VR元年と呼ばれる2016年からもう8年が経ち、日常生活の中でも「VR」という言葉を耳にする機会がますます多くなってきました。

VRの発展・普及に伴い、VRを扱った仕事も増えてきました。

しかし、実際にVRに関わる仕事とはどのようなものなのか、具体的なイメージが湧きにくいという方も少なくないと思います。

そこで、本記事ではVRに関わる仕事について知ってもらうため、VR業界で働くエンジニアやクリエイターの仕事内容についてご紹介します!

VRについて詳しく知りたい方は、ぜひこちらの記事も参考にしてみてください。

VR(仮想現実)とは?ARやMRとの違い、仕組み、メリット、できることをわかりやすく解説!
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|VR業界の現状と将来展望

そもそも、VR業界の現状はどのようになっており、また、将来性はあるのでしょうか。

まず、ここではVR技術の普及状況や主な活用分野についてご紹介します。

VR技術の普及状況と市場規模

VR業界の現状については、現時点ではまだ流行っているとは言いにくいものの、デバイスの開発や様々な分野への利用が進んでいます。

2023年2月に発売されたSonyのPlayStation VR2は、4KHDRの映像と最大120fpsのフレームレートを実現しました。

さらに2023年10月に発売されたMetaのMeta Quest 3は、Meta Quest 2に加えて2倍のグラフィック処理性能を実現しました。

このようにVRデバイスの開発は日々進んでおり、より私たちが利用しやすいものに改善されていくとともに、広く普及していくことが予想されます。

また、利用されている分野について、エンターテインメントや不動産、医療、観光、教育、その他幅広い分野で活用されており、市場規模も年々拡大しています。

VRが活用されている主な分野

ここでは、VRの技術がどのような分野において利用されているのか、具体的にご紹介します。

まず、VR技術が広く普及している分野としてエンターテインメントが挙げられます。

その中でも特にゲームの分野で普及しており、Meta QuestのようなVRゲーム機、その他PCやスマートフォン用のVRゲームコンテンツが楽しまれています。

また、不動産の分野においても、建物の内見などに利用されます。

現地へ直接行かなくても物件を見学することができるため、移動のための時間や手間を省くことができます。

観光分野においても利用されており、顧客にVRによって観光地を疑似的に体験してもらい、実際に行ってみたいという気持ちを持ってもらうことで誘致をしています。

観光地だけでなく、VRによってホテルを事前に確認することも可能になったため、より好みに合ったホテルを選ぶことができます。

その他にも、教育分野ではインターネット上の仮想スクール、製造業の分野では日産自動車がVR空間での新車発表、試乗会を開催したなど、様々な分野にわたって活用されています。

今後の成長予測と新たな応用分野

2024年現時点では、VRは流行っているとは言いにくい状況かもしれませんが、果たしてVRは今後流行するのでしょうか。

100%流行るとは言えませんが、2024年の世界のVR市場は前年比46.4%、国内市場も前年比67.4%を記録しており、すでにVRが市場で確固たる地位を築いているということが分かります。

加えてVRの認知度も年々高まっていて、利用者の多くが継続利用を希望しており、VR市場は今後も大きく成長するでしょう。

これに伴って、現在はまだVRが活用されていない新たな応用分野への導入が進み、より日常生活での利用が拡大するでしょう。

|VRエンジニアの仕事内容とキャリアパス

VRが導入されている分野やVRの将来性について紹介してきましたが、職種ごとの仕事内容やキャリアパスはどのようになっているのでしょうか。

ここからはまず、エンジニアの仕事内容について具体的にご紹介していきます。

VRエンジニアの役割と仕事内容

まず、VRエンジニアと一言でいっても、細かくサーバーサイドエンジニアとクライアントサイドエンジニアに分けられます。

サーバーサイドエンジニアは、VRコンテンツのプレイ時に発生する膨大なデータをサーバー上で処理するシステムを開発します。

サーバーの他にもデータベースの設計、通信システムの設計、開発などを行う職種になります。

一方、クライアントサイドエンジニアは、ハードウェアのゲームデータプログラムを開発します。

PlayStation VRやOculus Riftなどのシステム構築やプログラミング、テスト運用までの一連の業務を行います。

必要なスキルと資格

次はエンジニアの必要なスキルについてご紹介していきます。

サーバーサイドエンジニアについては、PHPやRubyなどのプログラミング言語のスキルを必要とされるケースが少なくありません。

また、ApacheやMySQLなどを用いた開発経験が必要とされるケースもあります。

クライアントサイドエンジニアについては、UnityやUnreal Engineなどのツールが利用されるため、C言語やC#、C++、JavaやJavaScriptのようなプログラミング言語のスキルが求められます。

クライアントサイドに関しては、家庭用ゲームの開発経験が求められる場合もあります。

キャリアパスと成長の機会

以上のことから、エンジニアには専門的なプログラミングのスキルや開発経験が求められることが多いという印象を受けます。

そのため、必ずしも新卒やアルバイトとしてVRエンジニアを目指すのではなく、経験を積んだうえでVRエンジニアに転職をするといったことを視野に入れるのも良いかもしれません。

また、VRに関する学科がある専門学校、VRに対応したプログラミングスクールも増えてきているため、このような場で経験を積むというのも良いかもしれませんね!

|VRクリエイターの仕事内容とキャリアパス

以上、エンジニアの仕事内容やスキルについて紹介してきました。

ここからは、VRコンテンツの企画や制作に関わるVRクリエイターの仕事内容について具体的にご紹介していきます。

VRクリエイターの役割と仕事内容

本記事では、VRクリエイターとはプランナーやデザイナーの職種を指します。

まず、プランナーの仕事内容は、主にVRコンテンツの企画を行います。

ユーザーにどのような体験をしてもらいたいかを考え、その体験を与えるためにVRコンテンツの内容をどうするのが良いのかを設計していきます。

デザイナーの仕事内容としては、主に3D空間の制作が挙げられます。

具体的には、3DCG制作用のソフトを利用してキャラクターのモデリングやアニメーション、背景やエフェクトの制作を行います。

特に、VR空間ではCGの映像が360°に渡って展開されるため、360°のCG映像の制作を行うことになります。

必要なスキルと資格

次は、VRクリエイターとして仕事をするうえで必要なスキルについて説明します。

VRは比較的新しい業界であるため、プランナーは今までにないような先進的な視点でコンテンツを企画することが必要になります。

また、プランナーはどのようなコンテンツにしたいかをエンジニアやデザイナーに伝える立場でもあり、他の職種と円滑に作業を進めるためにコミュニケーション能力が求められます。

デザイナーについては、キャラクターや背景を制作するため、BlenderやMayaなどの3DCG制作ソフトを使いこなせるようなスキルが求められます。

また、VR開発においてよく用いられるUnityなどの専門スキルも身に着けておくと、業務をよりスムーズに行うことができます。

キャリアパスと成長の機会

VRクリエイターとして仕事をするために必要なスキルについて説明しましたが、これらのスキルを身につけるにはどのようなことをするのが良いのでしょうか。

プランナーについては、3Dゲームの開発経験がある人であれば、VRコンテンツの開発でも活躍できる可能性が高まると考えられます。

また、様々なアイデアを出すことが求められるため、既存のVRコンテンツに触れてみて、アイデアの引き出しを増やしておくのも良いかもしれませんね!

デザイナーについては、3DCG制作ソフトを使いこなせるようなスキルが求められるため、専門学校やセミナーなどで専門的なスキルを身に着けるのも良いと思います。

また、VR映像のCG制作は通常のCG映像の制作の技法と同じであるため、他のゲーム会社などで3DCG制作の経験を積んだ後に、VR関連の仕事に転職することも視野に入れてみてはいかがでしょうか!

|VR業界の最新トレンドと将来の可能性

一般的にVRというと、ヘッドマウントディスプレイを使用して視覚的なフィードバックを得るものを想像する人がほとんどであると思います。

しかし、現在視覚や聴覚以外の五感である触覚や嗅覚、味覚などへのフィードバックを行う技術の開発が進んでおります。

触覚については、ハプティクス技術によって人工的に触覚を再現して提示することで、例えばVR空間内にある物体に実際に振れたような感覚を得ることができます。

嗅覚については、プログラムされたタイミングで特定のカートリッジから香料を出し、嗅覚にフィードバックを与えることで、より没入感を高めることができます。

そして現在はあらかじめ用意された香料だけでなく、不特定、単一的ではない香りを生成する技術の開発が進んでおります。

味覚を刺激するためのVR技術も進歩しており、例えば基本五味を感じられる電解質で作られたゲルを舌に接触させて、電気を通すことで味を再現するといったものも開発されております。

このように、VR技術で視覚や聴覚以外の感覚にもフィードバックを与えられるようになれば、さらにVR空間への没入感が高まるため、VRの可能性が広がりそうですね!

|VRがもたらす社会的影響と課題

ここでは、VRが私たちに及ぼす影響や抱えている課題についてご紹介します。

まず、私たちに及ぼす影響としては視力の低下が挙げられます。

VRデバイスのディスプレイから放出されているブルーライトは、目の疲れを引き起こし、視力に影響を及ぼす可能性があります。

視力の低下を防ぐために長時間の利用は避け、定期的な休憩を取るなどの対策をすることをお勧めします。

また、VRがより広く普及する上で、コスト面やデバイスの重量面での課題があります。

コスト面については、デバイスによって価格は様々であるものの、例えば現在販売されているMeta Ques t3は7万円以上するなど、まだ気軽に手に入るとは言いにくい状況です。

重量については、 近年VRデバイスの軽量化は進んでいるものの、長い時間装着するには身体への負担が大きいという課題があります。

|まとめ

今回は主にVRに関わる仕事について、特にエンジニアやVRクリエイターに焦点を当ててご紹介しました!

それぞれの職種の仕事内容や求められるスキル、キャリアパスについて少しでも理解を深めていただけたでしょうか。

また、VRデバイスの開発や新たな様々な分野への導入が進んでおり、VR市場は今後さらに拡大していくと予想されます。

しかし、VR市場の拡大にはコスト面やUX面の課題もありますが、さらに低コスト化、VRデバイスの軽量化が進めば、より気軽に購入できるようになります。

今後成長が期待されるVR業界で仕事をしたいと考えている方は、本記事を少しでも参考にして頂ければと思います!

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