2023年は新型コロナウイルスが5類へ移行されたこともあり、これまで自粛が続いていた旅行を楽しむ人達が増加しました。

海外からのインバウンド需要も復活しつつあり、各地の観光地は従来の盛り上がりを取り戻しつつあります。

一方で、円安や社会情勢の影響による物価高騰のあおりをうけ、移動料金やホテルの宿泊代がこれまで以上に必要となっていることも事実です。

「旅行に行きたいけど、もう少し様子を見たい」

「旅行代金が想定より高くなるため、行きたくても行けない」

こういった悩みを抱いている方は決して少なくないでしょう。

そこで現在、メタバース技術を活用して旅行体験が気軽に味わえることをご存知でしょうか。

全日本空輸が提供するバーチャルトラベルプラットフォーム「ANA GranWhale」では、自宅にいながらでも全国各地の観光地を訪れた感覚が味わえるのです。

本記事では、そんな「ANA GranWhale」の概要から利用方法について解説します。

ぜひ最後までご覧いただき、新しい旅行の楽しみ方を検討してみてください。

|バーチャルトラベルプラットフォーム「ANA GranWhale」

出典:https://www.ana-granwhale.com/

日本を代表する航空会社である全日本空輸、通称「ANA」は2023年12月にバーチャルトラベルプラットフォーム「ANA GranWhale」を日本国内でリリースしました。

本サービスはバーチャルでの旅行体験をきっかけに、実際の旅行をより楽しんでもらうことを目的にしています。

また、通販サイトを通じた各地の特産品の販売によって、地域創生への貢献も目指しています。

アプリ内で提供されるアイテムである「グランチップ」はANAマイルに変換でき、これらは実際の旅行において活用することが可能。

これまでになかった旅行体験が実現すると期待されているのです。

自由に、快適に旅行を楽しんでもらうことを目的にしている「ANA GranWhale」は、以下2つの空間から構成されています。

  • V-TRIP(バーチャル旅行空間)
  • Skyモール(ショッピング空間)

以降でそれぞれの詳細について解説していきます。

バーチャル旅行空間

「ANA GranWhale」は自宅や外出先など、場所を選ばずスマホ経由でアプリにアクセスし、ANAが提供する素晴らしい旅先の映像を楽しめます。

V-TRIP(バーチャル旅行空間)では、360度風景を眺められることから、まるで実際にその場を訪れたかのような没入感の高い体験が気軽に可能。

歴史的建造物や大自然の雄大な風景をパノラマで望める体験は、これまで味わえなかった旅行の思い出になるはずです。

また、ガイドが観光地の歴史やトリビアを教えてくれるため、より深く旅先を理解できます。

2023年12月現在、京都の一部地域において、国土交通省が推進する「都市デジタルツイン」のプロジェクトデータが活用された体験が可能となっています。

今後の機能拡充が期待される、新しい旅行体験として注目を集めているのです。

ショッピング空間

旅行での楽しみは観光地に訪れることだけではなく、その土地でしか購入出来ない様々な商品の購入も醍醐味の一つ。

Skyモール(ショッピング空間)では、そんな旅先でのショッピング体験を擬似的に体験できるサービスなのです。

バーチャルショップが並んだモールは、実際の商業施設のように各店舗を見て回れます。

店舗では実際にショップスタッフとの会話を通じて、商品の案内を受けることも可能。

現実世界のアイテムだけではなく、アプリ上で使用できるデジタルアイテムなど、多種多様な商品の購入が実現するのです。

限定商品やコンテンツも提供されるため、季節に応じた様々なショッピング体験が味わえるでしょう。

ANAマイルが利用できる

ANAマイルは飛行機の搭乗やクレジットカードを通じた商品購入などで、100円(税込)につき1マイル貯まるサービスです。

マイルには以下のような使い道が存在しています。

  • ANAショッピングサイトで利用する
  • ANA SKYコインに交換する
  • 1,000マイルから各種クーポンに交換する
  • 5,000マイル以上から国内線の特典航空券に交換する
  • 9,000マイルから国際線のアップグレード
  • 10,000マイルから他社ポイント、電子マネーに交換する

利用する個人に応じた幅広い利用方法が魅力のANAマイルですが、「ANA GranWhale」においても1マイルを「1Vマイル」に交換して利用することが可能です。

「ANA GranWhale」内におけるアバター衣装といったデジタルアイテムが購入できるなど、これまで以上に選択の幅が広がりました。

ANAマイレージクラブ会員でなくとも、会員登録するだけでサービスの利用が可能となります。

「ANA GranWhale」を利用する際はぜひ入会しておきたいサービスの一つです。

|「ANA GranWhale」の利用方法

それでは、「ANA GranWhale」の利用方法について以下の項目に沿って解説していきます。

メタバースの利用が初めてという方でも、簡単に進められる内容となっていますので、ぜひ一度お試しください。

  • アバターを作成してログイン
  • 各ワールドを散策

アバターを作成してログイン

「ANA GranWhale」はメタバース空間となりますので、ワールド内を行き来するための「アバター」を作成しなければいけません。

この際、あらかじめ用意されたプリセットを選択してカスタマイズするか、自撮りした写真をベースにしたアバターを作成するか選択できます。

アバターはメタバース空間における自身の分身となります。

個性的なアバターを楽しみながら作ってみましょう。

アタバーを作成できた段階で、実際にメタバース空間にログインします。

空港のような近未来的な空間が広がっており、他のプレイヤーの姿も確認できるはず。

「V-ガイド」へ話しかければ、早速バーチャル旅行に向かいます。

ゲーム感覚でメタバースという仮想空間を楽しめますので、初心者の方でも比較的簡単に操作できるでしょう。

各ワールドを散策

バーチャル旅行へ向かう際、北海道から沖縄まで幅広い選択肢から目的地を設定できます。

歴史学者による解説なども含まれており、中々知ることのできない貴重な情報を元に様々な旅先を散策できます。

2023年12月現在は国内観光地に偏っており、国外については今後の拡充が期待されます。

実写をベースにした360度空間をアバター姿で歩き回るだけで、まるで本当に旅行に来たかのような錯覚に陥ってしまうかもしれません。

少し気になっていたという観光地を事前に訪れるだけで、実際に行った時の理解度や楽しみが一層深いものになることが考えられます。

そのため、旅行の下見や旅先の検討といった用途にも利用できるかもしれません。

|全国の観光地が協力

「ANA GranWhale」には全国各地の観光地が協力しています。

こちらでは、以下の2つの都道府県を一例にその内容を紹介します。

  • 京都府
  • 岡山県

京都府

現在、日本国内だけではなく世界中から数多くの観光客が訪れる京都府京都市。

こちらでは以下のスポットをバーチャル旅行で楽しめます。

  • 二条城
  • 祇園新橋
  • 先斗町

世界遺産である二条城を再現したメタバースでは、場内を散策しながらその歴史を学べます。

歴史学者によるマニアックな解説を元に、詳細な二条城をバーチャルで体験できるため、実際に訪れたことがあるという方でも、また違った楽しみ方ができるでしょう。

また、伝統的建造物群保存地区である祇園新橋などが再現されたエリアでは、デジタルでしか味わえない夜景が楽しめます。

先斗町が再現されたエリアでは、鴨川の夜景や特別ガイドによる解説など、京都を深く楽しめる仕掛けが多数用意されています。

岡山県

岡山県では倉敷美観地区といった歴史的風景がメタバースを通じて楽しめます。

倉敷美観地区には架空のガイドが存在しており、「倉敷デニムストリート」をはじめとしたおすすめスポットを案内してもらえます。

倉敷のデニムは全国的にも有名であり、中にはデニム色のソフトクリームや肉まんといった個性的な商品も存在しているのです。

こういったファッションが有名なスポットであれば、アバター専用の着せ替えアイテムの購入などが可能。

倉敷で買ったジーンズを履いて、記念撮影なども楽しめるのです。

他にも、桃太郎伝説で有名な「鬼ノ城」などもメタバース空間であれば気軽に移動できます。

山の上にある観光地はどうしても旅行での行程から外れてしまいがちですが、バーチャル旅行であれば体力を気にすることなく楽しめる点もメリットの一つといえるでしょう。

|まとめ

ANAが提供する「ANA GranWhale」について、その概要から利用方法について解説しました。

2023年12月現在、「ANA GranWhale」はまだリリースしたばかりであり、今後さらなる機能拡充が期待されています。

新しい旅行の楽しみ方として、バーチャル旅行が今後一般化する可能性は十分考えられるでしょう。

本記事を読んで少しでも気になったという方は、ぜひ一度「ANA GranWhale」を利用して体験してみることをおすすめします。