本記事では、メタバースを実際にビジネスに取り入れてみようと考えているビジネスパーソン向けに、活用時のメリットと実際に導入する際にサポートを行なっている企業の紹介をしていきます。
|そもそもメタバースとは?
まずは、メタバースについて簡単にご紹介いたします。
メタバース(Metaverse)とは、アメリカのSF作家ニール・スティーヴンスン(Neal Stephenson)による1992年の小説「スノウ・クラッシュ(Snow Crash)」で登場する、インターネット上の仮想空間の事です。
そこからインターネット上につくられた仮想空間のことを指すようになりました。メタバースは「meta(超えた)」と「universe(宇宙)」を組み合わせた造語です。
現在、メタバースははっきりと定義されたものはありませんが、オンライン上に現実とは別の新しい空間や現実世界と仮想世界を融合した空間を指すことが多いです。
また、アクセス数が無制限かつ経済圏をもつこともあります。メタバース上では自身の分身となるアバターで他のユーザーと交流やコンテンツを楽しむことができます。
|メタバースのビジネス活用事例
それでは実際のビジネス活用事例を見ていきましょう。まだまだメタバースでのビジネス活用は発展途上ではありますが、デジタル分野での最先端の技術やシステムを用いた取り組みなどオフラインとは一味違ったものも多くあります。
現在までにメタバース上で行われてきた活用シーンの中に皆さんのニーズに合うものが見つかるかもしれません。新しいものを常に求めているようなビジネスパーソン必見です。
イベント開催や出展による集客
最初の活用法は、メタバース上でイベントの開催や出展を行う商談の場としての活用です。オフラインショップでは、店舗の場所によって遠方の人が参加にはハードルがあったり、オンラインショップでは購入までのすべて過程を購入者のみで行うために販売促進が難しかったりとそれぞれに課題があります。
メタバースでは、オフラインとオンラインそれぞれの課題をオンライン上で直接会話できるという特徴を存分に生かして、販売者と購入者の距離に関係なく直接商品を訴求できるという点は、展示会や商品販売において大きく売り上げを上げる要素になります。
また、バーチャルマーケットというVRイベントでは過去に100万人を集客した実績があるように、大きなメタバースイベントではイベントに参加するだけで大きな集客力を見込めます。
土地を保有して店舗運営や賃貸
次の活用法は、メタバース上で実際の土地の取引を行うのかと思われる方もいるかもしれません。ここでの土地というのは「Decentraland」や「The Sandbox」のように仮想空間上の土地のことを指していて、土地を入手することでその場所にオリジナルのゲームやサービスを作ることができ、その土地の売買で収益を上げることができます。
仮想空間上でありながら、実際の不動産業のような活動がされているため様々な場面で活用することができます。
オンライン上での店舗経営や広告、イベント開催時の土地の提供など多岐にわたります。2021年12月には、Decentraland内の土地の一画が約100万ドル(1,1億円)で取引され話題になるなど、まだまだ発展途上の中でここまでの金額になるのは大きな可能性を多くの人が持っている証拠になります。
NFTアイテムの制作・販売
NFTとは、「Non-Fungible Token」の頭文字を取ったもので、日本語で「非代替性トークン」という意味です。替えが効かない暗号資産であり、デジタルデータでありながらブロックチェーンという技術で他人によってデータの改ざんができないものとなっており、その性質によって、デジタルデータを現物の取引のように多くの人に価値があると認められたものには高値を付けることを可能にしたものになります。
メタバースはデジタル上の取引であり、直接ユーザー同士の交流が行えるため、資産として取引を行うNFTととても相性が良いものとなっています。
メタバース内でのアイテム(NFT)特にアパレル関連のもののはユーザーの分身であるアバターに身に着けて他ユーザーにアピールをするなど特に相性が良いものであり、NFT化する需要が高まっています。
メタバース空間でマーケティング
100万人の来場者数となったバーチャルマーケットのようなメタバースイベント内で広告運用やマーケティング活用を行った場合、高い広告効果を期待することができます。
今後、この規模のメタバースイベントが日常的に開催されたり、常にメタバースを利用する環境になったりした場合は、ますます広告効果は高くなると考えられます。
Google広告やSNS広告が当たり前になったように、数年後にはメタバース広告も当たり前になる日も近いかもしれません。
オフィスのバーチャル化
コロナ禍によってテレワークが増えている昨今で音声だけではカバーしきれない部分をメタバースで補うという点から、オフィスのバーチャル化が注目されています。
ミーティングや雑談などもメタバース上で行うことで、テレワークにおいて懸念点として挙げられるコミュニケーションの不足を思い立ったらすぐに直接会話を行うことで解消することが期待されています。
ZOOMなどのリモート会議より臨場感があり、リアルに近い感覚で行うことができることで、より社員同士の情報共有のレベルを対面と同程度までに引き上げて、業務の効率化を期待することができます。
また、アバターなどで会話を行うという点で動きやすい服装で業務にあたることができるのもメリットとなります。
全国各地での社員研修
また、社内でのメタバースの活用法として社員研修の手段としてメタバースを用いることです。全国に支社を持つ会社においては、全社で社員に同様のスキルを習得させるために、均等な内容で研修を受けさせるよう求められることも多いです。
そこで活躍するのがメタバースであり、共通の空間にて会社の一員である意識を高めることができます。
加えて、メタバースの空間においては、事故の際の対処法や一度に複数人入ることが現実ではできない空間など、現場研修ではなかなか難しい研修内容も実施できるという大きな強みを持っています。
社員研修だけでなく、企業の合同説明会や採用面接などをメタバース上で開催する企業も出てきており、会社運営にも積極的に活用されています。
|メタバース導入支援を行う企業
これまで、メタバースの具体的なビジネスでの活用法について紹介してきましたが、実際にメタバースを導入しようと考えた場合に自力で導入するのは、かなりハードルが高いと思ってしまう人もいらっしゃるかもしれません。
ご安心ください、そんな方にメタバース導入をサポートする企業をこれから紹介します。
企業によってサポートする範囲や得意分野も異なりますので、この記事から自分に合った企業を選んでみてください。
FAM office
出典:https://www.famoffice.jp/
富士ソフト株式会社が提供する仮想オフィス空間となります。アバターに触るだけでビデオ通話を始められたり、会議室にドラッグ&ドロップするだけで最大12人のミーティングを開始できたりするなどリアルのオフィスを再現しています。
仮想オフィス空間内に看板を設置することができ、URLなども設置できるのでGoogleフォームでのアンケートなどの社内調整にも活用することができます。
オプションとしてエリアの配置を自由に変えることができるのでプロジェクト状況に合わせて座席変更なんてことも可能です。
MOGURA NEXT
出典:https://lp.mogura.co/
AR・VR・メタバースに特化した、リサーチ、コンサルティング、開発サービスを提供しています。
メタバースの代表的な情報発信源であるMogura VRとしてのAR・VR・メタバースの情報収集能力を発揮して、メタバースを企業に導入する際の開発・調査・アドバイザリーなど幅広くXRの取組を支援しています。
企画から実施まで一気通貫でサポートが可能なためMogura nextを選ぶだけで、メタバース導入までを行うことが可能です。
数多くのメタバース情報を扱ってきたからこそ、提供できる企画やサービスを導入することができます。
メタバースオフィス「RISA」
出典:https://www.risa.ne.jp/
バーチャルオフィスの導入におすすめできるサービスとなります。
ビデオ通話や画面共有など機能が充実しており、社外のMTGやイベント時など普段と異なる環境を演出したい場合でも、フロアを自由にカスタマイズしたり、外部の人をURLリンクからフロアに呼び込んだりと自由度が高いバーチャルオフィスです。
フリーランスの外部との打ち合わせの際にも活用することもできるなど、人数に合わせて料金も変化するので用途に合わせて柔軟に使うことが可能です。
VR法人HIKKY
出典:https://www.hikky.co.jp/
活用事例の際に紹介した100万人を集客したメタバース最大規模のイベントであるバーチャルマーケットを開催した企業となります。
「VR AWARD」「XR CREATIVE AWARD」など世界的な授賞式でも最優秀賞を受賞しており、多くの企業が出展するバーチャルマーケットの開発・運営だけでなく、その技術力を生かして企業に合わせたXRソリューション事業や自社VRエンジンの提供を行っています。
バーチャルマーケットで培ったものをその他にも存分に生かしている企業になりますので、気になった方は一度バーチャルマーケットに参加してみるのも手かもしれません。
V-Booth
出典:https://www.itp.co.jp/v-booth/
株式会社ITPが提供するバーチャル展示会システムになります。
展示会場を360度で見渡すことができるだけでなく、製品単体を360度好きな角度から確認することができ細部まで製品を確認しての商談や販売を実施することが可能となっています。
ARを読み込むことによるスマホで製品を実際に設置した際の大きさなどを確認できる機能など、オンラインだからこその機能も充実しています。アクセス状況の確認や解析など、展示会において最重要である顧客管理に強いというのも大きな強みとなっています。
Cyzy Space
出典:https://cyzyspace.io/
バーチャルイベントや3D展示会システムを提供するサービスとなります。バーチャル展示場、VRイベント、学会、シンポジウム、バーチャルキャンパス、ワークプレイス、VR店舗など、様々な用途に利用可能なサービスであり、用途に合わせた空間デザインにすることも可能となっています。
また、チャットに反応するAIコンシェルジュの設置をして自動返答で対応したり、既存の空間の活用や一部オリジナルアイテムの組み合わせなど、費用感に合わせた空間利用もできます。
ZIKU
メタバース上で自社イベントを開催できるサービス「ZIKU(ジクウ)」
メタバース空間の作成の際に「空間デザイン、アイディアや予算が気になる」方が大半だと思います。
ZIKUでは、種類豊富な空間テンプレートが用意されており、メタバースに対して全く知識のない方でも簡単に利用することができます。
画像や動画を設置するだけで、イベント会場を作成することができ、エリア内へ入ってきた方に対し、リアルタイムでの接客が可能で、商談獲得率アップも期待できます。
エリア内に入った方の個人情報や行動履歴を、データ化できるのでその後の運営やマーケティングにも活用することができます。
公式サイトから「無料体験」や「資料ダウンロード」もできますので、ぜひ一度チェックしてみてください。
|メタバースを導入する際の確認事項
これまではメタバースのビジネス活用事例や導入支援を行う企業を見てきましたが、1からサポートしてくれる企業もありましたが、やはり新しいものを導入する際は何を基準に選べばいいのかの判断は難しいと思います。
そこで次はメタバースを導入する際の確認事項を紹介していきたいと思います。メタバースを導入する際の参考にしてみてください。
コストとサービス内容が見合っているか
利用するために必要なコストを確認して、サービス内容と見合っているか検討は必ずすべきことになります。
業務の効率化や改善など、そのコストに見合った効果アップが見込めると判断できれば、導入する価値があると考えられます。
予算内に収まることも重要です。メタバースのサービスは月額のものもありますが、導入段階で初期費用がかかる場合もあります。
特にオリジナルの空間を作る場合は、多くのサービスがエリア構築のために初期費用がかかります。
社内の通信環境の整備が必須
メタバースのサービスは、常時インターネットに繋いで会話や交流を行う空間を構築するため、快適な通信を行える環境が望まれます。
また、在宅ワークからの利用の場合は社員それぞれに必要であればネットワーク環境構築のサポートが必要です。メタバースオフィス利用の場合は比較的通信量の多いグラフィカルな処理が多く、また業務中は基本的にログインした状態になります。
そのため通信量の増加も予想され、従量制の料金契約をしている場合は割高になってしまう可能性があります。通信量を確認したうえで、無制限プランに変更することも検討する必要があるでしょう。
ツールの使い方に関する周知
新しいツールの導入を成功させるためには、使い方を覚えて利用価値を理解してもらう必要があります。社員研修やセミナーを開催して、導入の目的や使い方、注意点などを周知したり、分からなくなった場合の相談窓口を用意したりして利用できない人を生み出さないようにすることやメタバース体験を直感的なものにしてメタバースそのものを避けられることがないようにするなどの工夫が必要です。
|まとめ
今回は企業がメタバースをビジネスに活用するメリットとメタバース導入支援を行うおすすめ企業について紹介してきました。
様々なメタバースの活用方法とそれに対するメリットがありましたが、気になった活用方法はありましたでしょうか。メタバースのビジネスの活用はまだまだ発展途中ですので、メタバースを利用している間にさらに便利になる可能性もあります。
これからますます発展していくメタバースの波にぜひ乗ってみてはいかがでしょうか。