校になってしまい学校に通えなかったり、あるいは、教師の質にもバラツキがあります。
AI教育であれば、わざわざ学校に行かなくても教育を受けられたり、オンラインで効果の高い学習カリキュラムを受けられます。
そのため、教育格差の解決に役立つ可能性があります。
客観的な成績評価が可能
AIは、蓄積されたデータを分析し、客観的に評価することが得意です。
AI学習によって得られる生徒1人1人のデータから、適切な成績を作成して、生徒や保護者に提供することができます。
授業や教育カリキュラムのデータ分析・改善が可能
これまで授業や教育カリキュラムの評価・改善には、アンケートを用いるのが一般的でした。しかしこれは主観的なデータであり、効果的な改善に結びつかない場合もありました。
その点、AIを用いれば、リアルタイムで授業の分析が可能。生徒の理解や興味関心の度合いを詳しく知ることができ、効果的な改善に役立てることができます。
|教育にAIを利用する場合の注意点
教育へのAIの導入は、多くの可能性を秘めていますが、以下の点には注意が必要です。
- 適切なIT環境が必要
- ITリテラシーが必要
- 生のコミュニケーションが減少する可能性
それぞれの注意点について解説していきます。
適切なIT環境が必要
教育にAI機能を搭載した教材やカリキュラムを導入するには、それに見合った適切なIT環境が必要です。
たとえば、
- PCやタブレットなどのデバイス
- インターネット回線
- ルーターやWi-FiなどのIT機器
これらを適切なクオリティで整えることができなければ、十分な形でAIによる教育サービスを受けられない可能性があります。
ITリテラシーが必要
AIを搭載した教材を扱うには、ある程度のITリテラシーが必要です。
たとえば、AI教材を使用するには、インターネットに接続する必要があるため、ウイルスに対するセキュリティ対策や情報漏洩のリスク管理を行う必要があります。
また、ITツールの使用方法をきちんと子供に教えられないと、学習が途中で中断してしまうかもしれません。
子供が有料もしくは有害なコンテンツにアクセスする可能性を考え、適切な対策をする必要もあります。
生のコミュニケーションが減少する可能性
AIを利用した学習はオンラインで行われます。
生徒はPCやタブレットの前で学習を進めることになるため、人と接することなく学習を終えることも可能です。
そのため、やり方によっては、人と接する機会が減る可能性もあります。
|教育にAIが利用された事例
現在、さまざまな教育機関でAIを搭載した教育ツールが使われています。
ここからは、そんなAIを活用した教育の事例を紹介していきます。
大阪府立箕面高等学校:AIツール「トレパ」で英語の授業
大阪府立箕面高等学校では、英語学習をサポートするAI学習ツール「トレパ」を採用し、授業に役立てています。
トレパは「聞く」「読む」「書く」「話す」の英語4技能を鍛えられる学習ツールです。
AIによる英語テキストの読み上げや、生徒の発音とネイティブの発音との比較評価など、生徒の英語力を高めるさまざまな機能があります。
それらを組み合わせることで、教師は自分の授業に合った教材を作り、学校の教育に活かしています。
愛知県豊田市:AI型教材「Qubena」を導入

愛知県豊田市は、市内すべての小・中学校および特別支援学校に、AIを活用した学習教材「Qubena」を導入しました。
Qubenaは、小・中学校で学ぶ主要5科目に対応しています。
AIが、正答率や解答時間などの学習履歴を分析して、生徒1人1人に適した問題を出題できるので、子供たちの知識や技能習得の効率化を図ることができます。
また、Qubenaを使って得た生徒たちの学習データは、教師が即座に把握できるので、きめ細かな指導につなげることが可能。生徒たちの学びのサポートに役立っています。
|AIが利用されている教育サービス3選
ここからは、AIが使われている学習教材を3つ紹介していきます。
どのサービスもAIを取り入れることで、学習効果を高めることに成功しています。
AI StLike

AI StLikeは、通信教育のBenesseが提供する、大学受験のための学習アプリです。
AIが、AI StLike利用者の膨大な学習データを解析し、各ユーザーに最適な学習プランを提供します。
勉強を進める中で、わかりやすいところはスキップ。理解しにくいところはプロの講師が動画で丁寧に指導してくれます。
また問題演習では、ユーザーの習熟度合いによって、難易度や量を調整。
1人1人に合わせた最も実力が伸びる方法で学習を進めることが可能です。
河合塾One

河合塾Oneは、AIを活用した高校生を対象とする学習サービスです。
AIによる理解度判定によって、生徒1人1人に適した教材がおすすめされ、最も効率の良い方法で学力を伸ばすことが可能なサービスになっています。
サービスが全てオンライン上で完結しているため、いつでもどこでも学習できます。
河合塾Oneの先生やトレーナーのサポートを受けることもでき、どうしてもわからない所を質問したり、進路の相談もできるので、安心してサービスを受けることができます。
Life Is Tech!

Life Is Tech!は、中学生や高校生に向けたITやプログラミングを学ぶための学習サービスです。
テストの結果から、AIが各生徒に合わせた学習プランを作成。個別に最適化された練習問題や小テストなどを通じて効率的な学びをサポートします。
また学習の進捗状況は一目で確認可能で、生徒の弱点をすぐに把握でき、効果的な反復学習につなげることができます。
|まとめ:AIが見せる新しい教育の形
この記事では、AIがどのように教育に使われているのか、AIを使った教育のメリットや注意点、さらに実際の事例について紹介してきました。
AIは、生徒たちの学習データを分析することで、1人1人に合った学習内容を提供してくれます。これによって、学習の効率化が実現でき、生徒の学力向上が期待できます。
さらに、小テストの作成や採点など、教育現場で必要になる仕事の一部をAIが担ってくれるので、教師の負担が軽減されるという側面もあります。
そのため、今後も教育現場でのAIの利用機会は増えていくでしょう。
AI技術はまだまだ発展途上です。今後の教育へのよりよいAI活用に期待が高まります。
























