動物園は、子どもから大人まで幅広い世代に人気のレジャースポットです。
近年では、動物園の魅力をさらに高めるために、AR(拡張現実)技術を導入する動きが広まっていることをご存知でしょうか。
今回の記事では、ARを動物園で活用するメリットや、実際に導入されている事例を紹介します。
未来の動物園体験に興味がある方は、ぜひご一読くださいね。
「VR」で楽しめる動物園についての記事も参考にどうぞ!
目次
|ARとは
AR(拡張現実)は、リアルな世界にデジタルな要素を重ね合わせる革新的な技術です。
スマートフォンやタブレットを通じて、カメラが捉えた現実の映像に仮想的な情報や映像を重ねて提示します。
つまり、私たちが見ている現実の景色に、追加のデジタル情報を投影し、拡張します。
この技術により、実際の場所や環境に存在しないものを、まるでそこにあるかのように感じることができます。
主にエンターテイメント分野で注目されており、仮想と現実を融合させた新しい体験を提供することで、私たちの日常を豊かにする可能性を秘めています。
詳しくは、こちらの記事も参考にしてくださいね。
|ARを動物園に導入するメリット
この最新技術を、みんなに愛される動物園に活かすことで、どのようなメリットが得られるのでしょうか。
以下で、大きく2つの利点に分けて深掘りしています。
これまでにない体験ができる
従来の動物園では、動物の動きや生態を間近で見ることができますが、その魅力を十分に味わうことは難しいものでした。
例えば、動物の鳴き声や解説を聞いても、実際にその動物がどのように生活しているかを想像することは難しいものです。
しかし、ARを活用することで、動物の動きや生態をより詳しく知ることができます。
例えば、動物の鳴き声や解説を表示したり、動物の骨格や内臓の構造を表示したりすることができます。
そのため、動物の動きや生態をよりリアルにイメージすることができ、動物への理解を深めることができます。
さらに、動物の生態を学ぶためのクイズなどを表示したり、ゲームを企画することで、動物園をより楽しく、より印象深い体験にすることができます。
新たなファンを獲得できる
AR技術は、特に若い世代やテクノロジーに敏感な人々に大きな関心を持たれています。
このような新しい技術を駆使した動物園の施設や体験は、若年層や動物園への関心が薄れている人、動物園に行ったことがない人にも、動物園の魅力をアピールすることができます。
例えば、ARを通じて提供される特別な体験やインタラクティブな展示は、ソーシャルメディアを通じて口コミや共有されやすくなります。
来園者がARを通じて得た体験や写真をSNSで共有することで、その魅力を広く知らしめることができ、新たなファン層を引き付ける貴重な広報手段となります。
今後、ARの活用がさらに進むことで、動物園の魅力はさらに広がり、新たなファンを獲得していくでしょう。
|ARを動物園に導入した事例
ARを導入することで、動物園は今よりも豊かなワクワクドキドキ体験が提供される近未来的な最新スポットとして生まれ変わる可能性を秘めています。
では、実際にどのようなAR体験を提供しているのでしょうか。
既に導入している8つの動物園の事例をご紹介します。
上野動物園
上野動物園では、熱帯林の魅力を伝えるためにARを活用したプロジェクトを展開。
このプロジェクトは、熱帯林の多様な生態系とそこに暮らす絶滅危惧種をリアルに体験できるものです。
来園者はスマートフォンを使って、園内に配置された特定の場所で「熱帯林の野生動物オリガミ」を見つけると、その動物がARでリアルに動き出します。
例えば、虎やサル、鳥などの3Dの仮想動物がリアルな背景に投影され、生態や動きを楽しく学ぶことができました。
新宿感触動物園 HapticZoo
新宿感触動物園 HapticZooは、最先端技術の組み合わせでARを活用し、来園者に仮想空間上で動物との触れ合いを提供する先進的なプロジェクトです。
リアルハプティクス技術と5G、AR・VR技術を融合させ、現実の触感や動きを再現した仮想動物を来園者が体感できる空間を構築します。
仮想の広大なフィールドに様々な動物を現実に感じながら交流できる「感触動物園」を実現し、来園者は仮想動物との触れ合いを通じて、リアルな動物の感触や運動を体験できます。
愛媛県立とべ動物園
愛媛県立とべ動物園では、毎年恒例の「とべZOOイルミネーション」でAR体験を提供しています。
特設アプリ「COCOAR-ココアル」をダウンロードすることで、来園者はスマートフォンを使って、園内に配置されたホッキョクグマ・キリン・ライオン・カバ・トラの5種類の仮想動物とのARコンテンツを楽しめます。
イルミネーション点灯期間中は、園内各所に設置されたポイントでARを体験でき、美しい光景と仮想動物たちを写真や動画に収めることができます。
キッズーナARどうぶつえん
「キッズーナARどうぶつえん」は、イオンファンタジーとソニー・ミュージックソリューションズが共同で実証実験した、ARを活用した新しい子供向け遊びのプロジェクトです。
タブレットを使用すると、店内のAR上に実物大の動物が現れます。
普段は体験できない大きさの生き物にリアルに触れ合い、写真を撮ったり楽しいクイズに挑戦しながら、動物への興味関心を高めます。
さらに、人気のなりきりタウンではAR上で巨大なアイスやお寿司を作成し、撮影した写真を提示することでお得なクーポンをゲットできます。
のんほいパーク
のんほいパーク(豊橋総合動植物公園)では、音声ARコンテンツ「VOTORY(ボトリ)」が導入されています。
このコンテンツは、公園内に設置された二次元コードを読み取ることで、動物を観察しながら音声ガイドを楽しむことができます。
来園者は「動物図鑑編」と「のんほい編」の2つのオプションから選択し、キリンやペンギン、ライオンなど20種類の人気動物に関する詳細な情報を聞くことができます。
専用アプリのダウンロード不要で手軽に利用でき、新しい方法で動物園を体験できます。
旭山動物園
株式会社palanが開発したWebARカメラサービス「TOBIRA(トビラ)」が、株式会社熊本菓房の「旭山動物園くらぶQRサブレ」のARコンテンツとして採用されました。
このサービスでは、旭山動物園くらぶQRサブレのQRコードを読み取り、Webブラウザで動作するTOBIRAを使用して動物園内で撮影した写真にARスタンプを追加できます。
利用者は旭山動物園の動物スタンプを選択し、撮影した写真に加えてSNSでシェアすることが可能です。
天王寺動物園
株式会社TechFirst Leadersが展開したARアプリは、天王寺動物園の「社会課題・SDGsヒント博覧会」で体験イベントを開催。
こちらでは、「ARどうぶつまみれ」と「AR SDGs どうぶつクイズ」という2種類のアプリが提供されました。
前者は大型モニターに映し出され、会場内に多くの動物を現実空間に投影するデジタルコンテンツが体験でき、後者では、指定のマーカーにスマートフォンのカメラをかざすと、動物たちが現れてSDGsに関するクイズを楽しめました。
広州動物園
中国の広州動物園は、AR/VRを活用し、伝統的な動物展示の枠を超えた新しい展示方法を導入しました。
来園者はVRヘッドセットを装着し、スマートフォンを用いて、野生動物の日常生活をリアルな体験として楽しむことができます。
この斬新な展示では、ライオンや猿、象などの動物が自然な環境で生活するさまざまなシーンを仮想空間で再現しており、それぞれの動物が自然に近い状態での行動や狩り、子育てなどが観察できます。
|まとめ
AR技術を活用した動物園は、未来志向の新しいスタイルで動物園を楽しむことができます。
動物の動きや生態を詳しく自然な形で知ることができるため、来園者はより楽しくて印象深い体験をすることができます。
ARの活用がさらに進むことで、動物園の楽しみ方はさらに広がっていくでしょう。
今回ご紹介したような先進的事例を参考に、動物園へ足を運んでみてはいかがでしょうか。