「Varjo XR-4」は、VR/MR分野で驚異的な解像度を誇る最新デバイスです。
この製品は、Apple Vision Proと同等の高解像度を誇り、ユーザーに没入感とクリアな視覚体験をもたらすことで、注目を集めています。
独自の技術により、従来のXR体験を大きく超えるものとなっています。
さて、具体的にどのような機能が搭載され、どのような特徴を持っているのでしょうか。
今回の記事では、Varjo XR-4について詳しく紹介していきます。
目次
|Varjo XR-4とは
Varjoの最新ヘッドセットであるXR-4シリーズは、先端の複合現実技術と最高水準のグラフィック処理能力を融合しています。
これらの次世代製品には、XR-4、XR-4 Focal Edition、XR-4 Secure Editionが含まれます。
このシリーズは、人間の眼の機能を模倣する画期的な要素を備えており、最高クラスの解像度を誇るディスプレイ、ユーザーの視線焦点付近の画像を高解像度で表示する技術、LiDAR深度センシング、カメラセンサーなどが融合され、自然な視界と区別がつかない体験を提供します。
本体価格は3,990ユーロからで、追加料金で「SteamVR」や法人向けサポートにも対応します。
Varjoとは
Varjoはフィンランドを拠点とする企業で、「人の眼レベルの解像度を実現する」というスローガンのもと、法人および専門家向けに極めて高い解像度を誇るVR/MRヘッドセットを開発しています。
彼らのヘッドセットは、非常に高い解像度を持つディスプレイと従来のものとを組み合わせた「Bionic Display」と呼ばれる技術を採用しており、これにより従来のXR-3では部分的に「人間の眼レベルの解像度」を実現しています。
日本では、エルザジャパンを含む代理店を通じて展開されており、Varjoの技術は世界的にも注目を集めています。
フォーチュン100にランクインする米国企業の約25%がVarjoの技術を利用しており、主にパイロットや宇宙飛行士のトレーニング、自動車製造業、医療および健康ケア領域、建築・デザインなどの幅広い分野で活用されています。
|MRヘッドセットとは
MR(複合現実)ヘッドセットは、現実空間と仮想空間を融合させるデバイスです。
ARとの違いは、HoloLensのような透過型ARデバイスと、Windows MR型の非透過型MRデバイスにあります。
前者は、現実空間に3D映像を投影し、デジタル情報を現実空間上で操作可能にします。
これに対し、後者は視界を全て覆い、カメラで現実空間を認識し、ディスプレイに現実空間に複合した3D情報を投影します。
これらのMRヘッドセットは、高価で市場規模も小さいため一般消費者向けには普及しておらず、性能や使い勝手にも改善の余地があります。
ただし、技術革新やAppleなど大手企業の参入により、今後の進化と普及が期待されています。
Varjo XR-4の特徴
さまざまな産業分野での活躍が期待されるXR-4シリーズですが、その具体的な特徴にはどのようなものがあるのでしょうか。
以下で、深掘りしていきましょう。
高解像度オートフォーカス
本製品の突出した特徴の一つは、高解像度オートフォーカス機能です。
120° x 105°の大きく広がった視野は、先進的な「完全両眼視」の概念を超え、没入感溢れるXR体験を提供します。
このシリーズは、業界最高レベルの解像度を誇るカスタム全天球非球面レンズを搭載しており、2,800万ピクセルの視覚的忠実度を実現します。
ディスプレイは印象的な200nitsの輝度と産業用に設計された色精度を持ち、ローカル調光により驚くほどのコントラストを生み出します。
前モデル「XR-3」と比較して片眼4Kのディスプレイ解像度を持ち、視野角も水平120度、垂直105度に拡大しました。
これにより、より自然で没入感のある体験を実現しています。
産業用ヘッドセット
本製品は、産業用途に特化した優れたヘッドセットです。
この最新モデルは、ベースステーションを必要とせず、Razerを搭載したインサイドアウト追跡とVarjoコントローラーを組み込むことで、迅速な展開が可能です。
装着するだけで使用でき、度付きレンズを必要とせず、眼鏡を着用したまま使用可能な自動IPD調整機能を備えています。
これにより、没入感のあるサウンドスケープと円滑なマルチユーザーセッションを提供します。
また、エンターテインメントユースケースとは異なり、企業ユーザー向けに設計されています。
この高性能で多用途なヘッドセットは、産業分野において没入感溢れるVR/XR体験を提供することで、更なる技術革新と効率化を促進しています。
NVIDIAとの統合
NVIDIA GPUでの最適化とNVIDIA Omniverseへの統合により、リアルな風景をつくり出す「レンダリング」と、MRでのリアルな光線追跡技術「レイトレーシング」を実現できます。
この技術の組み合わせは、従来の「モバイルSoC」で利用される計算能力を圧倒し、画期的な変革をもたらします。
さらに、Varjoに対応したソフトウェアは、Unreal EngineやUnityなど100を超える他社製のPCアプリケーションや3Dエンジンと連携し、XR-4シリーズをトレーニング、シミュレーション、設計、エンジニアリング、ヘルスケアなど、最も難しい作業に対応した解決策を提供しています。
|Varjo XR-4の仕様
本製品は、フォービエイテッドキャプチャーストリーム(FOV)機能を搭載しています。
これは、ユーザーの視線に応じてディスプレイに表示する画素数を調整する技術で、より自然な視界でVR/MR体験を楽しむことができます。
また、LiDAR深度センシング機能も搭載しています。
これは、周囲の環境を3Dで計測する技術であり、現実世界と仮想世界を自然に融合させ、より没入感の高いVR/MR体験を楽しむことができます。
重量は約1021gで、Razer社製のVarjoコントローラーが付属。
外部デバイス接続にはDisplayPort×1とUSB-C×1があり、内蔵マイク2台にノイズキャンセリング機能が付属しています。
また、空間オーディオに対応した内蔵スピーカーや3.5mmオーディオジャックも備えています。
Varjo XR-4シリーズ
こちらのシリーズは、基本モデルであるVarjo XR-4を合わせて3種類の機種で構成されています。
基本モデル以外の2機種について、以下でご紹介します。
XR-4 Focal Edition
Focal Editionタイプは、XR-4の全機能を有しています。
その上さらに、視線オートフォーカスカメラを搭載し、特にパイロット訓練や操縦席関連の用途に最適化された高解像度カメラが提供されます。
基本モデルの視野角を120°×105°から75°×60°に狭めたモデルで、FOVをより狭くすることで、より高い視線精度を実現しています。
このエディションは、I/ITSECという世界最大のトレーニング、シミュレーション、モデリングのイベントで初めてデモが行われました。
価格は9,990ユーロから始まり、航空訓練やシミュレーションに焦点を当てて、よりリアルで効果的なトレーニング体験を提供します。
XR-4 Secure Edition
こちらのエディションタイプは、業務用フライトシミュレータなどに最適化された特別なモデルです。
政府や国防のニーズに応えるために設計され、エンタープライズレベルの厳格なセキュリティ要件に準拠しています。
オフラインでの利用が可能であり、XR-4およびXR-4 Focal Editionの両方のモデルに適用されています。
TAAコンプライアントで、無線通信を行わない非RF設計であり、フィンランド国内で組み立てられています。
Varjoは、このタイプ向けに専用の製造ラインを新設のエスポー施設に設け、安全な製造能力を強化しています。
これは、高度なセキュリティを必要とする政府機関や国防関連のユーザーに向けて、高品質かつ安全性の高い製品を提供するための取り組みとなっています。
|まとめ
今回の記事では、Varjo XR-4がApple Vision Proに匹敵する、最高レベルの視覚体験を提供している次世代のVR/MRヘッドセットであることをご紹介しました。
業界トップクラスの解像度と驚異的な機能により、自然で没入感のある体験を実現。
開発者や企業ユーザーに革新的なソリューションを提供することでしょう。
今後、さまざまな分野で活用され、私たちの生活をより豊かにしていくことが期待されています。