OpenXR(オープンエックスアール)は、VR、ARなどの最新視覚技術のアプリケーションとデバイス間のアクセスに関するオープンでロイヤリティフリーの規格です。
OpenXRによる標準化が進むことでどのようなメリットが得られるのでしょうか。
本記事では、OpenXRの概要と導入メリットなどをわかりやすく解説しますので是非最後までご覧ください。
目次
|OpenXRとは
出典:https://www.khronos.org/api/index_2017/openxr
OpenXR(オープンエックスアール)とは、VR、ARプラットフォームデバイスやアプリ間の仕様を統一し、プラットフォームごとの最適化の手間を減らすための標準仕様のことで、アプリ開発者とハードウェアベンダーの両方が得する仕組みになっています。
OpenXRは、2017年2月に行われたGame Developers Conference 2017にて、クロノス・グループが発表しました。
“OpenXR seeks to simplify AR/VR software development, enabling applications to reach a wider array of hardware platforms without having to port or re-write their code and subsequently allowing platform vendors supporting OpenXR access to more applications. With the release of the OpenXR 1.0 specification, AR/VR developers can now create true cross-platform XR experiences.”
原文引用:https://www.khronos.org/api/index_2017/openxr
「OpenXRは、AR/VRソフトウェア開発を簡潔化することを目指しており、コードを移植したり書き直したりすることなく、アプリケーションが幅広いハードウェアプラットフォームに到達できるようにし、その後、OpenXRをサポートするプラットフォームベンダーがより多くのアプリケーションにアクセスできるようにします。OpenXR1.0仕様のリリースにより、AR/VR開発者は真のクロスプラットフォームXRエクスペリエンスを作成できるようになりました。」(抄訳)
|これまでのAR/VR技術の標準仕様とは
AR/VR技術の標準仕様とは、AR/VRデバイス対応機器やソフトであればどこのメーカーでも同じように動かすよう保証するものです。
ここでは、従来の標準仕様による開発者や消費者への影響について、具体的に紹介します。
開発者への影響
現在AR/VRデバイスやプラットフォームは多くの企業で開発されており、それぞれに自社専用のソフトウェアやエンジンが搭載されているため、デバイスAとデバイスBが、同じアプリを起動するという使用方法はサポートされてきませんでした。
そのため、アプリケーションの各プラットフォーム、各デバイスへの対応へのコストが掛かるなどの影響があります。
消費者への影響
消費者への影響としては、デバイスごとに規格が異なるため、それぞれできることには制限がかかってしまうなど消費者への悪影響がありました。
また、Aデバイスを持っているのに、遊びたいアプリが、Bデバイス限定対応になっていると、VRデバイスを2つ購入する必要があるなども考えられるでしょう。
|なぜ OpenXR を使うのか?
前述した通り標準仕様では、あまりにも課題が多いことが理解できたと思います。
では、それらを解決するために「OpenXR」が解決できるポイントとは、どのようなことなのでしょうか。
OpenXR を使用した場合、異なるプラットフォームの多種多様な XR デバイスランタイムにコードを一度作成するだけで、さまざまなハードウェアプラットフォームに移植することが可能になります。
つまり、プラットフォームごとにソースコードを用意することが不要になるということです。
OpanXRを使用することでデバイス開発者は、プラットフォームごとの対応が容易になったり、プラットフォーム開発者は、デバイスドライバごとのランタイム対応が容易になるなど、アプリケーションの移植性が向上し、様々なプラットフォーム、デバイスに対応したコンテンツを提供することが可能になります。
|Open XR導入のメリット
ここからは、Open XRを導入することで得られるメリットについて具体的に解説します。
コストパフォーマンスの改善
OpenXR対応のVRデバイスであれば、どこのメーカーのソフトウェアでも自由に楽しむことができるため、自分が持っているVRデバイスだけで豊富なアプリを楽しむことが可能になります。
「高級なおもちゃ」としてのVRデバイスが、OpanXRの普及よって市場自体が盛り上がる可能性もあるでしょう。
開発環境の改善
OpenXRの標準化の普及によって、各アプリケーションのコードが均一化され、各デバイスごとの書き換えが不要になり開発者の時間とコストの軽減につながります。
各メーカーがOpenXRに対応すれば、アプリ開発のスピード向上が期待できます。
新しい視覚技術にも応用可能
OpenXRは、VRやARだけでなく、MRにも応用が可能とされており、実際にマイクロソフトは自社のMRデバイスであるWindows Mixed RealityヘッドセットへのOpen XR対応を発表しています。
|まとめ
いかがでしたでしょうか。
本記事では、OpenXRについての概要と導入メリットなどを解説しました。
OpanXRによって、仕様が標準化されることで得られるメリットは開発者や消費者にとって多くあります。
VRヘッドセットのOculusが「OpenXR」へ正式対応するなど、これからの新しいVR体験が楽しみですね!
では、今回も最後までお読みいただきありがとうございました!