VRChatは、ユーザー同士が仮想空間で交流できるソーシャルプラットフォームです。
このプラットフォームではユーザーが自由に3Dアバターを作成して操作し、様々なワールドを探索したり、ほかのユーザーと会話を楽しんだりすることができます。
そんなVRChatの大きな特徴の一つである、アバターのカスタマイズにおいて、PC版でのアバター容量の制限に関するルールが厳格化されることが決まりました。
今回の記事では、アバター容量制限の最新情報から効率的な対策についてご紹介します。
monoAI technologyでは「メタバースを活用してイベント開催がしたい」というお客様に対して、企画から運用まで一貫したコンサルティングを行っております。
弊社で展開しているBtoBメタバースプラットフォーム「XR CLOUD」の特徴、事例をまとめたお役立ち資料もご用意しております。
気になった方は下記からダウンロードしてご活用ください。
目次
|VRChatのアバター容量制限とは
アバター容量制限という言葉は、一部の人には馴染みが薄く、具体的な意味や原因が理解しづらいかもしれません。
ここからはアバター容量制限の仕組みと、容量制限を超えた場合に課されるペナルティについてご紹介します。
容量制限の仕組み
VRChatのアバターには、ゲームのパフォーマンスを維持し、ユーザーが快適にプレイできるようにするための容量制限(パフォーマンス基準)が設けられています。
よって、重いバターや複雑すぎるアバターが管理されています。
具体的にはポリゴン数、テクスチャのサイズ、シェーダーの種類によってアバターの容量は決まります。
アバターのメッシュ(ポリゴン構造)はポリゴンで構成されており、ポリゴン数が多いほどアバターは詳細になりますが同時に負荷も増えます。
また、テクスチャはアバターに使用される画像のことであり、テクスチャの解像度もパフォーマンスに影響を与えます。
テクスチャもポリゴンと同じく、高解像度のテクスチャは詳細な見た目を実現しますが、その分データ容量も増加します。
これらの容量制限によってユーザーは自身のアバターのパフォーマンスを理解し、調整することが奨励されています。これにより、より快適なVRChat体験が維持されます。
容量超過時のペナルティ
アバターの容量を超えた場合、いくつかのペナルティや制限が課されます。
これらのペナルティは、ほかのユーザーやシステム全体に対する負荷を軽減するためのものであり、様々な形で適用されます。
アバターの容量を超過すると、ワールド内での制限が発生します。
一部のワールドではアバターの容量基準が厳格に設定されており、ポリゴン数やテクスチャの容量を超えたアバターは特定のワールドに入ることができない場合や、入ってもそのワールド内での表示や動作に制限がかかる場合があります。
さらに、アバターにはパフォーマンスの基準でランクが設定されており、「Very Poor(非常に悪い)」に分類されると、ほかのユーザーにはデフォルトでは表示されなくなります。
|アバター容量制限を超えるための最適化テクニック
アバターの容量制限の仕組みやペナルティについて理解しましたら、実際に超えないようにするための最適化テクニックについてご紹介します。
ポリゴン数の削減
アバターの容量を抑えるために、最初に取り組むべき手段はポリゴン数の削減です。
ポリゴン数を減らすことは、他の最適化に比べて大きな削減効果が期待できる方法です。
以下で、ポリゴン数の削減について詳しくご紹介します。
アバターには、目には映らない場所にもポリゴンが存在しています。
それらの細かい部分や見えない部分を削除することで、全体のポリゴン数を減らしましょう。
これらの部分は見えない部分のため、削除しても外見にはほとんど影響がありません。
さらに、3Dモデルの複雑な凹凸や形状を、テクスチャやノーマルマップを使って表現することでポリゴン数を抑えることも可能です。
テクスチャの最適化
テクスチャが大きすぎるとアバターのデータ容量が増加し、表示に時間がかかってしまいます。
以下ではテクスチャを最適化するための方法をご紹介します。
アバターの容量を削減しつつ、見栄えを確保するためには、アバターの各部分に対して解像度を1024×1024ピクセル以下のテクスチャを使用するのが理想的です。
また、ポリゴンと同様、必要のない部分を削除することも重要です。
テクスチャの場合は、透明な部分も同じく容量を使用するため、透明な領域が多い場合はそれらを削除して軽量化することが望ましいです。
さらに、複数のテクスチャを一つのテクスチャシートにまとめる「アトラス化」を行うことで、マテリアルの数や読み込みのコストを減らすことができます。
|2024年の最新アップデートで何が変わったか?
日々ユーザー数が増えるVRChatで全プレイヤーが快適にプレイするために、最新アップデートで新たに追加された容量制限ルールについてご紹介します。
2024年の最新アップデートにより、非圧縮サイズに関する新しい制限が導入されました。
これにより、サイズが大きすぎるアバターは公開ロビーでの使用が制限されるようになりました。
この制限は、過度に大きなアバターがゲームのパフォーマンスを低下させる原因となることを防ぐために設けられました。
また、2024年に行われるイベントでは、アバターのパフォーマンスが少なくとも「Medium」ランクである必要があります。
この制限は、特にモバイルユーザーに対して、より最適化されたゲーム体験を提供するために強化されました。
|シェーダーとアニメーションの最適化
アバターの容量制限を超えないためのシェーダーとアニメーションの最適化方法はパフォーマンスを維持しながら表現力を損なわないようにするために重要になってきます。
シェーダーの最適化
シェーダーはアバターの外観を決定しますが、複雑なシェーダーは描画コストが高く、パフォーマンスに影響します。これから紹介する方法でシェーダーを最適化しましょう。
VRChatでは、標準のシェーダー(Standard Lite Shader)や他のカスタムシェーダーを使用することで描画コストを抑えることができます。
ただし、リアルタイムの影や複雑なエフェクトが多いシェーダーは、使用を避ける方が望ましいです。
また、アルファブレンド(透明度を持つ)の素材は描画に負担がかかるため、できるだけ避けるか、使用を最小限に抑えることが重要です。
代わりに、アルファテストを使用して透明度を管理することで描画負荷を軽減できます。
これにより、透明素材における描画の負荷を最小限に抑えながらも、見た目においては透明度を適切に表現することが可能となります。
アニメーションの最適化
アバターに多くのアニメーションが含まれていると、パフォーマンスが悪化する可能性があります。
これから紹介する方法でアニメーションを最適化しましょう。
一番大事なのは何度も書いているのでもうお分かりかもしれませんが、不要なアニメーションの削除です。
そのほかには、アニメーションのキーフレームを減らすという方法もあります。
アニメーションのキーフレームを削除することで、動作をスムーズに保ちながら容量を節約できます。
同じ動きを繰り返す場合は、長いアニメーションデータを保存せずに、短いアニメーションをループさせることで容量を節約する方法も使ってみましょう。
|まとめ
いかがだったでしょうか、VRChatは急速に人気が高まっているゲームであり、アバター容量制限に関する概要とその対策についてご紹介しました。
アバター容量制限は、このプラットフォームを快適に動作させるために必要な制約です。
それぞれのプレイヤーがこれらのルールを守ることで、皆さんが快適にプレイできる環境が実現できます。
今後、ユーザー数が増えるにつれてさらなる制限が追加される可能性もありますが、これらのルールは遊ぶ環境を整えるために必要ですので、従うことが重要です。
ぜひ、今回ご紹介した容量制限を突破するための最適化テクニックを活用して、皆さんが効率的に容量管理を行い、快適なVRChatライフを楽しんでください。
monoAI technologyでは「メタバースを活用してイベント開催がしたい」というお客様に対して、企画から運用まで一貫したコンサルティングを行っております。
弊社で展開しているBtoBメタバースプラットフォーム「XR CLOUD」の特徴、事例をまとめたお役立ち資料もご用意しております。
気になった方は下記からダウンロードしてご活用ください。