暗号通貨やブロックチェーン技術が急速に進化する中で、仮想世界もまた大きな変革を遂げています。
その中でも特に注目されるのが「Decentraland(ディセントラランド)」という仮想世界です。
Decentralandは、ブロックチェーンを活用したオープンメタバースプラットフォームであり、ユーザーは自由に土地を所有し、コンテンツを作成・体験することができます。
この記事では、Decentralandの基本的な概念から始め方や遊び方までを解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
- 1 |Decentraland(ディセントラランド)とは?
- 2 |Decentraland(ディセントラランド)が注目されている理由
- 3 |Decentraland(ディセントラランド)の独自通貨「MANA」とは?
- 4 |Decentraland(ディセントラランド)と他のメタバースとの違い
- 5 |Decentraland(ディセントラランド)の始め方
- 6 |Decentraland(ディセントラランド)の遊び方
- 7 |Decentraland(ディセントラランド)でできること4選
- 8 |Decentraland(ディセントラランド)で稼ぐには?
- 9 |Decentraland(ディセントラランド)の現状や将来性
- 10 |Decentraland(ディセントラランド)を利用する上での注意点
- 11 |まとめ
|Decentraland(ディセントラランド)とは?
出典:https://decentraland.org/
Decentralandとは、イーサリアムブロックチェーンをメインとして開発されたメタバース構想のブロックチェーンプロジェクトのことです。
プラットフォーム内では、施設などを利用でき、メタバース上で展開されているゲームがプレイできます。
また土地を売買し、独自のコンテンツを製作することも可能です。
注意点としては、公式サイトが英語版しかないという点です。
もし英語が苦手な方は、日本語版がリリースされるのを待ちましょう。
|Decentraland(ディセントラランド)が注目されている理由
ここでは、Decentralandが注目されている理由について4点解説します。
①メタバースが体験できる
近年、数多くのメタバースは構想段階や未完成であるものが多く、実際にメタバースを正常に体験できるサービスは限定されています。
そんな中、Decentralandは正常にメタバースを体験できるという観点から、貴重なプラットフォームだと言えるでしょう。
②ゲームやアイテムが簡単に製作できる
Decentraland上のゲームやアイテムは、専用のエディターやソフトウェア開発キットを用いることでゲーム開発経験のない人でも簡単に製作可能です。
本来、ゲーム制作は、専門のプログラミングスキル・知識が必要ですが、Decentralandでは誰でも簡単に製作することができます。
③ゲーム内のアイテムをNFTとして売買できる
Decentralandでは、独自トークン「MANA」を活用し、LANDやアバターファッションなどのアイテムを、NFTとして売買することが可能です。
つまり、実質、ゲームでお金を稼ぐことができるということです。
④ユーザー主導の運営体制「DAO」がある
Decentralandが他のオンラインゲームと違う点は、DAO(Decentralized Autonomous Organization)によるユーザー主導の運営体制だということです。
スマートコントラクトやトークンなどのブロックチェーン技術を活用し、DAOがプールしている資金の投資先やメタバース内で流通するアイテムの種類、開発方針などといった意思決定がなされています。
|Decentraland(ディセントラランド)の独自通貨「MANA」とは?
Decentralandは、MANAと呼ばれる独自の仮想通貨を発行しています。
MANAは、LANDやアイテム、ミニゲーム、バーチャルコンサートに参加する際に必要な仮想通貨です。
大手NFTマーケットプレイス「OpenSea」でMANAを販売すれば、イーサリアムなど別通貨に換金することもできます。
なお2022年8月現在、1MANA=約146円前後です。
|Decentraland(ディセントラランド)と他のメタバースとの違い
ここでは、Decentralandと他のメタバースとの違いについて解説します。
DecentralandとThe Sandboxとの違い
The Sandbox(ザ・サンドボックス)とは、メタバース上で遊ぶブロックチェーンゲームプラットフォームの1つで、イーサリアムのブロックチェーン技術を基盤としたユーザー主導のゲームプラットフォームです。
2022年現在、メタバースは世界中から注目を集めており、全世界で4,000万以上のダウンロードを記録しました。
ゲーム内では土地を売買・レンタルしながら、独自のキャラクターを製作したり、他のユーザーが制作したゲームで遊ぶことができます。
DecentralandとThe Sandboxの大きな違いは、その「世界観」です。
2つとも3Dモデルのメタバースで構築されている点は一緒ですが、Decentralandはポリゴンチック、The Sandboxはピクセルチックな3Dモデルで制作されているという点で異なります。
DecentralandとAxie Infinityとの違い
Axie Infinity(アクシーインフィニティ)とは、2018年にリリースされたベトナム発のNFTゲームです。
イーサリアムブロックチェーン上のゲームとして普及しましたが、イーサリアムがスケーラビリティ問題(ユーザー過多による処理遅延)を抱えていたことから、現在は独自のイーサリアムサイドチェーン「Ronin」で稼働しています。
ゲーム内では、Axie(アクシー)と呼ばれるモンスターを集めて戦わせて報酬を獲得したり、「SLP」と呼ばれるゲーム内通貨で、現金と交換したり、ゲーム内のアイテムを売買することが可能です。
DecentralandとAxie Infinityの大きな違いは、その「遊び方(ゲーム性)」にあります。
Axie Infinityは、対戦ゲームがメインですが、Decentralandはゲーム以外にも様々なコンテンツがあ流という点で異なります。
|Decentraland(ディセントラランド)の始め方
ここでは、Decentralandの始め方について解説します。
①必要なものは「取引所の口座」と「Metamask」
Decentralandを始める際、必ず「国内取引所の口座」と「海外取引所の口座」の2つが必要です。
理由は、国内取引所ではMANAを取り扱っていないため、国内取引所で別の仮想通貨を入手し、その通貨を海外取引所に送金。海外取引所にてMANAを購入する必要があるからです。
またMetamaskとは、イーサリアム系ブロックチェーンの通貨やNFTを一括で補完・管理できるソフトウェアウォレットです。簡単にいうと、インターネット上で所有する仮想通貨のお財布です。
Metamaskの作成完了後、取引所で購入した仮想通貨をMetamaskに送金しましょう。
②アカウントやアバターの作成
「取引所の口座」と「Metamask」の準備ができ次第、Decentralandの公式サイトにアクセスし、「GET STARTED」からアカウントを作成しましょう。
「Play using your wallet」をクリックし、最後にアバターデザインを決定。
「DONE」をクリックするとアバターが決定されます。
その後、自分のアバター名や利用規約の確認をすれば、アカウント・アバター作成は完了です。
|Decentraland(ディセントラランド)の遊び方
アカウント・アバター作成完了後、実際にプレイしてみましょう。
ここではDecentralandの遊び方について解説します。
①ログインの仕方
Decentralandを再開する場合は、公式サイトにアクセスし、「GET STARTED」からログインしましょう。
②操作の方法
Decentralandの基本操作は、以下の通りです。
【操作方法】
「W」:前進 「S」:後退 「A」:左 「D」:右 「Shift」:歩く 「V」:視点切り替え 「U」:UIを隠す 「I」:バックパックの開け閉め 「Space」:ジャンプ |
|Decentraland(ディセントラランド)でできること4選
ここでは、Decentralandでできることについて4点解説します。
①様々なモノを建築できる
Decentraland内では、建造物やゲーム内で活用できるアイテムなど様々なモノを建築できます。
初心者でも簡単に建築しやすいよう、様々なアセットが用意されているため、専門のプログラミングスキル・知識が無くても、簡単にモノを製作することが可能です。
②イベントに参加・開催できる
Decentralandは、有名企業とのコラボなどの大型イベントを定期的に開催しています。
たとえば、以前行われたコカ・コーラとのコラボでは、NFTアイテムを購入すると、特典としてアバターが着用可能な限定NFTアイテム(例えばジャケットなど)が入手できました。
またアメリカの投資銀行「JPモルガン」は、Decentralandに「オニキス・ラウンジ」という名の正式な事務所を立ち上げました。
③アイテムや土地が売買できる
Decentralandでは、アイテムやLANDはMANAで売買でき、ゲーム内で製作したNFTアイテムは、「OpenSea」で売買することで、MANA以外の仮想通貨に変換できます。
④マイニングができる
マイニングとは、マイニング会場にていん石を左クリックし、アックス(武器)を使ってアイテムの素材に変換することです。
1マイニングには、5WCが必要です。
毎日無料で配布されますが、MANAで追加購入することもできます。
マイニングで集めた部品を活用すれば、強いアックスやジャケット、靴、マスクなどのNFTを製作することが可能です。
※WCとは「WONDER COINS」の略で、マイニング専用通貨です。
|Decentraland(ディセントラランド)で稼ぐには?
ここでは、Decentralandで稼ぐ方法・流れについて簡単に解説します。
①NFTを入手する
まず初めにDecentralandでLANDやアイテムなどのNFTを入手しましょう。
Decentralandに展示されたNFTアイテムの詳細を開くと、「OpenSea」などのマーケットプレイスにリンクされており、リンク先にて購入できる仕組みです。
②NFTを販売する
次に、入手したNFTを販売しましょう。
Decentralandには、展示会やギャラリーが存在し、所有のNFTを出展させることができます。
また出展時、他のユーザーに興味を持ってもらえれば、売買することも可能です。
なお所有のNFTは「OpenSea」で販売することもできます。
また、LANDに関しては売買だけではなく、現実世界の土地貸しのように賃貸として収益を得ることも可能です。
③NFTを換金する
NFTが売れ、売買益を獲得後、早速換金しましょう。
|Decentraland(ディセントラランド)の現状や将来性
ここでは、Decentralandの現状や将来性について解説します。
①有名企業と提携を積極的に行っている
Decentralandは有名企業との提携を積極的に行っており、様々なコラボイベントの開催を行ってきました。ここでは2例ご紹介します。
コカ・コーラ
出典:https://www.cocacola.co.jp/press-center/news-20210729-15
2021年7月30日、アメリカの清涼飲料水メーカー「コカ・コーラ」はNFT販売を「OpenSea」で開催しました。
「コカ・コーラ・バブルジャケット・ウェアラブル」というアイテムを購入すると、購入特典として、NFTジャケットがゲットできました。
JPモルガン(J.P.Morgan Chase & Co.)
出典:https://academy.moralis.io/blog/everything-you-need-to-know-about-j-p-morgans-onyx-lounge
アメリカの投資銀行「JPモルガン」は、Decentralandに「オニキス・ラウンジ」という名の正式な事務所を立ち上げました。
これは、JPモルガンがメタバース市場に高い可能性・将来性を感じていることが伺えます。
②ポリゴンへの対応でより多くのユーザー流入が期待されている
Decentralandはイーサリアムをメインブロックチェーンとしたプラットフォームです。
そのため、イーサリアムのスケーラビリティ問題の影響を受けて、ネットワーク手数料が高いことが、Decentralandのマーケットプレイスを利用する際のネックでした。
そこで解決策として、Decentralandはポリゴンネットワーク上での取引を可能にしました。
それにより、Decentraland上でのMANAやNFTの売買が低コストで行えるようになり、新規ユーザーの流入や活発な取引が期待されています。
※スケーラビリティ問題とは、暗号資産(仮想通貨)に用いられているブロックチェーン技術において、1つのブロックの中に書き込める取引データの数が限定されていることが原因で起こる障害
|Decentraland(ディセントラランド)を利用する上での注意点
ここでは、Decentralandを利用する上での注意点について2点解説します。
①ネットワーク手数料が高い
1つ目の注意点は、イーサリアムブロックチェーンのネットワーク手数料の高さです。
この問題は、先ほど解説したスケーラビリティ問題に起因しています。
Decentralandはイーサリアムのブロックチェーンをメインに開発されているため、この問題が解決しなければ、手数料に不満を感じたユーザーがDecentralandを離れる可能性が高いです。
そのため、スケーラビリティ問題に関しては、今後注視・改善する必要があるでしょう。
②価値が上昇していくかは不明
2つ目の注意点は、Decentralandの需要や価値が上昇していくかは不明だという点です。
そもそもDecentralandは、まだまだ世界的に普及が進んでいません。
MANAやLANDの価値は、ゲームの発展具合や価値、プレイヤーの人口数など様々な要素を考慮し、市場にて価格が決定します。
そのため、今後Decentralandがさらに人気コンテンツへと成長するには、メタバースやそれに伴った技術(NFTやVRなど)に対する需要が増す必要があるでしょう。
|まとめ
今回は、Decentralandに興味がある方やその概要・特徴について知りたい方に向けて、以下の点を詳しく解説しました。
Decentralandは、独自で製作したNFTを展示・販売したり、LANDを売買したりなどゲームを楽しみながらお金を稼ぐことができるプラットフォームです。
無料で体験できるため、少しでも興味がある方は、ぜひ一度Decentralandを体験してみてはいかがでしょうか。
本記事が少しでも皆様のお力に添えましたら幸いです。