InstagramやFacebookでお馴染みのMeta社が、新しいAIアシスタントを開発しました。
その名も「MetaAI」。
MetaAIは、従来のAIアシスタントの枠を超え、最先端のAI技術により、自然な会話とパーソナライズされたサポートを提供します。
単なるタスク管理ツールではなく、私たちの強力なパートナーとなり得るMetaAIについて、本記事では、その概要やできることを詳しく解説します。
目次
|Meta社とは
Meta社は、世界最大のSNSを運営するソーシャルテクノロジー企業です。
「コミュニティづくりを応援し、人と人がより身近になる世界を実現」することをミッションとして掲げ、創業者兼CEOのマーク・ザッカーバーグ氏によって2004年に立ち上げられました。
SNS「Facebook」はその始まりであり、当時の社名にも使用され、現在は米国を代表するIT企業の1つとして成長しています。
2021年には「メタバース」に重点を置いて活動していく方針となり、現在の社名である「Meta」に変更されました。
今後はSNS運営に加えて、VR/ARを活用したプラットフォーム構築や、次世代のクリエイター育成など、メタバース事業に注力していく姿勢です。
|MetaAIとは
Meta社は、2024年4月18日に、Instagram、Facebook、Messenger、WhatsAppにAIアシスタント「MetaAI」を導入することを発表しました。
マーク・ザッカーバーグCEOによると、最新の人工知能モデル「Llama 3」によって構築されたMetaAIについて、「自由に使える最もインテリジェントなAIアシスタント」と述べています。
MetaAIは、Google検索やMicrosoftBingからのリアルタイムの知識を直接統合し、英語版が米国などの十数カ国で提供されます。
また、画像生成の高速化や、Instagram等フィード内での利用、検索アシスト機能の向上など、さまざまな機能を備えています。
Llamaについて
Llamaは、Meta社が2023年2月に発表した大規模言語モデル(LLM)です。
従来のLLMと異なり、オープンソースとして公開されており、誰でも自由に利用・改変することができます。
さらに、無料で利用可能であり、商用利用も許可されているため、研究開発、教育、ビジネスなど、幅広い分野で活用されることが期待されています。
また、小型でありながら高性能であり、70億から650億のパラメータ数を持つバージョンを、処理能力や目的に合わせて最適なモデルを選択できます。
Llamaは、メタバース時代におけるコミュニケーションと創造性を変革するツールとして、現在も進化し続けています。
Llama3について
Llamaの進化版である「Llama3」は、2024年4月18日に発表されました。
今回のリリースでは、80億(8B)と700億(70B)のパラメータ数を持つ2つのモデルが幅広い用途に対応しています。
8Bは比較的コンパクトなモデルで、効率的に言語の特徴を学習し、限られたパラメータ数の中で高い性能を実現しています。
70Bは大規模な言語モデルで、オープンソースでありながら、GPT-3.5などに代表される業界の標準よりも高い性能を発揮しています。
Llama3は、今後もAI技術の普及をさらに促進し、新たなアイデアやイノベーションの創出を支援することが期待されます。
|MetaAIでできること
メタバース時代のコミュニケーションを支えるLlama3技術をベースにしたMetaAIは、具体的にどのようなことができるのでしょうか。
- AI検索
- 画像生成
以上、主な機能である2点について、詳しく解説します。
AI検索
MetaAIのAI検索機能は、従来の検索エンジンとは一線を画す、より直感的で効率的な情報収集を実現します。
例えば、InstagramのDMで友人と夜の外出を計画している際に、Meta AIに土曜日の夜のコンサートを検索してもらったり、Facebookのフィードで興味深い投稿を見つけた際に、その投稿に関する情報をMeta AIに尋ねることができます。
さらに、MetaスマートグラスやMeta Questなど、Metaサービス上での展開も進んでおり、利用者は簡単に様々な情報にアクセスできます。
テキストだけでなく、画像や動画なども活用して検索結果を表示するため、視覚的にわかりやすく、必要な情報を見つけやすくしています。
画像生成
MetaAIでは、画像生成機能「Imagine」がβ版として提供されます。
ユーザーがプロンプトを送信すると、Meta AIは、サンプル画像を含む4つの画像を生成します。
生成された画像はダウンロードでき、同じプロンプトから再生成したり、新しいプロンプトを送信したりすることができます。
また、画像をアニメーション化してGIFとして保存し、共有することも可能です。
そして、このような画像生成を5秒以内で生成するというスピードも重視した優れた能力を発揮します。
このように、テキストプロンプトを入力するだけで、風景、アート、キャラクター、抽象的なデザインなど、幅広いジャンルの高品質な画像を生成することができます。
|MetaがAI戦略を続ける背景
MetaのAI戦略の背景には、AI技術の普及と発展を通じて、コミュニティ全体の利益を追求する狙いがあります。
その目的を果たすために、MetaはオープンソースのAIモデルの開発と提供に焦点を当てており、特にLlama 3のリリースはその一例です。
このような最新モデルの無償提供は、研究者や開発者にとって非常に有益であり、AI技術の普及を促進します。
また、MetaはAI技術の発展を支援するために、大規模な投資も行っています。
このようにAI技術の利用や研究が促進されることにより、より多くの人々がその恩恵を受けることが期待されています。
|日本ユーザーは未対応
MetaAIは米国以外の十数カ国で提供されていますが、日本ではまだ利用できません。
現在、オーストラリア、カナダ、ガーナ、ジャマイカ、マラウイ、ニュージーランド、ナイジェリア、パキスタン、シンガポール、南アフリカ、ウガンダ、ザンビア、ジンバブエで展開されています。
|まとめ
今回ご紹介したMetaAIは、自然言語処理と最先端AI技術を駆使し、より直感的で効率的な情報収集を実現します。
さらに、画像生成やスムーズな検索機能など、様々なタスクをこなすことができ、私たちの生活をより便利で豊かなものにしてくれます。
Meta AIは、まだ開発段階ですが、そのオープン性と高い性能により、今後大きな注目を集めることが予想されます。
私たち一人ひとりの創造的な可能性を最大限に引き出すための相棒的なツールとして、今後の進化に期待しましょう。