日本でも少しずつではありますが、働き方改革が進んでいます。

働く場所や時間に制約を求めないということで、在宅勤務やフレックス制での勤務も近年注目を集めています。

また、イベントも「現地に行く」だけでなく、「オンラインで参加する」という選択肢を取ることができるようになりました。

そこで今回は、メタバースで行う入社式についてご紹介していきます。

来年度以降に開催を検討している方に向けて、メタバース入社式のメリットやデメリット、最新の事例をご紹介します。

最新の事例は2023年度開催のものに絞ってご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。

|メタバース入社式とは

そもそも入社式とは、企業側が新入社員を迎えるだけでなく、「社会人のスタートである」という意識づけのために各企業が開催しています。

その入社式をメタバース上で開催するものが「メタバース入社式」です。

通常、新入社員だけでなく、現職の社員もアバターで参加して新入社員を出迎えます。

形式としては現実と融合させたものもあればメタバースだけで完結させるものもあり、企業によって様々です。

尚、メタバースについては以下記事も併せてご覧ください。

【わかりやすく解説】メタバースとは?注目される理由やビジネス活用例を紹介
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メタバースなんて意味ないって本当?普及しない理由と将来の可能性
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|メタバース入社式のメリット

ここからは、入社式をメタバース空間で行うことでどのようなメリットがあるのかを紹介します。

企業の個性を出すことができる

メタバース空間は現実に比べ、企業ごとの色を出すことができます。

発注先によって異なりますが、空間内のデザインは事業に絡んだものにしたり、オフィスを再現したり、宇宙や雲の上といった普段いけないようなデザインにすることができます。

その他、社員が利用するアバターのデザインや、空間内に設置するギミックなど、あらゆる手段で企業のカラーを出すことが可能です。

これにより新入社員は、その企業への期待を膨らませたり、企業が伝えたいメッセージを感じ取ったりすることができるのではないでしょうか。

場所を問わず参加できる

メタバース上で実施するため、デバイスとインターネット環境があればどこからでも参加することができます。

遠方から参加する場合、交通費や宿泊費などの負担も大きいですよね。

しかし、メタバースの入社式であれば出社の必要がありません。

企業側から見ても経費削減が可能ですので、お互いにとって良い形で開催することができるでしょう。

|メタバース入社式のデメリット

さて、一方でデメリットもあります。

ここからは入社式をメタバースで行うことのデメリットについて解説します。

社員同士が会えない

同じタイミングで入社する新入社員は「同期」として、今後共に働く仲間となります。

入社したばかりでわからないことや悩み事など、新入社員同士だからこそ分かり合えることもあるでしょう。皆さんの新入社員時代はいかがでしたか?

また、これから共に働く先輩や上司にも直接会って挨拶をしたい、どんな人なのか知っておきたいという人もいるでしょう。

現代では「上司ガチャ」という言葉もあり、相性を気にする新入社員も少なくないのではないでしょうか。

メタバースでの入社式では、そんな同期や先輩・上司と顔を合わせることができません。

ですので、入社式前後に顔を合わせる機会を作る、ボイスチャットで交流ができる時間を作る等、企業側は配慮する必要があります。

企業の雰囲気が伝わりにくい

社員全員がメタバース上に会して行うため、会社全体としての雰囲気を掴むことが難しいこともデメリットとして考えられます。

そのため、雰囲気が伝わるようにボイスチャットやアイスブレイクなどで交流の機会を設けたり、企業紹介の映像を作成したり、エリアやギミックで企業の色をきちんと表現したり等、何かしらの形で雰囲気が伝わるような施策を検討しなければなりません。

|【2023年度】メタバース入社式の事例

さて、ここまでメタバースで開催する入社式についてご紹介いたしました。

ここからは、2023年度に開催されたメタバース入社式の事例を3社ご紹介します。

monoAI technology・モリカトロン

システナ

日本IBM

各企業で全く違う雰囲気になっていますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

monoAI technology・モリカトロン

まずは、弊社monoAI technologyの入社式についてご紹介いたします。

弊社では、独自のプラットフォーム「XR CLOUD」を用いたメタバースイベント事業を展開しています。また、テレワークを導入していることから、入社式もXR CLOUD上にて開催いたしました。

こちらは、2023年の入社式の様子です。

正面に大きな桜の木がそびえる特設エリアで、新入社員と100名以上の社員がアバターで参加して入社式が行われました。

正面およびサイドにはモニターが設置され、新入社員がビデオをオンにして挨拶をする、各部署からのビデオメッセージが上映されるなど工夫されています。

在宅勤務ではありますが、雰囲気がお互いに伝わるような入社式になったのではないでしょうか。

システナ

出典:https://www.wantedly.com/companies/systena/post_articles/495418

株式会社システナは、現実×メタバースをMIXさせた新感覚の入社式を開催しています。

エリアはシステナ社内のカフェが宇宙空間の中で再現されており、部署ごとにどんな事業に取り組んでいるのかを紹介したパネルが設置されています。

また、現実でもメタバースでも変わらず辞令交付などを行うこともでき、どちらで参加しても同じ時間・同じ体験をすることができます。

会社としての雰囲気も伝わり、実際にその場にいるかのような体験をメタバース参加でも実感できる工夫がされていますね。

日本IBM

出典:https://twitter.com/IBM_JAPAN/status/1642817707828494341?s=20

日本IBMグループでは近年メタバースで入社式を開催しており、今年も開催しています。

「つなぐ、ひろがる。私たちの未来へ」とテーマに掲げ、新入社員だけでなくご家族も参加することができたようです。

空に浮かぶ会場で実施され、最後には全員でランタンを空に打ち上げています。

日本IBMのメタバース入社式は毎年異なるエリアで開催されており、昨年は海に浮かぶ桟橋をイメージしたエリア、一昨年は宇宙空間を模したエリアでした。

その他にも様々な取り組みにメタバースを利用しています。

|まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は、メタバースで開催する入社式についてご紹介いたしました。

エリア制作により企業の個性を色濃く出すことができ、どこにいても参加することができるため、今後も利用する企業は拡大する可能性があります。

一方で、現実だからこそ味わうことのできる雰囲気やコミュニケーションも存在しますので、そういった課題を解決できるような施策を企業側は検討しなければなりません。

ただ、印象に残るイベントになることは間違いないでしょう。

ぜひ皆さまの企業でも、来年の入社式はメタバースで開催してみてはいかがでしょうか。