ゲーム開発における「デバッガ―」と「テスター」。
これらはゲームの品質を担保するために欠かせない職業ですが、両者の役割や違いをご存知でしょうか?
求人募集で目にしたことがある方や、これからゲームに関する専門的な職業に就きたいと考えている方に、本記事で分かりやすく解説していきます。
ゲームの完成度を高める重要な存在ですので、ぜひとも今回の記事を参考にし、それぞれについて正しく理解していきましょう!
目次
|デバッガ―とは
「デバッガー」という言葉は、英語の「debugger」から派生し、その構成要素にはそれぞれ意味が込められています。
「デ(de)」は「離れる、否定、外へ」という意味を持ち、「バグ(bug)」はコンピュータ用語で「エラー、ミス」という意味合いを持ちます。
そして、「ガー(ger)」は「する人」という意味合いです。
したがって、「デバッガー」は文字通り、機器やプログラムの欠陥やエラーを見抜き、原因を特定して除去する専門家のことを指します。
彼らは、難解なコードを読み解き、問題を特定し、改善することで、ゲームやソフトウェアの安定性と品質を確保する責任を担っています。
以下で、彼らの具体的な仕事内容について説明していきましょう。
デバッガーの主な仕事内容
本職は、ゲームの開発段階でバグを見つける重要なプロフェッショナルです。
主に2つの方法でデバッグします。
1つ目は、開発者から与えられたチェックリストに基づいて、特定のプレイ操作によってバグを見つける方法です。
同じ攻撃を繰り返すなど特定の操作を行い、問題がないか確認します。
バグを見つけた場合は、その条件や再現性を調査し、原因を特定します。
2つ目は、デバッガーが自由にプレイしながらバグを探すことです。
楽しみながらゲームをプレイするわけではなく、バグが発生する可能性を考えながら多くのコマンドを試します。
見つけたバグや気づいたことをメモし、後で報告するために整理します。
プレイ中に感じた操作性の問題や提案すべき改善点を提案し、ゲーム品質の向上に貢献します。
リリース後は、ユーザーから報告されたバグを検証し、追加アップデートで修正を行い、ゲームの品質を維持・向上させる役割を果たします。
デバッガーに求められるスキル
デバッガーは、単なるゲーム好きというだけでは務まりません。
情熱だけでなく集中力や根気も必要になってくる重要な業務です。
デバッグ作業では、開発中のゲームを繰り返しプレイし、多岐にわたるコマンドを試す単純作業が求められます。
そのため、深い集中力と忍耐力が欠かせません。
さらに、企業の守秘義務を守ることも不可欠です。
リリース前のゲームを扱うため、機密情報を守り、絶対に外部に漏らさない信頼性が求められます。
業界の機密を守る責任感と信頼性を持ち合わせることが、プロフェッショナルなデバッガーにとって重要なスキルとなります。
|テスターとは
本職は、発売前のゲームをプレイし、プレイの正常性や操作性、さらには不具合やバグの有無を確認することです。
異なる呼称としては、「デバッグテスト」「アプリテスト」「アプリテスター」などがあります。
この仕事は、常にゲーム開発会社にとって不可欠なものであり、正社員だけでなく契約社員やアルバイトとして募集されることもあります。
しかし、ゲームテスターの役割は非常に重要です。
人間が制作するものには常に「間違い」「見落とし」「勘違い」が存在するため、そのような問題を発見することがテスターの使命です。
開発されたゲームの品質を向上させるために絶対に不可欠な彼らの具体的な仕事内容について、以下で説明していきましょう。
テスターの主な仕事内容
本職は、ゲームディレクターやプロデューサーの指示に従い、決められた手順に基づいてゲームをテストします。
最初に行うのは動作確認であり、コントローラーやスマートフォンの操作性を確認します。
その後、指示書に基づいてプレイし、画面表示や操作性、サウンドなどをチェックします。
特にロールプレイングゲームではストーリー展開も確認します。
見つけた問題やバグは詳細に記録し、開発側に報告します。指示書に明記されていないテストも実施し、積極的なアプローチが求められます。
テスターは行動範囲や主人公の行動、プログラムミスによる不具合を探ります。
ゲーム中の不利な状況が発生した時にリセットするテストや、文字セリフや音声の確認も欠かせません。
報告された不具合が修正されたかの確認や、プレイした感想も報告します。
プレイヤーと同じ立場からゲームを評価し、改善点や面白さを提案することも重要な役割となります。
テスターに求められるスキル
本職には、豊富なゲーム経験が不可欠です。
単に「ゲーム好き」ではなく、様々なジャンルに精通し、異なる種類のゲームをプレイした経験が必要です。
彼らは常にゲームの動作を確認し、シューティングゲームからロールプレイングゲームまで幅広いジャンルの理解が求められます。
また、彼らにはプログラミングの知識も重要です。
ゲームはプログラムによって動作するため、不具合を見つけた際に、プログラム内で何が間違っているかを指摘できると非常に有益です。
プログラミング言語の知識を持つテスターは、将来的に開発側にステップアップするケースもあります。
C++やC言語などの学習はゲームテスターとして働きながらでも可能であり、開発チームとの交流も多く、教育機会も豊富です。
テスターが持っていると有利な資格
ゲームテスターになるためには、特定の資格が必要とされるわけではありませんが、就職に有利な資格があります。
マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)は、エクセル、ワード、パワーポイントなどのオフィスツールのスキルを証明する資格です。
テスターは問題を発見し記録するため、文章やスクリーンショットなどで正確に記録することが重要です。
MOS資格を持っていると、迅速かつ詳細な記録が可能であり、キーボードのスキルも証明されます。
また、IT検証技術者認定試験は、テストエンジニアとしての資格を証明します。
レベル1からレベル7までの評価があり、レベル2を持っていると、テストケースの理解を深め、テスト実行をまとめる能力が証明されるため、強力なアピールポイントとなります。
|デバッガーとテスターの違い
両者の違いは、作業目的と必要なスキルにあります。
デバッガーは欠陥やエラーの特定と修正を専門としています。
特に、問題の原因を特定するためには分野の専門知識と技術が必要です。
彼らは特定された問題を改善することに従事します。
一方、テスターは制作物が仕様書通りに動作しているかどうかを確認し、発見されたバグを正確に記録することを主な目的としています。
彼らは広範なケースをテストし、その結果を報告します。
柔軟な発想とアイデア、そして問題を見つけるための独自の視点を持っています。
ただし、一部の企業ではこの違いが曖昧であり、同じ職種として扱われることもあります。
特に在宅アルバイトの求人などでは、両者が同じ職種として募集されることが多い傾向にあります。
|まとめ
ゲーム開発におけるデバッガーとテスターは、重要な役割を果たす専門家です。
両者は、それぞれに異なるスキルや経験が必要となりますが、どちらもゲームの品質を向上させるために重要な役割を担っています。
本記事では、それぞれの役割や違いについて、わかりやすく解説しました。
ゲーム開発に興味がある方や、このような業界で働きたいと考えている方は、本記事を参考にして、スキルが身に付けられるように取り組んでいきましょう。