近年、Z世代の若者を中心に人気を集めているバーチャルアプリ「ZEPETO(ゼペット)」。
メタバース的な要素もふんだんに取り入れており、参入企業も増えつつあります
そこで本記事では、2024年6月最新のZEPETO参入企業10社をピックアップ!
各社の戦略や成功のカギについて掘り下げていきます。
ZEPETOの活用事例を参考に、新たなビジネスモデルを模索していきましょう!
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|ZEPETO(ゼペット)とは?
出典:https://web.zepeto.me/ja
ZEPETO(ゼペット)とは、韓国系企業「NAVER Z社」が開発したスマホ向けアプリです。
190か国以上で配信されており、Z世代の若者を中心に約4億6千万人のユーザー数を誇る超巨大プラットフォームとなっています。
また、若者向けアプリらしく気に入った写真やアバターをSNSへ投稿することもできるため、コミュニケーション向けアプリの一面も持ち合わせています。
ZEPETOについては、こちらの記事でも紹介しているので、ぜひあわせてお読みください。
|ZEPETOでできること3つ
では、ZEPETO(ゼペット)では具体的にどんなことができるのでしょうか?
ここでは、ZEPETOでできることを3つ厳選してご紹介します。
①自撮り写真からアバターが作成できる
ZEPETOの特徴の一つは、自撮り写真を基に3Dアバターを作成できる点です。
この機能を使えば、ユーザーは自分そっくりの3Dアバターを簡単に作れます。
使い方も非常に簡単で、アプリをインストール後、写真を撮影し、それを基に髪型や顔のパーツをカスタマイズします。
あとは顔の形、目、鼻、口などの細部を選び、さらに衣装やアクセサリーでアバターを個性的に仕上げていく流れです。
アイテムの多くはゲーム内通貨「Coin」や「ZEM」を使って購入することができますが、クエストのクリアやログインボーナスなどで無料でも手に入れられます。
②用意されたワールドで世界中の人と繋がれる
ZEPETOのもう一つの魅力は、仮想空間「ZEPETOワールド」で世界中のユーザーと繋がれる点です。
ZEPETOワールドには様々なテーマやデザインのマップが用意されており、公式やユーザーが作成した空間で他のアバターとリアルタイムで交流できます。
例えば、Gucciとのコラボレーションマップでは、Gucciのアイテムを試着できたり、「トイ・ストーリー」マップではカーニバルやミニゲームを楽しむことができます。
チャットやボイスチャットでコミュニケーションを取り、共同でクエストをクリアすることも可能です。
日本語はもちろん、韓国語、英語など様々な言語に対応しているので、使用感も非常に良好です。
③デザインした洋服やアクセサリーをマーケットプレイスで販売できる
「ZEPETO Studio」という専用のクリエイターツールを利用すれば、ZEPETO内で使用できる洋服やアクセサリーを誰でも簡単に作成することができます。
作成したアイテムは他のユーザーももちろん使うことができるので、購入してもらえればゲーム内仮想通貨「ZEM」を稼げます。
なお、ZEPETO Studioで販売したアイテムの売上が5,000ZEM以上になると、現金への換金が申請可能です。
換金手続きは月に一度行うことができ、ZEPETOの規定に従ってUSドルなどの通貨に交換されます。
ただし現状、日本円には対応していません。
日本円に換金するにはPayoneerなどの国際決済サービスを利用して換金することになりますが、若干手順が面倒な点には注意しておきましょう。
|企業がZEPETOに参入するメリット3つ
このように、ZEPETO(ゼペット)はメタバース的な要素を多く含む人気アプリですが、果たしてなぜ多くの企業がZEPETOにこぞって参入しているのでしょうか?
ここでは、ZEPETOに企業が参入するメリットを3つ具体的に紹介します。
①Z世代へ効率的にリーチできる
ZEPETOは、特にZ世代(1990年代後半から2000年代に生まれた世代)に人気のあるプラットフォームです。
この世代は幼少期からインターネットやスマートフォンに親しんできたため、オンラインでのコミュニケーションやデジタルコンテンツに慣れ親しんでいます。
ZEPETOは、自撮り写真から簡単にアバターを作成し、仮想空間で他のユーザーと交流できるため、Z世代の興味を引きやすいです。
そのため、企業がZEPETOに参入することで、この若年層に対して効率的に製品やサービスをプロモーションすることが可能です。
例えば、ファッションブランドがZEPETO内でカワイイ・カッコいいアイテムを販売すれば、気に入ったユーザーがSNSでシェアしてくれるので、自然にブランドの認知度が広がります。
②SNSでの拡散力が大きい
ZEPETOは、SNSとの連携機能が非常にシンプルで使いやすく、多くのSNSと互換性があるので、SNSの拡散力が大きいです。
ZEPETO内で作成されたコンテンツは、Instagram、TikTok、Twitterなどの主要なSNSで簡単に共有でき、自然な形で拡散されます。
そのため、一部のユーザー向けに作ったアイテムであっても、一度バズってしまえばより多くのターゲット層にリーチできます。
こういったSNSマーケティングは、他のマーケティング手法よりもコストが遥かに安く済むので、コストパフォーマンスも非常に高いといえるでしょう。もう一つの参入理由は、SNSでの拡散力の大きさです。
この特徴により、アプリ内での情報や体験は、他のSNSやコミュニティに拡散されやすく、利用者同士の交流が促進されています。
大手企業は、広大なユーザーベースを通じて、独自のブランド体験やコンテンツを展開することで、広範なオーディエンスにアプローチできる絶好の機会を得ています。
アプリ内でのブランド関連のアイテムやイベントは、利用者同士の共有を通じて口コミや情報共有が広がり、企業のメッセージが強力に拡散されることが特徴です。
③グローバル市場へビジネスを展開できる
ZEPETOはアジアを中心に、世界中で利用されているメタバースプラットフォームです。
特に中国や韓国、日本などで高い人気を誇り、欧米市場でも徐々に認知度が高まっています。
現状では、韓国・中国・日本・東南アジアが全体の60%を占めているといわれていますが、アメリカのユーザーも全体の15%程度という報告もあります。
全体のデザイン自体も若干K-POP感が否めない点はありますが、多くのユーザーを取り込めるように日本のアニメやディズニーなどともコラボしており、ユーザー基盤は盤石になりつつあるといえるでしょう。
したがって、ZEPETO内でプロモーションを行うことで、自然とグローバル市場に進出できるのです。
|【海外】ZEPETOの参入企業5選
ここからは早速、ZEPETO(ゼペット)に参入している最新の企業事例を見ていきましょう。
最初にご紹介するのは、以下の海外企業です。
- BEAMS(ビームス)
- NIKE(ナイキ)
- GUCCI(グッチ)
- Sumsung(サムスン)
- ディズニー
以下で詳しく見ていきましょう。
1.BEAMS(ビームス)|アバター用アクセをデザイン
出典:BEAMS プレスリリース
BEAMS(ビームス)は、「ZEPETO(ゼペット)」での登場1周年を記念し、アバター用ファッションアイテムのコレクション『AM 1st Anniversary』をリリースしました。
このコレクションは、人気クリエイターのSASAKIとjackとのコラボレーションで制作され、2024年2月28日から販売開始されました。
ビームスは、2023年2月に日本のファッション企業として初めてZEPETOのクリエイターと共同でアバター用ファッションアイテムを発表し、これまでに20点以上のアイテムをリリースしています。
今回のコレクションでは、ビームスの創業地である東京・原宿をテーマにした4点のメモリアルアイテムが登場しました。
ビームスは元々若年層に人気のファッションブランドですが、ZEPETOに参入することにより、より広範な層をターゲットにする狙いがあるのかもしれません。
2.NIKE(ナイキ)|独自ワールドを設立
出典:NAVER Z Corporation プレスリリース
2022年11月18日、世界的スポーツブランド「NIKE(ナイキ)」の韓国子会社「Nike Korea」はZEPETOに「NIKE LAND(ナイキランド)」をオープンしました。
「ナイキランド」は、ユーザーがプラットフォーム上でスポーツを楽しむための場所として設計されており、特にサッカーに焦点を当てています。
対戦形式のシュート系ミニゲームが用意されているほか、アバター用のスポーツウェアや、ゲームと連動して獲得できるスペシャルコレクションアイテムも展開されています。
獲得したアイテムは、ゲームプレイのスキルアップにも寄与し、意外にやり込み要素もあって人気を博しました。
NIKE(ナイキ)といえばアクティブなイメージが強い印象ですが、こういったゲーム要素を取り入れることで、今までにない層にアプローチしています。
3.GUCCI(グッチ)|今年で11回目のコラボ
出典:GUCCI 公式HP
GUCCI(グッチ)はアプリ内のデジタルアイテムで80万個以上の販売を記録し、若い世代に向けた戦略を成功させています。
アイテムショップでは、デジタルスキンがゲーム内通貨で購入できます。
2024年Springコレクション『GUCCI ANCORA』を体感できるメタバースでは、GUCCIのコレクションを映し出す会場が設けられ、テキストチャットを通じて他の利用者と交流が可能となっています。
2023年5月にはZEPETOで、初めて生配信されたGucciファッションショーも開催し、1週間で5万6千人以上のユーザーが視聴していました。
4.Sumsung(サムスン)|人気ワールド「Myhouse」
出典:ZEPETO イベントページ
2022年、サムスンはZEPETOの新ワールド「My House」を発表しました。
こちらでは、利用者は新製品を含む18種類のサムスン製品を擬似的に体験でき、メタバース内の自分専用の空間をデコレーションできます。
My Houseは家具や家電の配置をカスタマイズするだけでなく、空間の雰囲気も個人の好みに合わせて変更可能です。
発表後1か月で400万回以上の訪問を記録するなど、数あるワールドの中でも特に人気を博しています。
5.ディズニー|オリジナルキャラ「UniBEARsity」のアイテムを提供
出典:NAVER Z Corporation プレスリリース
2023年8月4日、ディズニーはZEPETOとのタイアップでオリジナルキャラクター「UniBEARsity(ユニベアシティ)」のアバターファッションをリリースしました。
このアイテムは秋を先取りした制服風のデザインで、ZEPETO内で大人気となっています。
また、リアルとバーチャルを融合させたキャンペーンも同時に展開し、アイテムを着用したアバターのムービーが全国のディズニーストアの店頭スクリーンでオンエアされるなど、リアルでの集客にも良い影響があったようです。
このように、ディズニーはZEPETOとのコラボレーションを通じて、デジタルマーケティングの新たな可能性を追求し、ブランド価値の向上を図っています。
|【日本国内】ZEPETOの参入企業5選!
次にご紹介するのは、以下の国内企業です。
- ソフトバンク
- サンリオ
- フジテレビ
- ZOZO NEXT
- モンドリアン
以下で詳しく見ていきましょう。
6.ソフトバンク|メタバースショップを展開
ソフトバンクは、ZEPETOプラットフォーム上に「ソフトバンクショップ in ZEPETO」を開設し、2022年6月から新しいコミュニケーション・チャネルとして運営を開始しました。
2023年3月には大規模なリニューアルを実施し、店舗の魅力をさらに高めました。
リニューアル後の「ソフトバンクショップ in ZEPETO」は、全面ガラス張りの開放的な店舗空間を特徴とし、ユーザーはリラックスした雰囲気で接客を受けることができます。
さらに、ソフトバンクのショップクルーによるアバター接客に加え、常設アバター(チャットボット)による24時間365日のサポートが導入されました。
これにより、ユーザーはいつでもアイテム情報やキャンペーンについての回答を得ることができます。
ソフトバンクはZEPETOを利用したプロモーションサービスも展開しており、日本企業の中ではメタバースにかなり力を入れている企業といえるでしょう。
7.サンリオ|ハローキティのコラボワールドが開催
出典:NAVER Z Corporation プレスリリース
2023年11月17日にサンリオ初の「ハローキティ50周年ワールド」がZEPETO内にオープンしました。
この記念ワールドでは、ハローキティのかわいらしい世界観を存分に楽しめ、グリーティングイベントやデザイナー体験、アスレチックゾーンなど多彩なコンテンツが展開されています。
また、サンリオ50周年記念アイテムも試着できるルームが用意されていたりと、サンリオファンにとってはたまらない空間を楽しめるのもポイント。
サンリオはZEPETO以外にもVRChatを利用したワールドを作成したりと、自社IPを活かした事業展開を積極的に進めています。
8.フジテレビ|パートナーシップを締結してアバター声優を育成
出典:フジテレビ イベント最新情報 公式HP
NAVER Z社とフジテレビは戦略的パートナーシップを締結し、アバターアーティスト育成プロジェクト「超越のゆにばーす『シャーぴゅる』ーイケボアバター育成計画ー」を始動しました。
声優アーティストのオーディションから始まり、アバターアーティストとして世界デビューを目指すという内容です。
近年では、テレビ業界の低迷がよく話題に挙がりますが、テレビ業界は新たな市場としてメタバースを視野に入れています。
日本のアニメ文化やVTuber市場の拡大にも関連するので、テレビ業界のこういったメタバース参入事例については目を光らせておきましょう。
9.ZOZO NEXT|デジタルファッションアイテムを販売
出典:NAVER Z Corporation プレスリリース
ZOZO NEXTは、2023年10月にデジタルファッションブランド「REVINAL(リビナル)」の新作アイテム10点をZEPETOで販売開始しました。
REVINALはZOZO NEXTがメタバースを視野に入れて展開している、デジタルファッションブランドです。
「REAL(現実)」「VIRTUAL(仮想)」「LIMINAL(境界)」「REVIVAL(再生)」を組み合わせた名前になっており、つまりは「現実と仮想の境界を無くして新たな創造を生み出していく」という思いがこめられています。
世界でファッションを展開していくために、多様性を意識してデザインされており、モデルも含めて全体的にジェンダーレスなデザインが特徴の一つです。
このように、ZOZO ZEXTはグローバルなユーザー基盤を持つZEPETOを活用して世界に進出していくのが狙いです。
10.モンドリアン|メタバースファッション事業「KIKAZARU」を始動
出典:株式会社モンドリアン プレスリリース
株式会社モンドリアンは、ゲーム・メタバース領域においてファッションブランドの制作支援を行っている企業です。
業界トップクラスの制作スタジオを国内外に6つ構え、3Dモデルの制作からコンテンツの運用まで一貫したサービスを提供しています。
モンドリアンは、2024年2月にファッション・メタバース事業「KIKAZARU(きかざる)」を立ち上げました。
もちろん、ZEPETO内にもブランドを展開しており、既にいくつかアバター用の服を発表しています。
モンドリアンは、この他にも多くのメタバースプラットフォームで事業を展開しており、メタバース領域における注目企業といえるでしょう。
|ZEPETO以外でおすすめの国産メタバースプラットフォーム3選
ここまで、Z世代に人気のメタバースプラットフォーム「ZEPETO(ゼペット)」に参入している企業を紹介してきました。
しかし、「メタバースプラットフォームってZEPETO以外にも有名なものはあるの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。
そこでここでは、現在注目の国産メタバースプラットフォームを3つ厳選してご紹介します。
①XR CLOUD
「XR CLOUD」は、monoAI technology社が提供するメタバースサービスです。
同社はメタバース領域における急成長企業で、最近では主要メタバース企業3社と「オープンメタバースネットワーク」を発足しました。
そんな同社の提供するメタバースサービス「XR CLOUD」は、独自開発した大規模5G通信ゲームエンジン「モノビットエンジン」を搭載し、数万人規模の同時接続にも容易に耐えることが可能です。
既に大企業から中小企業まで多くの導入実績もあり、信頼性においても十二分。
「メタバースを自社ビジネスに導入したいけどやり方がわからない…。」
このようなお悩みをお持ちの方は、ぜひ以下リンクから一度ご相談ください。
②cluster(クラスター)
「cluster(クラスター)」は、日本発最大級のメタバースプラットフォームであり、誰でも簡単に3D空間を作成・共有できるサービスです。
VRデバイスやPC・スマホを通じてさまざまな仮想空間にアクセスし、リアルタイムで他のユーザーと交流できます。
clusterの特徴の一つは直感的な操作で3D空間を作成できる点です。
プログラミングの知識がなくても豊富なテンプレートやオブジェクトを使って、自分だけのユニークな空間を作ることができます。
また、イベントの開催も容易で、コンサートや会議、展示会など、さまざまな用途に活用可能です。
近年では、教育機関や企業研修などのビジネス用途でも活用されており、その使いやすさと多機能性から今後さらに多くのユーザーに利用されることが期待されています。
③バーチャルマーケット(Vket)
バーチャルマーケット(Vket)は、株式会社HIKKYが運営する世界最大級のVRイベントプラットフォームです。
仮想空間内での商取引や交流を目的としたイベントを開催しており、ユーザーはVRデバイスやPCを通じて、まるで実際のマーケットにいるかのような体験を楽しめます。
Vketの特徴の一つは、出展者が自作の3Dモデルやバーチャルアイテムを販売できる点です。
これにより、クリエイターは自分の作品を国内外に広くアピールすることが簡単にできるようになります。
また、企業もイベントブースを出展すれば、自社製品やサービスを仮想空間で紹介することで、今までには訴求できなかった新しい顧客層にアプローチすることが可能です。
毎年夏(summer)と冬(winter)に2回ずつ開催されるので、興味のある方または企業はぜひ一度参加を検討してみてください。
|ZEPETOのメタバースを活用して若者にアプローチしよう!
本記事では、Z世代の若者を中心に大人気のZEPETO(ゼペット)に参入している企業10選をご紹介しました。
ZEPETOは、Z世代に効率的にアプローチし、企業のブランドイメージを広めるにはもってこいのプラットフォームです。
ユーザー数基盤も数あるメタバースプラットフォームの中でも群を抜いているので、今後もさまざまな企業が参入していくことになるでしょう。
「メタバース相談室」では、X(旧Twitter)やYouTubeでもメタバースに関する情報を随時発信しています。
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