コロナ禍をきっかけにオンラインを通じたコミュニケーションが当たり前になりつつある現在、次のステージとして注目されている技術にメタバースがあります。

多くの企業が技術開発に対する意欲を高めている状況において、「Vket Cloud」と呼ばれるサービスが登場したことをご存知でしょうか。

本記事では、誰でも簡単に幅広い3次元空間の構築が実現できる「Vket Cloud」について、その概要から特長、今後の展望について解説します。

これからメタバースを楽しみたい、空間構築に興味があるという方はぜひ最後までご覧ください。

|「Vket cloud」とは?

出典:https://cloud.vket.com/

「Vket Cloud」はメタバース開発エンジンです。

世界最大級のVRイベントである「バーチャルマーケット」を主催する、株式会社HIKKYが提供するサービスであり、表情豊かなコンテンツ展開が特長となっています。

従来、二次元的な表現しかできなかったことが、VR上で立体的に映し出すことで、より幅広い表情や空間が実現したのです。

オンラインを通じたコミュニケーションは、どうしても現実世界での対面と比較した際、温度感や楽しみ、偶然の出会いといった点で劣ってしまいがちです。

しかし、「Vket Cloud」は訪れる人に驚きと感動体験を提供できる上、現実世界に限りなく近い交流が可能になります。

株式会社HIKKYが独自開発したメタバースエンジンである「Vket Cloud」を利用すれば、誰でも自分だけの空間作成が可能です。

既に様々な企業が活用を進めており、現実世界とは異なる全く新しい世界を創造できます。

3次元空間の構築は高度な知識が必要と感じられるかもしれません。

しかし、「Vket Cloud」を利用すればバーチャル店舗やイベント会場を自由に生み出せます。

こういった背景から、今後のビジネス展開をサポートする強力なサービスとして注目されているのです。

|Vket cloudの特長

「Vket Cloud」の特長について、以下の項目に沿って解説していきます。

  • 無料利用可能
  • 商用利用可能
  • スクリプトを用いたコンテンツを実装できる
  • オリジナルWebサイトを持てる
  • My Vket内に制作ワールドが掲載

無料利用可能

メタバース開発エンジンということで、非常に専門的で高価なサービスだと思われる方は少なくないかもしれませんが、「Vket Cloud」は無料で誰でも利用できるフリープランが用意されています。

公式サイトからID登録を行い、Vket Cloud SDKとよばれる開発キットをダウンロードするだけで、誰でも制作できます。

ゲーム制作エンジンであるUnityを通じて実施するため、ダウンロードしたVket Cloud SDKをUnityに取り込むことで3次元空間の構築が可能となります。

商用利用可能

「Vket Cloud」を利用して制作したメタバースは、個人で楽しむだけではなく様々なサービスにおいて商用利用が可能です。

一定の機能制限があるとはいえ、無料で利用できながら商用利用可能という点は、「Vket Cloud」が持つ圧倒的なメリットといえます。

自作した販売サイトへ誘導したり、SNSリンクを設置したりと、3次元空間を通じて様々なサービス紹介からイベントを開催できます。

ただし、第三者に対して「Vket Cloud」を利用したサービスを提案する場合は、別途で申請が必要になるため注意しましょう。

スクリプトを用いたコンテンツを実装できる

「Vket Cloud」でのメタバース構築は、C#ベースの独自スクリプトの利用が可能。

そのため、これまでUnityを通じてゲームを作成していた方であれば、ゲーム性のあるワールドなどより自由度の高い空間を生み出せるでしょう。

C#ベースのスクリプトを活用することで、ミニゲームの作成や細かい装飾などもできます。

訪れたユーザーがより楽しめるギミックを自由自在に作り出せるのです。

オリジナルWebサイトを持てる

「Vket Cloud」を利用してメタバース空間を構築すると、そのワールドが掲載されたWebサイトの制作が可能となります。

従来のブログやホームページのように、自身の作品が並んだWebサイトは自身のスキルをアピールすると同時に、多くのユーザーへ認知してもらう場にもなります。

今後の仕事に繋がる可能性もあるため、自作したメタバースを一覧で並べたサイトは貴重な存在です。

SNSやブログなどにリンクさせ、今後の活動に活かしましょう。

My Vket内に制作ワールドが掲載

「Vket Cloud」を利用したメタバース空間は、株式会社HIKKYが運営するメタバースサービス「My Vket(マイブイケット)」内にも一覧で表示されます。

集客力のある空間から、自作の3次元空間への導線が確保されるため、世界中のユーザーが遊びに来てくれるかもしれないのです。

「My Vket」には制作された作品がアップロードされ、一覧で並びます。

訪れるユーザーはそれぞれに「いいね」を押すことができるため、お気に入りの作品はブックマークして保存できるのです。

|Vket cloudの料金体系

2023年11月現在、「Vket Cloud」の料金体系は主に以下の2種類に分けられます。

  • ビジネスプラン
  • ベーシックプラン

それぞれで利用できる範囲、対象にする顧客が異なりますのでそれぞれの内容を確認していきましょう。

ビジネスプラン

ビジネスプランは中小規模の企業を主に対象とした料金プランです。

月額11万円(税込)での利用が可能であり、「Vket Cloud」が提供する全ての機能を使用できます。

専門知識を必要とすることなく、3次元空間を立ち上げられるテンプレートや、訪問予約機能など、ビジネスを支える様々な機能が今後拡充される予定です。

今後はより専門的なカスタマイズや専任サポートが付随する「ビジネスプラス」や、独自のインフラ構築を実現させる「エンタープライズ」などの提供も見込まれており、様々なビジネスに対応できるプランとして活用されることが想定されるでしょう。

ECサイトとの連携によってより円滑にオンライン販売を実現したい、有料イベントをメタバースで開催したいなど、本格的な経営を考える場合はビジネスプランの選択が最適となります。

ベーシックプラン

ベーシックプランは個人制作向けの「フリー」であれば、永久無料で利用が可能。

しかし、チームとして複数人でメタバース構築を考える場合は、月額990円(税込)のプランに加入する必要があります。

そのため、1人で楽しむなら無料プラン、複数人を想定するなら有料プランへ加入しなければいけません。

有料プランであれば多人数での構築、運営が可能な機能が追加され、交流やイベント開催も実施できるため、コミュニティ形成に繋げられるでしょう。

|今後の展望について

「Vket Cloud」はまだまだ発展途上のサービスであり、今後も以下のような様々なアップデートが予定されています。

  • 外部API連携
  • チケッティング
  • ウォレット連携
  • 独自ドメイン
  • ワールド内決済

また、ビジネスプランでのEC販売機能、有料イベント、大規模同時接続なども準備中であり、今後も益々ユーザーが増加することが見込まれます。

最新の動向に注目しながら、「Vket Cloud」を利用したメタバース市場に期待しましょう。

|まとめ

メタバース開発エンジン「Vket Cloud」について、その概要から特長、そして今後の展望までを解説しました。

現実世界とは異なる3次元空間を無料で生み出せる点は「Vket Cloud」の大きな魅力です。

今後メタバース市場は益々発展することが想定されます。

少しでも気になったという方は、本記事を参考にメタバース構築に挑戦してみてはいかがでしょうか。