インターネット上に構築された現実に近い特徴を持つ仮想空間であるメタバース。

近年、以前より「メタバース」という単語を耳にすることが増えてきました。

自治体、特に地方自治体でこのメタバースを活用することが注目されていることはご存知でしょうか?

その中でも、愛知県の各自治体による取り組みが今とっても盛り上がっています!

この記事では、

「自治体がメタバースを活用してできることは?」

「どのような活用方法があるか知りたい!」

という方に向けて、

・自治体がメタバースを活用するメリット

・愛知県でのメタバース活用事例

などについて詳しく解説していきます。

自治体のメタバース活用に関して、事例を通して具体的に知ることができます。

ぜひご覧ください!

メタバースについての詳細は、以下の記事もご覧ください。

メタバースとは?2024年に入りさらなる注目を集める理由から経済に与える効果までを網羅して解説
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monoAI technologyでは「メタバースを活用してイベント開催がしたい」というお客様に対して、企画から運用まで一貫したコンサルティングを行っております。

弊社で展開しているBtoBメタバースプラットフォーム「XR CLOUD」の特徴、事例をまとめたお役立ち資料もご用意しております。

気になった方は下記からダウンロードしてご活用ください。

|自治体がメタバースを活用するメリット

自治体とメタバース?と想像がつかない方も多いかと思います。

しかし、実はメタバースと自治体はかなり親和性が高く、多くのメリットを生み出す可能性があります。

では、実際どのようなメリットがあるのでしょうか?

ここでは大きなメリット3つとその詳細についてご紹介していきます。

※他自治体での事例については、以下の記事もご覧ください。

自治体のメタバース活用が進む背景とは?2024年の最新事例15選を紹介!
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各自治体の魅力を体験型でPRできる

メタバースの最大の特徴は、観光地や商品などをそのまま仮想空間上で再現できることです。

さらに、時間と距離関係なく手軽にバーチャル空間で観光やショッピングを楽しんでもらい、各自治体の魅力を発信することができます。

これは誘致の他特産品の魅力を発信することもでき、ふるさと納税の促進にも繋がる可能性があります。

従来のECサイトで行われている文章と画像での紹介だけでは、魅力が伝わりきらない場合があります。

特産品やふるさと納税の商品をバーチャル観光地に3Dで配置し、地元の方々がアバターを通してリアルタイムでお客様に魅力を伝える。

そうすることで、まるで実際にその場にいるかのように、観光しながら商品を購入する体験を提供することができます。

その後購入意思のあるお客様はそのまま購入して配送手続きまで完了することも実現でき、認知から購入する行動まで繋げることができます。

観光客や移住者を呼び込める

メタバースの活用により、観光客を呼び込んだり移住者や関連人口を増やすこともできます。

まず、既にいくつかの自治体が地域の魅力を反映したメタバース空間を構築していることから最も想像しやすいのは観光客の誘致ではないでしょうか?

メタバース内の観光地を訪れることで、現地訪問のきっかけになり得ます。

また、定住人口の拡大も期待されます。

メタバースはリモートワークやリモート医療にも利用でき、地方から都会への人口流出を防止すると同時に、都市部からの移住者の増加を見込むことができます。

このように、メタバースは観光客向けPRメディアかつ人口増加のツールとしての活用が注目されています。

メタバース上に文化財を保存できる

自治体によるメタバース活用3つ目のメリットは、地方における文化財のデータ保管です。

メタバースでは、建造物や文化財のデジタルデータを半永久的に保存・管理できます。保存したデジタルデータにより、製造方法や管理方法などを簡単に後世に引き継ぐことができます。

このように、地方の文化財管理者不足という課題に対して、アーカイブツールとしてのメタバースは非常に価値があります。

また、NFT(Non-Fungible Token)と呼ばれる非代替性トークンの販売により、新たな収益や新たな人材との繋がりを得ることもできます。

文化財の保存・促進手段としてのメタバースは、NFT技術と組み合わせることでその有効性がさらに高まります。

地方創生におけるNFTの活用事例とその将来性については、以下の記事で詳しく解説していますので是非ご覧ください!

地方創生にNFTを活用!活用事例と将来性を詳しく解説!
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|愛知県でのメタバース活用事例

これまで挙げてきたメリットによる期待の高まりと同時に、近年メタバースを活用する自治体が増えています。

その中でも、特にいち早く取り組んでいるのが愛知県です。

ここでは、愛知県による具体的なメタバース活用について、事例とともにご紹介します。

名古屋市|様々な取り組みを展開

愛知県の県庁所在地である名古屋市。

その中心にある名古屋駅は1日の利用者数が全国で16位を誇ります。

名古屋市ではメタバース活用を推し進めており、多くのイベントを開催しています。

ここでは、名古屋市の4つの事例をご紹介します。

名古屋駅西側駅前広場メタバース

名古屋駅西側駅前広場は、アジア・アジアパラ競技大会やリニア開業時の来訪者を迎えるために再整備が進行中です。その魅力を伝えるために、2023年11月2日にメタバース空間「名駅西メタバース」が公開されました。

この取り組みは、名古屋市の「Hatch Technology NAGOYA」の一環で、臨場感あふれる新技術で駅前広場を広報するためのプロジェクト「名駅西ノ先」の第一弾です。

随時アップデートされ、生成AIを取り入れた企画なども展開される予定のようです。

かなり忠実に再現されていて、名古屋駅西側駅前広場をよく使われる方はこれだけでどこか分かる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

後ろにはリニアの車両が見えます。個人的にはアバター手前、駐輪場の自転車ラックが再現度高くてお気に入りです!

筆者自身名古屋駅には訪れたことはありませんが、メタバース空間で疑似的に訪れたことで、現地でも場所を案内できそうなほど詳しくなりました。

こちらで無料体験できるので、是非体験してみてはいかがでしょうか。

NAGOYAメタバース図書館

名古屋市図書館は、開館100周年を記念して「NAGOYAメタバース図書館」を期間限定で開催しました。

過去・現代・未来の図書館が再現されており、それぞれのコンセプトに沿ったイベントや仕掛けが楽しめるワールドとなっていました。

お手持ちのPCやスマホからいつでも入館できる手軽さで、ストーリーテリングや流行りのASMRを活用した自習室など、ユニークな体験ができる企画でした。

メタバースでのこれまでにない図書館体験を通じて、本の貸出以上の魅力がある図書館に親しんでもらえるようになったといいます。

現在は体験できませんが、名古屋市図書館の公式YouTubeに紹介動画がありますので、是非ご覧ください!

バーチャル名鉄名古屋ステーション

名古屋鉄道は、新たな事業領域の開拓と先端技術を活用した取り組みを推進しており、その一環として「バーチャル名鉄名古屋ステーション」をメタバース空間でオープンしました。

駅構内だけでなく3500系や1200系電車も精巧に再現され、発着も楽しめる仕様となっていました。鉄道好きにはたまらないですね!

その他、秘蔵写真の閲覧や 「迷駅」と呼ばれる名鉄名古屋駅のエピソード視聴、さらには電車の運転室に乗り込み、音声認識で駅アナウンスを行うことができるゲームなど、3種類のコンテンツが用意されました。

1/1スケールの高精細な再現と、人と列車の行き来で忙しない名鉄名古屋駅をじっくりと体験することができることでX(Twitter)を中心に話題を集めました。

大府市|デジタルミュージアムを開設

愛知県大府市は「バイオリンの里おおぶ」の実現を目指し、「大府市歴史民俗資料館デジタルミュージアム」を開館しました。

戦前にあったバイオリン工房を再現したメタバース空間でバイオリンの製作工程を見学したり、デジタルアーカイブしたバイオリン関連資料を閲覧することができます。

また、イベント広場ではバイオリンのコンサートを鑑賞したりでき、実際に訪れなくても国内でバイオリンといえば大府市という印象を持ってもらうことができる取り組みとなっています。

バイオリン工房では、普段なかなか見ることができない制作工程を見ることができました。

中には空に浮いている大きなバイオリンの上で行うゲームもあり、非現実的なステージで遊びながら、自然とバイオリンの形等について知ることができました。

(ゲームもかなり難しく、クリアしようといつのまにか熱中してプレイしていました。)

また、オープン記念イベントとしてデジタルアート作品の制作や投影などに参加できるイベントを実施し、地元の子供たちにメタバース含めた先端技術に触れてもらう機会を設けました。

岡崎市|岡崎城をメタバースに

現在、withコロナの新たな生活様式の広がりとともに、観光分野でもデジタル化・オンライン化が加速し、XR技術の活用が期待されています。

そんな中、岡崎市は愛知県スマートシティモデル事業「岡崎城1645メタバース×おかふる」を公開しました。

1645年頃の岡崎城を3DCGで復元した「岡崎城1645 EVOLUTION」と岡崎市のECモール「おかふる」を組み合わせた内容となっていました。

2023年の大河ドラマ「どうする家康」でも話題となった岡崎城を、外観から内装まで仮想空間で体験できるものでした。

この取り組みは岡崎市として新たな文化観光の形を見い出し、地域の活性化とブランド力の向上、持続可能な観光地経営を目指す第一歩となりました。

春日井市|県内初となる不登校支援に活用

観光だけでなく、不登校支援などに活用している自治体もあります。

春日井市は、不登校対策として「子どもたちが他者との交流を通じて居場所を作り、意欲を育むことを目指す」学びの場をメタバースに設けました。

心理士や元教員による個別支援や大学生による学習支援、クラブ活動の支援などが行われています。

また、保護者や学校とも連携し、チームで支援することを可能としています。

2023度は無償で全15中学校から各校1人ずつ参加できるようにしており、各校に利用を呼びかけていました。

このサービスを運用するNPO法人「カタリバ」によると、全国で8自治体がこのプログラムを採用しており、今後さらに増加する見込みだそうです。

蒲郡市|メタバースやWeb3の実証実験をスタート

蒲郡市は生命の海科学館をフィールドとしてメタバースやWeb3技術を活用した実証実験を行っていました。

この事業では科学館のコンテンツをデジタル上で体験する機会を増やすことでコミュニティが形成される「ファン・トゥ・ラーン(Fan to Learn)」の実現を目指しています。

古代生物などを学ぶことができるメタバースやデジタルコミュニティの実証実験、デジタルアート制作、NFTを活用したスタンプラリーという 4つの「ファン・トゥ・ラーン」を提供しました。

豊田市|メタバース将来ビジョンを策定

愛知県豊田市は、「豊田市メタバース将来ビジョン」を策定し、メタバースを活用した地域課題の解決を目指しています。

「福祉」「就職支援活動」「教育」の3分野で情報交換会や相談会を行った結果、メタバースが相談のしやすさを向上させることが確認されました。

同市はメタバース活用は行政課題の解決に貢献する可能性があるとして、さらに普及を促進することで活用を進めていく方針を示しています。

また、地域全体で取り組むメタバースプロジェクトとして、他自治体の参考となるモデルケースとして提供される予定です。

|まとめ

本記事では、自治体のメタバース活用と今注目されている愛知県の活用事例について解説しました。

愛知県のいくつもの活用事例からも分かるように、自治体のメタバース活用は魅力のPR、観光客や移住者の誘致、文化財の保存などいくつもの点において期待されています。

それに伴い、メタバースを活用する自治体も増えてきていることで、さらに発展していくと見込まれています。

この記事が、自治体のメタバース活用について理解し、活用イメージが浮かぶための一助となれば幸いです。

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