現在、働き方改革の流れの中、業務効率化のアプローチとして注目されているのが「RPAツール」です。
仕事においてPC作業が当たり前となった現代では、RPAツールの導入は生産性を高める手段として有効な打ち手です。
しかし、多くのプロジェクトリーダーたちは、どのツールが最適なのか、導入に際して何に気を付けるべきかと、疑問や悩みを抱えることでしょう。
そこで本記事では、RPAツールについての基本情報から選定のポイント、運用に至るまでの注意点などをわかりやすく解説いたします。
RPAツールを活用することで、より創造的な業務に注力でき、市場競争力を高めることができるでしょう。
ぜひ最後までご覧ください。
目次
|RPAツールとは
RPA(Robotic Process Automation)ツールとは、主にPCを使用して繰り返し行われる作業タスクを自動化するソフトウェアです。
従来PC作業の自動化には高度なプログラミングの知識が必要でしたが、RPAツールの登場によりノーコードで自動化が可能になりました。
ルールに基づく作業なら24時間365日自動でタスクを処理することが可能です。
例えば、基幹システムへのデータ入力やファイルの管理、フォームの記入など、複雑な判断を必要としない手順化されたタスクを自動で処理します。
Excelのマクロ機能と似ている点もありますが、RPAはそれを大幅に拡張し、複数のアプリケーション間でのタスク自動化を実現します。
働き方改革やデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進において、RPAは業務効率化と従業員の負担軽減の手段として、近年非常に注目を集めています。
|RPAツールの導入効果
RPAツールの導入効果には、計測が可能な定量的効果と計測が難しい定性的効果があります。
両者はツールの費用対効果を評価するための重要な要素であるため、導入前に把握しておくことが大切です。
特に、定性的効果は見落としがちなのでしっかりチェックしておきましょう。
定量的効果
定量的効果とは、計測が可能な効果のことです。
効果の度合いを数値で表すことができ、主に時間やコスト、品質に関わる要素となります。
具体的には以下のような要素があります。
- 人件費の削減: RPAによる作業代替で、単純作業にかかっていた人件費を削減できます。計算式は「1件の処理時間 × 年間の処理件数 × 担当者の時給」により算出。
- 作業時間の削減: RPA導入により、日常的な作業に要していた時間が短縮され、他の業務にリソースを振り分けられます。
- 処理能力の向上: 自動化により、一日あたりの処理件数が増加し、業務の生産性が向上します。
- ミスの削減: ヒューマンエラーが減少し、業務の質が向上します。
これらは、RPA導入の費用対効果を評価する際に重要なデータとなります。
導入前の作業時間や件数を記録しておくことで、導入後の効果を具体的な成果として捉えることができます。
定性的効果
定性的効果は、直接計測することはできないが、間接的に売上や利益に影響する効果のことです。
その効果は決して無視できません。
特に以下の点を押さえておきましょう。
- 顧客満足度の向上: ヒューマンエラーの減少により、顧客に提供するサービスの質が向上し、顧客満足度の向上が期待できます。
- コア業務に集中できる: 単純作業の自動化により、従業員はより重要な業務に注力でき、全体の生産性が向上します。
- 社員のモチベーション向上: 単純作業から解放されることで、社員のモチベーションが向上し、より価値ある業務に集中できます。
- セキュリティリスクの軽減: 情報漏洩リスクが低減され、企業の信頼性が高まります。
これらの効果は、定量的効果とは異なり、直接的な数字で把握することは難しいものの、組織の効率化や信頼性向上に大きく貢献する重要な要素です。
|RPAツールの3つのタイプ
RPAツールには、デスクトップ、サーバー、クラウドという三つのタイプが存在します。
それぞれに独自の特徴と適用範囲があり、企業のニーズや業務環境によってベストな選択が異なります。
選定の基準となる重要な要素なので、それぞれの違いについてしっかり把握しておきましょう。
デスクトップ型
「デスクトップ型」のRPAツールは、個別のPC上で動作し、小規模なオフィスや個人の作業向けに最適です。
このタイプの主な特徴は以下の通りです。
- 低コストでの導入: 個人のPCのみにインストールするため、初期投資が少なく、小さな企業や特定の部署でも容易に導入できます。コストは初期費用が少なく、月額の運用費も比較的低価格です。
- 統括管理が不要: 各PCに個別に導入されるため、統括的な管理体制を必要としません。それぞれのユーザーが自らのPCでRPAツールを管理・運用します。
しかし、デメリットとしては、管理が個人に依存しがちで、担当者の不在時の対応が難しくなることがあります。
そのため、操作方法を社内で共有し、知識を広めることが推奨されます。
サーバー型
「サーバー型」のRPAツールは、社内のサーバー上にインストールされ、全社規模での業務自動化が可能です。
このタイプの主な特徴は以下の通りです。
- 業務の一括管理: 企業全体の業務を横断的に管理でき、複数部門やシステム間での作業を効率化します。大量のデータや複雑な業務プロセスに対応でき、広範囲な業務自動化を実現します。
- カスタマイズ性: 企業の独自のニーズに応じて柔軟にカスタマイズできます。クラウドや仮想化環境にも対応し、将来的なシステムの拡張にも適応しやすいです。
- セキュリティの強化: 企業内のサーバー上にシステムを構築するため、外部からのセキュリティリスクが低減されます。機密情報を取り扱う業務に適しており、情報漏えいの危険性が低いです。
ただし、初期投資費用が高額で、専門的な知識が必要なため、専門スタッフの確保や保守運用のコストも考慮する必要があります。
大規模な業務自動化やセキュリティの厳格な管理が必要な企業に最適な選択肢と言えます。
クラウド型
「クラウド型」のRPAツールは、ベンダー提供のクラウドサーバー上で動作し、インターネット経由でアクセスします。
このタイプの主な特徴は以下の通りです。
- 低い初期投資: 自社内でのサーバー構築が不要なため、初期導入コストが抑えられます。サーバー型に比べて、30万円から50万円程度で導入可能で、迅速に始めることができます。
- Web上の作業に特化: 主にインターネットベースの作業自動化に特化しており、例えばWebフォームの自動入力やオンラインデータの収集などが可能です。ただし、ローカル環境の業務やシステムとの連携には限界があります。
- PCの占拠がない: デスクトップ型のようにPCを専有することなく、バックグラウンドで稼働するため、他の作業を行いながらでもRPAを使用できます。
- 運用と管理の容易さ: システムの更新や管理はベンダーに委ねられるため、ユーザー側での専門知識やリソースが不要です。ただし、セキュリティ面ではベンダーの対策に依存することになります。
クラウド型のRPAツールは、特に初期費用を抑えたい中小企業や、Webベースの業務を中心に自動化を考えている企業に向いています。
また、運用面での負担が少ないため、専門的なITスキルを持たない組織にもおすすめです。
|RPAツールで自動化できる業務
RPAツールは全業務を自動化できるわけではありません。
導入に失敗しないためには、RPAが「できること」「できないこと」、自動化できる業務範囲をきちんと把握しておくことが大切です。
このセクションでは、RPAによって効果的に自動化できる業務の種類や具体的な例、そしてRPAでは対応が難しい業務について詳しく掘り下げていきます。
RPAができること
RPAツールで自動化できる業務は日常的に行われる定型作業です。
その業務の特徴は以下の3点です。
- サイクルがパターン化されている
- ルールや手順が決まっている
- 大量に繰り返される
1. サイクルがパターン化されている: RPAは定期的に発生する業務タスクに最適です。例えば、毎日、毎週、あるいは毎月決まったタイミングで行うデータの集計や報告書の作成などが挙げられます。
2. ルール・手順が決まっている: RPAは明確なルールや手順に基づいて動作します。たとえば、特定の条件を満たしたデータのみを抽出し、指定された形式で処理するといった作業は、RPAにとって理想的なタスクです。
3. 大量に繰り返される: 大量のデータ入力や複数のシステム間での情報の移行など、大規模で反復的な作業はRPAによって効果的に処理できます。
これらの特徴を踏まえ、自社の業務を見直すことで、RPAによる自動化の可能性を最大限に活かすことができるでしょう。
自動化の対象となる業務を正確に特定し、RPAツールの導入を検討することが、生産性向上への第一歩となります。
自動化可能な業務の具体例
自動化可能な業務には以下のようなものが考えられます。
- 勤怠管理: RPAは勤務時間の集計や残業時間の把握、有給休暇の残日数のチェックなど、勤怠管理に伴う業務タスクの自動化に適しています。
- 顧客情報のシステム登録: 新規顧客の情報を基幹システムに登録するタスクを自動化できます。入力ミスのリスクを減らせるメリットもあります。
- 請求書の発行: 請求書発行はRPAの得意分野です。例えば、売上伝票に基づいてRPAが自動でデータを販売管理システムに転送、請求書を生成するという仕組みが作れます。
- 問い合わせ対応: 問い合わせフォームからの対応の自動化も可能。よくある質問の返答を設定しておくことで、迅速かつ正確な対応を可能にします。また、質問内容を基幹システムに自動転送し、関連部門に通知することも可能です。
これらの例は、RPAで自動化できる業務のほんの一部です。
他にも、在庫管理やデータ集計、レポート作成のような定期的な業務、マーケティングデータの分析やSNS管理など、さまざまな業務で活用が考えられます。
RPAができないこと
RPAツールは、単純で繰り返し行われる作業の自動化には非常に有効ですが、すべての業務をカバーできるわけではありません。
特に、複雑な判断や創造性が求められる業務、対人コミュニケーションを伴う業務、物理的な手作業などはRPAの適用外となります。
例えば、市場分析に基づく戦略立案、広告やコンテンツのデザイン制作など、人間の柔軟な思考や直感、創造性、コミュニケーション能力を必要とする業務はできません。
RPA導入を検討する際は、どの業務が自動化に適しているかを正確に理解し、人間とRPAの役割分担を明確にしておくことが重要です。
|イチオシRPAツール8選
RPAツールの基礎知識を押さえたところで具体的なツールを紹介していきます。
現在は多種多様なツールが販売されており、一つを選ぶのはかなり迷うことでしょう。
ここでは、市販されているRPAツールの中でも、特に人気が高くおすすめできるツールをピックアップしました。
順番に見ていきましょう。
WinActor
【WinActorの主な特徴】
・NTTデータのノウハウを集結させた純国産ツール
・国内シェアNo.1の信頼と実績
・直感的で使いやすいGUIと汎用性
WinActorは、7000社以上の導入実績を持つ国産のRPAツールです。
その使い勝手の良さと、汎用性の高さが特に評価されており、多様な業務プロセスの自動化に対応します。
IT部門以外のユーザーでも容易に操作できるため、社内全体での導入が進めやすいのが大きなメリットです。
ただし、料金設定が比較的高いため、事前に導入の目的や費用対効果などを検討し、しっかりと計画を立てましょう。
幅広く多岐にわたる業務を自動化したい場合には、WinActorの導入は最適な選択肢となります。
UiPath
【UiPathの特徴】
・優れた互換性と多彩なアプリケーション連携
・直感的な操作でプログラミング知識不要
・無料のコミュニティエディションで気軽にお試し
UiPathは、ルーマニア発の世界的に有名なRPAツールで、4,000社以上の企業に導入されています。
日本国内でも1,000社以上で採用されており、金融機関や自治体などさまざまな業界で活躍しています。
このツールは互換性が高く、様々なアプリケーションと連携可能です。
プログラミングの知識がなくても、ドラッグ&ドロップなどの直感的操作で自動化の仕組みを構築できます。
無料のコミュニティエディションを利用することで、導入のハードルが低く、気軽に体験できる点は大きな魅力です。
UiPathは、RPA導入を検討する際の有力な選択肢となるでしょう。
BizRobo!
【BizRobo!の主な特徴】
・10年以上のナレッジと確かな実績と経験
・1ライセンスで自動化タスクを複数稼働
・導入から運用まで手厚くサポート
BizRobo!は、2,700社以上に導入実績のあるRPAツールです。
非IT人材でも簡単に扱えるローコード開発が特徴で、多様な外部アプリケーションとの連携も可能です。
バックグラウンド型RPAを採用し、1つのライセンスで複数のデジタルレイバーを稼働できます。
これにより、さまざまな業務を自動化したい場合には、コストメリットが大きくなります。
機械学習機能も搭載しており、幅広いシステムでの利用が可能。
充実したサポートサービスにより、導入から運用までしっかりとサポートされるのも、BizRobo!の大きな魅力です。
Automation Anywhere
【Automation Anywhereの主な特徴】
・クラウド型RPAでは世界シェアNo.1
・AIによる業務選定と既存ロボットの活用
・パソコンのスペックに依存しない開発環境
Automation Anywhereは、クラウド型RPAにおいては世界で最も利用されているツールです。
このツールの強みは、AIを活用して自動化すべき業務プロセスを効率的に選定できること、そして、すでに開発されたロボットを利用できることです。
これにより、開発の手間を大幅に削減し、迅速な導入が可能となります。
また、PCのスペックに依存しない開発環境や、セキュリティ対策とパフォーマンスの計測機能が充実しており、企業規模や業種を問わず幅広いシーンでの活用が期待できます。
第一生命やDSP五協フード&ケミカルなど、多くの企業で導入実績があり、コスト削減や効率化の成功事例が多数報告されています。
Blue Prism
【Blue Prismの主な特徴】
・先進的で強固なセキュリティ機能
・大規模エンタープライズ向けの拡張性と柔軟性
・高度なタスク処理と運用管理
Blue Prismは、強固なセキュリティと拡張性と柔軟性を兼ね備えたRPAツールです。
特に大規模企業(エンタープライズ)向けに設計されており、複雑な業務やデータ管理タスクをセキュアに実行します。
また、標準化された開発と運用管理により、非IT人材でもスムーズなRPA導入と継続的な運用が可能です。
Blue Prismは、セキュリティを重視する場合や大規模で複雑な業務プロセスを自動化した場合に適しています。
ipaSロボ
【ipaSロボの主な特徴】
・ノーコードで直感的に使える親切設計
・RPAコンサルタントによる無償サポート
・充実したアフターサポート
ipaSロボは、デリバリーコンサルティングが提供する国産のRPAツールです。
ユーザーフレンドリーな親切設計で、現場レベルの社員でも簡単に操作ができる点が魅力です。
そして、最大の強みは充実したサポート体制です。
導入時にRPAコンサルタントによるサポートを無償で受けられ、ツールの操作方法だけでなく、RPA導入全般について相談ができます。
例えば、「どの業務を自動化すべきか」、「RPA人材の育成」などについて、導入計画からサポートが受けられます。
また、導入後も気軽に質問できるヘルプデスクやオンライントレーニング提供など、充実したサポート体制を完備。
このサポートにより、RPA導入の際の不安や疑問を解消し、安心して導入を進めることができます。
ipaSロボは、特に中小企業や専門知識に乏しい企業に適したRPAツールと言えるでしょう。
SnychRoid
【SynchRoidの主な特徴】
・ソフトバンク社内での実績を活かしたサポート
・直感操作で初心者にも親切な設計
・ユーザーのニーズに応じた契約体系
SynchRoidは、ソフトバンクとRPAホールディングスによる共同開発のRPAツールです。
ソフトバンクの社内での豊富な導入経験を活かした充実したサポートが特徴で、eラーニングやワークショップ形式の研修などが提供されています。
初めてRPAを導入する企業や、現場主体でロボット開発をしたい企業に適しています。
また、「ライトパック」と「ベーシックパック」という2種類の契約体系を提供しており、ニーズに合わせて選択可能です。
RPAの初期導入段階での短期間の体験や、本格的な導入に向けた選択肢を用意し、さまざまな企業の要望に応えています。
ロボパットDX
【ロボパットDXの主な特徴】
・初心者でも簡単に使用できる直感的操作
・専任スタッフによる徹底した個別サポート
・フレキシブルな契約体系
ロボパットDXは、FCEプロセス&テクノロジーが提供する純国産のRPAソフトウェアです。
2021年4月時点で、800社以上の企業が導入し、特に従業員数100名以下の中小企業での利用が多く、継続率は96%と高い顧客満足度を誇ります。
「エンジニアに依存しないIT活用」を目指し、プログラミング知識がなくても直感的に操作できる設計と手厚いサポートが特徴です。
1ヶ月単位での契約が可能なため、企業のニーズに合わせて導入を調整できます。
導入すると専属の担当者が付き、徹底した個別サポートをしてくれます。
IT人材が少ない中小企業に最適なツールといえます。
以上、イチオシRPAツール8選をご紹介しました。
どのツールも確かな実績とユーザーから高い評価を得ており、信頼性の高いツールです。
どれを選んでも間違いはないと思いますが、自社の予算やニーズと合わせ、いずれかのツールをベンチマークに置いて検討いただくと良いかもしれません。
選定基準については次のセクションで詳しく解説します。
なお、具体的な企業の導入事例については以下の記事で詳しく紹介しています。
|RPAツールを選ぶコツ
RPAツールの選定は、多くの企業にとって重要な決断となります。
その際、何を基準に選ぶかは、導入後の効果と満足度に直結するでしょう。
ツール選定を間違うと、貴重な時間と資源を浪費し、長期的なビジネス戦略にさえ影響を及ぼす恐れがあります。
ツール選びに失敗しないために、以下の点をよく確認しましょう。
目的を明確にする
RPAツールを導入する際、まずはその目的を明確にすることが極めて重要です。
導入目的が明確でないと、最適なツール選定が難しく、投資対効果も最大化できません。
自社の業務プロセスを分析し、特に効率化が必要な作業や精度を高める必要があるタスク、時間短縮を図れる業務などを特定することが肝要です。
これにより、自社のニーズに最適な機能を持つツールを選択し、無駄な投資を避け、最大限の効果を得ることができます。
目的に沿ったツール選定は、RPA導入の成功を左右する重要なファクターです。
業務自動化の適用範囲の特定
自動化したい業務を洗い出し、RPAを適用する範囲を特定することは、効率的な導入と成功の鍵です。
業務の洗い出しと適用範囲を特定することで、ツールに必要な機能や要件が明確になります。
これにより、導入コストと自動化の効果のバランスを最適化し、効率的な運用が実現できます。
また、自動化可能な業務の中から、特に効果が高いと予想される業務を優先して自動化することで、RPAの効果を最大限に引き出せます。
拡張性を確認する
RPAツール選びでは、将来の業務拡大や変化に柔軟に対応できる拡張性があるかも重要なポイントです。
現時点の業務だけでなく、将来的なニーズも考慮し、ツールの拡張性もチェックしておきましょう。
特に、事業規模の拡大や新しい業務への進出を計画している場合、RPAツールがそれらの変化に柔軟に対応できるかどうかを確認することが重要です。
また、クラウドサービスや他のビジネスアプリケーションとの連携機能も拡張性を判断する上での重要な要素です。
多様な業務アプリケーションと連携できるRPAツールを選ぶことで、長期的に業務効率化をサポートできます。
サポート体制の充実度
RPAツールを選定する際には、ベンダーのサポート体制もよく確認しましょう。
特に初めてRPAを導入する企業では、操作方法やトラブルシューティングに関する疑問が多く生じるため、しっかりとしたサポート体制があるかどうかが重要になってきます。
優れたサポート体制を持つベンダーは、トラブル発生時の迅速な対応や、初心者でも理解しやすい研修プログラムを提供しています。
長期にわたり安心して利用できるか、ベンダーのサポート体制を見極めましょう。
ツールの操作性をチェック
RPAツール選びでは、ツールの操作性も重要なポイントです。
いくら高機能なツールでも使いにくければ実用性は低下してしまいます。
特に、プログラミング知識の乏しい社員が多い企業では、直観的なインターフェースを備えたツールの選定が効果的です。
実際の業務を行うだけでフローチャートを作成するようなツールは、社内で広く使いこなされる可能性が高くなります。
操作性を優先することで、無駄なくRPAを活用し、業務効率化を実現できます。
|RPAツールを導入するときの留意点
ここまでRPAツールの紹介と選定のポイントについてお伝えしてきました。
ツール導入の具体的なイメージが湧いてきたでしょうか?
このセクションでは、RPAツールを導入するとき、導入後の運用面での留意点について確認していきます。
導入後に「しまった…。」とならないために、導入のリスクについても想定しておきましょう。
システム障害のリスクを考慮する
RPAの導入では、システム障害やエラーのリスクを想定しておくことが重要です。
自動化されたプロセスは、外部アプリケーションの更新やUIの変更により誤動作を起こす可能性があります。
また、自動化の際のデータの不備も問題を引き起こす原因となりえます。
大規模にRPAを適用する場合、これらのリスクはさらに高まり、業務遂行に大きな支障をきたす恐れがあります。
そのため、定期的な監視やデータ整合性の確認、リスクを想定したシステム設計やトラブル対応プランの策定など、安定運用のための対策を事前に考えておきましょう。
業務のブラックボックス化
RPA導入において留意すべき点の一つが、業務のブラックボックス化です。
業務が自動化されて便利になる反面、徐々にその業務プロセスについて、詳細を理解する社員が少なくなっていきます。
このため、業務担当者が変わるたびに、培われた知識やノウハウが失われるリスクが高まります。
また、RPAの操作自体が複雑で理解しづらい場合、トラブル発生時の対応が困難になり、業務継続が難しくなるかもしれません。
そうならないために、RPA導入時には、これらのリスクを十分考慮し、業務の文書化やナレッジ共有の仕組みを持つことも重要です。
テスト導入のすすめ
RPAツールの導入に際しては、どんなに事前にリスクを想定しても、導入後に予期せぬトラブルに見舞われることはよくあります。
そこで効果的なのが、テスト導入です。
多くの主要なRPAツールは無料トライアルやデモ体験を提供しており、これらを活用することで、その有効性や適合性を事前に確認できます。
この段階でシステムの互換性、操作性、業務への適用可能性を見極めることで、後に大きな課題に直面するリスクを軽減できます。
RPAツール選定時には、無料トライアルを積極的に利用し、自社に最適なツールを見つけましょう。
運用管理のIT人材の確保
RPAツールの導入は、ただツールを選ぶだけでは終わりません。
適切な運用と管理を行うためには、専門的なIT人材の確保が重要です。
RPAツールを効果的に活用するためには、業務内容や社内文化を理解している社内人材が望ましいですが、必要に応じて新規採用やアウトソーシングを活用することも一つの手段です。
社内での育成、直接雇用、アウトソーシングのどれを選択するにせよ、RPAを適切に運用するための人材確保は、成功への鍵となります。
|まとめ
いかがでしたか?
本記事では、RPAツールの選定から導入に至るまでの重要なポイントを詳しく解説しました。
また、業界で特に人気のあるRPAツールについてもいくつかご紹介しました。
自社に合いそうなツールの目星はついたでしょうか?
各種ツールの特徴や、RPAのリスクについても理解を深め、自社に最適なツールの選定に役立つことを願っています。
本記事が、あなたの企業のDX推進において、実りある一助となれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。