近年、Z世代を中心に人気を集めているバーチャル空間アプリ「ZEPETO」。
そのZEPETOに、さまざまな世界的企業が参入していることをご存知でしょうか。
新たなビジネス創出を狙い、このプラットフォームを活用して、Z世代の若者たちとコミュニケーションを取っているのです。
本記事では、ZEPETOに参入した企業10社をピックアップし、彼らの戦略や成功のカギについて掘り下げていきます。
目次
|ZEPETOとは
ZEPETOとは、韓国のNAVER Z社が開発したスマートフォン向けアプリです。
ユーザーの顔写真をもとに3Dアバターを作成し、仮想空間でコミュニケーションを楽しむことができます。
アバターは、外見だけでなく衣装やアクセサリー、メイクやネイルまで、約400万通り以上のカスタマイズが可能です。
ユーザー同士がアプリ内で交流し、写真を撮ったり、他のSNSに投稿したり、さまざまなコミュニケーションを楽しむことができます。
このアプリは、SNOWとして知られるカメラアプリの開発元が顔認識技術を生かして作成しており、約3億人のユーザーを抱える人気のメタバースアプリとして、特にZ世代の女性に支持されています。
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|なぜ企業はZEPETOに参入するのか
世界的な有名企業がこぞって本アプリを導入する背景には、どのような理由があるのでしょうか。
以下で、その2つの理由について説明していきましょう。
Z世代へのPR
本アプリは、Z世代にリーチするための企業の新たなPRプラットフォームとして急速に注目されています。
この仮想世界では、有名ファッションブランドや企業がZEPETO内で独自のスペースを確立し、独創的なアバターアイテムやコラボレーションアイテムを展開しています。
Z世代のデジタルネイティブなユーザー層に対する新たなPR手法として位置づけられ、ZEPETOが持つ広範なユーザー層によって、企業はこのプラットフォームを通じて若者に向けた広告や体験を提供し、ブランドの魅力を発信することが可能です。
デジタルトレンドや意見のリーダーであるZ世代への接点を作り出し、彼らに魅力的なブランド体験を提供するため、積極的な参入をしていると言えます。
SNSでの拡散力が大きい
もう一つの参入理由は、そのSNSでの拡散力の大きさです。
ユーザーは日常的にアバターを利用し、アバターを通じて撮影した写真や動画をZEPETO内のSNSに投稿するだけでなく、外部プラットフォームにも共有できます。
この特徴により、ZEPETO内での情報や体験は、他のSNSやコミュニティに拡散されやすく、ユーザー同士の交流が促進されています。
大手企業は、広大なユーザーベースを通じて、独自のブランド体験やコンテンツを展開することで、広範なオーディエンスにアプローチできる絶好の機会を得ています。
アプリ内でのブランド関連のアイテムやイベントは、ユーザー同士の共有を通じて口コミや情報共有が広がり、企業のメッセージが強力に拡散されることが特徴です。
|これまでZEPETOに参入した企業10選!
では、若い世代が夢中になるアプリを、ビジネスにおいてどのように活用するのでしょうか。
実際に本アプリを導入し、ブランドの魅力発信に貢献した事例10選をご紹介していきます。
BEAMS
株式会社ビームスは、「Ray BEAMS」と「BEAMS HEART」の2つのレーベルが、ZEPETOの人気クリエイターと協力して10点のコレクションをリリースしました。
レディースレーベルであるRay BEAMSはトレンドを意識し、一方、BEAMS HEARTは新しい世代に向けたエントリーレーベルとして展開。
特に可愛らしさと独自性を持つアイテムが大きな注目と反響を集めました。
NIKE
世界的スポーツブランド「Nike Korea(ナイキコリア)」との連携により、「NIKE LAND」を展開しました。
LAND内では、ゲームプレイに応じて獲得できる特別なコレクションアイテムを発表。
これらのアイテムはミニゲームでの成績に連動し、プレイヤーの能力を向上させる効果もあります。
この独自の仕組みにより、ユーザーはアバターのファッションを楽しみながら、スポーツ経験を共有することができます。
adidas
adidasは、特別なコラボコレクションを発表。
「adidasミッドナイトコレクション」を身に着け、ZEPETO内での夜の楽しみを提供しています。
ユーザーは、「ジャンプマスター&ミッドナイト・ランウェイ」や「コラボブース」など、様々なエリアにアクセスし、楽しい体験を共有できます。
特別な衣装を楽しみながらエリアを探索したり、ITZYとの写真撮影が可能で、adidasのモデル感覚を味わえます。
GUCCI
ZEPETOへの参入でGUCCIはデジタルアイテムで80万個以上の販売を記録し、若い世代に向けた戦略を成功させています。
2024SSコレクション『GUCCI ANCORA』を体感できるメタバースでは、GUCCIのコレクションを映し出す会場が設けられ、テキストチャットを通じて他のユーザーと交流が可能。
アイテムショップでは、デジタルスキンがゲーム内通貨で購入できます。
ラルフローレン
ラルフ ローレンは本アプリと提携し、50以上のアバターウェアをリリースしました。
ポロシャツや新しい夏のコレクション、バーチャルウェア用のデザインスケートボードなどが含まれ、アプリ内通貨で購入可能です。
ニューヨークの実在する場所を再現し、マディソン・アベニューの旗艦店やセントラル・パークをアプリ内で体験できます。
さらにアプリ内でのバーチャルコンサートや探索可能なクエストを通じてファンとの参加型体験を提供しています。
ZOZO NEXT
ZOZO NEXTはデジタルファッションブランド「REVINAL」の新作アイテム10点をZEPETOで販売開始しました。
REVINALは現実と仮想、境界と再生の価値観を掛け合わせたブランドで、ZEPETOを含む複数のプラットフォームでデジタルファッションアイテムを展開しています。
アバターの着用アイテムは高品質な素材やジェンダーレスなデザインを特徴とし、2023年10月12日から販売されています。
フジテレビ
NAVER Z社とフジテレビは戦略的なパートナーシップを構築し、アバターアーティスト育成プロジェクト「超越のゆにばーす『シャーぴゅる』ーイケボアバター育成計画ー」を開始しました。
このパートナーシップは、声優アーティストのオーディションから始まり、アバターアーティストとして世界デビューを目指すという内容です。
これは、日本アニメ文化の影響やVTuber市場の拡大にも関連し、エンタメ市場での成長を見据えた戦略を展開しています。
サンリオ
2023年11月17日にサンリオ初の「ハローキティ50周年ワールド」が本アプリ内にオープンしました。
この記念ワールドでは、ハローキティのかわいらしい世界観を存分に楽しめ、グリーティングイベントやデザイナー体験、アスレチックゾーンなど多彩なコンテンツが展開されます。
また、サンリオ50周年アイテムも販売され、リアルタイムに着用できるショップも設けられています。
ソフトバンク
バーチャル携帯キャリアショップ「ソフトバンクショップ in ZEPETO」が2022年6月23日に開店しました。
ユーザーは3Dアバターを通じてバーチャル店舗にアクセスし、クルーによる接客やチャット対応で24時間365日サポートを受けられます。
ショップ内ではソフトバンク実店舗要素を取り入れ、写真撮影スポットやアイテム購入用マネキンを設置。
また、オリジナルアイテムの提供、オンラインショップとの連携強化など、多彩な取り組みを展開しました。
Samsung
2022年、サムスンは「My House」というプラットフォームを発表しました。
こちらでは、ユーザーは新製品を含む18種類のサムスン製品を体験でき、自らのメタバース内の空間をデコレーションできます。
My Houseは家具や家電の配置をカスタマイズするだけでなく、空間の雰囲気も個人の好みに合わせて変更可能です。
これにより、ユーザーは自由な想像力と創造性を活かしたメタバース体験を楽しめます。
|まとめ
本記事では、ZEPETOに参入する企業10選をお届けしました。
これらのような企業の多様性は、デジタル空間が新たなビジネス展開やブランド促進の場として確立されつつあることを物語っています。
Z世代にアプローチし、デジタルユーザーの参加と共感を促進するために、常に革新的な戦略を練っています。
今後も、さまざまな企業が参入していくことが予想され、このようなメタバース空間は更なる盛り上がりを見せてくれることでしょう。