日本の古都、京都。

伝統と革新が融合する美しい都市として、国内外問わず人気のある観光地です。

その魅力をさらに広げようと開設されたのは、メタバース空間「京都館PLUS X」です。

この空間では、京都の歴史に触れつつ、近未来的な要素が織り交ざった様々な体験が提供されています。

この記事では、その特徴や魅力、そして開催される注目のイベントについて詳しく解説していきます。

京都観光に興味があるけど、なかなか実現しないという方は、ぜひ本記事をチェックして京都の魅力に触れてくださいね。

|メタバースとは

メタバースとは、「メタ(meta)」と「ユニバース(universe)」を組み合わせた言葉で、超越した宇宙を意味します。

コンピューターグラフィックで構築された仮想空間であり、現実世界とは異なる体験が可能です。

2003年にリリースされた「Second Life」は、メタバースの先駆けとして人々がオンライン上でコミュニケーションや取引を行い、2006年ごろには日本でブームとなりました。

一般的にはVRゴーグルが必要と思われがちですが、多くのサービスはスマートフォンやPCからアクセス可能です。

この空間では、アバターを通じて新しい世界を探索し、創造し、他の人と共有することができます。

要するに、現実世界とは異なるが現実と同様の交流が可能な、新しい次元のデジタル空間と言えます。

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|京都館PLUS Xとは

出典:https://www.kyotokan.jp/vr-kyotokan/

2022年3月、渋谷未来デザインが主導し、DNPと共同で運営するバーチャル空間「京都館PLUS X」が、渋谷区立宮下公園の仮想空間に新たに誕生しました。

これは、DNPが以前から運営する「渋谷区立宮下公園 Powered by PARALLEL SITE」をベースに、京都の魅力を広く国内外に発信すると同時に、誰もがいつでもどこからでもアクセスして交流できる環境を提供するものです。

こちらでは、モニターやパネルを利用し、伝統工芸や京都の文化、イベント、観光資源など、京都の魅力を生き生きと紹介し、体験できます。

この取り組みは、バーチャル空間を通じて、京都の魅力を存分に体感し、交流を促進する新たな試みとなるでしょう。

京都館PLUS Xが作られた背景

京都市は、東京駅前の再開発による京都館の閉館後、新たな情報発信拠点を模索していました。

地価の高騰やコロナ禍の影響を鑑み、都市間連携を図りつつ情報発信が可能な手段として、「メタバース」が浮上。

「京都館PLUS X」の立ち上げを決定しました。

DNPはXR技術を駆使し、過去に渋谷区立宮下公園や札幌市北3条広場のメタバース空間を運用しており、この実績を生かして京都館PLUS Xの早期立ち上げを実現しました。

このバーチャル空間は、国内外からアクセス可能で、複数の参加者が交流しながら京都の伝統文化や工芸品を体験・購入できる施設です。

自治体や施設管理者公認のもと、京都の魅力を広く発信できるツールを生み出すことに成功しました。

|京都館PLUS Xの特徴

誰でもどこからでもアクセス出来るバーチャル観光地として、京都の魅力を最大限に発信できることで注目を集めていますが、具体的にどのような体験が提供されるのでしょうか。

以下で、その特徴を3つに分けて説明しています。

京都市の魅力を感じられる空間

このバーチャル空間では、京都市の魅力をリアルに体感できる特徴があります。

ここでは、京都市で開催される様々なイベントとの連動を通じて、遠く離れた場所からでも、メタバース独自の展示や体験を提供します。

たとえば、京都市が主催する工芸イベント「CRAFT POINT KYOTO」と連動し、巧みな伝統工芸の職人の技を動画で体験できるうえ、ECサイトで購入することもできます。

さらに、「京都館PLUS X」内では、宮下公園の景色や石畳を模した装飾、アバターによる案内などを通じて、渋谷ではなく京都の雰囲気を存分に感じることができます。

そのため、参加者は実際に京都にいるかのようなリアルな体験を楽しむことができ、京都の魅力を身近に感じることができるのです。

TikTokを利用したPRを実施

2022年に開催された「SOCIAL INNOVATION WEEK SHIBUYA 2022」では、デジタル技術を駆使したプロジェクトが発案され、TikTok、京都市、そしてDNPの連携が実現しました。

この取り組みでは、TikTokの情報拡散力やコミュニティー性と、メタバース空間の立体的な表現力、参加者による積極的なコミュニケーションや体験を組み合わせ、相互の強みを活かした新しい広報活動が行われます。

これにより、多様なゲストが年齢や職業の枠を超えて参加し、革新的なイベントやコンテンツを通じて、参加者がより深くメタバース空間と交流し、新しい体験を共有できる環境が提供されました。

ユーザー同士での交流も可能

このバーチャル空間は、特別な装置の購入やアプリのダウンロードなしで、PCやスマートフォンを使って世界中からアクセス可能な場所です。

ここでは、参加者が自らのアバターとなるキャラクターを選び、他のユーザーと同時に参加することができます。

音声を通じたリアルタイムの会話や写真の撮影、そしてSNSでの共有など、ユーザー同士が自由に交流できる環境が整えられています。

参加者は場所やデバイスの制約なく、リアルなコミュニケーションを楽しみながら、全く新しい体験を共有することができます。

それぞれのユーザーがアバターを通じて交流することで、新たなつながりが生まれ、多様な文化やアイデアを発信しあえる自由な交流の場として、活用が期待されます。

|京都館PLUS Xでの開催イベント

こちらの空間では、ただ京都の雰囲気を味わってもらうだけではなく、さまざまなイベントが催されています。

実際に行われたイベントを下記でご紹介します。

京都への移住検討者向け相談会

2023年12月20日に開催される『MEETS LIFE IN KYOTO』は、京都市のコンテンツ企業での暮らしや働き方に関心を持つ方に向けた相談会です。

テーマは、京都の魅力あふれるコンテンツ産業でのキャリアや暮らしに焦点を当て、ゲストスピーカー達が京都での生活やコンテンツ業界の最新動向を紹介します。

アニメ・マンガ・ゲームなどの分野に興味がある方、京都での就職や移住を考えている方々を対象にしており、性別や年齢、現在の居住地に関わらず誰でも参加可能です。

小学生の国際交流

このバーチャル空間で実施された小学生の国際交流は、徳島県とカンボジアの子どもたちがアバターを使い、京都の魅力を学び、国境を越えたコミュニケーションを実現しました。

メタバースの活用を通じて、子どもたちはそれぞれの国を紹介し合い、実際の声や感覚を伴ったリアルな交流を体験しました。

アバターを通じたコミュニケーションは、リアル映像よりも自由で、距離を感じさせないアプローチとして好評でした。

アート作品の展示

渋谷区の小学生が描いた京都の伝統的なピクセルアートを、2023年7月より館内で展示しました。

子どもたちは京都の食や工芸、観光地を京都市職員から学び、それをインスパイアしてアートを制作しました。

その作品は、バーチャル空間の利点を活かし、展示会の物理的な制約を超え、全世界の人が自由に鑑賞できます。

利用者はアバターを通じて他の参加者とコミュニケーションを図り、展示作品を鑑賞する楽しみを共有できます。

|京都館PLUS Xにアクセスする方法

京都館の公式サイトよりアクセスし、https://shibuya-miyashitapark.parallel-city.jp/project/kyotokan/

上記URLページの「VISIT」をクリック。

プライバシーポリシー及び利用規約に同意し、アバターと名前を好みのものに設定したら、準備完了です。

なお、PCではIntel CPU第7世代以上、8GB以上のRAM、Windows10以上が推奨。

iPhoneではSE、miniシリーズを除いたiPhone14以降、iOS16以上、safariを、AndroidではGoogle Pixel 7a相当、8GB以上のRAM、Android13以上を推奨しています。

各デバイスごとの推奨ブラウザはGoogle Chromeやsafariです。

|まとめ

京都館PLUS Xは、京都の伝統や文化をバーチャル空間で体験できるプラットフォームです。

バーチャル空間ならではの展示や体験を通じて、京都の伝統工芸、歴史、文化、自然など、さまざまな魅力を身近に感じることができます。

このように新たな情報発信や交流の拠点として、今後も進化していくでしょう。

メタバースならではの可能性を活かし、京都の魅力を世界中に広めていく役割を担っていくことが期待されます。