近年、メタバースが注目を集めており、様々な企業や団体がメタバース空間を活用したイベントやサービスを展開しています。

そんなメタバース空間のひとつが、「V-expo」です。

この仮想空間は、PCやスマホのブラウザから簡単に参加できるようになっており、懇親会や交流会、講演会、展示場など、幅広い用途で利用できます。

本記事では、V-expoの基本的な機能や特徴、利用シーンなどを紹介します。

|V-expoとは

出典:https://v-expo.jp/

V-expoとは、株式会社m-Labが提供するメタバースプラットフォームです。

PCやスマートフォンなどのWebブラウザからアクセスできるため、アプリケーションのインストールやVR機器などを準備せずにすぐに利用することができます。

よって、業務用パソコンでも利用可能であり、セキュリティに配慮した環境でも使用できます。

商談機能や会話の文字起こし機能を備え、ビデオ通話での商談を容易に行えます。

会話内容を分析することも可能であるため、懇親会や交流会、講演会、展示会など、幅広い用途での使用が可能です。

仮想デジタル空間を活用したイベントやサービスを手軽に開催できるシステムとして、今後も注目を集めていくことが予想されます。

|開催タイプ

この仮想空間には、ユーザーのニーズに合わせた、さまざまなタイプのものが提供されています。

以下で、7つのタイプをそれぞれ詳しくご説明します。

セミナータイプ

「セミナータイプ」は、ステージから登壇者が音声で発表し、会場内の全参加者に均一に音声が届く仕組みです。

講演や全社会などのイベントに最適で、参加者は基本的にミュートされており、登壇者がミュート解除を許可した場合のみ発言できます。

この形式は、セミナーやウェビナー、勉強会、社内の会議や表彰会、方針発表会、研修など多岐にわたるイベントで利用可能です。

大規模なライブホールから小規模なセミナールームまで様々な収容人数とスペースが提供されます。

交流タイプ

「交流タイプ」は、アバターの位置に応じた方向性音声通話システムを使用し、距離感や方向性に基づいて声がサラウンドで聞こえます。

懇親会や交流会などのイベントに適しており、参加者同士が自由に会話できます。

アバター同士の距離によって声の大きさが変化し、方向性のある音声により右側や左側にいる人の声がそれぞれ対応する方向から聞こえます。

V-expoでは、かわいいオブジェクトが配置されたskyパークから、六本木のバーをイメージしたメタBar、洞窟や焚き火など、さまざまなテーマの会場が用意されています。

展示場タイプ

「展示場タイプ」は、ブースごとに異なる動画再生や資料ダウンロード、即時ビデオ通話が可能な展示会場です。

多数の企業が参加する展示会やブース出展型のイベントに最適であり、ブースごとに独自のスペースが確保されて異なるコンテンツを提示できます。

音声システムはブース毎の方向性音声で、アバター同士が近づくと対話が可能です。

収容人数は無制限で、展示会や採用イベント、EXPOなど様々なイベントに適しています。

ショップタイプ

「ショップタイプ」は、アバターを使用して友人と会話しながらショッピングができるメタバース物販の形態です。

音声システムは店舗ごとに方向性音声を採用し、店員とユーザーが自由に会話でき、リアルな接客応対が可能です。

この形式はメタバースショップやファンイベントに最適で、アバター同士の会話を楽しみながら、ワンクリックで欲しい商品を購入できます。

アバターを操作しながらのリアルな店舗体験を味わい、友人や店員とのコミュニケーションを楽しむことができます。

学会タイプ

「学会タイプ」は、「登壇エリア」「懇談エリア」「ポスターセッションエリア」の3つのエリアで構成されています。

各エリアはパーツ化され、将来的にパーツのバリエーションが増える予定です。

学会発表やアカデミアなどのイベントに最適で、学術的な情報交換や商談が可能です。

ポスターセッションや商談会、セミナーや発表会、アカデミア関連のイベントに適しています。

資料や講師の映像を提示しながらセミナーや発表が行え、最大250人の収容が可能です。

オフィスタイプ

「オフィスタイプ」は、常時利用可能な定額ワークスペースで、バーチャルオフィスに最適な形態です。

このタイプでは、同時接続人数によって月額料金が異なります。

例えば、10人が同時に接続できるプランでは月額10万円であり、導入サポートには別途10万円かかります。

20人が同時に接続可能なプランは月額15万円で、導入サポートは同じく10万円です。

利用期間は最短でも6ヶ月から可能です。

距離感のある方向性音声を活用して、オフィス環境のリアルな対話を再現します。

オリジナルタイプ

「オリジナルタイプ」は、ニーズに合わせてカスタマイズされた、特別なメタバース空間を提供します。

この形式では、顧客の要望や特定の機能に応じた独自の空間と機能を構築できます。

成功事例として、例えば、さいが設計工務は「モデルハウスメタバース支店」を構築し、動画やテキストを通じて高気密高断熱住宅の特徴や設備を自由に閲覧できるようにしました。

これにより、お客様は自身のペースで情報を得ることができ、資料では伝えづらい機能もわかりやすく伝えられます。

|V-expoの開催事例

本システムを導入して催されたイベントの事例をご紹介します。

セミナー

新潟県最大のイノベーション施設NINNO/ニーノが実現したハイブリッドイベントでは、アバターや声の活用により参加者が質問しやすく、会場参加者とオンライン参加者の全体感を感覚的に把握することができました。

操作性の簡便さやアバター表示の利便性が特に好評でしたが、参加者側のロード時間短縮や地域価格設定の調整が望まれています。

今後は実際の空間をメタバース化し、リアルとメタバースを強力に結びつける活用を目指しています。

また、Web3.0の理解を促進するため、武蔵野大学生が主催した勉強会では、メタバースの新鮮さや参加者同士の交流を称賛しました。

全員が視界に入り、顔出し不要ながら自己表現を楽しめる臨場感溢れるイベントは、発表に集中できる環境を提供しました。

入学式・式典

RKB毎日放送とNTTコミュニケーションズが手掛けた福岡大学メタバース入学式では、予想以上の活気に満ちた光景が広がりました。

新入生たちの参加による盛り上がりと、学長やお笑い芸人などの登壇による楽しいトークが、参加者のリアクションを引き出し、イベントを彩りました。

福岡大学と登壇者からは、手軽なアクセスや参加者数の増加に喜びを示し、この取り組みを成功させました。

また、越前市のm-Labとの協定事業では、NHKやFBCで報道されるほどの注目を集めました。

紫式部ゆかりのまち越前市のキャラクター配置など、ハイブリッド形式での式典が成功裏に行われました。

今後も移住相談や交流会などのイベントにメタバースを導入する提案です。

交流イベント

株式会社セイバンは、「Soda!Soda!アイランド」を救え!という親子向けの交流イベントを提供しました。

デジタルメディアの理解を促進し、親子のデジタル機器使用に対する不安を軽減する目的で開催され、子供たちは空間を探索し、ランドセルアバターやエリアを楽しみました。

また、山形県内の自治体で初めて実施されたメタバース婚活は、参加者の60%が3組のカップルを成立。

この試みは、地域のリアルな婚活における女性不足に対する対策の一環であり、顔見知り同士の出会いを避けるための新たな試みとして注目を集めました。

高品質な空間とスマートフォンでの参加が可能であり、参加者に楽しいゲーム的な体験を提供できる点が高評価を得ました。

社内イベント

住商ビルマネージメント株式会社が創業50周年を迎え、本システムを利用した社内イベントを開催しました。

実行委員は異なる部署から集まり、「イベント」「映像」「ロゴ・キャラクター」「ノベルティ」の4つの部門に分け、それぞれの担当者が企画・運営。

参加者が自由に操作できる環境を提供し、より良い対話の場を実現しました。

また、ウルシステムズ株式会社は、500名規模の社内表彰式をメタバース上で成功させました。

従来のオンラインイベントよりも参加率が向上し、アバターやリアクションによって臨場感あふれるイベントとなりました。

参加者からは新鮮さや臨場感を肯定する声が寄せられ、社内での交流をリモートでも実感できたことが喜ばれました。

|まとめ

V-expoは、直感的な操作で参加者がリアルな体験を楽しめる特徴を持っています。

リモート環境でのイベントや会議をより身近に、そして臨場感あるものに変えます。

ブラウザさえあれば誰でも簡単に参加できるため、その利便性とリアリティの高さから、新たな交流と体験の場を提供しています。

メタバース空間を活用したイベントやサービスを手軽に開催できるプラットフォームとして、今後も注目を集めていくことでしょう。