最近、SNSやネットニュースなどで目にすることの多い「NFTアート」。

しかし、言葉自体は知っていても「NFTアートってなにができるの?」、「アートを売ることができるの?」などの疑問を抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

本記事では、NFTアートの概要から注目される理由、アートの販売方法などをわかりやすく解説しますので是非最後までご覧ください。

|NFTアートとは

NFTアートとは、NFTとデジタルアートを組み合わせたものです。

NFTアートについて理解を深めるためには、まず「NFT」を知る必要があります。

ここからは、わかりやすく説明するため、NFTとNFTアートに分けて解説します。

そもそもNFTとは

NFTとは、「Non-Fungible Token (非代替性トークン)」の略で、アートやゲーム内のアイテムなどの資産に所有者情報を記載し、ブロックチェーンで具現化された信憑性を証明できるデジタル資産です。

例えば、ゲーム内のアイテムやSNSのアイコン、アート、音楽などさまざまなジャンルでNFTが活用されています。

NFTの売買は既に世界中で行われており、最大手のNFTマーケットプレイスであるOpenSeaは2021年8月に先月比10倍となる流通総額3650億円を達成。

2024年現在も30万人以上の月間ユーザー数、8,000万点を超える作品数を誇る世界最大のNFTマーケットプレイスとして多くのNFTが売買されています。

デジタルデータに唯一無二の資産性を持たせることができるNFTは、近年メタバースにおいても活用されているのです。

※なお注意点として、NFTは信憑性を証明できるデジタル資産ですが、著作権を認めるものではありません。

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NFTアートとは

NFTアートとは、NFTの技術をデジタルアートに反映させたものを指します。

NFTを活用することでデジタルアートに唯一無二の価値を持たせることが可能になります。

デジタルアートとは、PCやスマホ、タブレットなどのデジタルデバイスを使って制作されたアートのことで、主にイラストや絵画、音楽などあらゆる作品があります。

これまでのデジタルアートは、簡単にコピー、改ざんができるデータでしたが、NFT化されたデジタルアートは、ブロックチェーン上に記録されるため、偽造が非常に難しくなります。

|NFTアートが注目される理由

「NFTアートが〇億円で高額取引!」などなぜここまでNFTアートが注目されているのか。

ここからは、NFTアートが注目される理由について以下4つの観点から解説します。

・コンテンツの劣化、盗難の心配がない

・公平な取引ができる

・アーティストに適切な収入が入る

・投資対象になる

コンテンツの劣化・盗難の心配がない

NFTアートが注目されている理由の1つは、コンテンツの劣化・盗難の心配がない点です。

現実にあるアート作品は、時の経過とともに少しずつ劣化してしまいます。

また、保管方法を誤ったり、最悪のケース紛失などの恐れもあります。

対して、NFTはデジタルデータのため、劣化することもなく基本的に盗難の心配も少なく安心して保有することができます。

公平な取引ができる

2つめの理由として、誰もが公平に取引を行うことができる点です。

これまでアートの売買は、招待制となっていたり、知名度の高いアーティストのみが出品できるなど、限られた人のみが取引を行える状況で誰でも気軽に参加できるものではありませんでした。

一方で、NFTアートは身分や国籍、知名度などに左右されず、NFTマーケットプレイスにログインすれば誰でも平等にアートの取引を楽しむことができます。

クリエイターに適切な収入が入る

3つめの理由として、クリエイターに適切な収入が入るという点です。

これまでクリエイターが作品を出品するために、ギャラリーなどに手数料を差し引かれクリエイターとして充分な収入を得られなかったり、二次流通市場でいくら転売されてもクリエイターに収入が入る仕組みはありませんでした。

一方で、NFTアートでは、ブロックチェーン技術によりデジタル作品の取引に対して一定の報酬をクリエイターに還元する仕組みを構築できるようになりました。

また、ギャラリーなどを借りなくても、NFTプラットフォーム上に簡単に出品することができる点も魅力のひとつと言えます。

投資対象になる

4つめの理由として、投資対象になるという点です。

NFTアートは、購入したNFT作品の価格変動が比較的大きく、短期間で暴騰・暴落することが多いという特徴があります。

例えば、NFTアートで有名なCryptoPunks(クリプトパンクス)は、リリースされた当初は無料で配布されていましたが、SNSなどを通して話題になると一気に値上がりし、今では1600万円以上の価値になっています。

このような事例から、投資という側面でNFTアートは、短期間で利益獲得が狙えると言えます。

ただし、仮想通貨取引と同様これまでの価格変動や、アーティストが有名になった経緯など詳しくリサーチする必要があるでしょう。

|NFTアートの代表例

ここからは、より具体的にNFTアートを理解していただけるよう代表例を紹介します。

BEEPLE

出典:https://www.christies.com/features/Monumental-collage-by-Beeple-is-first-purely-digital-artwork-NFT-to-come-to-auction-11510-7.aspx

2021年3月に75億円という金額で落札されたことで、大きな注目を集めることになった「 BEEPLE」は、世界で最も有名なデジタルアーティストといわれるマイク・ウィンケルマンが手掛けるNFT作品です。

落札された作品は「 BEEPLE」が10年以上の期間を掛けて集めた5,000枚の作品をコラージュしたものであり、オークションのために製作された特別なもの。

こうした背景もあり高額な価格が付けられ、NFTアートの可能性に世界中が気づくきっかけを与えました。

「 BEEPLE」のアートは世界中の出来事、政治的な発言、文化などをベースが頻繁に使用されます。

そのため視覚的に政治、社会的なコメントを訴えるものであると同時に、アート的な視点からも注目を集めることになるのです。

Bored Ape Yacht Club

出典:https://boredapeyachtclub.com/

「Bored Ape Yacht Club」は通称「BAYS(ベイシー)」と呼ばれ、特徴的な猿人類が描かれた10,000枚限定のNFTコレクションです。

「お金を持て余したサルたちがバーに集まっている」というコンセプトで制作され、それぞれに異なった容姿、ファッションをしている点が特徴です。

こうしたランダム性のあるアート作品は「ジェネラティブNFT」と呼ばれ、機械的なアルゴリズムから生まれる偶然性をベースに制作されます。

そのため、背景や衣装、顔のデザインなど細かい部分が異なるため、複数の個性的な作品が生まれるのです。

中でも珍しいパーツを持った作品は貴重価値が高く、より高額な価格が付けられます。

「BAYS」は世界各国の有名人が保有していることでも知られており、非常に人気の高いコレクションとして知られています。

CryptoPunks(クリプトパンクス)

出典:https://www.larvalabs.com/cryptopunks

CryptoPunksは、2017年にリリースされた24×24サイズのピクセルアート(ドット絵)です。

CryptoPunksのアートは、どの作品もピクセル調で人間の顔を元に作られているのが特徴的です。

最近では、有名インフルエンサーがこぞってTwitterアイコンをCryptoPunksにするなど世界的に知名度が高い作品です。

当初CryptoPunksは無料で配布されていましたが、少しずつ価値が上がり、2024年4月時点での最低価格は約40ETH(約1,800万円)となっています。

CryptoNinja Partners

出典:https://www.cryptoninja-partners.xyz/nft

NFTアートは国内にも数多くの人気コレクションが存在しています。

「CryptoNinja Partners(CNP)」は、ブロガーでインフルエンサーの「イケハヤ氏」と「リツ氏」が中心となって生まれたコレクションであり、国内最大級のジェネラティブNFTコレクションです。

パンダ、とり、へび、うさぎなど動物をモチーフにした個性豊かなキャラクターが特徴であり、現在では単なるアート作品を超えた活動へと展開しています。

各自治体とコラボした取り組み、ファンアートの作成、アニメ、オーナー特典といった幅広い活用が魅力の一つ。

人気の高さは国内だけではなく世界からの注目を集め、2022年5月にリリースされた際は2時間で完売する結果になりました。

村上隆

出典:https://ganverse-media.jp/nft_murakami-flowers-seed/

世界的に有名な現代アーティストの村上隆氏も自身のNFTコレクションを展開しています。

村上氏はInstagramにおいて「26歳で現代アートに出会った時の衝撃をNFTの世界に感じる」と述べるなど、アート界に対する可能性の高さを評価しているのです。

代表作であるお花をモチーフにしたNFTアートは3,000万円近くの値段がつくなど、その注目度の高さがうかがいしれました。

「Murakami.Flowers」として展開するコレクションは世界的にも人気が高く、今後もその注目度は高まっていくことが想定されます。

「自身が亡くなってから動き出すメカニズム」なども含まれており、これまでにないアート作品となることが注目されているのです。

|NFTアートを購入できるプラットフォーム

人気のNFTアートを見ることで、大体のイメージは掴んでいただけたと思います。

続いては、実際に取引をするために必要なNFTアートを購入できるプラットフォームをいくつか紹介します。

Coincheck NFT

出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000025.000021553.html

Coincheck NFTは、仮想通貨取引所のCoincheckが運営する国内初のNFTマーケットプレイスです。

仮想通貨取引所と一体化しているプラットフォームなので、Coincheckの口座を持っていれば誰でも利用することができます。

また、取引所一体型のメリットとして、仮想通貨を入手したらそのままNFTを購入できるという点があります。

運営会社が日本なので、操作画面やカスタマーサポートも全て日本語に対応しているので安心です。

OpenSea

出典:https://opensea.io/ja

OpenSeaは、アメリカ・ニューヨークに本社を構えるOpenSea社が運営する世界最大手のNFTマーケットプレイスです。

さまざまなNFTが取り扱われており、高額な有名アートから最新のトレンドアートまで幅広くチェックすることができます。

NFTマーケットプレイスの中で最も歴史が長く、利用者数もトップクラスであるため、初めてNFTアートの購入を検討している方でも安心して取引していただけるプラットフォームです。

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Adam by GMO

出典:https://adam.jp/

Adam by GMOは、GMOグループ傘下のGMOアダム株式会社が運営するNFTマーケットプレイスです。

大きな特徴としては、銀行振込やクレジットカード決済に対応している点です。

これまでのNFTマーケットプレイスは、決済通貨がイーサリアムなどの仮想通貨となっており、一度日本円を仮想通貨に両替しなければなりませんでした。

一方でAdam by GMOの場合は、仮想通貨を持っていなくても日本円で気軽にNFTを購入することができます。

Rakuten NFT

出典:https://nft.rakuten.co.jp/

「Rakuten NFT」は楽天グループが運営するNFTマーケットプレイスです。

楽天IDを所有していれば誰でも利用できるため、比較的初心者にも利用しやすいことが大きな特徴といえるでしょう。

取り扱うアートはアニメ、デジタルアート、音楽、スポーツなど人気の高いコンテンツが揃っています。

クレジットカードによる決済、さらには楽天ポイントの利用など、楽天経済圏を活用するユーザーにとっても嬉しい特典が盛り沢山。

2022年下旬からはEthereumによる決済にも対応するなど、マーケットプレイスとしての性能をより向上させました。

|NFTアートの作り方

NFTアートの特徴は、どんな制限もなく誰でも作品制作ができ、マーケットプレイスで販売することができます。

極端なことを言えば、デジタルアートや音楽、映像、画像などであれば、どんなものでもNFTアートにできます。

NFTアートの作り方は、実はとてもシンプルで多くのクリエイターは「Photoshop(フォトショップ)」や「Illustrator(イラストレーター)」などの画像加工/作成ソフトを使って、png/jpeg画像をNFT化しています。

専用ソフトを使用する以上最低限のスキルを身に着ける必要がありますが、NFTアートは、技術力だけが評価される世界ではありませんので有名なNFTアート作品などを一度分析してみると良いでしょう。

|NFTアートの売り方

NFTアート作品を作ったら、いよいよ市場で販売してみましょう。

【NFTアートの販売方法】

1.仮想通貨ウォレットを作る

2.NFTマーケットプレイスのアカウントを作成

3.自分の作ったアート作品をアップロード

ざっくり説明すると、上記手順で販売することができます。

1.仮想通貨ウォレットを作る

仮想通貨ウォレットは、仮想通貨のお財布のことを指します。

現実世界でも物を売買する際には、まずお財布が必要になるのと同様に、NFTアートの場合でもウォレットが必要になります。

2.NFTマーケットプレイスのアカウントを作成

NFTマーケットプレイスは、NFTアートを売買するための市場のことを指します。

NFTマーケットプレイスを通して、オンライン上でデジタル作品を展示することになるので、こちらのアカウント開設が必要になります。

最初は、多くの人が利用するOpenSeaがオススメです!

3.自分の作ったアート作品をアップロード

最後に自作のNFTアート作品をマーケットプレイスにアップロードして完了です!

難しい作業はなく、あっという間に作品を販売することができますので是非一度試してみてください。

|NFTアートの将来性

2021年頃を境に急激に知名度を向上させたNFTアートですが、2024年に入り少しその勢いに陰りを感じている方は少なくありません。

長引く仮想通貨市場の冷え込み、一般層へ浸透するために時間を要しているなど、様々な要因が考えられますが、これからNFTアートを購入する際の不安材料になることは間違いないでしょう。

しかし、NFTアートは今後大きく伸長すると一般的に考えられています。

その要因について、以下項目に沿ってそれぞれ紹介します。

  • NFT普及による認知度拡大
  • サブカルチャーコンテンツとの親和性

NFT普及による認知度拡大

現在ほとんどの人が持っている「スマートフォン」ですが、10数年前までは所有者は少数派でした。

多くの人が既存の「ガラケー」からの乗り換えを様子見しており、ボタンのない端末への移行を見送っていました。

しかしiPhoneの爆発的な人気を皮切りに一気にシェアを拡大。

今となっては「ガラケー」を持っている人を見つけるほうが難しい状況になってしまいました。

このように、新しい技術の普及には時間がかかることが当たり前です。

NFTに関しては2021年に注目を集め、現在では数十万人のユーザーがその技術に触れています。

今後様々な取り組みを重ねることで徐々に認知度を拡大し、どこかのタイミングで爆発的に普及することが想定されているのです。

その時、既存のNFTアートの価値向上、新しいビジネスモデルの確立など、様々な可能性が拓けていくでしょう。

サブカルチャーコンテンツとの親和性

サブカルチャーコンテンツでは、トレーディングカードを始めとした希少価値の高いアイテムに高い人気が集まることが珍しくありません。

唯一無二の価値を持つNFTについても同様であり、今後認知度を拡大するにつれて、デジタル空間上でも希少価値の高いアイテムが一般化することが考えられます。

二次流通の簡便性だけでなく、転売対策といった既存の課題を解決する手段としても活用されるでしょう。

このように、現在世界中に普及するサブカルチャーコンテンツとNFTの相性は高く、今後さらなる注目を集めることが想定されているのです。

|まとめ

いかがでしたでしょうか。

本記事では、NFTアートの概要から注目される理由、アートの販売方法などを解説しました。

現状では、アメリカがメインで盛り上がっていますが、今後日本でも爆発的なNFTアートブームが来るかもしれません。

数百円~など少額から取引されているものもありますので、今のうちからNFTアートに触れて、先行者利益を狙ってみるのも面白いかもしれません。

では、今回も最後までお読みいただきありがとうございました!