メタバース空間でイベントやゲームを楽しむ際に、必要になってくるのが3Dアバターです。

VRMとは、株式会社ドワンゴが提供するオープンソースの人型3Dモデル用ファイルフォーマットで、VRMファイルで作成された3Dアバターで様々なメタバース空間を楽しむことが可能になります。

本記事では、VRMの概要とVRM形式の3Dアバター作成方法などを紹介しますので是非最後までご覧ください。

|VRMとは

出典:https://vrm.dev/#

VRMとは、VRアプリケーション向けの3Dモデルデータを扱うためのファイルフォーマットです。

人型のキャラクターやアバター専用のファイルフォーマットで、プラットフォームに依存せず、さまざまなアプリで同じデータを使うことができます。

従来の3Dデータでは、アプリごとにフォーマットに違いがあり、同じキャラクターを他のアプリで使用した場合、アプリごとに3Dデータを作り直す手間が生じていました。

そこでVRMを活用し、人型のキャラクター、3Dアバターの細かなモデルデータの差異を吸収統一することで、複数のアプリケーション間で同じ3Dモデルを取り扱うことが可能となりました。

また、VRMは日本最大級の動画サービス、ニコニコ動画を提供している株式会社ドワンゴが2018年4月に発表し、以降オープンソースとして公開されています。

|VRMのメリット

3Dモデルの利用や作成において、VRMは様々なメリットがあります。

ここからは、大きく分けて以下2つの観点からVRMを活用するメリットを紹介します。

・シームレスにアバターの移動が可能

・オープンソースで公開されているため、だれでも利用できる

シームレスにアバターの移動が可能

まず1つ目が、シームレスにアバターの移動が可能という点です。

VRMは、非依存のファイルフォーマットなので、複数のサービスで同じアバターを使うことができます。

例えば、ゲームAで使ったキャラクターを、ゲームBでも使用することができるということです。

どんなアプリケーションやゲームでも自分のお気に入りのキャラクターやアバターを使用することができる点は、VRMのメリットと言えます。

オープンソースで公開されているため、だれでも利用できる

2つ目は、オープンソースで公開されているため、だれでも利用できるという点です。

VRMは、「UniVRM」というUnity向けのVRMファイルの読み書きを行う拡張エディターを公開しています。

VR空間の作成などでよく利用されている「Unity」を活用している人であれば、誰でもVRMファイルを作成することができます。

|VRMデータを作る方法

VRMデータを作成するには、いくつか方法があります。

3Dモデルデータを作るのに慣れている方は、Unityで.fbx形式からコンバートする方法がやりやすいかもしれません。

初めて3Dモデルデータを作る方は、ピクシブ株式会社が提供している「VRoid Studio」がおすすめです。

VRoid Studioでは、あらかじめ人型のモデルが用意されており、髪型や肌の色、身長などを直感的な操作で3Dモデルを作成することができます。

その他にも株式会社ドワンゴと株式会社S-courtが提供している「カスタムキャスト」というスマホ向けアプリで簡単にVRMデータを作ることができます。

|VRM対応のプラットフォームやサービス

ここでは、VRM対応のアプリやプラットフォームをいくつか紹介します。

バーチャルキャスト

出典:https://virtualcast.jp/

バーチャルキャストは、株式会社ドワンゴと株式会社インフィニットループが共同で開発・提供しているVRライブ・コミュニケーションサービスです。

VRヘッドセットを装着して、自分のアバターとなる3Dキャラクターを作ったり、仮想世界内でアバターを動かして、誰でも手軽にライブ配信を行うことができます。アバターのデータ形式としてVRMを利用することができます。

ニコニ立体

出典:https://3d.nicovideo.jp/

ニコニ立体は、株式会社ドワンゴが提供している3Dモデル投稿プラットフォームです。

ユーザーは自作の3Dモデルを投稿したり、他ユーザーが投稿した3Dモデルを360度回転させて自由に鑑賞することができます。

3Dモデルデータはニコニ立体内で配布することができる他、二次創作の派生関係(親作品・子作品という概念)を管理する機能「コンテンツツリー」に登録することができます。

VRoid Studio

出典:https://vroid.com/

VRoid Studioは、ピクシブ株式会社が提供しているオリジナルキャラクターを簡単に作れる3Dキャラクター制作ソフトウェアです。

3Dモデリングの知識がなくても、直感的な操作でハイクオリティのオリジナルキャラクターを作ることができます。

作成した3Dキャラクターは、VRM形式で出力することができます。

cluster

出典:https://cluster.mu/

clusterは、クラスター株式会社が提供しているメタバースプラットフォームです。

clusterでは、さまざまなバーチャルイベントが開催されていますが、2018年4月よりカスタムアバターとしてVRMファイルの3Dアバターを使って、仮想空間を楽しむことが可能になりました。

3tene(ミテネ)

出典:https://3tene.com/

3teneは、株式会社プラスプラスが提供するバーチャルYouTuber向けのアプリです。

操作がとても簡単且つ機能性に優れており、はじめてVTuberに挑戦する人に人気のサービスとなっています。

Webカメラを使用して顔認識により顔の向きやまばたき、マイク入力からリップシンクにより唇の動きを3Dアバターに反映することができます。

3teneは、VRMファイルの3Dアバター読み込み、操作することが可能となっています。

VDRAW

出典:https://sites.google.com/view/vdraw/

VDRAW は、創作・開発系VTuberのおぐら氏が開発した個人でも「マウスとキーボードのみ」でVTuberになれるアプリです。

PCで行なっているあらゆる作業を3Dキャラクターが行なっているように表現できるツールです。

例えば、「絵を描く」という作業を、あたかも3Dキャラクターが絵を描いているように見せることで、イラストのメイキング配信を行うことができます。

こちらも、オリジナルのVRMファイルの3Dアバターを使用することが可能です。

Hitogata

出典:https://sites.google.com/site/vhitogata/

Hitogataは、3DCGムービー制作ソフト「MikuMikuDance」(MMD)の関連ツールやMMDユーザーモデルの開発を行うMogg氏が開発したバーチャルYouTuber向け3DCGソフトです。

WebカメラをPCに接続するだけで、顔を認識して3Dモデルに動きを反映させることができます。

簡単操作でアバターを作成することもできますが、オリジナルのVRMファイルの3Dアバターを使用することも可能です。

|まとめ

いかがでしたでしょうか。

本記事では、VRMの概要とVRM形式の3Dアバター作成方法などを紹介しました。

VRM形式でオリジナルの3Dアバターを一つでも作成すれば、数あるメタバースプラットフォームを楽しむことができますよ。

メタバースライフを充実させたい方、VTuberを目指している方は、VRM形式のアバターを作るのがオススメです。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました!