世界中で盛り上がりを見せているメタバース。世界中の人と気軽にコミュニケーションが取れたり、ゲームを楽しんだり、ライブやイベントに参加したりと、その魅力にハマる人が日本でも急増しています。

そのメタバースで、アルバイトができるってご存じでしょうか?

仮想空間でアルバイトってどういうこと?と、メタバースを知っている人ほど疑問に思われるかもしれません。

そこで今回は、メタバースのアルバイト事情について徹底調査。

メタバースでのバイトにはどんなものがあるのか?そのメリット・デメリットは?どうしたらメタバースでバイトができるの?などなど、メタバースのアルバイトについて気になる点を詳しく説明します。

ぜひ最後までご覧ください。

|メタバースってどんな世界?

メタバースでのアルバイトについて調べる前に、まずはそもそもメタバースとは何なのか?という点をおさらいしておきましょう。

メタバースは「Meta(超越した)」と「Universe(世界)」を組み合わせた造語で、インターネット上の3D仮想空間を意味します。

メタバースの利用者は自分自身の分身となる「アバター」を利用して、他ユーザーとのコミュニケーションやゲームなど、その世界を自由に楽しむことができます。

そしてメタバースはエンタメ分野だけではなく、ビジネス分野での活用も広がっています。

コロナ禍でリモートワークが当たり前になりましたが、オフィスをメタバース内に設置したり、バーチャルショップをオープンさせたりと、メタバース内で様々な経済活動が営まれているのです。

つまり、「もう一つの世界」とも言われるメタバースでは、現実世界と同じような「仕事」も存在するわけです。

|メタバース(仮想空間)でアルバイトができるって本当?

では、そのメタバースで本当にアルバイトはできるのか?

結論から言うと、できます!

というのも、すでにメタバース内で様々なアルバイトが行われているからです。

たとえば、渋谷区公認のメタバースである、「バーチャル渋谷」で開催されたハロウィンのイベント、「バーチャル渋谷au 5G ハロウィーンフェス2021」では、参加者に対応する公式スタッフのバイトが募集されました。

またメタバースで開かれたVtuberの祭典、「Vtuber日本烈島バーチャルファンミーティング」でも、公式スタッフとして参加者の誘導などを行うアルバイトがありました。

このように、実際にメタバース内で行うアルバイトの求人があり、そこで働く人々もいるわけです。

今後、さらにメタバースが一般化していくと、メタバース内でのアルバイトの需要もさらに増していくでしょう。

メタバースでもアルバイトはできるのです!

|メタバース内のバーチャルアバターでできるアルバイトの事例

では実際に、メタバースでのアルバイトにはどんなものがあるのでしょうか?

ここでは、仮想空間で行うアルバイトについて、次の5つの事例を取り上げます。

  • 案内スタッフ      
  • 販売スタッフ      
  • 司会       
  • ファシリテーター
  • Vtuber

メタバースでできるアルバイトは、実際どんなものなのか?

一つずつ、順番に見ていきましょう。

案内スタッフ

メタバースならではのアルバイトの一つが、案内スタッフです。

案内スタッフの役割りは、メタバースに不慣れな人たちに、メタバースの利用方法や楽しみ方をメタバースの「中で」説明すること。自分自身がメタバースに入り、仮想空間内でサポートを行うわけです。

現在、様々な企業がショップや施設、テーマパークなどをメタバース内に展開し始めています。

そうすると、それらの施設を専門に案内するスタッフのニーズも高まってくるでしょう。

そう、ちょうど某テーマパークでゲストをもてなすキャストのように。

メタバースでは案内スタッフも着ぐるみのようなアバターをまといますから、より楽しく働けるに違いありません。

メタバースの案内スタッフの求人スタッフは今でも時おり見かけますが、今後さらに募集も増えてくると予想されています。

販売スタッフ

メタバースではすでにNIKEやBEAMSなどのアパレルブランド、三越伊勢丹や大塚家具といった大型商業施設などがバーチャルショップをオープンさせています。

メタバースのウリの一つが他者との交流ですから、そうしたバーチャルショップで対応する販売スタッフも当然、生の人間ということになります(姿はアバターですが)。

リアルの販売スタッフと同じように、メタバースの販売スタッフもお客様をおもてなしし、販売や接客を行います。違いはお互い仮想空間にいるということだけ。

実際にショップスタッフのアルバイトを行ったことがある人なら、メタバースでもあまり違和感なく働けるでしょう。

また、スーパーマーケットなどの実店舗にアバターが「出張」するケースも出てきました。

スーパーの食品コーナーで試食販売を行うスタッフを、アバターとして行うのです。これはメタバースそのものではありますが、働き方としては全く同じ。

コロナ禍で非接触が進む中、アバターを使った販売スタッフの需要は確かに高まっているのです。

司会

世界中どこからでも仮想空間に集まり、自由にコミュニケーションを取れるのがメタバース。

そのメタバースの特徴を活かして、会議やWebセミナー、各種イベント等も多く開催されています。

そうしたイベントの司会進行を行う司会者のアルバイトも、メタバースではよく見かけます。

例えば、あるセミナーでは司会者が進行だけではなく、メタバースに慣れない講師と受講者のサポートなどもカバー。文字チャットやボイス機能を使って個別に操作方法の説明や、手助けを行っていました。

メタバースでのイベントやセミナーは、リアルに比べて発言がしやすい、気軽に質問ができる、普段聞く機会の少ない話が聞けるなどのメリットがあります。

そのため、メタバースでの会議やイベントのニーズは今後も高まっていき、それにともなって司会者の求人も増えるに違いありません。

ファシリテーター

会議やプロジェクトなどの集団活動がスムーズに進行するようサポート(ファシリテーション)するのが、ファシリテーターの役割りです。

ファシリテーターと司会者には、次のような違いがあります。

  • 司会者:会議の進行に気を配る
  • ファシリテーター:会議が最終的な結論に至るよう気を配る

会議が滞りなく進行することに気を配るのが司会者の仕事である一方、ファシリテーターは中立的な立場で参加者の意見を引き出し、最終的な合意に至るよう全体をリードするのが役割りとなります。

そのためファシリテーターには司会者よりもより専門的な知識や経験が求められますが、メタバースではそのような専門的なスキルを持つ人が活躍する場も提供しているのです。

Vtuber

メタバースにアバターは必要不可欠ですが、そのアバターの姿でYouTubeの配信を行うVtuber。

最近その活躍の舞台はYouTubeだけではなく、様々な動画配信サイトにまで広がっています。

国産メタバースプラットフォームの「Cluster」では、自身が簡単にVtuberになってイベントを配信することができます。

でも、それがどうしてアルバイトなのか?

実はClusterではアバターとなって個人でイベントを開催し、ユーザーを集めることで「Vポイント」を獲得し、それをリアルマネーに換金することができるのです。

そしてメタバースでリアルマネーを稼げるのは、Clusterだけではありません。

遊びのつもりが、お金も稼げる…。

メタバースを楽しむこと自体が、アルバイトにもなり得るというわけです。

|メタバース内のアルバイトにはどんなメリット・デメリットがある?

メタバースで行えるアルバイトについて見てきましたが、仮想空間でのバイトというこれまでにない働き方のため、不安を感じる人も多いでしょう。

そこで、ここからはメタバース内でのアルバイトのメリットとデメリットについて考えます。

どんな仕事でも大変なことはありますが、それでもメリットとデメリットを比較して、自分にとってなるべく働きやすい仕事・環境を選びたいものです。

メタバースでアルバイトを行うために、ぜひ参考になさってください。

メリット

ではまずはじめに、メタバースでのアルバイトのメリットから見ていきましょう。

仮想空間で行うバイトのメリットは、以下のようなものが挙げられます。

  1. 自宅で働ける      
  2. 身なりに気を配らなくてもいい     
  3. メタバースのアルバイトを通じて新たな出会いがある

こうしたメリットに惹かれるなら、メタバースでアルバイトを始める動機としては十分!

では、さらに具体的に考えてみましょう。

自宅で働ける

メタバースはインターネット上の仮想空間で、世界中どこからでもアクセス可能。

ということはつまり、自宅にいながら働ける。いえむしろ、メタバースのアルバイトは自宅で働くことが大前提となる、究極のリモートワークなのです。

もちろん、自宅でなくてもインターネット環境があればどこでもOK。コロナ禍で話題となったワーケーションも、メタバースでのバイトなら当たり前に実現可能です。

働く場所を選ばないということは、ライフスタイルがより自由になるということも意味します。

例えば筆者の友人は日本の裏側、南米で生活していますが、そこで日本企業のサポートデスクのチャット業務に携わっています。

メタバースなら同じように、世界中どこにいても関係なく働くことができるのです。

身なりに気を配らなくてもいい

一般の企業のリモートワークなら、メイクや服装にもそれなりに気を配らなくてはなりませんが、メタバースでは全く関係ありません。なにしろメタバースで自分の姿はアバターなのですから。

メタバースでのアルバイトは自宅で行えるため、通勤時間はゼロ。それに加えて、身支度を整える時間も必要ありません。自分の趣味や楽しみに、より時間を振り分けられるようになります。

また身なりに気を配らなくてもいいということは、お客さんや一緒に働く仲間からの視線を気にしなくても良いということ。

アルバイトしていてお客さんにジロジロ見られて不愉快になった、という経験をされた人も少なくないと思いますが、アバターを使うメタバースでは、容姿や年齢、性別さえも関係なく、自分の好きな仕事を行うことができるのです。

メタバースのアルバイトを通じて新たな出会いがある

メタバースには世界中から不特定多数の人が同じ仮想空間に集まるため、アルバイトを通じて新たな出会いの可能性も秘めています。

例えば、筆者が参加したメタバースのイベントにはクリエイターやコスプレイヤー、外国のプレスやシナリオライターなど、リアルではなかなか知り合う機会のない人たちが参加しており、彼らと楽しくおしゃべりすることができました。

今ではPCやスマホの翻訳アプリもだいぶ使えるようになってきたため、外国の人とはかえってメタバースの中の方が話しやすいくらい。

メタバースでは誰もがフラットな立場で交流できますから、仮想空間でのアルバイトは自分の世界を大きく広げる貴重なチャンスでもあるのです。

デメリット

では続いて、メタバース内のアルバイトで想定されるデメリットについても見ていきましょう。

メタバースでのアルバイトについては、次のようなデメリットが考えられます。

  1. 現実世界で人との交流が減る         
  2. 仕事相手がどんな人かわからない 
  3. 座りっぱなしで腰が痛くなる         

こうした点に不安を感じる人は、メタバースでのアルバイトについて一度しっかり考えたほうが良いかもしれません。

現実世界で人との交流が減る

自宅で働けるというメタバースのメリットは、裏返すと現実世界での人との交流が減りやすいということを意味します。

これはテレワークでも指摘されている点ですが、在宅ワークではどうしても自宅にこもりっきりになってしまいがち。そのためメタバースでのアルバイトでも意識的に出歩いたり、リアルでのコミュニケーションを取る必要があるでしょう。

またアバターで自分の容姿などを気にせずに働けるというのもメタバースでのアルバイトのメリットですが、これも逆に現実世界での引け目を強化してしまうという恐れが指摘されています。

そのため、メタバースでアルバイトをするときには仮想空間にのめり込みすぎないように注意すること、そして現実世界での人との出会いやコミュニケーションにも積極的に取り組む必要がありそうです。

仕事相手がどんな人かわからない

メタバースでは自分も相手の姿もアバターのため、仕事相手が現実世界ではどんな人かを知ることはできません。

そんなの全然気にならないよ!という人も多いでしょうが、中にはアルバイト仲間や知り合いになったお客さんがどんな人なのか知りたいという人も一定数いるのです。

それには、相手がどんな人か分からないと安心して働けないという不安があるのかもしれません。

これはメタバースのアルバイトならではのデメリットと言えるでしょう。

しかしメタバースに慣れてくると、「アバター=もう一人の自分」という感覚が強くなって、相手が現実世界でどんな人なのかもほとんど気にならなくなります。

アバターだから相手がどんな人か分からない。ではなく、「アバター=その人そのもの」と感じられるようになるでしょう。

座りっぱなしで腰が痛くなる

メタバースでのアルバイトは基本的にデスクワークとなるので、長時間座りっぱなしで腰が痛くなりやすいという点にも注意が必要です。

腰痛対策にはゲーミングチェアなどの長時間座っても疲れにくいイスを用意したり、スタンディングワークを取り入れることなどが有効です。

しかし中には、メタバースでもデスクワークから開放されるアルバイトも存在します。

というのもメタバースによっては、VRゴーグルとハンドトラッキングによって利用者の体の動きを反映させるものもあるからです。

そうしたメタバースでのアルバイトは立ったり動いたりしながらのものとなるため、かえって運動不足の解消になるかもしれません。

|メタバース内のアルバイトを探す方法

ここまででメタバースでのアルバイトの職種や、メリット・デメリットについてお伝えしました。

あなたもきっと、メタバースでアルバイトを始めてみたい!と思われたことでしょう。

でも、メタバース内のアルバイトはどうやって探したら良いのでしょうか?

ここではメタバース内のアルバイトを探す、次の2つの方法をご紹介します。

  1. メタバース専門の求人サイトで探す            
  2. 企業の公式ホームページから応募する

自分に合った方法で、メタバースのアルバイトを探してください!

メタバース専門の求人サイトで探す

現実世界でのアルバイトを求人サイトやアプリで探すように、メタバースのアルバイトも専門の求人サイトで見つけることができます。

新しい時代のジョブマッチングサービス「メタジョブ」

https://www.metajob.jp/

メタバース専門の求人サイトでおすすめなのが、「メタジョブ」。

メタジョブは、メタバースを活用した新たな事業に取り組む企業と、新たな働き方を模索する人とを結びつける、ジョブマッチングサービスです。

三井物産グループから出向した社内起業家(EIR)と、エンジニア、デザイナーなどの専門人材を中心に構成された、新しい時代の新しい働き方を創出するサービスを展開しています。

遠方からの参加や身体的ハンデに左右されず、安心して仕事が可能になります。

上でも紹介した「バーチャル渋谷 au 5G ハロウィーンフェス2021」の運営スタッフの求人も、このメタジョブで募集されていました。

<メタジョブで見つけられるメタバースのアルバイト例>

メタジョブでは以下のような仕事が募集されています。

  • イベント案内

メタバース空間内の機能説明や、イベント会場への誘導など、参加ユーザーがストレスなく楽しめる環境づくりをサポートする仕事

  • ゲームマスター

体験型ゲームにとって重要なキャストとして、ゲームマスターとして参加いただける特殊な仕事

  • リモート接客

WEBサイトやECサイト上で、ユーザーが気軽に質問できる雑談型接客の対応スタッフとして、商品の魅力を語る仕事

それ以外にも多岐にわたる仕事が募集されており、日によって全く違う仕事をすることも可能です。

  • イベント司会・ファシリテーション
  • PR・プロモーション
  • 販売促進
  • 講師
  • その他

メタジョブなら、メタバースでも自分に合ったアルバイトを見つけられるでしょう。

<メタジョブの始め方>

1.無料会員登録

必要事項を記入するだけで簡単に登録が完了します。

2.仕事を探す

オンライン接客やメタバースイベントのスタッフなどの案件の中からあなたに合った仕事を探します。

3.仕事に応募する

空いた時間に働ける短期の仕事からがっつり働ける中長期の仕事まで幅広く募集がかけられています。

もちろんバーチャル空間内に出勤するので、働く場所は自宅や外出先など好きに働けます。

4.アバターになって働く

イベント当日はアバターとしてバーチャル空間で働くことができます。

アバターは既にスタッフ用として用意されている仕事が多いのでPCを開くだけですぐに仕事が始められます。

企業の公式ホームページから応募する

メタバースの仕事の求人は、メタバース事業を行っている企業の公式ホームページからも見つけることができます。

例えば、上で紹介した国産メタバースのClusterを運営しているクラスター株式会社の公式ホームページでは、3DCGデザイナーやUnityエンジニアなど、メタバースのクリエイターを広く募集しています。

またこれも人気の国産メタバース、「XR CLOUD」を提供しているmonoAI technology株式会社の公式ホームページでは、メタバースのクリエイターやサーバーエンジニア、スマホ向けアプリ開発者など多くの職種の募集がなされています。

これらはいずれもアルバイトというよりもフルタイムジョブの求人ですが、メタバースでより本格的に働きたい!という人は、企業のホームページもチェックしてみてください。

|まとめ

「もう一つの世界」としてこれからも発展が見込まれるメタバースでは、そこで働く人をさらに必要としています。

メタバースでは販売スタッフや司会者など、現実世界でのジョブスキルを活かせるバイトだけではなく、案内スタッフやVtuberなど、メタバースならではのアルバイトの求人も珍しくありません。

世界中どこにいても行えて、服装や容姿も気にせずに働ける。しかもこれまで自分と縁のなかった人たちや知らない世界とも繋がれるのが、メタバースでのアルバイトです。

この機会にぜひ、メタバースでのアルバイトを始めてみてください!