メタバース市場を牽引する存在として注目されている、メタバースベンチャー企業「HIKKY」。

HIKKYは、世界最大級のVRイベント「バーチャルマーケット」の主催や、VRコンテンツ開発エンジン「Vket Cloud」の提供など、メタバース領域における革新的なサービスを展開しています。

本記事では、HIKKYの事業内容について徹底解説。

メタバース市場におけるHIKKYの強みや特長について、考察していきます。

|HIKKYとは

出典:https://www.hikky.co.jp/

2018年創業の株式会社HIKKYは、メタバースブーム以前から市場開拓を続ける、メタバース領域における専門企業です。

同社は、リアルとメタバースが融合した新しい世界を構築することに焦点を当て、その中で人々の交流が生まれることで文化と経済の発展を促進しています。

その事業内容は多岐にわたり、バーチャルマーケット(Vket)をはじめとしたメタバース空間の提供や、VRコンテンツの開発などを展開。

オープンメタバースの開発にも注力しており、2021年にはVketCloudの開発に70億円の資金を調達しました。

HIKKYは、メタバースの未来を創造するパイオニアとして、今後も期待される企業です。

|HIKKYの事業内容

HIKKYは、バーチャル空間の発展と豊かな体験の提供に向けて、多岐に渡る斬新なアイデアを展開しています。

以下で6つの事業について、詳しく解説していきます。

1. 世界最大のVRイベント|「バーチャルマーケット」の企画・運営

バーチャルマーケット(Vket)は、VRChat内で開催される世界最大規模のバーチャル展示会です。

参加者は3Dアバターやモデルの展示を自由に鑑賞し、試着や購入も可能です。

2018年の初開催から爆発的な人気を誇り、企業やIP約60社、膨大なサークルが出展し、2020年にはギネス記録に認定されるほどの規模となりました。

参加は無料で、VRヘッドセットがなくてもPCやスマホ(入場制限あり)があれば簡単にアクセスできます。

過去のイベントでは、400から1,100以上のサークルが参加し、世界中から12万5,000人以上の来場者が集まりました。

詳しくは、こちらも参考にしてくださいね。

「世界最大のVRイベント」バーチャルマーケットとは?注目される理由や楽しみ方までご紹介!今年の開催概要も!
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バーチャルマーケットが注目される理由

Vketは、VR技術やIoTの普及により、世界中で身近なVR空間が注目されている中で、経済・文化活動の場として脚光を浴びています。

特に新型コロナウイルス感染症の影響下で、自宅にいながら外出や買い物の疑似体験ができる需要が急増しました。

これにより、出展者にとっては新たな販路やショールーム空間の獲得のためのメタバース事業への参入が促進され、消費者にとっては安全かつ没入感のあるショッピング体験が得られるようになりました。

2018年の初開催からTwitterで1位を獲得するなど話題を集め、ディズニー、Google、トヨタ自動車などの大企業も出展し、国内外からの来場者が増加するフェスティバルに成長しています。

バーチャルマーケットでできること・楽しみ方

Vketでは、多様な展示物が一堂に集います。

アバターやアクセサリー、VR空間内の家具や部屋、同人誌や音楽など、幅広いアイテムが展示され、試着や購入が可能です。

エンタメ企業のグッズや季節のグルメ、オリジナルTシャツを販売するアパレルブランドまで多彩なショッピング体験が楽しめます。

また、買い物だけでなく、VRアートや研究成果の展示や作品鑑賞も楽しみの一つとなっています。

例えば体験型ブースでは、過去にジェットコースター乗車体験やマグロの解体ショーを目の前で鑑賞できるものがありました。

参加者同士の音声コミュニケーションも可能なため、仲の良い友人・家族を誘って参加したり、新たな繋がりを目的に参加するのもお勧めです。

2. バーチャルマーケットのECサイト|Vket Store事業

Vket Storeは、HIKKYが運営するVRやメタバース作品の売買を行う公式ECサイトです。

このプラットフォームでは、アバターや3Dモデルなど、バーチャル空間に関連する様々なデジタルアイテムが取引されています。

有名メーカーやブランドとのコラボレーションアイテムの登録が可能であったり、複数のクリエイターによる創作をサポートしています。

これにより、Vketでの販売活動をより効果的に展開することが可能となっています。

3. 世界の100都市をメタバースに|「パラリアルワールドプロジェクト」の推進

「パラリアルワールドプロジェクト」は、現実世界の都市をメタバース上に再現することで、新たな都市体験を提供する取り組みを指します。

このプロジェクトでは、人々の多様な価値観を反映し、都市の姿を無限に変化させることを目的としており、今後は世界中の100都市が対象になる予定です。

これにより、参加者はオープンメタバースの空間を自由に探索し、店舗で買い物を楽しんだり、イベントに参加したりすることができます。

さらに、行政手続きや教育の分野においても、メタバースの活用が進められ、物理的な距離や制約を超えた新たなサービスが提供されます。

パラリアルワールドの推進により、都市のイノベーションと、人々の生活の豊かさが実現されるでしょう。

日本のパラリアルワールド

パラリアル渋谷では、現実の渋谷とメタバースの渋谷がリンクし、空模様やビルの高さなどがリアルタイムに変化します。

さらに、空間タイムライン機能では、両者の情報がポップアップで表示され、リアルとバーチャルの融合を感じることができます。

同様に、パラリアル札幌では、札幌の美しい街並みと冬の風景が再現され、雪景色の中でバーチャル空間を散策できます。

このように、現実世界の魅力がメタバース上で活き活きと表現されています。

海外のパラリアルワールド

海外のパラリアルワールドは、世界の有名都市をリアルに再現し、海外旅行体験が気軽に楽しめます。

例えば、パラリアルニューヨークでは、浮遊型ホバーボードが設置され、カラフルで華やかな街並みを自由に駆け巡ることができます。

これにより、世界が誇るエンタメ都市の魅力が存分に堪能できることでしょう。

また、パラリアルパリでは、透き通るような青い空とエッフェル塔が特徴で、フランス文化の中心地であるパリの美しさをメタバース上で簡単に体験できます。

4. メタバース開発のためのVRエンジン|Vket Cloud事業

「Vket Cloud」は、メタバース開発エンジンであり、立体的な映像で幅広い表現や空間づくりを実現します。

Vket Cloudを利用することで、誰もが独自のバーチャル店舗やイベント会場を自由に作成し、展開することができます。

プラットフォームの制約を超えて、幅広いユーザーに対してオープンなコンテンツやサービスを提供しているため、現在、多くの企業がVket Cloudを活用しています。

その柔軟性と効果的な機能から、メタバース開発のための強力なツールとして広く注目されています。

詳しくは、こちらも参考にしてくださいね。

メタバース開発エンジン「Vket cloud」とは?特長から今後の展望までを解説します
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Vket Cloudの特長

Vket Cloudの特筆すべきは、まず無料でありつつ、商用利用が出来る点です。

専門的な知識や高額な費用が必要なイメージを覆し、API連携による自由自在なサービス展開が可能です。

そのため、個人だけでなく企業も自由に商用利用できるため、幅広いニーズに対応した貴重なメリットと言えるでしょう。

また、C#ベースの独自スクリプトを利用することで、ミニゲームや細かい装飾など、豊富なコンテンツを実装できたり、オリジナルWebサイトの制作や、「My Vket」内での作品展示が可能です。

Vket Cloudを利用するには、専用アプリのダウンロードは不要で、スマートフォンやパソコンから簡単にアクセス出来ます。

Vket Cloudの料金プラン

Vket Cloudを利用するには、以下の2種類の料金体系で構成されています。

  1. 個人クリエイター向け:無料プランと、チームでコンテンツを制作するベーシックプラン(990円/月)から選択。
  2. ビジネス向け:バーチャルイベント開催やコンテンツ制作を行う企業向けのプラン。小規模なコンテンツであれば11万円〜のプランから用意されており、無料トライアルから始められる。大規模なプラットフォーム制作になると、金額は相談に応じて設定される。

5. 企業の課題を解決|XRソリューション事業

HIKKYは、各企業の条件に合わせたVRソリューション事業の企画や開発をする事業を提供しています。

HIKKYによる制作力と開発技術力は、VRイベントやVR利用の販促において、圧倒的な実績を誇っています。

事例①トヨタ自動車

マリンイベント「ジャパンインターナショナルボートショー2021」に出展したトヨタ自動車は、マリン事業室と共同で「TOYOTA Marine WORLD」を創出。

ここでは、現実では不可能な独自の世界感をVR空間に構築し、トヨタ自動車のブランドイメージを体験できる3艇のボートを再現しました。

リアルな質感を保ちながら、描画負荷を最適化するための技術を活用し、来場者が釣りやクルージングなどの没入感ある体験を楽しめるようにしました。

事例②アウディ ジャパン

Vket4に出展したアウディ ジャパンは、日本未発売の新車「e-tronスポーツバック」をVR空間で体験できるイベントを創出しました。

これは、2019年のe-tron体験施設「メテオライト」を再現したもので、来場者は車に触れるとアウディブースにワープし、テストドライブやバーチャル接客を体験。

さらに、ニュースレター登録やアンケート回答でオリジナル3Dモデルグッズをプレゼントし、ユーザー満足度を高めました。

事例③ビームス

BEAMSは、Vket企業最多となる過去6回の出展参加を誇ります。

直近の「Vket2023summer」では、40人の社員がバーチャル接客を実施。

BEAMS HARAJUKU店内にバーチャルショップを設置し、リアルとバーチャルを結ぶセレクトショップ体験を提供しました。

さらに、バーチャルショップで販売する商品のリアル版を展示し、試着機能やランウェイでのウォーキングなど、ショッピング体験を充実させました。

6. バーチャルライブをサポート|VR LIVE事業

VR LIVE事業では、世界的なギタリストMIYAVIやクリエイティブ・ユニット「PKCZ®」のバーチャルライブをサポートしました。

VR会場や演出コンテンツを制作し、音楽表現の新たな可能性を追求。

MIYAVI VIRTUAL LIVE 360では、リアルとバーチャルを融合した先進的なパフォーマンスを展開し、PKCZ® SPECIAL VR ChamberZでは、独自のVR空間とコンテンツを創出しました。

|まとめ

HIKKYは、VR技術に特化した専門性と、ユーザー体験を重視した開発姿勢によって、メタバース市場を牽引する存在となっています。

今回ご紹介した6つのサービスを通じて、リアルとメタバースが融合した世界を実現し、人々の生活をより豊かにする挑戦を続けています。

今後も、メタバースの未来を創造するHIKKYから目が離せませんね!