仮想空間と現実世界を融合した「メタバース」。
没入感ある体験を可能にするメタバースは、ゲームやコミュニケーション、ビジネスなど、さまざまな用途に活用されています。
そんなメタバースの世界を牽引しているのが、海外の企業です。
世界中の多くの企業が、独自のメタバースプラットフォームを開発・展開しており、それぞれ異なる特徴を持っています。
本記事では、海外のメタバース関連企業を徹底解説します。
各プラットフォームの特徴も紹介するので、メタバースについて詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
目次
|メタバースとは
メタバースという言葉の由来は、『メタ』が「超越した」や「高次の」、『バース』が「ユニバース(宇宙)」を指すことから成り立ち、「超越した宇宙」という概念を意味します。
このコンセプトは、1992年にニール・スティーブンソンのSF小説「スノウ・クラッシュ」で初めて使用された言葉です。
メタバースの中では、「アバター」と呼ばれる仮想空間上の自己で世界に入ることができ、現実と同様のアクティビティを楽しむことが可能です。
メタバースの最終目標は、現実世界との境界を曖昧にし、現実と同様の体験を提供することです。
この技術は、「Web4.0」時代の象徴とされ、近い将来に現実世界と同じくらいリッチな体験を提供するかもしれません。
詳しくはこちらも参照してくださいね。
|海外のメタバース企業・プラットフォーム
海外におけるメタバース企業には、一度は耳にしたことのある有名企業が多くありますが、実際どのような特徴があるのか分からないと言う方がほとんどではないでしょうか。
本記事では、7つの海外企業について、詳しくご紹介していきましょう。
Meta
Mark Elliot Zuckerbergが代表を務めるFacebook社は、2021年10月29日に社名を「Meta」に変更し、世界中の注目を浴びました。
創業は2004年で、ミッションとして「人々にコミュニティを構築し、世界をより結びつける力を与えること」を掲げています。
社名変更の際には「10年以内にメタバースを10億人にリーチさせる」と宣言し、Meta QuestやHorizon Workroomsなど、多岐にわたるメタバース関連の事業を展開しています。
一般ユーザーをターゲットにゲームやSNSなどのVRアプリケーションを提供するなど、メタバース市場をリードする存在であり、今後の展開が注目されています。
Horizon Workrooms
「Horizon Workrooms」は没入型の仮想オフィスで、Meta Questヘッドセットを使い、アバターとして仮想空間内で会議ができます。
ミーティングやブレインストーミング、プレゼンテーションなどを行えるほか、ハンドトラッキング技術により、コントローラーなしで操作が可能であるため、リアルなコミュニケーションが実現します。
方向や距離を再現する空間オーディオ技術も備え、ビジネス向けの機能が豊富であることで、画期的なバーチャル会議室を提供しています。
VRChat Inc.
VRChat Inc.は、2014年に設立され、世界最大のソーシャルVRプラットフォーム「VRChat」を運営しています。
VRChatは、ユーザーが仮想現実でアバターとして交流し、さまざまな仮想空間でコンテンツを共有できるプラットフォームです。
このメタバース空間内では、世界中のユーザーが没入感のある体験を共有し、リアルなコミュニケーションを楽しむことが可能です。
VRChat Inc.は、先進的な技術と幅広いコンテンツを提供することで、メタバースの発展に貢献しています。
VRChat
「VRChat」は2017年にリリースされた無料のソーシャルVRアプリです。
自分好みのアバターを選択し、世界中のユーザーと会話やゲームを楽しむことができます。
豊富なワールドが特徴的で、ユーザーは3DCG開発ソフトを使ってオリジナルのワールドを制作することも可能です。
バーチャルマーケットや企業主催のイベントも頻繁に開催されています。
VRChatは没入感ある交流と自由な表現の場が話題のプラットフォームです。
詳細はこちらも参考にしてください!
韓国の大手IT企業NAVER Corporation(ネイバー)の子会社であるNAVER Z Corporationは、主に仮想空間やメタバース関連の事業に焦点を当てています。
この企業は、ユーザーが3Dアバターを作成し、仮想空間でのコミュニケーションやエンターテインメントを楽しむことができるアプリ「ZEPETO」を提供しています。
ZEPETOは、2018年にリリースされたスマートフォン向けアプリで、2023年3月時点で世界で2億人以上のユーザーを獲得しており、世界最大級のメタバースプラットフォームとなっています。
同社は今後もメタバース事業を拡大し、メタバース時代を先導する企業を目指しています。
ZEPETO
「ZEPETO」は、アバターの作成や豊富なファッションアイテムのカスタマイズ、他ユーザーとの交流、写真・動画の撮影・投稿、そして様々なライブやゲーム体験が可能なプラットフォームです。
直感的で操作しやすく、3億人以上のユーザーが利用しています。
アバターは自分の写真から生成され、ファッションアイテムはアプリ内ポイントで購入が可能。
ユーザー間の交流や多彩なアイテムが、若者たちに支持されています。
詳細はこちらも参考にしてください!
Roblox Corporation
Roblox Corporationは2004年に設立され、本社はカリフォルニア州サンマテオにあります。
2006年にリリースしたRobloxは、プレイヤーが自ら3Dゲームを制作し、共有できる仮想空間を提供しています。
幅広い年齢層のプレイヤーが存在し、2021年現在では数百万人が毎日アクセスしています。
CEOのデヴィッド・バズーキは、数十億人に経験を共有できる場を提供し、メタバースが社会的交流の未来であるとのビジョンを掲げています。
また、多様性豊かなコミュニティ形成を重視し、世界中からの参加が可能なオープンなプラットフォームを目指しています。
Roblox
「Roblox」はオンラインゲーミングプラットフォームで、2億2000万人以上がプレイし、主に13歳以下の若者に人気となっています。
様々なジャンルの5000万本以上のゲームが無料でプレイできて、友達とのオンライン交流も可能です。
また、自作ゲームを製作・公開でき、収益化ができる点も魅力です。
Robuxというゲーム内通貨があり、教育現場でもプログラミング教育に利用されています。
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Animoca Brands
Animoca Brandsは2014年に設立され、アジア太平洋地域の高成長企業の一つとして注目されている企業です。
「The Sandbox」をはじめとしたオリジナルゲームを開発・公開しており、メタバース内の土地を購入できるNFTゲームも展開しています。
また、同社はWeb3への積極的な投資家であり、Axie InfinityやPolygon、OpenSeaなど400以上のWeb3投資を行っています。
社命として、デジタルプロパティ権を世界中のユーザーに提供して経済圏を形成し、ブロックチェーン技術を活用したオープンメタバースの構築に貢献することを目指しています。
The Sandbox
「The Sandbox」は、メタバース上のNFTゲームプラットフォームで、イーサリアムの技術を採用しています。
全世界で4,000万以上のダウンロードを誇り、ユーザーは土地を売買・レンタルし、ピクセルチックな3Dモデルのキャラクターを制作したり、他のユーザー制作のゲームで遊びます。
「SAND」と「LAND」は、それぞれ独自通貨と土地を指し、SANDはNFT取引やメタバース関連の仮想通貨としても利用されます。
詳細はこちらも参考にしてください!
Decentraland Foundation
Decentraland Foundationは、カリフォルニアを拠点とする非営利団体で、NFTゲーム「Decentraland」を運営しています。
2017年に設立され、ゲーム内ではメタバース空間での美術館や建造物の作成などが可能です。
Decentralandは分散型自律組織(DAO)を立ち上げ、プロジェクト管理をユーザーに引き継ぎました。
また、設立チームは秘密鍵を破棄しており、透明性とユーザーコントロールを重視しています。
同団体はプロジェクトの進行をサポートし、ICOで調達された資金を運営に活かすことにより、デザインされた仮想空間を無料でプレイできるようになっています。
Decentraland
「Decentraland」は「The Sandbox」同様、イーサリアムを採用したメタバースプロジェクトです。
ポリゴンチックな3Dモデルのメタバース内でゲームを楽しむだけでなく、土地の売買や独自コンテンツ制作も可能です。
また、Decentralandの独自通貨「MANA」を使用してNFTとしてアイテムを売買でき、ユーザー主導の運営体制「DAO」がある点も特徴的です。
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NVIDIA
NVIDIAは1993年に創業されたアメリカの半導体メーカーです。
人工知能(AI)やデータセンター、ゲーム、クリエイティブなどの分野で、革新的な製品やサービスを提供しています。
特にAIチップ市場で圧倒的な存在感を持ち、ChatGPTなどを通じてAIが注目された背景もあり、世界をリードする企業として知られています。
また、NVIDIAは企業向けに業務効率化を図るためのメタバース構築プラットフォーム「NVIDIA Omniverse」を提供しています。
このプラットフォームは、メタバースを通じて仮想空間での業務やコラボレーションを可能にし、ビジネスプロセスの効率向上に寄与しています。
NVIDIA Omniverse
NVIDIA Omniverseは、高度なデジタルシミュレーションと視覚的表現を組み合わせ、バーチャル空間での実験・検証を実現します。
異なるツールを使用するデザイナーやクリエイターがリアルタイムで協力し、業界に新しいワークフローを提供できる点が特徴的です。
リアルなメタバースを高度なレンダリング技術で構築し、DCCツール(3Dコンテンツの制作に関わるソフトウェアやツールの総称)とのシームレスな連携で作業効率の向上が目指せます。
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|まとめ
本記事では、海外のメタバース関連企業を徹底解説しました。
各企業は、それぞれ独自のプラットフォームやサービスを展開しており、メタバースの可能性を広げています。
メタバースは、今後も急速な成長が期待されており、各企業はさらなる技術革新やサービスの拡充を進めていくことでしょう。
今後のメタバースの動向に、引き続き注目していきましょう!